平野綾、富田麻帆、鈴木勝吾、伊藤裕一、原田真絢出演 ミュージカル『シルヴィア、生きる』が開幕
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左から 原田真絢、鈴木勝吾、平野綾、富田麻帆、伊藤裕一、演出・藤岡正明 (C)conSept All Rights Reserved.
2026年4月2日(木)ザ・ポケットにてLitera Theater vol.2 ミュージカル『シルヴィア、生きる』が開幕。開幕コメントとゲネプロの模様が到着した。
唯一死後にピューリッツァー賞を受賞したアメリカの女性作家、シルヴィア・プラスの人生をミュージカル化する韓国発、日本初演の本作。女性として生きる苦悩や社会問題を描く作風から、日本でも特に女性を中心に支持を得ています。
“非常停止”、シルヴィアはその生涯で三度自殺を試みたという。十年ごとに試みられた“非常停止”は、死へ向かうものではなく新たな生に対するトライ、“生き直し”だった。本作では“死”ではなく“生”を探し求め“生”にたどりつく物語として、彼女が残した詩と小説を彼女の人生に重ね合わせ、誰もが生きていく中で感じ得る閉塞感や「何者でもなく、何者かになる」という想いを歌と音楽で紡ぐ。
開幕レポート~夭折の女性詩人シルヴィア・プラスの人生をミュージカル化
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2026年4月2日(木)、Litera Theater vol.2 ミュージカル『シルヴィア、生きる』が開幕。初日当日、開幕に先駆けマスコミに向け公開ゲネプロが開催された。
Litera Theaterとは上質な演劇作品を展開するconSeptの主催・製作によるプロジェクトで、第2弾となる今回は、韓国発のミュージカル『シルヴィア、生きる』を日本初演。韓国の新進気鋭クリエイター集団JakJakのチョ・ユンジとキム・スンミンのデビュー作にして韓国ミュージカル・アワーズ大賞ノミネートの快挙を遂げた話題作であり、ロンドンやニューヨークでリーディングやショーケースが展開されるなど世界にも裾野を広げている注目作だ。
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ヒロインのシルヴィア・プラスは20世紀を代表するアメリカの詩人であり作家。女性として秘めた激情を率直な筆致で詩に認め、今なお大きな支持を集めている。しかし、その功績が認められたのは彼女の死後のこと。シルヴィアは人生で3度の自殺を試み、30年間の短い人生を終えた。彼女の作品は死後に広く知られるようになり、没後ピューリッツァー賞を受賞した唯一の詩人となった。
オブザーバー紙の批評家アルバレスは、10年ごとに繰り返されたシルヴィアの自殺行為は、死へ向かうものではなく、新たな生を迎えるための“生き直し”の儀式だったとしている。果たして、彼女の行為は何を意味するものなのかーー。本作では、新たな視点でシルヴィアの想いを掬いあげていく。
シルヴィアを演じるのは、確かな歌唱力と表現力で、声優、そして女優として飛躍を遂げる平野綾。またシルヴィアの理解者で一心同体となるヴィクトリア役には富田麻帆が、シルヴィアの夫テッド役は鈴木勝吾、テッドの友人のアルバレス役には伊藤裕一、シルヴィアの精神科医ルース役には原田真絢と、ミュージカル界で活躍する豪華キャストが集結。演出は、グランドミュージカルに多数出演し、歌手としても音楽活動を行う藤岡正明が、自身のユニット外での演出に初挑戦を果たしている。
キャスト舞台挨拶
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初日直前に行われたフォトセッションには、主演の平野綾と演出の藤岡正明らが登壇。舞台挨拶に臨んだ。
初日を迎えた心境について聞かれると、「シルヴィア・プラスという人を知っていた方も、知らない方も、必ず彼女の魅力に気づいていただける作品になっています。今の現代の読者、特にZ世代にすごく刺さる作品が多いと言われているシルヴィア・プラス。タイトル『シルヴィア、生きる』に込められたメッセージは、この劇場でしか見ることができないものであり、ぜひ足を運んでいただけたらと思います」と平野。また藤岡も、「本作はシルヴィア・プラスが生きた1950年代・1960年代を描いていますが、今のこの現代社会においても強く通ずるメッセージや社会問題、考えさせられるようなものがたくさんあります。多くのメッセージが作品に込められていて、2026年の東京でやる意義と使命を感じています。必ずお客さまの心に強いメッセージと感動、共感や問いかけを持って帰っていただけるのではないかと感じています」と、大きな手応えを口にする。
作品の注目ポイントについては、「台本は全154ページありますが、私が出てないページはありませんでした(笑)。自分の女優人生の中でもこれだけ出させていただく作品、そして女性が主演でこれだけ歌わせていただく作品というのも珍しい」と平野。藤岡も、「平野さんは130分間ずっと出ずっぱり。本当に強い決意と覚悟で臨んでくれています」と平野の熱意を称える。
最後に、平野が観客へメッセージを述べた。
「本当にナンバーが素晴らしく、ぜひ生で聴いていただけたらと思います。“何者でもない自分”という単語が作品の中でいくつか出てくるけれど、じゃあ自分ってなんなんだろう、自分に関わってくれる周りのみんなってどうなんだろう、そういうことを考えながら、日々生きていく糧にしていただけたらうれしいです。最後の最後のその瞬間まで、みんなで高め合って、いい作品を届けられたらいいなと思っています。劇場でお待ちしています!」
ゲネプロ・リポート
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幕開け、舞台に汽笛の音が響き渡る。両親に無理やり汽車に乗せられ、旅に出るシルヴィア。列車の中で、彼女は不思議な女性と出会う。女性は「どこにいくの?」と問う。シルヴィアの切符には「第九王国」行きとあるーー。「第九王国」とは?
時が経ち、大人になったシルヴィアは、留学先でヴィクトリアと出会いすぐに意気投合、友となる。
富田演じるヴィクトリアは架空の人物で、本作のオリジナルキャラクター。シルヴィアの心の声を体現する人物として、彼女の人生に寄り添っていく。平野と富田は子役時代から旧知の間柄。彼女たちが表裏一体となり悩みをわかちあう、その様はどこか説得力を持つ。
そして夫となるテッドと出会う。テッドもまた詩人で、二人はたちまち惹かれ合う。恋心を歌にのせ、気持ちを通わせるテッドとシルヴィア。平野の澄み切った歌声と、鈴木の甘い歌声が重なり、響き渡る。同じ夢に向かう二人は若々しく、希望を語るシルヴィアは自信に満ちあふれてみえる。
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やがてテッドは天才詩人として世に認められ、一方シルヴィアは家事と家族の世話に明け暮れる。いくら詩作に身を削ろうと、主婦の片手間と言われてしまう。テッドに不満をぶつけるシルヴィア。そんななか、テッドの不貞が明らかになる。平野の華奢な身体から絞るように発せられる、悲痛な叫びが胸に迫る。
ひたすら美しい詩を求められた時代にあって、シルヴィアの作風は強烈すぎた。彼女の詩は「獰猛な野獣のようだ」と評される。神経をむしばまれていくシルヴィア。タイプライターに向かい一心不乱に創作に打ち込む彼女の姿はエキセントリックで痛々しい。そして1963年2月11日、彼女は生き直すために、10年に一度の儀式を試みるーー。
わずか180席という手の届きそうな空間で、歌声を浴びるように聴く。何とも贅沢なステージに、時を忘れてしまうほど。代表曲「詩は私そのもの」をはじめ、作中登場するミュージカル・ナンバーは全18曲。スローテンポの大ナンバーから、スウィング、ワルツ、ポップス、アフリカンビートなど様々なスタイルの音楽が舞台を豊かに彩っていく。
とりわけ平野は約125分間ほぼ舞台を退くことなく、歌い、演じ続ける。帝国劇場など大ホールで観客を魅了している彼女の声量と実力は圧倒的で、全身全霊でシルヴィアを生き、その波乱万丈の人生の物語に奥行きをもたらしていく。
その物語を更に彩っているのが、伊藤裕一と原田真絢。ある時はシルヴィアの家族として、学友、編集者など様々な人物に扮し全力で挑んでいる。
時にコミカルに、時に禍々しく作品に欠かせない存在感に注目だ。
シルヴィアは30歳の若さで自らの人生に終止符を打った。しかし本作で描かれるのは、“死”へと向かう終末の旅ではなく、再び生き直し、人生を取り戻すためのシルヴィアなりの旅の過程だ。演出の藤岡正明は、シルヴィアの人生を悲劇は悲劇のまま終わらず、切なくもどこかほのかな希望を残す、日本版初演の演出として見事に描いている。
(C)conSept All Rights Reserved.
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半世紀以上前、男性の添え物ではなく、自身を貫こうとあがいたシルヴィアの生き様は、現代社会を生きる我々にも強く訴えるものがある。ぜひ劇場で、そのメッセージを受け取ってほしい。
ミュージカル『シルヴィア、生きる』(上演時間約125分/途中休憩なし)は、2026年4月2日(木)~4月26日(日)まで、ザ・ポケット(東京・中野)にて上演。
レポート=小野寺悦子 撮影=岩田えり
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