ミーマイナー 「楽しいしかない」と断言するバンドの成り立ちとこれからの夢とは
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ミーマイナー 撮影=山川哲矢
シンガーソングライターの美咲(Vo,Gt)、ボカロP“もの憂げ”としても活動するさすけ(Ba)、久遠としても活動するわたさん(Gt)、ソロプロジェクト“青い”の活動を経てDrum Disc Jockey(DDJ葵)としても活動する葵(Dr)からなるロックバンド、ミーマイナー。
多彩なキャリアを持つメンバーたちが「楽しいしかない」と断言する現在のバンドについて、5月13日にリリースするメジャーデビュー1stEP『部屋とガラクタと私』について、メンバー4人に話を訊いた。
──結成としては、美咲さんがさすけさんに声をかけたところから始まったそうですね。
美咲(Vo,Gt):そうです。
さすけ(Ba):2019年に僕が、美咲が入っていたグループに楽曲提供をしたことから、音楽仲間みたいな感じの関係性が始まって。2023年ぐらいに僕がやっているボカロP(もの憂げ)の活動に美咲が歌唱で入ったりする活動が活発になってきた中で、美咲から一緒にバンドをやってほしいという話があったんですけど、最初はありえないと思ったんです(笑)。当時は僕もバンドをやっていたし、ずっと男臭い感じでやってきたのもあって、女性と一緒にバンドをやるイメージも湧かなかったし。だから断っていたんですけど、いつの間にかこうなってましたね。
美咲:私としては、さすけさんと一緒じゃないとバンドをやる意味がないとまで思っていたので、他の人に頼んだことはなかったし、OKって言われるまで永遠に何年でも頼み続けようと思ってました。直感で、絶対にこの人と一緒にやったら楽しい! おもしろいことになる!って思ったので。
──さすけさんとじゃないとやる意味がないと思った理由というのは?
美咲:行動力とか人間力がめちゃくちゃすごいんですよ。何もないところからYouTubeを始めて、1年で10万人登録してテレビに出たりとか。私は大手事務所に入って活動していたんですけど、さすけさんはどこにも入らずに自分の力だけでテレビに出ていて。
さすけ:ミーマイナーの初期も、下北沢で1000人ぐらいに声かけて、100人くらいにチャンネル登録してもらったりとかしてましたね。
美咲:そういう泥臭い営業もちゃんとできて結果を出してるし、あとはシンプルにさすけさんの作る曲がめちゃくちゃ好きで、それを歌えることに喜びも感じるし。そういう努力と才能を両方持ってる人ってあんまりいないので、すごいなと思ってました。
──さすけさんは、最初はありえないと思ったけど、美咲さんと一緒にやってもいいかなと思えるようになった理由は?
さすけ:……なんだったんだろう(笑)。
美咲:え、待って!(笑)
──直感?
さすけ:いや、最初は断っていたので。でも、情熱的だったから、エネルギーがあれば何でもできると思ったのかな……。
──だいぶふわっとしてますね(苦笑)。
さすけ:なんていうか、僕らは底辺の存在だと思っていたんですよ。美咲は今褒めてくれたけど、別に超一流アーティストの話ではもちろんないですし。だから、何も持っていない素人2人が、公園で趣味でギターを弾いていたらこうなったっていうか。
美咲
ライブは生き物であり生き様。今日ここでしか出ない、今ここで私が生きていることをどうやって証明するかっていうことを一番大事にしています。
美咲:うん。ライブにも誘われないから路上でやっていたし。10年間グループの活動をやっていたんですけど、それでも売れなかった、何者にもなれなかった人間だと自覚しているから。“ただ生活の一部として音楽をやっていた2人が重なったらこうなった”みたいなほうが近いかもしれないです。
さすけ:それでいうと、美咲に惹かれたポイントとしては、前のグループのときから“武道館に立つ”って美咲だけが言い続けていたんですよ。メンバーがグループから脱退しても、グループの勢いがなくなっても、解散しても、“武道館に立つ”って言い続けていて。グループのときも、ひとりだけ武道館に立つ人間の気迫のライブをしてたんですよね。だから声量が他のメンバーの5倍くらいあって。
美咲:ははははは(笑)。
さすけ:ひとりだけマイクいらん!みたいなライブをしてたから、その情熱は本物だなと思ってましたね。それがバンドマンとして開花するとは夢にも思ってなかったですけど。そこはお互いそうだと思う。だから、これでいけそうなのがマジか……?みたいな。
美咲:うん。全然予想してなかったです。
──わたさんと葵さんは最初はサポートでバンドに参加して、先日正式加入されましたけども、始まりはどんな感じだったんですか?
さすけ:僕が“さすけ軍団”という、いろいろなバンドマンとの繋がりを持っていて。そのなかで一番良さそうな2人をスカウトしました。
わたさん(Gt):レコーディングも最初のライブも話をもらっていたから、基本はサポートだけど固定メンバーみたいな感じだったので、最初から“サポートやります”っていう感じではあんまりなかったですね。
さすけ:うん。もはやメンバーとかサポートの概念すらないというか。ただ集まってやっていただけみたいな。
美咲:最初はいろいろな人とやっていたんですよ。「来れる人、集合ー!」みたいな。
さすけ:で、来れないときは別の人に来てもらって。本当にただ遊んでいた感じでした。
──葵さんもそういうところから?
さすけ:葵ちゃんは軍団歴が比較的浅いというか。最後にスカウトしたんです。だから「はじめまして」をしてからまだ1年半ぐらいなんです。
葵(Dr):前のバンドと対バンしたときに会ったんですけど、私の第一印象としては、(さすけは)すごく丁寧で情熱的な方っていう感じでしたね。すっごい低姿勢で。
──そうなんですね(笑)。お2人はどんなことを感じながら参加していましたか?
わたさん:僕も昔バンドをやっていたんですけど、サポートを始めてからは、これからバンドをやるぞ!みたいな気持ちを思い出しながらやっていたんですよ。“初ライブだ!”とか“いいイベント決まりました!”、“やったー!”みたいなことを、そういえばバンドってこういう感じだったなぁって。それもあって振り返っている感覚が大きかったんですけど。この前のワンマンで加入発表したときに、振り返る作業はここで終わりで、ここから!っていう感じに切り替わりました。
葵:私もバンドをやっていて、ひとりでも演奏してきたんですけど、ミーマイナーのサポートを始めてからは、音楽って楽しいなと思いながらやってきた感じでしたね。最初に2人の書いた曲をもらったときにめちゃくちゃ感動したし、今まではSNSとか他の要素を頑張ってきたところもあったけど、今はより良い演奏をできるようにっていう方向にシフトして考えられるようになって。だから、音楽をやってきてもう結構長いんですけど、“音楽楽しい!”って胸を張って言えるようになったのがこの1年半でした。
──そう思えたのはめちゃくちゃ大きかったですね。
葵:ありがたかったですね。この出会いは本当にラッキーだったなって。音楽をやっていて苦しいなと思う時間のほうが長かったから、この人たちと一緒に音楽をやれて、やっと音楽楽しいと思ってる……!っていう実感がすごくあります。
さすけ
自分らの曲が一番好き。聴きたいけどこの世にないから作っているだけだから。だから天国のような場所なんです。
──さすけさんも音楽を続けることで苦しさみたいなものを感じたことはありますか?
さすけ:僕は一度もないですね。ただ楽しいことだけをやっている人間なので。僕にとって音楽は趣味なので、楽しくなかったら辞めればいい、みたいなところもあるので。だから、楽しい以外の感情をバンドから感じたことは1回もないです。
──美咲さんはいかがですか?
美咲:私も音楽に対してそう思ったことはないですね。音楽で売れようと思ったことがなかったし、これまでは半分音楽じゃないことをやっていたので。
さすけ:芸能活動みたいな。
美咲:うん。芸能活動をやっていただけで、音楽で評価されていたわけではないし、むしろ音楽をずっとやりたかったから、今は最高ー!って感じです。だから楽しいしかないです。
──そういう意味では、メジャーデビューに関してはあまり考えてはいなかった?
さすけ:むしろ、メジャーデビューはしない、する必要もないと思っていたんですけど、ありがたいことに様々なレーベルからお声掛けをいただきまして。いろんな話を聞いたんですけど、僕と美咲が一貫して言っていたのは、“私たち僕たちは強制されて何かをやることはありません”ということで。ただ好きなことをやっているだけだから、僕らは何かしらの命令は受けることができないので、すいませんってずっと断り続けていたんですよね。そしたら、今のプロデューサーがピアニストの方なんですけど、スタジオに遊びに行ったときにセッションをして、楽しかったんですよ。曲に関しても、“今のままで最高だからこのままでいい”って言ってくれて。それでこうなりました。たぶん騙されているだけなんですけど(笑)。
──はははは(笑)。
さすけ:きっと後々いろんなことを言われるんでしょうけど、そういう入り口だったからデビューさせてもらいました。
美咲:みなさん親切なので、いろいろアドバイスしてくれるんですよね。売れるためにはこうしたほうがいいよって。でも、私は楽しいと思うことをやりたくてバンドを始めたし、そのアドバイスを受けてやっちゃうと、私がかっこいいと思っているバンドとか、やりたいと思っていることとズレてしまう場合があるので。だからそういうことはできないですって丁寧にお話しさせてもらいましたし、それを話すことで自分のやりたいことの輪郭がもっとハッキリしたから、すごくいい時間でした。
さすけ:めっちゃ令和ですよ、我々は。
美咲:うん。私的には、売れるための手段としてのメジャーデビューではなく、私たちを最高だと言ってくれる仲間をずっと探していて。今回それが見つかったっていう感じですね。それはファンの人や世間に対しても同じで。私たちを最高だと思った人と楽しいことをしようっていうスタンスなので、そういう仲間を見つけたいなって思ってますね。
さすけ:間違いない。自分らの曲が一番好きだしね。聴きたいけどこの世にないから作っているだけだから、それは好きだよな?っていう。だから天国のような場所なんですよ。
──であれば、この天国をずっと続けていきたいという。
さすけ:そうです。
──素敵だと思います。美咲さんがおっしゃっていた“かっこいいと思っているバンド”とか“やりたいと思っていること”というのは?
美咲:今の時代はアーティストも曲も無数にある中で、みんな流行りに寄ったり、ブームとかがあったりして、それで消費されていく世の中だなと思っていて。その中でもブレない軸を持って、自分はこういう人間なんだっていう存在証明をしている人とか、この人はどうしてもこれを表現したいんだろうな、これをしていないとヤバいんだろうなっていうぐらいの衝動みたいなものにすごく惹かれるので。そういう衝動性はすごく大事にしています。
──なるほど。
美咲:あと、歌詞は自分の実体験なんですけど、自分の歪んだ価値観で書いているので、たぶん多くの人に共感されるような部分はあんまりないと思うんです。でも、だからこそひとりにめっちゃ深く刺さるんじゃないかなと思っていて。だから“個人的であること”っていうのはめちゃくちゃ大事にしてますね。そうすることで、届いたときに知らない人とでも深く繋がれると思うので。
──メジャー1stEPのタイトルトラック「部屋とガラクタと私」は、TVアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』のED曲になっていますが、この曲で美咲さんが特に言いたかった部分というと?
美咲:サビに《もういらない物だけが愛おしい》という歌詞があるんですけど、この1行はミーマイナーのすべての曲に通ずるものだなと思っていて。そういう喪失感や失っていったものが人生の本質だと私は思っているし、ミーマイナーってそういうことをずっと歌っているバンドではあるんですよね。あと、曲って起承転結があったり、最後のほうで“前を向こう”みたいになることもあるけど、私の曲は、たとえばその曲が4分だとしたら、その感情をずっと引きずっている4分間なんです。
──展開させていくのではなく、今この瞬間の感情だけを詰め込むという。
美咲:そうです。この感情はどんな形をしていて、どんな色で、どんな重さで、どんな匂いがしているんだろう?ということだけを見つめて書く。時系列やストーリーではなく、“この感情です”というのが私の曲の書き方なので、「部屋とガラクタと私」も同じですね。この悲しみも愛おしい、君がいたからすべてが愛しいんだという感情を書いた曲です。
──葵さんとわたさんは、美咲さんが作ってくる楽曲に対してどういう印象を持っていますか?
葵:美咲ちゃんの曲は、自分の日常を切り取った言葉、その情景を見た彼女にしか分からない言葉がそのまま入っているところがすごく好きで。さっきも言ってましたけど、“前を向こう”とかではなくて、今あなたがいないから私はもう何もできないということを赤裸々に書いているのが、この子の弱さであり、強さでもあり。
さすけ:いいねぇ、その表現。
葵:よし! 来た!(笑顔)
美咲:はははははは(笑)。
葵:そこがすごい好きですね。
わたさん:ギターを弾いている立場で言うと、さすけさんが作る曲はわりと音を置いていくようなイメージなんですけど、対して(美咲の曲は)ギターをいっぱい弾きたくなることが多くて。不安定でグチャっとしたものを入れたくなることが多いですね。
わたさん
ついていったら絶対に楽しい音楽が待っていると思っているので。安心してます。
──「サンドウィッチ」のリードギターがめちゃくちゃいいなと思ったんですが、それこそ弾きたくなる感じでしたか?
わたさん:あの曲はいろいろ練ったパートもあるんですけど、デモのときにノリで弾いたやつが一番良かったんじゃないか?っていうことになって、それを採用したりもしていて。そういう意味では、考えて、考えて……というよりは、ワーッ!と弾いたもののほうが合うのかな。
さすけ:わたさんのギターって、毎回曲にぴったりのフィーリングが乗っかってくるんですよ。パッと見、僕らみたいな感情的な人間じゃないはずなんですけど、フレーズに同じ温度を感じるから、もしかしたら隠してるだけで根は近いのかも。
美咲:そうそう。情熱的な、衝動的な。
わたさん:実は……(笑)。
葵:隠してるんだ?(笑)
──音楽をやっているとそういう瞬間もあるでしょうからね。葵さんはさすけさんの楽曲に対してはどんな印象がありますか?
葵:さすけさんの曲は文学的というか、物語の情景が書かれている通りにちゃんと浮かんでくる感じがあって。頭がいいというか。
美咲:わかる! 小説みたいなね。
葵:そうそう。さすけさんの曲は絶対に歌詞を見るようにしているんですけど、読めない漢字とかは調べて、どういう感情でこの言葉を使っているんだろう?って考えたりしていて。ドラムとしても、この音を使ったほうがいいよねとか、こっちのタムでいってほしいというのもちゃんとあって、そこは自分としてもすごく勉強になってます。だから、その言葉を伝えるための音を選んでフレーズを考えていく感じです。
──先ほど文学的というワードがありましたが、さすけさんが作詞作曲された「レモンガール」の《微温い酒 安い肴 マルボロの煙》というラインがめちゃくちゃ渋くて気になりました。
さすけ:僕のような系統の歌詞を書かれる方って、小説に影響を受けたり、こういう歌詞を書きたいっていうところから入る人が多いと思うんですけど、自分としてはその中でも感情を先行させたいんですよね。「レモンガール」もそうですけど、自分も歌詞は実体験をベースにしているし、実体験をベースにしていない文学的な歌詞にあまり惹かれなくて。だから、実体験の熱がありつつ、かつ文学的な装飾がハイクオリティになされているものを目指して書くようにしています。
──では、さすけさんが美咲さんの曲に感じている魅力というと?
さすけ:人間としての重みが曲にしっかり乗っているところが素晴らしいと思っていて。たとえば「君の言う通りだった」を、シンガーソングライター1年生が持ってきたら、いい曲なんだけどかっこいいことを言おうとしてる感じがある。けど、この人はずっといろんなことにぶつかりながら、いろんな人に攻撃されながらも貫いてきた10年があるから、その熱が曲から滲んでいるのが好きだし、美咲の曲は生き様が出てるなと思います。生き様系。
──この人だから歌えるものを歌っているという。
さすけ:そうですね。歌詞で書いていることを地で行っている人だからこそできるというか、中途半端なことしてないんだろうなって。そういうものってなかなか作れないと思うんですよね。今ってこれだけいろんな刺激や娯楽がある中で、美咲はひとつのグループを8年ぐらい続けていたし、決めたら曲げないところがいろんなところに出ているのがいいなと思います。今、冒頭で褒めれなかったことを解消してるんですけど(笑)。
美咲:はははははははは!(笑)
さすけ:伝説のロックバンドのボーカルって全員かっこいい生き方をしていると思っているんですけど、美咲にはそうなれる資質があるのがめっちゃ頼もしいです。僕は伝説にはなれないタイプの人間だと自認していて。弱さもあるし、自分に嘘もついてきたし。2人(わたさん、葵)もものすごくいろんな経験をしている超優秀なプレイヤーなんですけど、その2人も美咲に満場一致で全乗っかりしているのは、やっぱりカリスマ性があるんだろうなって。
葵:うん。美咲ちゃんが“こっち!”と言ったら全員でオッケー!って同じ方向を向けるぐらい信用してます。
──わたさん、深くうなづかれてましたね。
わたさん:もうその通りです。ついていったら絶対に楽しい音楽が待っていると思っているので。そういう意味では安心してますね。
──9月17日にはSpotify O-EASTにて『ミーマイナー 3rd ONEMAN LIVE 「0 to 1300」』を開催されます。タイトルは“0人から1300人”という意味だと思うんですけど。
さすけ:実はこのタイトル、「マイナス to 1300」にすればよかったねって話してたんです。
美咲:私は前のグループ活動があったので、最初はバンドを組んだだけで叩かれたり、非難されたり、悪口を書かれたりして。
さすけ:“音楽だけで売れるわけないのに、なんでバンドなんかやってんの?”とかね。
美咲:“調子乗んな”とか“アーティスト売りしたら終わる”とか。それが本当に苦しかったし、最初は敵だらけだったんですよ。
さすけ:でも、俺らも実際そう思ってたよね。“音楽だけで売れるわけないじゃん”って言われて、そりゃそうだよなって。
美咲:うん。思ってはいたけど、それを言われるのがすごくショックで。まぁいろんなことがあったんですけど、誰のためでもない、自分たちのためだけにやっていた音楽が1300人のものになって今存在してるっていう。そのことをタイトルに込めたんですけど、自分たちがこの状況に一番びっくりしてますね。O-EAST!? みたいな。
──今年3月にSpotify O-WESTでワンマンだったので、半年で倍以上のキャパですからね。
美咲:でも、どうしてもO-EASTでやりたい理由があったんです。結成してすぐの頃に『ツタロックDIG』というイベントのオーディションがあって、オープニングアクトでO-EASTに出たことがあったんですけど、そのときはサブステージだったんですよ。だから絶対にあのメインステージに立つって宣言していたから、O-EASTという場所にすごくこだわりはあって。
葵
もし大きい舞台に立てるとなったときにも、舞台裏でもこのままでいたい。
──みなさんそれぞれがライブをする上で大事にしていることというと?
美咲:ライブは生き物であり生き様だと思っているので、発表会みたいな感じではなく、ぐっちゃぐちゃで、こいつ生きてるな!って感じるライブのほうが好きなんです。だから、今日ここでしか出ない、今ここで私が生きていることをどうやって証明するかっていうことを一番大事にしています。
葵:基本的にお客さんを見るというよりは、メンバーを見渡すことを意識してますね。美咲ちゃんの動きとか、2人(さすけ、わたさん)がアドリブを入れたら私も一緒にアドリブを入れたりとか。あと、美咲ちゃんのテンションが上がっているときは、本当に分かりやすく全員一緒に上がるので、ドラムとしては、テンション感を合わせつつ、ここは私が支えておくからみんなは何をしてくれてもいいよっていう感じですね。
わたさん:僕もわりとワーッ!っとやりたいなと思っていて。ぐちゃぐちゃみたいな感じでもいいかなと思っているぐらいなので、いつもドラムの安定感にかなり支えられてます。
葵:おっ。やだ、ありがとうございます(笑)。
さすけ:意外とわたさんが一番暴れるからね。ステージングのリーダー的存在として最前線でドリブルしてくれて、葵ちゃんがキーパーで、その間で僕らが安心してパスをもらえる感じはある。
──さすけさんの場合はいかがです?
さすけ:僕にとってライブはもう遊びですね。葵ちゃんのほうを見てニヤニヤしたり、わたさんに絡みに行ってアドリブ入れてフレーズバトルしたり。ワンマンのリハのときはステージでベッドみたいに寝転んでリラックスしているし、緊張したこともほとんどなくて。本当はもっとカッコつけないといけないんだろうけど、ずっとゆるーくニタニタしてます。おもしれえなぁって。とにかく自由に楽しくっていう感じなので。
──そこは本当に一貫していますね。今後の活動としても、基本的に楽しくなければ続けられないだろうなという感じでもあるんでしょうか。
さすけ:そうですね。だから今後の目標とかもなくて。楽しくやりましょうというのが唯一の目標というか、目標を持たないことが目標みたいな感じになってます。
──美咲さんは、武道館に立つという夢や目標は今もまだあります?
美咲:それはもう呪いみたいなもので、私が死ぬときに心の中で叫ぶのは“武道館!”だと思うんですよ(笑)。ただ、それは私が思っているだけで、ミーマイナーの夢とか目標ではなくて。夢や目標と言ってしまうと、それが叶わなかったときにすべての過程にバツがつくことをこの10年間で経験したし、武道館に立てなかったことによって、それまでの自分の頑張りや経験を認めてあげることができなかったんですよね。それを繰り返したくないから、目の前のことを頑張ってひとつずつ積み上げていった先に武道館があってほしいなとは思うけど、そのために何かをするとか、それが叶わなかったら人生が終わりだとは、今は思ってないです。
さすけ:だから夢ではないんだよね。というか夢はもう叶ってる。
美咲:そう。夢は叶ってるんですよ、バンドができている時点で。
さすけ:でも、どうせやるならそこに辿り着けたらっていう。
美咲:そうそう。武道館楽しそうだから行こうぜ!みたいな。今はそういう感じですね。人生をかけてこれを叶えたいとかは、もう思わないようにしてます。
──確かに夢や目標って、言い換えると呪いでもありますからね。
美咲:はい。私は呪われて、呪われて、もう散々な……(苦笑)。
──美咲さん、過去のことを話すときに声のトーンが下がって早口になりますよね(苦笑)。
美咲:はははははははは!(笑)
──本当にいろいろあったんだろうなぁと思いながらお話を聞いていたんですけど、今はもっとラフに考えているというか。
美咲:そうですね。通過点というか、行きたい場所というか……なんだろうなぁ。
──やれるならやってみたい場所とか?
美咲:そういう感じが近いかもしれないです。
わたさん:僕も過去にバンドをやっていて、やめた後は音楽の仕事をしたり、いろいろなことがあって今に至るんですけど、そもそも僕はまずギターが好きになったんです。音楽が好きだったわけじゃなく、ギターが楽しいと思って音楽を聴き始めたタイプだったから、とにかくギターが弾きたくて。そこから音楽を始めて、いろいろあって、今はギターを弾いているから、本当に最初に戻ったような感じがあるし、結局僕がやりたかったのはこれなんだっていうところに落ち着いているので、これを続けていきたいですね。
さすけ:めっちゃわかる。俺も高校で初めて組んだ趣味バンドのときと今がめっちゃ似てるから。
葵:今のこの4人の雰囲気とか空気感がすごくちょうどよくて。そこが1年半変わらなかったことって、大人になってから出会った4人ではなかなかないことだと思うんです。だから、もし大きい舞台に立てるとなったときにも、舞台裏でもこのままでいたい。直前まで騒いでいるぐらいの距離感でいたいです。
取材・文=山口哲生 撮影=山川哲矢
リリース情報
2026年5月13日発売
【初回生産限定盤】CD+Blu-ray
RCL-13671 ~ SRCL-13672 ¥5,000(税込)
<CD収録曲>
1. 部屋とガラクタと私
2. レモンガール
3. 純文学
4. サンドウィッチ
5. 君の言う通りだった
6. 拝啓、私たち
ミーマイナー 1st ONEMAN LIVE 『ふたりよがり』 2025.09.19 FRI at Shibuya eggman
【通常盤】CD only
SRCL-13673 ¥2,500(税込)
<CD収録曲>
1. 部屋とガラクタと私
2. レモンガール
3. 純文学
4. サンドウィッチ
5. 君の言う通りだった
6. 拝啓、私たち
ライブ情報
2026年9月17日(木)Spotify O-EAST
開場18:00/開演19:00
<
一般スタンディング ¥4,500(税込/ドリンク代別)、学割スタンディング ¥3,500(税込/ドリンク代別)
※入場時に別途ドリンク代が必要です。
イープラス https://eplus.jp/meminor/
<イベント出演>
5月2日(土)千葉市蘇我スポーツ公園(千葉県千葉市)
GRAND SLAM 2026
5月5日(火)DIAMOND HALL & SPADE BOX(2会場同時開催)
gr8!records presents “ポンスカ ナイト”
5月17日(日)渋谷eggman
BLUE2
5月21日(木)R.A.D
KITASAN ROLLING 2026
5月24(日)茨城県水戸市 3会場
百万石音楽祭2026
6月7日(日)石川県産業展示館1~4 号館
MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺 2026
6月27日(土)吉祥寺エリア 9会場
JOIN ALIVE 2026
7月18日(土)、19日(日)北海道・いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)
見放題大阪2026
7月4日(土)大阪・心斎橋界隈サーキット
見放題名古屋2026
7月5日(日)愛知・栄界隈サーキット