きみとぴあ!「今日の思い出がみんなの中で輝き続けてくれたら……」 ラストライブ・渋谷ストリームホール公演をレポート

2026.3.23
レポート
音楽

きみとぴあ!

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Kimitopia! Last Live「Five!」
2026.3.14 渋谷ストリームホール

2024年7月20日にオリジナル曲「ぜったいっ!きみ推し宣言!」を公開し、始動を果たした歌い手ユニット・きみとぴあ!。メンバーはありを(リーダー、紫担当)、ててん(黄色担当)、がおまる。(ピンク担当)、凪葉-なぎは-(緑担当)、めお(青担当)の5人。以降、ふぁみとぴあ!(きみとぴあ!のファンの総称)に寄り添いながら、ポップでポジティブな歌を発信し続けてきた。メンバー5人のキャラも歌唱力も魅力的で、多くの人がきみとぴあ!の活躍を楽しみにしていたと思う。そんな彼らが12月中旬、突如グループの解散を発表。1年半という活動期間はあまりにも短く、ファンに衝撃を与えた。解散となる日は2026年3月14日のホワイトデー。当日は、ふぁみとぴあ!に直接最後の生歌とメンバーから感謝の言葉を届けるために、『Kimitopia! Last Live「Five!」』と銘打ったワンマンライブが渋谷ストリームホールで開催された。ここではその模様をお伝えしたい。

開演前の会場はグッズのペンライトを掲げて記念撮影をしたり、友達同士で自撮りをしたりと、いつものように楽しむふぁみとぴあ!達の姿があった。ライブ直前には観客がビッシリとフロアを埋め、ほどなくメンバーによる影アナが流れる。推しの声に「キャ!」と反応しつつ、ふぁみとぴあ!もライブの準備を整えていく。

スタート時間をむかえ、ついにきみとぴあ!のラストライブが始まった。まずはスクリーンにメンバーのキービジュアルが映し出され、その後メンバーがステージに登場し、1曲目の「推しが天使様!」へ。続けて「僕を呼んで」「ユートピア」など、おなじみの人気曲を連発。ふぁみとぴあ!からもお約束のコールが入り、出だしから完璧な一体感が生まれていた。メンバーからも笑顔がこぼれる。3曲終えたところで、この日最初のMCタイム。それぞれが口を開けば場内から「かわいい~!」「カッコいい~!」の声が乱れ飛ぶ。しばし、そんな掛け合いを楽しんだメンバーだったが、ありをがリーダーらしく「楽しんでいけますか! 次の曲いけますか!」と煽りを入れて空気を引き締める。

きみとぴあ!

次なるブロックで披露されたのは「HOP!STEP!!JUMP!!!DREAM☆」。彼ららしい応援歌で、キャッチーなメロディーに込めた<あの日描いた未来図は きみのゴール待ってるから 何も心配いらない>というメッセージが温かい。「Jumpin' High」「AMANOJAKU」も、聴いて楽しいアッパーチューン。曲の中でそれぞれの個性を出すボーカルフォーメーションのテンポも心地良い。

曲が終わると2回目のMCタイムへ。アップテンポな曲の連続投下とダンスの合わせ技で汗を流したメンバーもここでしっかりと水分補給。「まだ6曲ですよ~! こんなに飛ばすことないもんね」とありを。呼吸を整えるため、ここでグッズ紹介へ。アクキーや缶バッジなどを掲げるがおまる。に場内からは「持ってるよ~!」の声。アットホームなやり取りは、メンバーとふぁみとぴあ!の距離の近さを感じさせた。なごんだところで本編は徐々に中盤へ。

ここに集約されていたのは超ダンサブルな「キラキラ☆モード」や、可愛らしさ満載の「メチャ☆はぴ sweet sweet friend!」など、キュンキュンする楽曲達。このブロックのシメにメンバーが選んだのが「Monster」。そう、あの国民的アイドル・嵐の曲だ。おそらく、全国民が耳にしたであろう名曲だけに場内も感激。(ちなみにこの曲は、きみとぴあ!としてYouTubeに“歌ってみた”動画を公開済み)。

きみとぴあ!

この第3ブロックが終わると、スクリーンにはライブ直前に行ったメンバーへのインタビューが上映された。それぞれがきみとぴあ!への思いを丁寧に語り、この最後のライブを楽しいものにしたい……と、前向きな気持ちを吐露。もちろん、きみとぴあ!がなくなってしまうのは悲しいことかもしれない。だが、メンバーはきっと前を向き、それぞれの道を進んでいくことになるはずだ。“ふぁみとぴあ!も前を向いて欲しい”――そんな願いが透けるようなインタビューだった。

中盤は各メンバーにスポットを当てたソロコーナー。最初に登場したのはありを。彼が選んだのは優しいメロディーが印象的なロックバンド・sumikaの「Lovers」。性格も歌声も優しい彼らしいセレクトで、持ち前の声のよさを武器に完璧に歌い上げた。

ありを

2番手はててん。彼は優里の「ベテルギウス」をチョイス。ハイトーンの彼が歌うにはピッタリの熱いロックバラードだ。感情がこもったててんの熱唱にはグッとくるものがあった。

ててん

3番目にはがおまる。が登場。彼が歌ったのはkemuの「地球最後の告白を」。これまでも人気の歌い手達によって“歌ってみた”動画にアップされてきた人気曲である。深みのあるこの曲を、がおまる。は情感豊かに熱唱。彼らしい熱量で場内を圧倒した。

がおまる。

4番手の凪葉-なぎは-は、エモさに定評のあるSPYAIRの「オレンジ」(『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』主題歌でもおなじみ)。サビの高揚感がたまらない名曲を凪葉-なぎは-見事に、そしてスケール感のある声で歌い切った。

凪葉-なぎは-

こうしてソロコーナーは最後のひとりに……。トリをつとめたのはめお。選んだ曲は人気ボカロP・40mPによる代表曲「恋愛裁判」。しかし、彼はなぜか囚人服のようなボーダーのトップスを着用して登場。“え? なぜ?”と思わせてしまう抜け感が彼らしい(笑)。とはいえ、歌はさすがの表現力で場内を魅了した。

めお

後半戦に入る前、再び映像が流れる。メンバーが鍋を囲みながら、活動期間を振り返るという内容のようだ。メンバーで旅行に行った思い出など、どれも楽しいエピソードばかり。このトーク中は終始笑いが途切れず、5人の絆の強さが表れていた。

映像が終わると、メンバーがステージに現れ、後半ブロックが始まる。ふぁみとぴあ!にも“最後の瞬間が近づいている……”という考えがよぎり始める頃だ。しかし、“笑顔で終わりたい”という思いでステージに立つメンバーはアッパーな楽曲でテンションを上げていく。後半戦はμ'sの「Snow halation」でスタート! さらにキュンキュンする恋心を歌った「天秤に乗って」、そして卒業ソングのような「僕らが紡ぐ宝物」など、幅のある曲調で楽しませてくれた。

曲が終わると、記念撮影タイムへ。これが最後の記念撮影と思うと切ないが、本編は残すところ2曲に……。ここでブチあげる「夢ざんまい!」を熱唱し、本編最後は「君と見る夢」で締めくくった。盛りだくさんの内容だったにもかかわらず、本編はあっという間。ライブ終了直後は、観客もしばし呆然となったが、即アンコールの声援が起こる。もちろん、まだ聴きたい曲があったからであり、まだまだきみとぴあ!との時間を楽しみたいからに他ならない。そんな思いに応えて、Tシャツ姿に着替えたメンバーがステージに戻ってきた。ここで“やっぱり湿った空気にはしたくない!”という思いからか、お祭りチューン「ハローフェスティバル」が飛び出す。曲の後半では銀テープが派手に発射され、場内にはキラキラテープが雨のように降り注いだ。一気にハッピーな空気になったが、ここで長いMCタイムへ。メンバー全員からふぁみとぴあ!へ、5人の心情が切々と語られた。印象的な言葉を少しだけ紹介しよう。

きみとぴあ!

「きみとぴあ!の歌にはいろんなメッセージがこもっていたと思う。きみとぴあ!は解散してしまうけど、メッセージは僕らの中に、君たちの中に残ると思います!」(ててん)

「みんながいてくれたから、俺達は今日、華々しくラストを迎えることができます。今日の思い出がみんなの中で輝き続けてくれたら……」(がおまる。)

「この5人でよかった! 誰も欠けることなく卒業を迎えられることがホントによかったと思う。ホントに後悔はないです。(メンバーに向かって)また旅行に行こうな!」(凪葉-なぎは-)

「僕は最後までずっと笑っていたくて。悲しいっていうのはあるけど、笑ってこのステージを終わりたい。今日は最後のきみとぴあ!のライブに足を運んでくれてありがとうございました」(めお)

合間には各メンバーが声をふるわせる場面もあったが、そのたびに場内から「頑張れ!」の声が飛ぶ。その声援に応えて、メンバーは最後までしっかりと言葉を届けることができた。最後に発言したリーダーのありをは、他の4人に自分の思いをしっかり伝えていく。そして最後は“みんな”に向かって言葉を続けた。

「僕はこの4人を忘れることはないです。ぜひ4人をこれからも応援してあげて欲しいです」(ありを)

リーダーらしく、ありをが締めくくったところでアンコール最後の曲「Love so sweet」へ。デビュー前、初めて出会った日に、5人で歌った最初の曲。メンバーにとっても特別な思い出の曲だった。<思い出ずっと ずっと忘れない>というという歌詞の一節が、ふぁみとぴあ!の涙腺を刺激する。ここでアンコールは終了となる。しかし、これで終わるわけにはいかない。そう、まだ歌っていない曲がある……そして、最後の最後はきみとぴあ!のオリジナル曲でないと……とは誰もが思うところだろう。そんな思いに応えてダブルアンコールに出てきたメンバーは、再び本編で着用していた衣装に着替えていた。

きみとぴあ!

こうして本当のラスト曲に届けられたのはきみとぴあ!初のオリジナル曲である「ぜったいっ!きみ推し宣言!」。ふぁみとぴあ!も全身で声をあげ、残り少ない時間を盛り上げた。曲が終わると場内からは「ありがとう!」という声が飛び交う。当然メンバーもしばらくはステージから離れず、フロアの前方から後方まで、まんべんなく手を振り、ハートマークを作って笑顔を見せた。お別れ時間の直前には、メンバー5人が手をつないで一列に並ぶ。ありをが「きみとぴあ!を今まで応援してくれてありがとうございました!」と叫び、メンバー全員が深く一礼。会場からは再度、「ありがとう~!」の声が響き渡る。もちろんメンバーは笑顔でステージを去っていった。

5人の信頼関係や歌唱力、パフォーマンスのまとまり具合を見てしまうと、誰もがまだまだ彼らの成長を見たかったはずだ。それでも、この1年半を全力で駆け抜けたありを、ててん、がおまる。、凪葉-なぎは-、めおには、それぞれの道で活躍して欲しい。しっかりとふぁみとぴあ!に向き合い、最後の最後まで歌を届けた彼らの誠意が光る、いいラストライブだった。


文=海江敦士
撮影=《 悠為 Yu-uI 》

セットリスト

Kimitopia! Last Live「Five!」
2026.3.14 渋谷ストリームホール

01. 推しが天使様!
02. 僕を呼んで
03. ユートピア
04. HOP!STEP!!JUMP!!!DREAM☆
05. Jumpin' High
06. AMANOJAKU
07. キラキラ☆モード
08. メチャ☆はぴ sweet sweet friend!
09. Monster
10. Lovers ありを
11. ベテルギウス ててん
12. 地球最後の告白を がおまる。
13. オレンジ 凪葉-なぎは-
14. 恋愛裁判 めお
15. Snow halation
16. 天秤に乗って
17. 僕らが紡ぐ宝物
18. 夢ざんまい!
19. 君と見る夢
[ENCORE]
20. ハローフェスティバル
21. Love so sweet
[DOUBLE ENCORE]
22. ぜったいっ!きみ推し宣言!
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