Kanna 最後の1秒まで全力で駆け抜けた対バンツアー、SPARK!!SOUND!!SHOW!!をゲストに迎えたツアー最終日の渋谷公演を振り返る

2026.3.12
レポート
音楽

Kanna×SPARK!!SOUND!!SHOW!!

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Kanna Presents MIC CHECKERS #3
2026.2.19 Spotify O-Crest

名古屋と大阪を駆け抜けた対バンツアー『Kanna Presents MIC CHECKERS #3』、最終日はここ東京・渋谷だ。Spotify O-Crestはステージとフロアが近く熱伝導率が高い。演者と観客の熱がダイレクトに伝わりあうのは、3ヵ月前にここでやったEMNWとのツーマンライブでも証明済みだ。名古屋の新進ミクスチャー代表・Kannaだが、全国的知名度はこれから。その力を測るには格好の場所、試されるライブだ。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

「2026年初めてのトウキョウ、スパークサウンドショウ、遊びまショウ!」

会場の特性と観客のノリを素早くつかみ、初っ端からフロアに熱風を吹かせたのはゲストバンドのSPARK!!SOUND!!SHOW!!だ。猛烈な重低音がフロアを揺るがし、ボーカル、ギター、ベースが客席に突っ込む寸前で暴れまわる。重い、速い、熱いの三拍子揃ったメタルコア、あるいはラップメタルのミクスチャースタイルで、「♰黒天使♰」「GODSPEED」「STEAL!!」とノンストップで畳みかける。フロア前方、彼ら目当ての観客の盛り上がりも凄まじい。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

「かいじゅうのうた」から「無愛愛」へ、容赦ない爆音攻撃は続く。タナカがフロアに飛び込んで観客のど真ん中で歌っている。フロアは全員ダンス、といってもオシャレなやつじゃなく土着的でいかつい踊りだ。そうかと思えば、「俺のおじいちゃんとおばあちゃんのラブソングです」と言ってメロディアスなミドルバラード「ゆーれい」を歌ってみせたり、切なさ満点のシンセのリフに乗せて「蜜」をじっくり聴かせてみせたりする。「呼んでくれてありがとう」と、フロアで見ていたKannaのメンバーに挨拶を送る。とことんハードでヘヴィだが人情味も笑顔もある、一筋縄ではいかない懐の深いバンドだ。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

後半は怒涛のスピードチューン連発で押しまくる。高速ハウスビートに乗せた「HAPPY BIRTH DIE」ではウォール・オブ・デス(フロアが狭いので怖くない)、「Tokyo Murder」ではドラムのイチローが最前線に躍り出て観客にステップ指導(打ち込みビートが鳴り続けているので問題なし)、さらに「JUNGLE BUN DEM」「YELLOW」から「南無」へ、エモ/スクリーモやダンス/エレクトロニック系の曲を連ねて一気にクライマックスへ。「このあとKanna、いいパーティーにしまショウ!」と、不敵に笑ってステージを去るバンドに送られる大声援。さすがの貫禄だ。

Kanna

「SPARK!!SOUND!!SHOW!!ありがとう。ここからは僕らの時間です。1曲目から全力でハッスルしていきたいですけどいかがですか!」

先輩バンドに先にこんなライブをされたら、燃えないほうがおかしい。Kannaのステージは、1曲目「耐えた!」からアクセル全開。お立ち台に駆け上がりとにかく弾きまくるスーパーギタリスト・Koshi、歯切れのいい早口ラップと情熱的な身振り手振りで押しまくるNouchi、サポートドラム+シーケンサーが打ち出す音像は、痛快メロディックなミクスチャーロック。「空」から「Boys&Boys」、そして大先輩バンド・FLOWの「GO!!!」をサンプリングした、ソニー・ミュージックレーベルズ第一弾楽曲「ヤング・ムーヴメント」へ。フロアの盛り上がりもカラッと激しくスポーティー。いい感じだ。

Kanna

「ここは東京だけど、一緒に名古屋ソング、歌ってくれますか!」

1週間前に配信された新曲「TEBASAKI〆GVNG」(テバサキギャング)は、レペゼン名古屋のスパイスをたっぷり効かせた楽曲。豪快なギターリフ、名古屋民のプライド満載のリリック、Nouchiのヒューマンビートボックスの巧さに驚く、ライブ映えする曲だ。さらにハードコア度を挙げて「Kick Ass Machine」へ、と思ったらポップで明るい「Make My Day」へ、曲調を変えながら楽しませるセトリの流れが気持ちいい。ビートボックスと速弾きソロの掛け合い、ライブでこんなことができるのはKannaしかいない。

Kanna

「たとえ今日が悪い日でも、明日がいい日になれば。人生はイージーゲーム、楽しんでいってほしいと思います」

ちょっぴり真面目なNouchiのMCのあとに歌われた「那津」は、Kanna流の人生哲学ソング。非常にシリアスなリリックだが曲はチルでハッピー、あたたかいクラップでフロアが一つになる。「みんなにラブソングを捧げます」――エモーショナルなミドルロックバラード「You」の、切ないメロディが心に沁みる。イケイケだけじゃない、Kannaにはこんな優しい曲たちもある。

Kanna

とか思っていたら、ステージにSPARK!!SOUND!!SHOW!!のメンバー、観客で来ていた小野武正とFLOWのTAKEを呼び込んでテキーラでカンパイ。憎めない後輩キャラと、自由すぎるライブスタイルをアピールすると、残すはあと2曲。ロックでダンスでエレクトロニックな「Dive」を叩きつけ、ラストは「Freefall」でぶち上がる。まさに初々しい若武者ミクスチャー、最後の1秒まで全力疾走だ。

Kanna

「今日新しく出会えたお客さんもいると思うんで。ようこそKanna教へ。これからもどうぞよろしく」

熱い手拍子に呼び戻されて、アンコールは「Super Junky Monkey」。二人がミクスチャーをやるきっかけになったという、同名のバンドにインスパイアされた90'sミクスチャー王道を行く曲に、日本のユースカルチャーと音楽の血の繋がりが見える。まだ完成形とは言えないが、この音とこの気迫があれば大型ロックフェスでも勝負できそうだ。可能性は無限大。新世代ミクスチャーはKannaがリードする。

Kanna

取材・文=宮本英夫 撮影=堤瑛史

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セットリスト

Kanna Presents MIC CHECKERS #3
2026.2.19 Spotify O-Crest

■SPARK!!SOUND!!SHOW!!
01. †黒天使†
02. GODSPEED
03. STEAL!!
04. かいじゅうのうた
05. 無愛愛
06. ゆーれい
07. 蜜
08. HAPPYBIRTH DIE
09. Tokyo Murder
10. JUNGLE BUN DEM
11. YELLOW
12. 南無

■Kanna
01. 耐えた !
02. 空
03. Boys&Boys
04. ヤング ・ ムーヴメント
05. TEBASAKI 〆 GVNG
06. Kick Ass Machine
07. Make My Day
08. 那津
09. You
10. Dive
11. Freefall
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