『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』あるプレイヤーの体験記 追い込まれて目覚める、眠れる闘争心
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『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』
先日、イカゲームから生還したのでその記録を記したいと思う。『イカゲーム』って社会現象にもなったNetflixの大人気ドラマでしょ?と言われるかもしれない。でもこれは現実に、2026年の渋谷・東急プラザ3Fで筆者が体験した出来事だ。そうだ……、ゲームの主催者たちは『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』と呼んでいたような気がする。確か、会期は2026年7月20日(月・祝)までだとか……。
ようこそプレイヤーの皆さん
全ては、受付で “あの名刺” を受け取ったのが始まりだった。おでんのような、マル、サンカク、シカク。それから、番号の振られた緑色のリストバンドを着けるよう言われた。
名刺とリストバンド
ここからは「370番」というリストバンドの番号が私の名前になった。ゲーム開始を前にして、心は子鹿のようにプルプルである。
先輩プレイヤーである「456番」からのメッセージムービー
勝ち残るべきゲームは6つ。「TUG OF WAR(綱引き)」「MARBLES(ビー玉遊び)」「MEMORY STEP(ガラスの橋)」「RED LIGHT,GREEN LIGHT(だるまさんがころんだ)」「ROUND&ROUND(椅子取りゲーム)」「THE LAST SUPPER(最後の晩餐)」だ。
顔をスキャンしてプレイヤーとして登録。この後けっこう何度もこの顔を見ることになるので、一発撮りだができるだけイイ顔で写っておきたい。
まずはゲームのナビゲーターであり審判だという快活なスタッフが現れて、「本当にゲームに挑むのか」と意思確認をしてきた。そう、このゲームは強制ではないのだ。その場に集まった10名ほどには各々のっぴきならない事情があるのだろう、全員が参加の意思を示した。もちろん、報道魂に燃える私もだ。
BANK ROOM(寮エリア)
続いて『イカゲーム』シリーズの寮を再現したエリアにて、ゲームの趣旨が説明された。あまたの人間ドラマの舞台となったこの部屋に居るだけで、どうにも落ち着かないし、なんならちょっと怖い。プレイヤーたちの緊張と期待が高まる中、いよいよゲームの始まりである。
引いて引いて引きまくれ!
最初のゲーム「TUG OF WAR(綱引き)」は、チーム対抗で行われる綱引きバトルだ。プレイヤーはふたつのチームに分かれて、その上で1対1の綱引きを行う。といってもここで行われるのはノーマルな綱引きではなく、各プレイヤーが制限時間内に綱をどれだけ引っぱり出せるか、という己との戦いだ。それなら性別や体格差があっても戦えそう……と喜んだものの、焦る手元から綱がうねうねと逃げてしまい、いざやってみると意外と難しい。
「TUG OF WAR(綱引き)」
最終的な勝敗はチームごとのスコアで決まるので、たとえ個人で負けても、チームの合計スコアさえ高ければ勝つことができる。筆者のいたチームは残念ながら負けてしまい、第1のゲームでポイントを獲得することはできなかった。Netflixで見た『イカゲーム』ならもうここで即死だったかと思うと、やり切れない。
指先に全神経を集中
第2のゲームは「MARBLES(ビー玉遊び)」だ。ビー玉をテーブルに投げ入れて中央の図形の中に入れられれば成功で、他プレイヤーが失敗したぶんのビー玉を獲得できる。制限時間内に手持ちのビー玉が無くなったら脱落、最終的に多くのビー玉を残したものが勝ちだ。非常にシンプルなルールながら、先ほどのチーム戦とは打って変わった個人戦で、文字通り“タマの奪い合い”である。ゲーム中、どのテーブルでも悲喜こもごもの声が飛び交っていた。
「MARBLES(ビー玉遊び)」
筆者はこのゲームが向いていたようで、同テーブルの他プレイヤーからビー玉を巻き上げて勝ち上がることができた。その時の心情は、素朴に「よっしゃあ!」である。まわりの人を出し抜いて勝てたことが気持ちよく、妙な脳内物質が出てしまったのかもしれない。追い込まれた人たちはこうして「あと1ゲームだけ勝ってから」とゲーム続行を希望してしまうのだろう。なんだかゲームの恐ろしさを垣間見たような気がした。
ドキドキの中間発表
第2ゲーム終了後に審判に連れられて入った別室では、この時点でのプレイヤーランキングを見せられた。現在7位という数字に大きく動揺……「まだここからでも皆さん挽回可能です」と言われるが、本当だろうか? ともあれ戦意喪失はそのまま敗北を意味するので、なんとしても食らいついていこう、と決意を新たにするのだった。
高難易度の記憶力ゲームに挑戦
「MEMORY STEP(ガラスの橋)」
第3のゲーム「MEMORY STEP(ガラスの橋)」はプレイヤーの記憶力が試されるゲームだ。それぞれの目の前に延びる列のうち、どこが“踏んでいいタイル”なのか、わずか1秒で記憶して進まなければならない。間違ったタイルを踏んだ瞬間に脱落である。ドラマのようにガラスが割れて真っ逆さま……にはならないものの、微かな記憶だけを頼りに進む緊張感はかなりのものだ。しかも一歩ずつ進むごとに、審判が「ところで今朝はなに食べました?」「お住まいは何階ですか?」などの関係ない質問を投げかけてくるのが憎たらしい(褒めてます)!
「MEMORY STEP(ガラスの橋)」
「MEMORY STEP(ガラスの橋)」
写真は、グリーンの正解タイルを踏めず、3人のプレイヤーが一斉に橋から落ちた阿鼻叫喚の瞬間。ちなみに手前の赤くなった列は筆者が早々に脱落した跡である。
リアルに怖い「だるまさんがころんだ」
そしてついに第4のゲームでは、イカゲームらしさ爆発の「RED LIGHT,GREEN LIGHT(だるまさんがころんだ)」が登場する。しかもここでは、ペアを組んで二人三脚をしながらゴールラインを目指さなければならないというハードモードだ。
「RED LIGHT,GREEN LIGHT(だるまさんがころんだ)」
筆者は体格の近いお姉さん(初対面)と組んで挑戦。必死さのあまり、気づけばお互いガッチリと腰に手を回して支え合いながら進んでいた。後になって思ったが、一緒にこのゲームに参加した人とは絆が深まりそうなので、仲良くなりたい相手と一緒に参戦するのもおすすめだ。
「RED LIGHT,GREEN LIGHT(だるまさんがころんだ)」
「RED LIGHT,GREEN LIGHT(だるまさんがころんだ)」
進路はプレゼントボックスで阻まれているうえ、ピンクガードと呼ばれるマスクのスタッフたちも妨害をしてくる。二人三脚で方向転換するのって、やってみて初めて知ったけどかなり難しいものだ。制限時間ギリギリでゴールラインに滑り込んだあとは、思わず相棒とふたりして歓声を上げてハイタッチをしてしまった。
生き残りをかけて……
そして、ついにプレイヤーたちはクライマックスである第5のゲーム「ROUND&ROUND(椅子取りゲーム)」へ。プレイヤー全員で曲に合わせてぐるぐると歩き、曲が止まったタイミングで光っている円に乗れなければ脱落だ。二人三脚での協力プレーから一転して、隣の人より0.1秒でも早く椅子を取る(円に乗る)、という闘争心むき出しのゲームである。
「ROUND&ROUND(椅子取りゲーム)」
韓国の童謡と思われる陽気なメロディーに合わせて歩きながら、緊張がヤケクソに近い興奮へと変化していくのを感じる。審判の高らかな「ヘ〜イ!」につられて、気づけばプレイヤーたちも手拍子や合いの手を入れながら、集団ハイのような状態になって行進していた。なお、プレイヤー同士の身体接触・ラフプレーは厳禁なのでその点はご安心を。バチバチと火花が散っていたのはひたすら精神面での話である。
「ROUND&ROUND(椅子取りゲーム)」
3人減り、ふたり減り。なんと最後に残ったのは、筆者と、ひとつ前のゲームで二人三脚をしたお姉さんだった。ドラマチックが過ぎる。さっきハイタッチしたばかりの彼女と戦わなければならないのか! と凍りつきかけたものの、このゲームの勝者はラスト2名だと言われて心底ほっとした。「さっきも一緒でしたね」「やったね」と笑いあいながら、ドラマの中のように、本当にこうやって極限状態での友情が芽生えていくのだ……と身をもって実感するのだった。
「THE LAST SUPPER(最後の晩餐)」 画像=オフィシャル提供
第6のゲーム「THE LAST SUPPER(最後の晩餐)」は、これまでの5ゲームの上位6名だけが参加できるファイナルゲームだ。ゲームの詳しい内容についてはここでは触れないでおこう。筆者は辛くもテーブルにつくことができたが、フカフカの絨毯を踏みしめ、豪華な食卓につくのは素晴らしい気分だった。
勝敗を分ける緊張感?
ラストゲームの直前の時点で1位だったプレイヤーに後ほど話を聞いてみたところ、「優勝できるかもしれないと思ったら、ドキドキして手の震えが止まらなかった」とのこと。スリルと興奮、協働と断絶、期待と絶望……あらゆる感情のジェットコースターが、この会場には溢れているのだ。ドラマのように生命を賭けているわけではないはずなのに、それでも我々の身体の奥底から湧き上がってくる“勝ちたい”という強い衝動って、一体なんなのだろう。
会場風景
およそ1時間にわたる全てのゲームが終わり、最終的な勝者となったまた別のプレイヤーは、コメントを求められてこう語った。「つい昨日、『イカゲーム』シリーズを見終わったばかりなので、それで緊張感が高まって良かったのかもしれません」。手の震えが止まらなかったという先ほどのプレイヤーは惜しくも2位だったが、そのプレイヤーも「『イカゲーム』を見直してから来た」と言っていた。ちなみに、3位だった筆者もまた同様である。
集中力・瞬発力・記憶力・度胸、さまざまな能力と強運が求められるこの『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』だが、もしかしてその勝利への隠れた鍵となるのは“イカの鮮度”? なのだろうか。もし今後このゲームに挑もうという勇気あるあなたは、シリーズを見返して精神を研ぎ澄ましておくといいのかもしれない。
選ばれし者のみが入れる「VIP ROOM」……の、入り口
勝者となったただ1人のプレイヤーは、フロントマンと呼ばれる黒マスクの男から祝福され、賞品の授与とともに特別な「VIPルーム」へ招待されていた。「VIPルーム」は勝利を掴んだものたちだけが入れるゴージャスなサロンで、そこではドリンクサービスを受けながら他のプレイヤーたちのゲームを優雅に観覧できるのだそうだ……なお、これは小耳に挟んだ話だが、どうもこの『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』には、ゲームの参加
ゲームの思い出を日常へ
会場内には、オリジナルグッズを多数扱うグッズ売り場があった。ゲームを象徴する警告的なピンク色に、プレイヤーの真っ赤な血が映えるグリーン。特にアパレルが可愛い印象だ。過酷なゲームの思い出を身につけることで、ありふれた日常に感謝を忘れず、毎日を大切に生きようと思える……ような気がする。
「ヨンヒの遊び場(グッズ売り場)」
中でも気になるのは、ドラマの登場人物にそのままなりきれるジャージとつなぎだ。どうも聞くところによると、「この緑ジャージが特別価格で購入できる
「ヨンヒの遊び場(グッズ売り場)」
ちなみに、実際のゲーム体験を踏まえた感想だが、ジャージでの参戦はとても理にかなっていると思う。飛んだり跳ねたりはしないものの、二人三脚や椅子取りゲームがあるので、万が一転んでもダメージが少ないような、ジャージに近い格好・ヒールのない靴がおすすめだ。筆者はショートブーツで参戦して本当に後悔した。
タルゴナクッキー&クリーム(税込800円)
物販だけでなく、『イカゲーム』をイメージした特別メニューを提供するカフェも。個人的には、カルメ焼きの型抜きを思わせるクッキー&アイスクリームに心惹かれた。難易度のほどは不明だが、ゲーム前後の時間を使って挑戦してみるのも楽しそうだ。
あなたは勝ち残れるか?
『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』の開幕にあたり、会場を訪れていたリアルVIPであるKingsman Creative Ltd Senior Vice PresidentのCorey Redmond氏は、勝利者の傾向について尋ねられてこう答えた。
「このゲームは単純に“強い”人が勝つという仕組みではないんです。私自身も小さな女の子に負けてしまったこともありますし、ニューヨークでは10歳ほどの子供が勝者となったこともありました。大人から子供まで勝てる可能性があるので、ご家族で参加しても楽しんでいただけると思います。考えてみればこのゲームの内容はすべて子供の遊びですので、子供たちのほうが遊び慣れていて上手にできるのかもしれませんね」
左・東急不動産株式会社都市事業ユニット渋谷事業本部渋谷運営事業部統括部長 中村賢氏、右・Kimgsman Creative Ltd Senior Executive Vice President Corey Redmond氏
『Netflix 渋谷リアル・イカゲーム』は渋谷・東急プラザ3Fにて、2026年7月20日(月祝)までの開催中。参加すればきっと誰もが、日常に埋没しきった闘争心がめらめらと燃え上がるのを感じるはずだ。スリルと興奮に満ちた特別な体験を味わうべく、あなたも“あの名刺"を受け取ってみてほしい。
文=小杉美香、写真=大橋祐希、小杉美香(一部)、オフィシャル提供(一部)
イベント情報
開催期間:2026年1月16日(金)から7月20日(月・祝)予定
営業時間:11時~21時30分
会場:渋⾕フクラス 内 東急プラザ渋⾕ 3 階
平日 一般(大学生以上)3,900円 / こども(小・中・高)3,300円 / 貸切枠76,000円
VIP
土日祝日 一般(大学生以上)4,100円 / こども(小・中・高)3,500円 / 貸切枠80,000円
VIP
※未就学のお子様のご入場は無料ですがゲームに参加する場合は