クラフトビールと音楽を“味わう”都市型フェス『CRAFTROCK FESTIVAL '26』――鳴ってる音楽とお酒のペアリングを楽しむ唯一無二の魅力

2026.4.24
インタビュー
音楽

L⇒R:田中徹さん(CRAFTROCK BREWING/THE LOCAL PINTS)、五味拓人(LOSTAGE) 撮影=大橋祐希

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春から初夏へ、今年もクラフトビールが美味い季節がやってきた。音楽ライブとクラフトビールの祭典『CRAFTROCK FESTIVAL '26』が、5月9日(土)と10日(日)に立川ステージガーデンで開催される。今年の出演アーティストは例年を上回る豪華さで、出店するブルワリーも超有名店から新進気鋭までよりどどりみどり。こだわりのビールと音楽を貫き通す唯一無二のフェスについて、主催の田中徹さん(CRAFTROCK BREWING/THE LOCAL PINTS)を京王線・高尾山口駅そばに昨年開店したCRAFTROCK TAPROOMに訪ねて、今年の見どころをたっぷりと聞いてみた。

――いよいよ間近に迫ってきた『CRAFTROCK FESTIVAL '26』。準備はいかがですか。

今年は立川ステージガーデンが会場になってから5年目なので、今までで一番落ち着いて準備ができていますね。5年目を迎えて思うことは、メインのホールステージはプラカップでのビール持ち込みはNGで、グラウラー(炭酸対応ボトル)ならOKというのを2年目から始めて、オリジナルグラウラーを作って販売してきたんですけど、その頃のグラウラーを持っている人が毎年来てくれて、明らかにリピーターの人が目立つイベントになってきたんですね。今年も新しいデザインで販売しますし、「グラウラー付き」を買っていただくとかなりお得になるので、お薦めです。

『CRAFTROCK FESTIVAL '25』の様子

――フェス参加者としての印象で言うと、お客さんのマナーがいいというか、酔っぱらって騒ぐ人も見たことないですし、いい雰囲気だなぁといつも思います。

お酒と音楽のイベントにはいろんな形があると思うんですけど、『CRAFTROCK FESTIVAL』に関しては、酔っぱらうことより“味わう”というか、鳴ってる音楽とお酒のペアリングを楽しむことが大事だと思っています。ガンガン飲んでアゲていこうという感じではなく、その瞬間瞬間をその時のお酒と一緒に楽しんでいただけているお客さんが多いんですね。それはクラフトビールというお酒の特性でもあって、一口一口ゆっくり味わって、時間とともに風味が変わっていくのを味わうというか、そういうところにお客さんもフォーカスしてくれてるのかな?と思います。

『CRAFTROCK FESTIVAL '25』LOSTAGE

――そうですね。まさにピースフル。

出演者の方々も、クラフトビールと音楽というイベントに対して共感を持っていただいている方が多いので、話が早いということはありますね。我々がビールメーカーとして日々動いている中で、アーティストさんと常にコミュニケーションを取って、そういう関係性が続いていく中で出演が決まっていく、みたいな形が多いです。その中でコラボビールを作る機会も増えていて、今回LOSTAGEさんとコラボビールを作っているのも、『CRAFTROCK FESTIVAL』への出演がきっかけですし、先日情報解禁されたCRAFTROCK BREWINGとSPECIAL OTHERSとのコラボビールも、去年の出演をきっかけに決まったんですね。今年彼らはデビュー20周年で、20周年記念公演で僕らと作ったコラボビールを会場で販売することも実現しますし、今回出演していただける方たちも、何かしらビールへの思いがあると思っているので、今後の展開を期待していただけたら嬉しいかなと思います。

――今年の出演者は、初日の5月9日がパンク/エモ系、2日目の5月10日がインディーロックやダンス系と、どちらも豪華な凄いメンツが揃いました。

『CRAFTROCK FESTIVAL』はこれまでも一貫して、日にちによってカラーが違うというのをやっていて、今年もそれを引き続いてやっています。見どころで言うと、初日の土曜日は、まずホールステージの一番最後に出てくれるbachoですね。彼らは僕らがサーキットイベントをやっている時代からほぼ毎回出ていただいていて、深いご縁がある中で、昨年アルバムをリリースしたこともありますし、満を持してホールのトリを務めてもらいます。今まではずっと屋外ステージでやってもらっていたんですが、毎回、どんな時間帯でも拳が上がり、大合唱が起こり、年を経つにつれてそれが大きくなっていくのを見ていて、去年のステージを見たあとに「来年のホールのヘッドライナーはbachoにやってもらおう」と思ったんです。エモ/パンクにつきもののシンガロングも、普通はシンガロングパートというものがあるんですけど、bachoに関しては最初から最後までシンガロングで、“全ガロング”と言われていて(笑)。全ガロングはエモバンドのライブあるあるですけど、それが今年はさらに大きい形で見れればいいなと思ってます。

――初登場のバンドも多いですね。

おとぼけビ~バ~、Nothing’s Carved In Stone、ストレイテナーも初ですね。ナッシングスとストレイテナーはずっと出てもらいたかったアーティストで、ベースの日向(秀和)さんが兼任してるから難しいかな?と思ってたんですけど、快くOKいただいたので、日向さんには初出場ながら2ステージ頑張ってもらいます(笑)。それとtoeは、待っていた方も多いと思うんですが、実は『CRAFTROCK FESTIVAL』が色々試行錯誤している時代に、2016年に豊洲PITで開催した時に出演していただいたんです。その時からtoeのメンバーさんはクラフトビールが好きで、10年前からクラフトビールをキャッチアップしてくれていたことは僕らも理解していて、ぜひまた出てもらいたかったので、このタイミングで出てもらえるのが嬉しいです。

――野外のガーデンステージのトリは、台湾のバンド・Sorry Youthです。大抜擢じゃないですか。

アジアのバンドも僕らはずっとチェックしていて、Sorry Youthは特にオルタナ/エモのバンドとしてすごく共鳴できる部分があるなとずっと思っていて、今回ご縁あって出演していただけることになりました。そしてガーデンステージに出てもらうおとぼけビ~バ~は、勝手に『CRAFTROCK FESTIVAL』のバイブスに合うなと思っていたんですが、出演者を発表した時に、最近新しく加入されたドラムのれおさんがSNSの投稿で、「CRAFTROCK BREWINGのビールが好きなので出演できて嬉しい」というふうに言ってもらえて、こちらもすごく嬉しかったんですね。勝手ながら、おとぼけビ~バ~のステージングが一番活きるのは『CRAFTROCK FESTIVAL』の屋外ステージしかない!と思っているので、もうめちゃくちゃにしてもらいたいなと思います(笑)。

――2日目はまたガラリと音楽性のカラーが変わって、ダンス、ソウル、インディーロック系のバンドがずらりと揃ってます。

『CRAFTROCK FESTIVAL』の魅力は、オルタナ/パンクがあって、インディーロックやジャムバンドがあって、その二つがあってバランスが取れていると思っているので。その中でも今年の2日目は、お酒がらみのアーティストが多いかなと思っています。Lucky Kilimanjaroとは以前にコラボビールを作ったこともあって、念願叶って出演してもらいます。そしてPenthouseは、たぶん今一番乗りに乗ってるバンドだと思うんですが、去年の11月に立川の同じ会場で開催した『Brewin’ Groove Festival』に出演していて、メンバーの皆さんもビールが好きで、その流れで出演してもらうことになりました。お酒好きなメンバーの人たちだからこそ、お酒好きのお客さんに対してどういうステージングをしてくれるのか、すごく楽しみにしています。

――普段のライブとは違う盛り上がり方になりそうですね。良い意味で。

そして2日目のヘッドライナーは、思い出野郎Aチームですね。みんなで肩を組んで合唱して、明日から頑張りましょう!みたいな感じになればいいなと思ってます。『CRAFTROCK FESTIVAL』は2日間とも、ホールの最後のステージはスライディングウォール(可動式パーテーション)を開けて、屋外と屋内が一体になるんですけど、それを前提でbachoも思い出野郎Aチームも、最後に最も一体感が出ることをイメージしてキャスティングしています。

『CRAFTROCK FESTIVAL '25』の様子

 

――そして、クラフトビール好きには音楽以上に気になっているかもしれない、8つの参加ブルワリー。今年の特徴は?

一言で言うと、「今をとらえている」という感じだと思います。今一番注目されているブルワリーが集まっていて、これは結果論ではあるんですが、「JAPAN BREWERS CUP」という日本最大のクラフトビールのイベントの、直近3年のチャンピオンブルワリーが参加しているんです。奈良醸造、Firestone Walker Brewing、CRAFTROCK BREWINGの3社で、そこは注目してほしいです。海外勢や新しいところで言うと、埼玉のNOBODY BREWINGは、今すごく人気のTeenage Brewingというブルワリーが新しく始めたサブブランドなんです。コアなクラフトビールファンに満足してもらえるような、最先端のビールを作っているブルワリーが、「よりカジュアルに日常で楽しんでもらえるビールを」ということで作ったブルワリーで、ぜひ楽しんでもらいたいです。あと、宮城のFalò Brewingは最近できたばかりのブルワリーなんですが、醸造長はいろんな経歴を持つ方で、その方がテーマにしているのが「デイリーでありながら創意工夫を感じられるようなビール」というもので、そこに地元の宮城の良さも混ぜて伝えるという工夫をされているんです。そして静岡のWEST COAST BREWINGは、誰もが認める日本のトップブランドですし、電気グルーヴとコラボビールを作ったりとか、音楽との繋がりもあるんです。全部合わせて隙のない、今をとらえている8ブルワリーが揃ったと思っています。

――そのほか、何か新しい試みはありますか。

今年新しく始めることとしては、グッズを充実させてます。そして、館内のいろんなところにガチャガチャがあります。中身は何というのはまだ言えませんが、館内のあちこちにそれぞれに個性があるガチャガチャが置いてあるので、チェックしてほしいです。あとフードも、今回新しく出店するお店もあるので、そこも楽しみにしてもらいたいですね。

――みなさん、立川でお会いしましょう。最後に、せっかくなので、今回おじゃましているCRAFTROCK TAPROOMについて紹介してもらえますか。とてもいい場所ですね。

ここは缶ビールを製造するのがメインの工場に隣接していて、缶ビールと生ビールの両方を提供しています。お店の雰囲気としてはすごくカジュアルで、テーブルも椅子もなくて、ベンチシートとスタンディングのみという形で、飲食店というより休憩所みたいな感じで、気楽にクラフトビールを楽しんでいただくというコンセプトです。ここは高尾山の登山客が訪れやすい場所で、山を降りてきて、その日の楽しかった思い出をさらに深めてもらえるような場所にしたいと思っているので、ぜひ足を運んでいただければと思います。

CRAFTROCK TAPROOM外観

■CRAFTROCK BREWING×LOSTAGE コラボビール「Wakakusa」とは?

取材時にちょうどCRAFTROCK TAPROOMを訪れていたのが、5月9日のガーデンステージに出演するLOSTAGEのメンバーであり、地元・奈良で飲食店を営む料理人でもある五味拓人。ただいま絶賛制作中、『CRAFTROCK FESTIVAL’26』で販売する新作コラボビール「Wakakusa」は、どんなビールになる?


五味拓人:LOSTAGEは奈良をベースに活動しているので、やっぱり奈良の空気感は必要かなと思って、奈良の名産品とか、奈良っぽいものを色々調べたんです。有名なもので言ったら、イチゴとか柿とか桜とかがあるんですけど、そういう地ビール的なものはもうみんなやってるんですね。同じことをやっても面白くないから、何がいいかな?と思った時に、「若草」がいいなと思ったんです。若草というワードは奈良で浸透していて、若草山の山焼きとかもあって、グラッシーな香りのする飲みやすいビールと、若い芽が出始める春の季節を重ね合わせるのがいいんじゃないかと思って、CRAFTROCK BREWING × LOSTAGE コラボビール「Wakakusa」という名前を付けました。

田中:チェコ産モルトとニュージーランド産ホップだけで、副原料は一切使わない、とてもシンプルなクラフトビールです。純粋なビールの作り方の中で、五味さんのイメージを表現しました。

五味:その潔さがLOSTAGEっぽいかな?と思ってます。僕らは素人なので、イメージを伝えるだけですけど、「これはたぶん合うやろな」という直感があって、それがうまくハマッたんですね。

田中:今までのコラボビールの制作の中でも、一番すんなり決まったんじゃないですかね。「Wakakusa」という響きもすごくいいなと思って、そこに僕らなりの解釈も少し加えて、どういうホップを使うべきか?とか、最適なものを選びました。シンプルだからこそ職人の腕が大事になってくるんですけど、そこは安心していますし、僕らの得意とする感じのビールなので。みなさんに飲んでいただけるのが楽しみです。

取材・文=宮本英夫 撮影=大橋祐希

イベント情報

『CRAFTROCK FESTIVAL’26』

■日程:2026年5月9日(土)、10日(日)
■会場:立川 STAGE GARDEN
■出演:
・5月9日(土) Age Factory/bacho/the band apart/COMEBACK MY DAUGHTERS/KOTORI/THE LOCAL PINTS/LOSTAGE/Nothing’s Carved In Stone/おとぼけビ~バ~/Sorry Youth (from Taiwan)/ストレイテナー/toe

・5月10日(日) cero/goethe/グソクムズ/Keishi Tanaka/Lucky Kilimanjaro/LUCKY TAPES/MHRJ/ザ・おめでたズ/思い出野郎Aチーム/Penthouse/TENDRE/YONA YONA WEEKENDERS

■参加ブルワリー(両日):
CRAFTROCK BREWING(東京)/Falò Brewing(宮城)/Firestone Walker Brewing Co.(Antenna America)/Hudson Valley Brewey(アメリカ、ニューヨーク州)/KUNITACHI BREWERY(東京)/奈良醸造(奈良)/NOBODY BREWING(by Teenage Brewing)(埼玉)/WEST COAST BREWING(静岡)

■一般料金:
・各1日券9,900円
イープラス受付URL https://eplus.jp/sf/detail/4488610001-P0030001
・2日通し券19,000円
イープラス受付URL https://eplus.jp/sf/detail/4488620001-P0030001