黒木華「どんなものができるのかすごくワクワクしています」~『NORA』制作発表会が開催され、演出家・出演者がコメント

2026.3.16
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舞台

『NORA』制作発表会より        撮影:阿久津知宏

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2026年3月13日(金)、今年7月に東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される舞台『NORA』の制作発表会が行われ、登壇者のコメントが公開された。

東京芸術劇場では、2026年度より岡田利規を芸術監督(舞台芸術部門)に迎え、さまざまなラインナップを展開する。その一つとして、古典作品を徹底的に現代に問い直すことに継続的に取り組んでいくそうだが。26年度は、イプセンの名作『人形の家』を現代のスマホ中心の生活に移して描く『NORA』を上演する。

この度、制作発表会には、ロシア出身で現在ヨーロッパで最も注目を集める演出家のティモフェイ・クリャービンと、タイトルロールのノラを演じる黒木華、ノラの夫ヘルメルを演じる勝地涼、ノラを執拗に追い詰めるクログスタを演じる鈴木浩介が登壇し、作品へ向けての意気込みや、お互いの印象などを語った。

また、3月14日に誕生日を迎えた黒木華に、演出のクリャービンから花束が贈呈された。

       撮影:阿久津知宏

登壇者コメント

■ティモフェイ・クリャービン / 演出

ティモフェイ・クリャービン        撮影:阿久津知宏

画面を通じてのオーディションから本物の俳優さんに実際にお目にかかることができて、とてもとても嬉しいです。
皆さんとは画面越しにお互いにコミュニケーションをしていたんですが、この作品の『NORA』の登場人物も同じで、最初は画面越しにコミュニケーションをとるんですけども最後は直接の会話になっていきます。
素晴らしい演劇作品を作ることができるのではないかと今から心待ちにしています。
(今までヨーロッパ二か国で上演していますが)皆さん興味深く受け止めてくださいました。演劇方法としては(スマホを使うのは)稀有な表現方法だと思います。
ステージ上ではいろいろな場面が展開されつつも、お客様は彼らが何を伝えたいか文字を読まなければいけなくなります。
キャストの皆さんは演じるだけでなく(スマホを入力しなければいけないので)新しい挑戦をしていただくことになります。
世界初演したのは6年前になりますが6年経った今、携帯がどんどん生活の中で大きくなっていて、私たちはデジタル世界にのめり込んでいます。私自身の携帯にもアプリが増えましたが生活がよりデジタル化しているので、初演よりさらに興味深く観ていただけるのではないかと思います。

2年前に日本でワークショップを10日間行い、たくさんの日本人の俳優さんとお会いしました。アーティストは国が違うから変わるということはなく、演劇人はひとつの民族として括れるのではないかと思っています。演劇人に国境はなく、演劇が好きで演劇に打ち込む人は共通してクレイジーです(笑)
私は自分の直感に忠実な演出家で、その直感に今まで裏切られたことがありません。
自分が演出する作品の登場人物を選ぶときは、合理的、理知的判断ではなく、この俳優とお互いに理解し合えるか、そして一緒に面白い仕事ができるかということを直感で選びます。
外見や演劇の経験などではなく、それは心で感じるものです。
稽古は仕事ではなく私にとって人生の一部です。約7週間同じ俳優と共に過ごすことになるので俳優の方々も稽古を通して私の人生の一部になります。
だからこそ皆さん良い人であってほしい(笑)
オンラインのオーディションを通して今回のキャストの皆さんとは面白い作品を作れると感じました。

■黒木華 / ノラ役

黒木華        撮影:阿久津知宏

こうしてやっとティモフェイさんと実際に会えたことが嬉しいですし、共演の方たちとこれからどんな旅路になるのかすごく楽しみにしています。
『人形の家』という有名な作品を現代の人が観るときに、一番とっつきやすいというか、切っては切れない存在になっているスマホを使う演出は面白いなと思いました。スマホはそれぞれの人生や生活が詰まっているもので、プライベートなものでありながら、他者との生活にも密接にかかわるものなので、それが演劇の中で現れた時にどう見えるのか、自分で演じていて発見することもあると思うので、すごく楽しみです。
画面越しにでも(ティモフェイさんに)やりたいなという気持ちが伝わったんだなと思うと嬉しいです。思いが通じましたね。リモートでお話した時よりもっと面白いと思ってもらえるように頑張ります。私はフリック入力ができなくて、打ち方は問わないと聞いたので、(瀧内)公美ちゃんに今日こういうことがあったよというのをこのあと早打ちで送ろうかなと思っています。
本当に面白い作品になると感じているので、ティモフェイさんとここにいる共演者たち、ここにいない方たちとも一緒にどんなものができるのかすごくワクワクしています。ぜひ劇場に観に来てほしいです。
(3月14日の誕生日を前に抱負を一言)30歳を超えてからちょっと体力が心配なので、健康に気をつけて頑張ります。

■勝地涼 / ヘルメル役

勝地涼        撮影:阿久津知宏

イプセンの『人形の家』は、ずっと一緒に家族として過ごしていてもお互いのことが分からず、思いを伝えてもどんどん心が離れていってしまうという物語です。それを現代に置き換えた時に、スマホがあることでいつでも連絡が取れたり、遠くにいても顔が見えたりするにも関わらず、結局は思いが伝わっていなかったりする部分がある。スマホがすごく身近で便利なものになっていますが、本当に大切なものはやっぱり違うところにあって、相手を思いやるって何なのかということをすごく考えました。フリック入力はできないのですが、ガラケーに関してはノールックで打てるくらい配置も覚えているので、フリックじゃなければ早く押せる自信があります(笑)。
(鈴木)浩介さんとはドラマでも舞台でも共演していて、瀧内(公美)さんとは以前夫婦役をやらせてもらいました。黒木さんと作品でご一緒するのは初めてですが、意外とみなさんとつながりがありますね。昨年末ぐらいにリモートでティモフェイさんとお会いする機会があり、そこでセリフを言ったり、お話をしたりして。お芝居の話というよりは、どちらかというと結構他愛もない話をしたので、どうして受かったのか手ごたえがなくて。今日お会いするまで不安もあったんですが、先ほどこの作品についてのお話を聞いてものすごくワクワクしましたし、自分の役を自分たちで作っていくという感じの舞台になると思うので、今からすごく楽しみです。

■鈴木浩介 / クログスタ役

鈴木浩介        撮影:阿久津知宏

スマートフォンで文字を打ち込んで皆さんに見ていただくという演出を聞いて、一瞬台詞を覚えなくていいのかなと思ったのですが、実際にリアルタイムでお客さんを飽きさせないようにものすごい速度で打ってくれということを今日言われまして。52歳にして急激に早打ちに挑戦して、と。今までメールはどんなに急がず入れたとしても、打ち間違いが増えてきた年齢ですので、ちゃんとセリフを伝えて、ものすごい速度で会話をしていくことに、自分自身、今、絶望しております(笑)。
ただ、演劇の基本は、思っているセリフの後ろにあるセリフ、書いてある言葉の裏にあることをどういうふうに思って伝えるかで、お客さんに楽しんでいただける肝だと思っております。スマホを使ってそれを演出で表現できるという発想が素晴らしいなと思いますし、ある意味ノンバーバルで字を読めばどの国の人たちでも成立するという、世界に通用するフォーマットを作られていて、かなりすごい演出を考えついたんだなと感じました。
黒木(華)さんとは以前舞台で共演しましたが、コロナで初日を迎えることが出来なくて。今回初日を迎えたらもう何年か越しの初日になるのですごく楽しみです。よく知った顔の、そしてすごく信頼している役者さんたちとご一緒できることはもちろん、外国の演出家の方とご一緒するのが初めてなので、通訳を介しての演出がどういう経験になるのかすごくワクワクしていますし、すごくしっかりとした信念をお持ちの演出家さんなので、そこにしっかりと自分自身も精一杯ついていきたいなと思っております。

公演情報

『NORA』
 
原作 『人形の家』 ヘンリック・イプセン
演出 ティモフェイ・クリャービン
出演 黒木華 勝地涼 瀧内公美 鈴木浩介  ほか
 
日程 2026年7月15日(水)~7月26日(日)(予定)
会場 東京芸術劇場 プレイハウス
※他に、宮城、愛知公演他予定
 
一般発売 2026年4月18日(土)(予定)
 
主催・企画制作 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
お問合せ 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296休館日を除く10:00~19:00
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