美山加恋「家族で楽しむ、夏のいい思い出になれば」~歌や音楽、ダンスがたっぷりのふしぎな世界へ。音楽劇『アヤとピノッキオの冒険』の魅力とは
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美山加恋
音楽劇『アヤとピノッキオの冒険』が、2026年8月21日(金)~23日(日)、日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2026にて上演される(その後、岩国・千葉・熊本公演あり)。
転校したばかりでクラスにうまく馴染めない小学生の女の子・アヤの元に、不思議なあやつり人形のピノッキオが突然現れ、アヤは父親を、ピノッキオはジェペットさんを探す不思議な冒険に共に旅立つという物語で、脚本を大池容子、演出を野上絹代がそれぞれ担う。子役時代から数々の幅広い作品で活躍し、本作ではアヤ役を務める美山加恋に今の思いを聞いた。
──本作は児童文学の名作「ピノッキオの冒険」がベースになっていますが、この物語が人の心をつかむのはどんなところなのか、魅力だと思うところを教えてください。
改めて今回「ピノッキオの冒険」を読んで、子どもの成長の物語でもあるし、子どもの冒険心が強すぎるがゆえの危うさみたいなところも描かれているんだな、と思いました。それと、家族間の愛情や、人間って何だろう、人間の感情ってどういうことだろう、というところまでたくさん描かれている物語だったので、いろいろなテーマが盛り込まれているところが魅力なのかな、と思いました。
──美山さんは映像作品へのご出演はもちろん、声優としてのご活躍もされてます。その中で舞台に出演することへの思いを教えていただけますか。
映像は自分の出身地のような感覚で、舞台は自分にとって少し遠いところ、足を延ばして出向いて行って勉強させてもらう場所という感覚だったんです。これまで映像をベースに俳優業をやってきたので、毎回手探りでミュージカルやストレートプレイ、海外の戯曲など、様々なジャンルをやらせていただいてきましたし、演出家によって毎回全く違うので、舞台に立つときはいつでも挑戦、というような気持ちは持ち続けています。でも、舞台『ハリーポッターと呪いの子』で初めて1年間というロングランの舞台への出演を経験させていただいた時は、さすがに舞台がホームという感覚になりました。舞台との距離感も自分の中では縮まったのかな、という感じがしています。
左から美山加恋、DJみそしるとMCごはん、福田えり、玉置孝匡
──本作がどのような舞台になるのか、期待していることや「こうなったらいいな」と思っていることがあれば教えてください。
この作品のファンタジーな部分をどんなふうに劇場の空間で味わえるのか楽しみにしています。サメのお腹の中に飲み込まれたり、ピノッキオの鼻が伸びたり、キツネたちに騙されておもちゃの国に行ったり、そういったどこか夢の中の世界みたいな場面があるので、それを演出の野上さんがどう形にしてくださるのか、とても楽しみです。
──バンドによる生演奏も見どころの一つだと思います。
生演奏での公演には数えられるくらいしか出演したことがありませんが、とても気が引き締まりますし、「この音を逃しちゃいけない」とか「ここの音って大事だったんだ」といったことを、実際に演奏と合わせた時に教えてもらえる感覚があって、それがすごく嬉しかった記憶があります。本番中に指揮者の方を見てタイミング合わせる、ということもあって、「音楽も一緒になって舞台を作っているんだ」という気持ちになれて楽しくなる瞬間です。
──今回、ファミリーフェスティヴァルでの上演ということで、観客席にはお子さんも多くいらっしゃると思いますが、やる側として気持ち的に変わる部分というのはあるものなのでしょうか。
変えずにいきたいな、と思っています。子どもが見るものだから、ということで分かりやすくしてしまうと、ちょっと本質からずれてしまうことがあると思うので、純粋な目で見てくれる子どもの前だからこそ手を抜いちゃいけないな、という思いは強くあります。特に、今の子どもたちってすごく目が肥えていると思うんです。アニメや映画、ドラマなどにアクセスしやすい時代にもなっていますし、きっといろんな作品を見ていると思うので、その中で記憶に残るような作品を作るのは大変だろうな、という思いもありますが、やはり手を抜かないことが一番なのかな、と思っています。ファミリーフェスティヴァルということですから、お子さんのみならず、大人の皆さまにも夏のいい思い出を作っていただいて、家族で楽しめる時間になったらいいなと思います。
──公演に向けての意気込みをお願いします。
私自身の課題はいくつかありますが、この作品の持つ大きなテーマに向かって走り続ける夏になると思うので、頑張りたいと思います。観客の皆様にただただ楽しんでもらえるような空間を作れるように、これから稽古を一生懸命していきます。今回は全国公演もあっていくつかの地域を回るのですが、あまり舞台公演では行かないような場所にも行けるので、普段なかなか舞台を見る機会がない方もいらっしゃるんじゃないかと思います。そういう方々にも楽しんでいただけたら本当に光栄なことだと思いますし、私たちも楽しんでいきたいと思います。
取材・文=久田絢子
撮影=曳野若菜
ヘアメイク=池戸朝都
スタイリスト=藤井希恵