ザ・あどばんとTHE KING OF ROOKIE、スプリットツアー開催前に対談ーー「ちゃんと高め合いたい」それぞれのルーツや新作について語る
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ザ・あどばん × THE KING OF ROOKIE 撮影=goro
ロックやパンクを軸としながら、それぞれにライブハウスシーンを駆け上がるザ・あどばんとTHE KING OF ROOKIE。同世代である彼らは、お互いの自主企画に招き合うなど意気投合。そして6月27日(土)からスプリットツアーを開催する。ツアー出発前に、両バンドのメンバーの対談が実現。それぞれのルーツや互いに対して感じていること、新作への思いまで、笑いの絶えない空気感のなかでたっぷり語ってもらった。
同世代のザ・あどばんとTHE KING OF ROOKIE、バンドを始めたルーツ
ありたこうへい(ザ・あどばん/Vo.Gt):台風クラブのTシャツかわいいな。
鈴木琳(THE KING OF ROOKIE/Vo.Gt):ありがとう。台風クラブのTシャツ着てる人、なんか分かってる感あるよな。
ありた:分かる分かる。ロックの名盤で「風街ろまん」(はっぴいえんど)を選ぶ人くらいツウって感じがする。
犬人間(THE KING OF ROOKIE/Dr):これから対談か。緊張してきたぜ……。変なこと言っちゃったらどうしよう?
ありた:俺は変なことを言わないように、放送禁止用語を予習してきたんですよ。みんな、〇〇とか言わんように。あれ言った瞬間、もう終わりやから。
鈴木:いきなり言っちゃってるけど大丈夫?(笑)
一同:あはははは!
――既に仲良さそうですね。
ザ・あどばん(左からまえだけんた、うけだこうへい、ありたこうへい、なかむらこうせい)
うけだこうへい(ザ・あどばん/Gt):いや、でもまだまだ……。
まえだけんた(ザ・あどばん/Dr):全然仲悪いですよ(笑)。
なかむらこうせい(ザ・あどばん/Ba):やめて、悪くはない(笑)。
――同世代ということは、音楽の趣味も近いんでしょうか? みなさんが楽器やバンドを始めたいと思ったキッカケが知りたいです。
ワシミリョウ(THE KING OF ROOKIE/Ba):僕は元々、GReeeeN(現:GRe4N BOYZ)が好きで。「花唄」って曲のミュージックビデオを見て「バンドやりたいな」って思ったのがきっかけでした。
なすのたかと(THE KING OF ROOKIE/Gt):僕は、姉ちゃんが持ってたSEKAI NO OWARIの『ENTERTAINMENT』っていうアルバムを聴かせてもらったのがキッカケで、音楽を好きになって。じいちゃん家にあったウクレレをちょっと弾かせてもらったら面白かったので、そのあとセカストに行ってギターの初心者キットを買いました。
犬人間:俺が楽器を始めたきっかけは「このバンドに憧れて」という感じじゃなくて。「太鼓の達人」をやりすぎてお姉ちゃんに「気持ち悪い」「ドラムをやりなさい」と言われて始めました。
――けっこう趣味がバラバラなんですね。曲を聴いてパンクが好きなのかなと思ったんですが、曲を書いている鈴木さんのルーツがその辺りにあるんでしょうか?
鈴木:そうですね。自分がバンドを始めたきっかけは、完全にTHE BLUE HEARTSなので。YouTubeで野音のライブ映像を見て衝撃を受けたんですよ。簡単そうだし、自分にもできるかも! と思って、そのままギターを買って、小学校から一緒のこいつ(犬人間)をバンドやろうって誘いました。それが中学2年生くらいですね。「こういう音楽をやろう」みたいなことは決めなかったんですけど、当時の自分がカッコいいと思ったのがたまたまパンクだったので、そのままこれを続けてます。
THE KING OF ROOKIE(左からなすのたかと、鈴木琳、犬人間、ワシミリョウ)
ありた:へえ、素敵。俺がバンドを始めたきっかけは、TENDOUJIやと思うんですけど。学生時代に「ジロッケン環七フィーバー」をめっちゃ観てて。
一同:分かるわ~。
ありた:TENDOUJIのナオさん(モリタナオヒコ/Vo.Gt)がずっと言ってるんですよ。「俺たち28歳でバンド始めて、いつからやっても遅くないと思うんですよ」って。それがきっかけで、自分も20歳の頃に本当にバンドを始めたっていう。だからこそ、THE KING OF ROOKIEがTENDOUJIと対バンすると知って悔しくて……(※5月21日に開催されるTENDOUJIのツアー新潟公演にTHE KING OF ROOKIEが出演することが、取材当日に発表された)。
犬人間:ごめん……。
ありた:謝られるのも違うけど(笑)。
――ザ・あどばんは結成当初、全員がバンド未経験かつ楽器初心者だったんですよね。
ありた:そうです。まず僕がバンドやりたいと思って、最初に誘ったのがなかむらこうせいです。
まえだ:ドラムを担当しております、前田健太です。マエケンです。
一同:(一斉にマエケン体操をし始める)
まえだ:「学祭にバンドで出たいからドラムを叩いてくれ」と言われてドラムを叩き始めたのが、つい3年前ですね。なので楽器を始めたきっかけは、やれと言われたからなんですけど(笑)、「バンドっていいな」と初めて思ったアーティストはUNISON SQUARE GARDENで。ベースの田淵(智也)さんの奇抜な動きにびっくりして、「こんなやつらがいるんだ」と思って。最初はずっと「ベースやりてぇな」と思ってたんですけど、結局今はドラムやってますね。そもそも「文化祭だけドラム手伝ってくれる?」「ええよ」って会話から、ここまで続いてるっていう……。
ありた:まだ正式に加入してないかもしれない(笑)。
うけだ:それで言うと、僕も加入したっていう発表はしてなくて(笑)。
ありた:学祭の延長でここまで来ちゃったな(笑)。
うけだ:学校を卒業して、社会人になって仕事も暇やったんで、ギターを始めたタイミングで、ちょうどバンドやらないかって声かけてもらって。当時、友達に誘われてライブハウスに行ったら、大阪のROVING GRANDPAっていうバンドがおったんですよ。当時のギタリストが奇抜で。
一同:おおー! アーサーか!
うけだ:そうそう。カッコいいなと思って、エレキギターを買ったら、このバンドの誘いが来たんですよね。
なかむら:僕は、アリペイがInstagramのストーリーでメンバー募集してたから、「絶対入れそうだし」と思って連絡したんですよね。バンドやると、やっぱりモテるかなと思って。
ワシミ:一番純粋な理由だ(笑)。
なかむら:僕、何も楽器やったことなかったんですけど、「やるわー!」「いいよー!」ってなってベースを買ってきて。それまで全然バンドとか知らなかったので、そこからいろいろ聴き始めて、今はMakiが好きですね。
2組が出会ったキッカケ「僕らの目指す音楽をしてる集団がおる!」
――そもそも2組はどういうキッカケで出会ったんですか?
ありた:最初はワシミくんから連絡をもらって。ワシミくんは新宿マーブルっていうハコで働いてるんですよ。ある日ブッカーとしてDMをくれて。そこからですね。
まえだ:それまでは長野が一番東やったんですよ。「東京でライブしたいな」「どうしたら東京に行けるんやろ」と思っとったタイミングで、ちょうど連絡をもらって。
ありた:それよりも前から、僕らはTHE KING OF ROOKIEのことを知っていたんですよ。僕らの動画に「THE KING OF ROOKIEみたい」ってコメントが来てて。調べたら、「ヤバい、これや!」「僕らの目指す音楽をしてる集団がおる!」と思ったから、メンバーみんなで神戸VARIT.でのライブを観に行って。そこで改めて「これや」って思いましたね。全員一緒に塊になって、「絶対にお客さんを掴むんや」って前に出てくるようなライブで……そのために時間を費やしているのが、見える見える!
鈴木、犬人間、なすの、ワシミ:あはははは!
ありた:僕らは初心者からのスタートだったから、「どれだけやったらこれだけできるようになるんだ?」と思いましたね。僕、その時、たぶん一番フロアで踊り狂ってたと思う。
なすの:一番楽しんでくれてたよね。
鈴木:そう。「神戸にこんな若い男の子のお客さん来てくれたんだ」と思ってたら、あとで同い年と知るという(笑)。
うけだ:僕らもTHE KING OF ROOKIEは年上だと思ってたんですよ。フェスとかもめっちゃ出てるし。
ありた:そうそう。なので、ワシミくんからDMをもらってからは、もう「行きます!」って即答でしたね。有給とって東京行ったの覚えてるなあ……。
うけだ:真夏のド平日に車中泊して。
なかむら:あれは二度としたくない(笑)。あれ以降、ちゃんとホテルをとるようになりました。
鈴木:僕らはワシミからザ・あどばんを教えてもらったんですよ。最初はバズってるバンドっていう印象があって、ちょっとナメてて。初めてライブを観た時も、正直、まあまあまあ……ぐらいにしか思ってませんでした。だけどそこから、どんどんライブがよくなっていって。その変化を見られるのがすごく楽しくて。曲も好きですね。アリペイの歪んだ愛が歌詞で伝わるというか。その伝えたいことを、熱量を持ってライブで表現してて。あと、「楽しいから音楽やってるんだな」って伝わってくるようなライブだから、めっちゃいいなって思う。
犬人間:俺さ、初めてライブ観た時さ、アリペイの目になんか惹きつけられちゃったんだよね。いい意味でイッちゃってて、素敵だなと。みんな好きだけど、最初にアリペイをつい見ちゃって。そこに俺はけっこうビビッときました。
なすの:表情とかも含めて、ライブのパフォーマンスがみんなまっすぐすぎて、カッケーと思ったのが第一印象かな。
ワシミ:カッケーけど温かくて、愛もあるのがいいよね。
鈴木:愛と自由みたいなマインドが僕たちと似てると思ってて。音楽の趣味もけっこう近いですし。ボーカル同士が、ライブハウスに観に行くバンドもけっこう近いんですよ。
ありた:今観るバンドがほとんど一緒やな。
鈴木:サーキットとかで「おお、いるやん」「また会ったやん!」ってめっちゃなる(笑)。
ありた:たぶん今まで通ってきたバンドはけっこう違うと思うけど、今やりたいことはけっこう一致してる。ロックンロールカルチャーにいる僕の好きな人らは、カッコいいし、アンダーグラウンドやし、攻撃的で鋭いのがカッコよくて……みたいなのが多い中で、THE KING OF ROOKIEは太陽のように全てを包むけど、「俺らはロックンロールやぜ」という主張もあって。
鈴木:うわっ、嬉しいわー。
ありた:そういうバンドって、なかなかおらんくて。今回のツアーでもいろいろ吸収したいですね。
鈴木:きっと一緒に成長していけると思うし、このツアー、本当に楽しみです。
ありた:対バンってまだ2回しかしてない?
鈴木:弾き語り1回、バンド2回かな。
ありた:だから仲良くなるのはこれからやし……。
まえだ:逆に、仲悪くなるかもしれん(笑)。
鈴木:いろんな可能性を秘めてるよね(笑)。
スプリットツアーでは、ちゃんとお互い高め合いたい
――どんなツアーになるのか、いろいろな意味で楽しみですね。ツアー出発前の6月3日には、それぞれ新譜をリリースします。ザ・あどばんの2ndミニアルバム『ゆうぐレコード』は、どのような作品でしょうか?
ありた:1曲はウケちゃんが書いてくれて、残りの5曲は僕が書いてるんですけど。僕は小学生の時が一番楽しかったので、当時の思い出が半分、「こうであったらよかったのにな」という妄想が半分入っている曲が4曲あります。残り1曲は、ありがたいことにお客さんがちょっとずつ増えてきたので、ライブの時に思った曲を書きました。それが「ジャーニー」っていうリード曲ですね。この曲だけ本当の僕のことを書いてみたんですけど……やっぱり恥ずかしいですね。小説とかを読んで育ってきたから、歌詞でもフィクションを書いてきたけど、「自分のことを歌うのは恥ずかしいなあ」「でもまあ内側から出てきたもんやし」という感じで。聴いてくれる人には「アリペイ、こんなふうに思ってんねんな」って受け取ってくれたらいいなと思ってます。
うけだ:「激辛大王」って曲は自分が書いたんですけど、僕は辛い食べ物が苦手だけど好きなんですよ。
まえだ:それだけの曲やんな?
うけだ:うん(笑)。でもバンドをやり始めて、ロックンロールの美しさに気づいたからこそ、バカでもわかるロックンロールの曲を作りたいなって思って作りました。ライブも楽しいんじゃないかと思います。みんなバカになれる曲なんじゃないかと。
――THE KING OF ROOKIEのニューシングル「ハローヘイボン」についても聞かせてください。
鈴木:リード曲の「平凡」は、最初の「平凡ですよ!」だけ決まってて。Ramones「Blitzkrieg Bop」のオマージュですけど、思いついた瞬間「おもろっ!」って思って、そこから作っていた曲なんですよね。人と喋ってたり、生活したりしてても、自分が普通すぎて嫌になる瞬間があって。そこに抗いたい自分もいれば、ちょっと受け入れてしまっている自分もいて……というフラストレーションを吐き出した曲にはなってますね。シングル全体で言うと、今までの自分たちらしいパンクっぽい曲もあれば、オルタナっぽい曲も、バラードもあって。今までのTHE KING OF ROOKIEの良さもありつつ、これからもっと表現の幅を広げていくことを見据えて、いい作品が作れたなと思ってます。
――これからツアーが始まりますが、その前に、相手のバンドに言っておきたいことはありますか?
ワシミ:トイレは座ってしてほしいな(笑)。立ってもいいけど、ちゃんと綺麗に使ってほしい。
犬人間:大事だね(笑)。
なかむら:便座といえば……
鈴木:便座の話、膨らませる?(笑)えーっと、スプリットツアーということで、いろいろなところをまわっていくじゃないですか。
ありた:仕切り直してくれて助かる!(笑)
鈴木:毎回お互いのライブを観ると思うんですけど、ちゃんと毎回言い合いたいですね。今日はここがよかったとか、ここがダメだったね、みたいな。「いつも観てるからいっか」じゃなくて、ちゃんとお互い高め合いたい。
ありた:そうだね。お客さんには、僕らの演奏を観てテンション上がってほしい。
鈴木:元気な人が来てくれれば一緒に楽しめるし、元気じゃない人が来たら俺らが元気づけるし。あとは、このツアーを通して2組が仲良くなってるのか、悪くなってるのか、それも楽しみに来てほしいです。
ありた:「ライブハウスってこんなに楽しいところなんやよ」っていうのを僕らのライブでちゃんと伝えられたらと思います。置いてけぼりにならへんようにするので、ぜひ来てほしいです。
取材・文=蜂須賀ちなみ 撮影=goro
ツアー情報
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リリース情報
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シングル「ハローヘイボン」
品番:EVOL-1116
JAN:4570040691491
ルミエール