世界的歌姫サラ・ブライトマンが伝説の大女優を演じる、奇跡の舞台が来日 ミュージカル『サンセット大通り』にかける思いとは

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インタビュー
舞台

サラ・ブライトマン        撮影:渡部考弘

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サラ・ブライトマンが30年ぶりにミュージカルに主演する『サンセット大通り』が、2026年7月10日(金)から東京・渋谷の東急シアターオーブで上演される。

『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド=ウェバーが音楽を手がけた『サンセット大通り』。ハリウッドを舞台に、サイレント映画の大女優ノーマ・デズモンドと無名の脚本家ジョー・ギリスを軸に、愛憎うごめくドラマが展開する傑作だ。ブライトマンは『オペラ座の怪人』の初演でクリスティーヌを演じ、唯一無二の歌声で世界を虜にしたが、長い間ミュージカルの舞台から離れていた。その彼女がノーマ役に挑む理由とは。全幕ミュージカルを初めて、日本で演じるスペシャルな公演にかける思いを語ってもらった。

ノーマは私のすべてが活かせる役

ーーこれまでにもミュージカルへのオファーはたくさんあったそうですね。

「舞台に戻らないの?」というお話をいただいても、コンサートツアーやアルバム制作で充実していたので、やるべきことのように思えなかったのです。でも『サンセット大通り』のノーマ・デズモンド役だと聞いた時、頭の中でもう1人の私がこう言いました。「今までの人生、アーティストとしての経験のすべてが活かせる役。年齢的にもちょうどいい、今がやる時だ」と。ノーマは素晴らしいチャレンジだと思い、決断しました。

ミュージカル『サンセット大通り』舞台写真       Photography by Daniel Boud 

ーーどのように役にアプローチされたのでしょうか。

まずミュージカル女優としての経験と観点から、ノーマの楽曲にどうアプローチできるかを考えました。ロンドン初演のグレン・クローズさんをはじめ、過去にノーマを演じてきたのが、私とは全く違う声の持ち主であることについて、ロイド=ウェバーと話をしたことがありました。すると意外なことに「実はノーマの楽曲の多くは、君の声を想定して書いたんだよ」と言われたんです。実際に歌ってみると、彼の言った通りでした。ノーマの歌はオペラ的でソプラノの要素があって、その中に確かに私の「声」が存在していたのです。自分の声で自由に表現できるとわかってからは、役に入る難しさはなくなりました。

ーーノーマを演じるにあたって、膨大なリサーチをされたとか?

そうですね。ノーマは非常に傷つきやすいキャラクターですが、それはなぜなのか。「テクノロジーの変革」が深く影響していると考えました。サイレント映画は言葉の壁がありませんから、当時のハリウッド映画は世界的に人気で、女優たちはまさに世界的スターでした。その立場にいた人が、トーキーへと時代が変わって自分が何者でもなくなった時の不安、精神的な影響の大きさは想像できます。私もずっと世界を舞台に活動してきたので、女性が1人でこの世界で仕事をしていく大変さはよく知っています。あらゆることに対処しないといけませんから。また、豪奢な暮らしをしているノーマには、成功したビジネスマンの側面もある。実際に、サイレント映画の女優の中には富を築いた方たちがいたようです。そんなふうに調べたこと、感じたことの全てを自分の中に取り込んで混ぜて、できるだけ自然に演じたいと思っています。

サラ・ブライトマン        撮影:渡部考弘

ーー世間から忘れられた存在のノーマは、ある日屋敷に迷い込んだジョーが脚本家だと知ると映画界への復活するための脚本の手直しを依頼。ジョーは彼女の奇妙な魅力と贅沢な暮らしに惹かれて同意しますが、次第にその関係は複雑さを増していきます。この二人についてどう感じますか。

どちらも人生がうまくいっておらず、人生の十字路に立っている。お互いに相手の助けが必要な関係、ある意味、利用し合う関係、機能不全の関係だといえるでしょうね。

ーージョー役はオーストラリアを中心に活躍するティム・ドラクスルさんですね。

ティムは俳優としてはもちろん、人間的にも素晴らしいので、彼と一緒に舞台に立つことはとてもエキサイティング。舞台は毎公演、何かしら変化があるものですが、ティムはその旅を一緒に楽しめる人ですね。その他のキャストもみなさん素晴らしい仲間たち。ノーマとジョーだけでなく、登場人物それぞれが異なる視点を持って物語を繰り広げていくので、興味深く観ていただけるでしょうし、私自身、そういう作品を観ることをとても愛しています。

ミュージカル『サンセット大通り』舞台写真       Photography by Daniel Boud

古き良きハリウッドの暮らしが感じられる舞台

ーー今回のプロダクションは豪華なセットや衣裳も見どころですね。

さまざまな演出で上演されてきた作品ですが、「こういうのを観たかった」と感じていただけるのではないでしょうか。古き良きハリウッドの豪華な暮らし、今は失われたものが表現されていて、官能的な世界に没入していただけると思います。

ーー『オペラ座の怪人』でクリスティーヌを演じられて以降、コンサートで歌われてきたロイド=ウェバー氏の楽曲の魅力とは? 8年ぶりの最新アルバム「サラ・ブライトマン-サンセット・オーヴァー・ブロードウェイ(ニュー・ベスト・コレクション)」には、『サンセット大通り』の楽曲が収録されていますね。

『サンセット大通り』の日本公演に合わせて、このアルバムがリリースされるので、舞台とアルバムの両方をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいですね。私が思うに、ロイド=ウェバーは音楽の中にストーリーを織り込める作曲家。彼の音楽を通して、私たちは物語とキャラクターに繋がることができます。『オペラ座の怪人』がまさにそうですよね。多くの人々が、ファントムが何を感じているのか、クリスティーヌがどういう気持ちでいるのか、キャラクターたちに寄り添って感じることができると同時に、ロイド=ウェバーの音楽はとてもロマンティック。その中には作曲家自身の人生、聴いてきた音楽の影響なども入っていて、いくつもの層が重ねられているからこそ、人々の感情を揺さぶるのだと思います。

ミュージカル『サンセット大通り』舞台写真       Photography by Daniel Boud

ーーノーマのソロを含め、本作もロイド=ウェバーの名曲揃いですね。コンサートツアーでは何度も来日されていますが、ブライトマンさんが全幕ミュージカルを約1ヶ月に渡って東京で演じられるのは初めてのことだけに、楽しみでなりません。

私も日本でノーマを演じるのを心待ちにしています。前回の公演から少し間があいたので、東京で少し新しいノーマが表現できるかなと期待していますし、東急シアターオーブはこの作品にぴったりの美しい劇場。そこで皆さんとお会いできること、コンサートとは違う形で交流できるのを楽しみにしています。


取材・文=宇田夏苗(演劇ライター)

公演情報

IHI presents ミュージカル『サンセット大通り』特別公演

日程:2026年7月10日(金)~8月1日(土)
会場:東急シアターオーブ
※英語上演・生演奏・日本語字幕付
 
作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック、クリストファー・ハンプトン
出演:
ノーマ・デズモンド役 … サラ・ブライトマン
ジョー・ギリス役 … ティム・ドラクスル
マックス・フォン・マイヤリング役 … マイケル・コーミック
ベティ・シェーファー役 … メアリー・マッコリー
ほか 来日カンパニー
※やむを得ない事情により出演者が変更になる場合がございます。
 
 
主催:Bunkamura/日本テレビ/ぴあ
企画・招聘:Bunkamura
後援:J-WAVE
協力:カンタス航空
特別協力:ホリプロ
特別協賛:株式会社IHI
 
料金(全席指定・税込):SS席19,500円/S席18,000円/A席15,000円/B席13,000円/C席8,000円

公演に関するお問合せ先:
Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00)
東急シアターオーブ 公式ウェブサイト https://theatre-orb.com/
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