大森靖子とZOCX、彼女はソロとアイドルグループをどのように考えて動いてるのだろうか?
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撮影=浜村晴奈
2018年9月にZOCを結成した大森靖子。アイドル文化が好きなのはもちろん知っていたが、自らアイドルグループを結成した理由については、ずっと気になっていた。メンバーの脱退や復帰を繰り返し、決して平穏とは言えない波乱万丈となり、2025年1月にはZOCXと改名。現在のメンバーとの折り合いは、誠に良さそうである。ソロについて、アイドルグループについて。その根幹についてのインタビューを通して、より大森靖子を理解することができた。それは賢さであり、繊細さであり、緻密さであり、何より大森靖子という凄みである。ぜひお読みいただきたい。
ーー改めてではありますが、そもそもこういったインタビューというもの自体について、どう思われてますか?
ずっと思っているのは、当たり前だけど同じ質問が多いじゃないですか。でも絶対に毎回、違うことを言いたいんですよ。けど同じ質問に対して違う答えを言うと嘘つきになる。だから同じ質問に対する答えを10個くらい用意したいなとか、なるべく脱線させたり含みを持たせたり、そういう答え方になりました。自分のこだわりの問題ですけどね。もったいないじゃないですか。インタビューしてもらっているのに同じことを言っていたら。「うちが独占だと思っていたのに」という感じになったら可哀想というか。
ーーそれはデビュー当時から心がけていたのですか?
最初から心がけていたけど、その時は上手じゃないから嘘を言っちゃって(笑)。とか、もっと尖ったことを言っちゃったり。でも、色んなエピソードを混ぜてみたりして、色んな話し方ができると気付いてからはそういうふうにしているかな。例えば、めちゃくちゃ尖った単語を使うと、それこそ大見出しに使われやすいとか、広まりやすいなとか、このキャラを求められているなとか、そういうことを考えて言葉を使いがちでした。でも、それって言葉に甘えているし、言葉が可哀想だなって。ミュージシャンとしてやってきた感覚で、言葉にも良い面と悪い面があると思っているんですね。いま良いとされている言葉もあれば悪いとされている言葉もあるけど、言葉を作り出す人間にだって、良い時期があったり悪い時期があったりするじゃないですか。私は友達関係でも良い時だけ仲良くしたりするのはイヤだなと思っているから、いま悪いとされている言葉でも「この言葉の隣に合わせてあげたら、めっちゃキラキラするよね」とかを大事にしているんです。デビューしたばかりの頃は悪い言葉をそのまま悪く使ったり、良い言葉を使わないようにしていたけど、今はたくさん言葉を使って、わかりやすい言葉でブレなく伝えられる技術が身についてきたかなって思う。
ーー人も、この人の隣にいたらキラキラするみたいな考えだったりしますかね?
うん、組み合わせかな。だから誰と誰のユニゾンがいいよねとか。私は声が凄く好きなんですね。自分はボーカルですけど、例えばギターはエフェクターとか機材が多いじゃないですか。ボーカルだけ手ぶらで、自分の声には自信があるからただ歌えばそれでいいというのは違うよなと思っていて。あのエフェクターと同じくらいに色んな声を出さなきゃと凄く気をつけてきました。どんな声だったらこの感情を拾えるかというのを大事にしてきたけど、声は生まれ持ったものでもあるし、おかしな人でも声で人を好きになれる。
ZOCX「そのかわいいに用はない」Music Video
あと、バンドだとボーカルはひとりだけど、ユニットだとサビはユニゾンで5人とか10人になることもあるじゃないですか。でも、今あるアイドルのグループやユニットは、全員が同じ声に聴こえるように音を潰して作られているんですよね。それって聴きやすくしているんだけど、学校や社会がやっている過ちと同じだから、凄く難しいことだけどひとりひとりの音を生かし合えるようにしたくて。個性を生かしたまま、全員の声が聴こえるようにしたい。素晴らしいユニゾンでユニットを作りたくて、そういう意味ではZOCXは今が一番おもしろいと思っています。ただ女性であるだけでは出ない声の人たちで、それが凄く好き。新曲では、シューゲイズを声だけでやれないかなって、ボーカルトラックを91トラック使っていたりして、ちょっと世の中にない凄い音になっていると思います。「このボーカルのノイズはウチでしか出せない」というのを提唱できているかなって。
それから最初は、個性や人生の背景とか身を削って歌わないといけない歌詞に重きを置いていたんです。「family name」みたいに身を削っていて、家庭環境問題と向き合わないと歌えないような曲を作ってて。それを格好良いと思ってもらえたし人気も出たんですけど、精神的なダメージが大きくて普通に長続きしなくて。だから、一番重い歌詞は自分が請け負うとかにしてみたけど、それでもみんな身を削られていたみたい。自分はロックミュージシャンだから、そうやって生きるものだと思えるけど、アイドルは違うから。その美徳は長続きしないし、幸せじゃないとって、やってから気付きました。だから、声だけで表現できたら、身を削らなくて良いので、今は音楽的に個性を生かせたらなと模索しています。で、面白い声にしようと思ったら、91トラックになっちゃった。アレンジはクラムボンのミトさんだけど、ミトさんの音のトラックより多かったです(笑)。
ーー今の活動が本当に良い状態なのですね。
今のメンバーは何も気にしなくていい。音楽の印象としても格好良いと思う。私も喋ると普通だから、そんな弱いまんまでも普通に喋ってくれるメンバーが今はいる。初めて「自分が助けられてるな」と思うことも言ってくれるメンバーだから、凄く楽ですね。ソロよりもZOCXの方が、より実験的なことをやっている部分もあるしね。ソロは、大森靖子を救いとして生きていきたいという人にもわかるように気をつけてて……たとえば京都の磔磔まで来てくれる人は、ここまでドープなことをやってもわかるかなとか。でも、ドープな音楽は集中していると気持ち良くなるけど、ライブハウスが初めての人は倒れちゃうから。だから、そういうことを考えて分けて作らないといけない。だけどZOCXはみんなにスター性があったり、煌びやかであったり、パフォーマンスが派手だから、音楽的に勝負したことをやっても許される。だから甘えられているところもあると思います。
ーーメンバー全員のことをすごく考えていますよね。
みんなの生き様を魅せたいけど、グループだとどうしてもひとりワンフレーズしか歌えないこともあって。だからこそワンフレーズで一番目立つことと、団体芸で1曲を仕上げて魅せようという両方をやりたくって。そういう全てをボーカルだけでやるのは、バンドでやるのとは別の面白さがある。誰かに完全に任せるというのは、ソロではないことだから、どちらかというとソロバンドとか弾き語りの方が演者というよりも指揮者の気持ちでやっていて、アイドルの方が演者かも。ソロでは自分を表現しなきゃとか思わないんですけど、アイドルの方が自分を表現しなきゃと思うから。
ーーソロが演者で、アイドルは指揮者という意識なのかなと思っていました。
逆です。メンバーにも伝えているんだけど、自分の感情は出すものではなくて使うものだって。悲しい時には、自分が泣くんじゃない。みんなを泣かせるのが仕事で、自分が泣くのは仕事ではない。みんなの感情を動かそうという時に、自分の感情を引っ張り出して使うんだよと。自分の感情を爆発させる場所ではないから。そういうところは指揮者だなって思うけど、みんながセンターみたいな世界なので、凄く自分を出さなきゃとも思っていますね。
ーーみんなのことを気遣っていますよね。
前の方がめっちゃ気を遣ってたかも。疲れているのを隠さなきゃとか。今は自分を出せていると思います。メンバーに言われて気付いたのは、私が楽屋で仕事をしていたら、ほかで何個か会話の場が起きるじゃないですか。私は全ての会話を聞いていて、全てにツッコんでいるんですよ。全部を把握していたい人なのかも知れない。自分でも気付かなかったけど。
ーー今は、だいぶ任せられるようになった?
そうですね。キャリアのある人が入ってくれて、自分も勉強になるし、歌とかも自然に変わったりします。私の方が特殊で「大森靖子」しかできないから。みんなトレーニングを積んできていて色んなダンスもできるし、シンプルに勉強になる。こういう表現もあるんだって。
ーーアイドルは今後もやっていきたいですか?
やる気はある。だけど、メンバーみんながいてできることだから。それこそソロもPAさんや照明さんがいてくれてできる活動だけど、周りはみんな年上で、いつまで生きていられるんだろうと思うと、ソロの方が心配(笑)。長生きして欲しい! ZOCXはみんなの方が若いから、アイドルはもうちょっとやれるかなと(笑)。やっぱり健康が一番大事。オーディションの募集要項に「心身ともに健康な人」と書いたら炎上したけど! でも、心身が健康じゃないと演者はやっちゃダメだよ! 当たり前だよ! しっかりと心身をコントロールするのが仕事だからね。そうじゃないと、色々な人に迷惑がかかるから。
取材・文=鈴木淳史 撮影=浜村晴奈
リリース情報
「そのかわいいに用はない / 超現実少女」豪華盤
品番:ZOCX-00003
価格:¥16,500(税込)
2026年6月4日(木)
LABEL:HOLD THE MUSIC
※TOKYO PINK主催ライブ会場・TOKYO PINK オフィシャルWEBSHOPにて限定販売。
通販はこちら https://tokyopink.kawaiishop.jp
◆CD収録曲
1.そのかわいいに用はない
2.超現実少女
3.そのかわいいに用はない Instrumental
4.超現実少女 Instrumental
◆Blu-ray収録曲
ZOCX 六姫無双ツアー
at 東京 恵比寿ザ・ガーデンホール(2026.01.20)
・ROL
・DON’T TRUST TEENAGER
・超絶人間天使ちゃんの老害予防講座
・LiBiDo FUSION
・はーふついん♡うぉーず
・白は200色、ピンクは無限
・Tight Gee
・badface
・A INNOCENCE
・CUTTING EDGE
・QUEEN OF TONE
・乙女の心臓
・flop
・FLY IN THE DEEPRIVER
・ENDINGING
・そのかわいいに用はない
・tiffany tiffany
ツアー情報
※終了した公演は省略
6/26(金)大阪・十三246ライブハウスGABU
開場18:15/開演19:00
7/10(金)[北海道]札幌PENNY LANE 24
開場18:15/開演19:00
7/12(日)宮城・仙台darwin
開場16:00/開演17:00
7/16(木)東京・Zepp Shinjuku
開場18:00/開演19:00
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・XVIP
特典:サイン入りブロマイド、オリジナルグッズお渡し&チェキ撮影券、最優先入場
・VIP
特典:サイン入りブロマイド、優先入場
・一般
・学割
ツアー情報
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