単独舞台初主演の山下美月「ゼロからのスタートだと思って挑みたい」 舞台『成瀬は天下を取りにいく』記者会見【SPICEレポート】
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舞台『成瀬は天下を取りにいく』記者会見
山下美月が初の単独舞台主演を果たす、舞台『成瀬は天下を取りにいく』。2026年5月29日(金)には、記者会見が行われ、山下のほか、藤野涼子、山崎静代、ISSEI、天宮良、田畑智子、演出のG2が登壇した。その模様をレポートする。
本作は、2024年に本屋大賞をはじめ数多くの文学賞を受賞した宮島未奈のデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』(新潮文庫刊)と続編『成瀬は信じた道をいく』(新潮社刊)をもとに構成された舞台。原作は、主人公・成瀬あかりが全力で我が道を突き進む姿や、成瀬に影響を受けて新しい生き方を見つけていく人々の姿を生き生きと描き、多くの読者を魅了した。今回、初の舞台化となる。
――一言ずつご挨拶をお願いします。
G2
G2:お話をいただく前から原作のファンだったので、1も2もなくやりたいと言いました。ただ、よくよく読んでみたところ、連作短編なので、これを1本の作品にするのはすごく難しい。そこをなんとか1本のうねりを作るように頑張って、台本をすでに書き上げました。偉い(笑)! 今日、初めてお会いするキャストの方もいらっしゃいますが、今回は非常に芝居が大好きという方が集まってくださったので、今から楽しみにしています。
今回は、少し変わったビジュアル演出を考えています。劇場に入ったら、「これはどうやって芝居をするんだろう」というものをまず、ビジュアルとして飾って、そこからやっていこうと。それから、音楽劇のように生ピアニストがいながらコラボレーションして作っていきます。
そして、連作短編なので、それぞれの回のキャラクターが登場する部分が少ない。中途半端でバラバラな作品になってしまうのが嫌なので、全員がなぜか全場面に出ているという、全員が一丸となって作っていく作品を作りたいと思っています。芝居が好きな人ばかりなので、きっと楽しんでやっていただけると思っています。今日も若い皆さんのキラキラした目を見て楽しみでなりません。
山下美月
山下:この作品のお話をいただいたのは、去年の夏頃でしたが、当時、どの書店さんに行っても成瀬の大きなポスターが貼ってあって、本当にたくさんの方から愛されている作品なのだなと感じました。最強で天才な成瀬あかりを私が演じられるかなとすごく不安に思っていましたし、プレッシャーもありますが、この素敵なキャストの皆さんとG2さんの演出の構成を聞いて本当に本当に楽しみにしております。今年の夏は、この成瀬とともに爽やかに、精一杯、駆け抜けていけたらいいなと思っています。成瀬がたくさんの人を救っていったように、私も観てくださる皆さんの心を救えるような、主人公を作り上げていきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
藤野涼子
藤野:原作を読んだときは、成瀬あかりがいろいろなことにチャレンジしていく姿に憧れと尊敬の気持ちを持ちましたし、「こんな子が友達だったらいいな。こんな子が近くにいたらすごく前向きになれるだろうな」と思いました。なので、自分がその親友の島崎を演じることができることがすごく楽しみです。今回は、成瀬あかりの大ファンとして、隣で見守っていけたらいいなと思っています。まだ緊張していますが、これから素敵な共演者の方々とG2さんととても楽しい舞台を作れたらいいなと思っております。
山崎静代
山崎:原作は、出演が決まってから読んだのですが、めちゃくちゃ面白かったです。ホンマに成瀬に会いたいと思うような作品で、その世界に入れて、成瀬と会えるのがすごく嬉しいですし、楽しみやなと思っています。私は今回、クレームをたくさんつける役ですが、普段、私はクレームをつけないんですよね。ため込むタイプで。なので、役作りのためにクレームをつけていこうと思ったんですが、なかなかできずにいます。まずは、相方にクレームをつけるところから始めようと思います。一生懸命頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
ISSEI
ISSEI:僕もこの作品の話をいただいたとき、めちゃくちゃ嬉しかったです。原作があるということで、責任やプレッシャーも感じましたが、今年の夏をめちゃくちゃ盛り上げて、素晴らしい舞台にできたらと思っています。成瀬あかりの自由なところに振り回される西浦くんの心の変化をしっかりと演じられたらと思います。すごくワクワクしていますし、たくさんの方に観ていただけたら嬉しいです。
天宮良
天宮:私は自由奔放で、予測不能な成瀬あかりの父親を演します。今、G2さんからお話があったように、きっと舞台装置がとんでもないことになっているのだろうと思います。G2さんのことですから、普通にはやらないだろうと思うので、G2さんがこの作品をどう演出するのかを非常に楽しみにしています。今回、本役で出るところはそれほどはありませんが、いろいろな役で、のべつまくなし、着替えも忙しく出ることになると思います。素敵な舞台になることを楽しみにしていてください。
田畑智子
田畑:この作品はすごくファンの方が多くて、私もその中の一人だったので、まさか出演させていただけるとは思ってもいませんでした。しかも、G2さんの演出です。G2さんとは何年か前にご一緒したのですが、G2さんの舞台ってすごく疲れるんですよね。でも、その疲れは「いい疲れ」で。「やり切った」と毎公演感じました。なので、一筋縄ではいかないなと思っています。私はお母さん役を演じますが、今回、台本をいただいて、出番があまりないかもしれないと思いましたが、全員が舞台に出るとおっしゃっていたので、ほかにもいろいろな役をやるという楽しみができました。しかも、この作品の舞台となっている滋賀県でも公演があるということで、滋賀の皆さんもすごく楽しみにしてくださっていると思います。私は地元が京都なのですが、京都の皆さんもすごく楽しみにしてくださっています。一生懸命、パワフルに、この作品とともに暑い夏を乗り切りたいと思います。
――山下さんにお伺いします。人気小説を原作とした舞台への出演が決まったときの率率な感想を教えてください。
山下:原作を読ませていただいて、成瀬は奇想天外な行動も多く、これをどう舞台化するんだろうと思いました。短いエピソードがたくさん重なってできている1冊なので、これを舞台にしたときにどう表現するのだろうか。それから、何よりも成瀬のかっこよさや天才的なところを表現できるだろうかと、いろいろなことを考えましたが、演出がG2さんなので、それらも全て解決してくれるんだろうなと。もちろん自分も頑張り、たくさん教えていただいて、いい舞台を全員で作りたいと思いました。
――山下さんと藤野さんは今回、初共演ですが、会う前の印象と会ってからの印象で変わったところはありますか?
山下:同い年ですよね? 成瀬と島崎の大事な関係性が描かれているので、それを同い年の二人で演じられるのはすごく嬉しいなと思いました。藤野さんには映像作品でのイメージが強いので、ちょっとクールな方なのかなと思っていました。
藤野:本当ですか? そう言っていただけて嬉しいです(笑)。全くそんな感じではないので。ふわふわしていると言われてしまうくらいです(笑)。ポスター撮影のときにご一緒させていただいたのですが、そのときに共通の趣味があることが分かって、すごく嬉しかったですし、これからいろいろとお話をしたいなと思いました。その趣味というのは、(山下は)旅行されるのがお好きみたいで。しかも一人旅をされているということでした。私一人旅をするので、そのときの話をしたいですし、共通点が見つかって良かったなと思います。
――山下さん、藤野さん、ISSEIさんは今回、高校生役です。久しぶりの高校生を演じる上で意識していることは?
ISSEI、藤野涼子、山下美月
山下:この成瀬シリーズは、中学生から、高校生、大学生までが描かれているので、会見が始まる前に3人で、「中学生役はちょっと厳しいかな」という話もしました。でも、舞台なので、遠目から見ればいけるのかなと思ったりもしています(笑)。特に成瀬の役柄は、あまり年齢が関係ないんです。幼少期から、成瀬あかりというキャラクターが強く出ていて、そのまま育ったんだろうなと想像できるので、あまり高校生や若いということにとらわれすぎずに、自分たちの青春を楽しみたいなという意気込みでいます。
藤野:同じ気持ちです。
ISSEI:僕のいとこがちょうど今、高校生なので、そのいところをイメージしたいと思います。僕が、この中で高校生に一番近いので、若さやフレッシュな初々しさを思い出して頑張りたいと思います。
――久しぶりの学生服はいかがですか?
ISSEI:さっき、「似合っているね」と言っていただいたので、自信を持って高校生になろうと思います(笑)。高校生のときを思い出して、それをステージでしっかり出せたらと思っています。
――山下さんは座長という立場になりますが、座長として意識していることや意気込みは?
山下:意識していることは…今のところはないのですが…稽古がこれから始まりますし、今回はほぼ皆さんと初めましてなので、まだ緊張していて。人見知りなところをあまり出さずに、皆さんとコミュニケーションを取りながら稽古をできたらいいなと思っています。きっと座長らしいことは何もできないと思うので、皆さんにたくさん叱っていただけたらありがたいです。
――今回、二冊の小説を原作としていますが、長い原作をまとめるときに特に大事にされたことを教えてください。
G2:台本にするときに一番考えたのは、原作は本当に面白いけれども、舞台上ではまた違う価値観を作っていかないとお客さまには通じないということでした。(原作は)連作短編なので、1つ1つのお話があって、それぞれの回の主人公が成瀬と触れ合うことによって、生き方が変わったり、新しい発見があるという物語です。ですが、それだけに注目していくと、全体がどういうストーリーとなって展開していくのかが分かりにくい。なので、僕は隠し味として、成瀬がずっと変わらず我が道を行くように見えて、実は微妙な変化があるというところを入れました。成瀬はあまりにもなんでもできすぎるので、「自分でも何をしていいか分からない」ところから「自分が何をすればいいのか」を見つけていく話なのではないかと思い、そういう観点から1本にまとめてみたいなと思っております。それから、この話は、身につまされるところがあって、ダメなキャラクターの方に共感するんですよ。最近は、人の目を気にして生きていくのがスタンダードになっているということに気づかされる原作でした。でも、そうした人の目を気にせず、我が道を行く成瀬が、特別な存在に見えてくる。「本当にそんな世の中でいいのか」をベースに描かれているので、それを舞台上でも出していけたらいいなと思います。
G2
――キャストの皆さんは、G2さんの台本を読んでどんな印象を持ちましたか?
天宮:今、G2さんがおっしゃったように、今はなるべく目立たないように、無難に生きていかなくてはいけない世の中になってきています。そうしたことを映像や二次元の文章で描いていると、飽きずに読んだり観たりできます。ですが、舞台という空間に持ってきたときに、そのままでは難しい。物語にどう起承転結をつけて、長い時間飽きさせないで、どう楽しませるかを、G2さんは頭の中でいろいろと考え、そのための仕掛けがあるんだろうなと思いながら読んでいました。それがどう形になっていくかは、稽古が始まってみないと分からないので、それを楽しみに台本を読みました。
田畑:会話劇というくらいの会話量で、それぞれのエピソードが際立っています。展開も早いですし、成瀬というキャラクターがより際立って、浮き彫りになる印象を受けました。そうした早い展開の物語は、お客さまにもよりパワフルに印象が伝わると思うので、私たちも一生懸命、稽古を頑張っていかないいけないなと思います。
山崎:原作もすごく面白いですが、台本もすごく面白かったです。原作に忠実に、それをきれいにまとめていて、よくまとめたなと思います。これをどう演出されるのかというのがすごく楽しみです。ただその話を楽しむのではなく、これを自分たちでどう立体的にしていくのかなと思うのと、独白も多いので、それをどうしたらいいのかなと思いながら読みました。
山下:一つひとつのエピソードが濃厚なので、舞台にするにあたって、こぼしてしまうエピソードもあるのかなと思ったのですが、G2さんが丁寧に拾って脚本として組み立てていらっしゃるのですごく嬉しくて、演じるのが楽しみだと思いました。成瀬は天才ではありますが、完璧な人間ではないと思います。その不完全さが成瀬の魅力の一つでもあるし、完璧じゃないところで人の心を救っているというのがポイントなのではないかなと考えています。舞台では、その部分がより際立って描かれている感じがして、演じるのが楽しみだなと思いました。
藤野:いろいろな短編のエピソードを一つの物語にして、流れを作るのはすごいことだなと思いました。独白が多いので、それはどうやってお客さんにかけていくのか。それとも自分の中で解決していくものなのか。今後、舞台の稽古を重ねていくに従って、そうしたところも磨き上げられていくものなのかなと思うので、すごく稽古が楽しみです。物語の中心は成瀬なので、成瀬を中心にみんながどう変化していくのかを見ていくと、よりこの世界にどっぷり浸かれるのではないかと思います。
ISSEI:初め台本を読んで、率直に成瀬が好きだなと思いました。自分らしさを大事にしている人ってめちゃくちゃいいなと思います。僕は普段、音楽をやっているのですが、曲を作ったり、歌ったりするときに、自分らしさを残すことを意識しています。なので、成瀬のようにポジティブで前向きで、自分らしくいようとする姿を同世代の子たちにも観てもらって、自分らしさを大切にするということを感じてもらいたいです。舞台は生ものでもあるので、毎回、全く同じものはないです。この舞台だからこそ、伝えられることがあるのではないかと台本を読んで思いました。
――原作では、成瀬がけん玉をしたり、かるたをしたり、漫才をしたりするシーンがありますが、それは舞台ではどう表現する予定ですか?
G2:けん玉、かるた、漫才は当然しっかりやっていただきます(笑)。けん玉はすでに練習しているという噂を聞いていますが。
山下:期待しないでください(笑)。
G2:今回は漫才の専門家がいらっしゃいますし、アドバイザーもついています。それに、漫才師が漫才をするということではなく、若い二人が漫才をやったというシーンなので、お芝居としてこの二人でやっていただきます。かるたも、お芝居でやるので八百長のようなものですから、なんとかなります。ただけん玉だけは誤魔化しが効かないので、期待しています。
山下:期待しないでください(笑)。
G2:それなら、誤魔化す方法を考えます((笑)。
――小説の中の魅力的なキャラクターを山下さんにどう表現してもらいたいですか?
G2:原作がある作品を演じていただくときに、いつも僕は主人公と生身の人間の融合の中に本物が潜んでいると感じるので、山下さんは山下さんなりの成瀬になると思いますし、それを期待しています。きっと素敵なものになるという予感があります。
――山下さんにとっては、8年ぶりの舞台で、グループ卒業後初の舞台になります。改めて、今の心境を聞かせてください。
山下:本当に久々に舞台に立たせていただくので、ゼロからのスタートだと思って挑みたいと思っています。でも今、確実に言えるのは、10代で舞台に立たせていただいていたときよりも今の方がお芝居のことが大好きになっているということです。なので、久々に舞台に立てるのが本当に楽しみです。もちろん楽しみという気持ちだけではダメだということも分かっています。ただ、この原作を読んだときに、これはきっと宝物のような役になるだろうと想像がついたので、全力でやり切るしかないと思っています。
取材・文・写真=嶋田真己
イープラスポーズをバッチリ決めてくれた山下美月 【e+貸切公演 好評発売中!】
公演情報
【東京公演】
観劇料(税込):全席指定 13,500円
4月30日(木)午前10:00より
観劇料(税込):S席(1、2階) 13,500円 / A席(3階) 8,500円
4月30日(木)午前10:00より電話予約・Web受付開始
【滋賀公演】
観劇料(税込):S席 13,500円 / A席 8,500円
4月30日(木)午前10:00より電話予約・Web受付開始
原作:宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮文庫刊)『成瀬は信じた道をいく』(新潮社刊)
脚本・演出:G2
山下美月
山崎静代
明星真由美
小林大介 黒田篤臣
天宮 良