the superlative degree、初ワンマンで無期限活動停止を発表 「別にメンバーの仲が悪くなったとかそういうことではないです(笑)」

2026.3.14
レポート
音楽

the superlative degree

画像を全て表示(9件)

3月7日に横浜7th AVENUEにて開催された、the superlative degreeの初ワンマン『the superlative degree  one man [ at last ]』のオフィシャルレポートが到着した。


万物は流転する。絶対だの永遠といった言葉は、きっと人の願いや希望から生まれたのだろう。変わって欲しいものもありはすれど、変わるわけがないと思い込んでいたものまでが、時の流れの中で大なり小なり変化していくのが世の常だとしたら。その残酷さに痛めつけられる場合もあれば、その無情さにむしろ救われることだってあるのかもしれない。

2023年に始動して以来、ライブ本数こそ多くはないもののロックバンドたる鋭さと輝きに磨きをかけてきたthe superlative degreeが、このたび満を持して横浜7th AVENUEにて開催したのは『the superlative degree  one man [ at last ]』と冠された初のワンマンライブだ。

ただし、初ワンマンとは言ってもthe superlative degreeはALL I NEEDやHUSHを率いていたヴォーカリスト・橋都章人、その章人とHUSHで一緒だったベーシスト・高瀬宏之、JURASSICで活躍していたほか昨今は中島卓偉のサポートなどもしているドラマー・SHINGO、CLOSEのメンバーでもあるギタリスト・KENJI、Gallaを経て章人とはacalliでも活動していたギタリスト・YUJIという、1990年代からシーンを生き抜いてきた猛者揃いのバンドにほかならない。

そんなthe superlative degreeの現在進行形を生々しく見せつけるかのように、今宵の場内へといきなり投下されたのは新曲「螺旋」。これは6月にデジタルリリースされることが決定している3rd EP『コモンセンス』の収録曲だが、初ワンマンの冒頭に“まだ誰も聴いたことがない”曲を持ってくるというのは、かなり挑戦的なアプローチに思えた。しかも、深い没入感と広いスケール感を漂わせていった「螺旋」はノリの良さで場を盛り上げていくタイプの曲とは異なり、バンドの放つ音が醸し出す説得力で聴衆を圧倒していく曲であったため、これを初手として打つだけの自信と確信を彼らは持っていたに違いない。つまり、この場面をもってthe superlative degreeは一気に我々の心を惹きつけることに成功したのである。

橋都章人

また、2曲目として打ち上げられたのもまた新曲で、こちらは「破壊の構築」とのタイトルが具現化された直情的にして衝動がハジける“the superlative degree=最上級”なロックチューンであったため、フロアに詰めかけていた観客がおおいに沸き始めたのは言うまでもない。斬り込むような激しいバンドサウンドと、章人の歌う《吸う魔法 ロックンロールを誰が殺すって? 多分お前とかお前なんだよな》《悪循環だよ全員集合世界の終わりが近付いています》というシニカルな歌詞は、まさに昨今の現実と重なる切実なものとして受け手の胸を容赦なく突き刺してきたと言えるだろう。

以降、この夜のライブは途中でMCをはさむことなく刻々と進行していくことになり、良い意味での緊張感を保ったままthe superlative degreeの持てる全てを提示する場となっていった。それどころか、章人がBEAUTY MANIACS(ソロプロジェクト)時代に作った「ハモン」、HUSH時代の楽曲「パズル」と「fly」「SPIN」も現体制での演奏にて聴くことが叶い、特にコアファン層にとって垂涎のセットリストとなっていたように思う。

KENJI

くわえて、中盤ではさらなる新曲「ヒネモス」「∞遮断∞」「新色」が立て続けに披露される一幕もあり、後者2曲は前述した3rd EP『コモンセンス』からの選曲であることをここに付記しておきたい。今回のワンマンはここまでの集大成的な意味を持っていたと同時に、未来へもつながるものとしてしっかりと構成されていたのだ。

いよいよの佳境に入っていく場面では、SHINGOの派手なドラムソロを受けて始められたルードなロックチューン「秘密」、KENJIのきらびやかなギタープレイが映えた「花火」、高瀬宏之の弾く頼もしいベースラインが躍動感を生み出していた「アイデンティティコード」、YUJIのソリッドなギターワークが曲にドライブ感を与えていた「リアリティ」と、色とりどりの楽曲がいっそう観衆のテンションを上げていくことになった。そのうえで、この記念すべき初ワンマンの最後を締めくくったのは章人の歌が聴き手の深層意識にまでひたひたと染み渡っていった「邂逅」。初ワンマンという言葉の響きからはほど遠い、ドラマティックな余韻を残すラストシーンは圧巻の一言。

YUJI

それだけに、章人が「邂逅」を歌い終えてからこの夜における初MCとして発した言葉は大きなインパクトを持っていた。

「6月15日に新しい音源『コモンセンス』が出ます。その直後、6月19日には新宿ロフトで2回目の『TSDGB2026』をやります。この日に向けては無料配布CDもまた作るのでぜひ来てください、よろしくお願いします。そして…その『TSDGB2026』をもってthe superlative degreeは無期限活動停止になります。みなさんの応援、とてもありがたかったです。あと1回ありますので一緒に楽しんでいきましょう!」(橋都章人)

高瀬宏之

突然の重大発表に人々が茫然とするような空気が一瞬流れつつも、メンバーがハケた瞬間から場内では各人に対するコールが飛び交い、程なくしてアンコールを求める大きな声と手拍子が大発生することに。

「絶対あの発表してからだと空気が悪くなっちゃうから、今日はアンコール絶対やらないってSHINGOが言ってたんだよ。なのに、真っ先にSHINGOがステージに出て行っちゃって(笑)。まぁ、あんまり言葉では言いたくないんだけど。別にメンバーの仲が悪くなったとかそういうことではないです(笑)。ただ、ちょっと足並みが揃わなくなったんで1回休もうかと。各々の抱えてるいろんなことをまずは解決しましょう、ということになりました。またやれたらいいなと思っています。あと、俺はもう2度と引退はしないんで。というか、ほかのメンバーも多分しないですけど。とにかく、みんなが呼んでくれたんでもう1曲やります。行けますか!」(橋都章人)

SHINGO

ここで繰り出されたのは、the superlative degreeきっての前のめりで攻撃的なロックチューン「雑踏」だった。《オレは意味を探す オレの意味を探す》という章人の力強い歌声は彼がこのバンドを始めた理由とつながっているものであり、ここで宣言した「俺はもう2度と引退はしない」という言葉とも重なっていたのではなかろうか。

とはいえ、初ワンマンで新曲もあれこれと積極的に聴かせてくれたthe superlative degreeが、このタイミングで無期限活動停止というのはなんとも残念で仕方ない。つくづく万物流転の真理は無情だと感じるが、それでも彼らの厳しい判断こそが「またやれたらいいなと思っています」という願いに基づくものなのであれば、この事実を救いと解釈することも出来なくはない…気もする。

いずれにせよ。現状では泣いても笑っても、the superlative degreeの生き様を全開にしたライブを堪能できるのは6月19日・新宿ロフトでの『TSDGB2026』のみ。章人の盟友である石井秀仁(現cali≠gari/GOATBED/XA-VAT)との共演で、ひとまずのフィナーレを飾る彼らの勇姿を見逃すわけにはいかない。

願いや希望を持ち続ける限り、万物流転の真理があるだけに可能性そのものは決してなくならないのだから。「雑踏」の歌詞にあるとおり《時間はこの身を削りながら想いを刻んで進む》the superlative degreeの行く末をここからまた見守っていこう。

取材・文=杉江由紀 撮影=マツモトユウ

セットリスト

the superlative degree
2026.3.7 横浜7th Avenue

1.螺旋
2.破壊の構築
~SE~
3.玉響
4.ハモン
5.パズル
6.fly
7.UNIVERSE
8.導火
9.ヒネモス
10.∞遮断∞
11.新色
12.コミュニカシオン
13.雑踏
14.秘密
15.花火
16.アイデンティティコード
17.リアリティ
18.SPIN
19.邂逅

リリース情報

3rd EP『コモンセンス』
2026年6月15日(月)配信
<収録曲>
・螺旋 
・新色
・∞遮断∞
(順不同)
今回はフィジカルのCDの作成はありません

ライブ情報

SHINJUKU LOFT 50th ANNIVERSARY
「TSDGB2026」
日程:2026年6月19日(金)
会場:新宿LOFT
開場18:00/開演19:00

 
<出演>
the superlative degree
GOATBED

 
<来場特典>
・ピクチャー
・2曲入りCD 無料配布
(the superlative degree/GOATBED 互いの曲をカバーした音源)
 
料金>
前売¥6,500/当日¥7,000(1drink別途)
 
販売>
プレオーダー 3月11日(水)22:00~3月18(水)23:59
 
購入方法>
■購入ページURL
https://eplus.jp/sf/detail/4492010001-P003
※プレ、一般ともに同じです。

■e+プレオーダー:A
お一人様4枚まで
<スケジュール>
【受付期間】:3月11日(水)22:00~3月18日(水)23:59
【結果確認】:3月20日(金)13:00~3月21日(土)18:00
【入金期間】:3月20日(金)13:00~3月22日(日)21:00

eプラス一般発売:B
2026年3月28日(土)22:00~6月18日(木)23:59まで
お一人様4枚まで

入場順
①ANo.001〜
②BNo.001〜
となります

(問)新宿LOFT 03-5272-0382
  • イープラス
  • the superlative degree
  • the superlative degree、初ワンマンで無期限活動停止を発表 「別にメンバーの仲が悪くなったとかそういうことではないです(笑)」