ファニーなカンパニーが集結 ブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』製作発表記者会見レポート

2026.6.23
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(左から)益岡徹 水田航生 望海風斗 坂本昌行 高泉淳子 中尾ミエ

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ブロードウェイレビュー「ジーグフェルド・フォリーズ」の大看板だったファニー・ブライスの、伝記ミュージカル『ファニー・ガール』が2026年9月に東京で幕を開ける。

下町に生まれ、コーラスガールから劇場のスターへと駆け上るファニーと、夫ニックの波瀾万丈の一生を描いた作品だ。往年の傑作ミュージカルは、名演出家マイケル・メイヤーの手によって、2022年にリバイバル。今回の『ファニー・ガール』は、そのリバイバル版・日本初上陸となる。

主人公である看板女優ファニー・ブライス役には、元宝塚歌劇団雪組トップスターで、第33回読売演劇大賞および最優秀女優賞を受賞、文化庁芸術選奨 文部科学大臣新人賞も受賞した望海風斗。また、精力的に舞台の主演をこなし、第48回菊田一夫演劇賞を受賞した坂本昌行が、ファニーの夫で賭博師のニック役を演じる。
ファニーの友人のダンサー、エディ・ライアン役は水田航生、ブライス夫人のポーカー仲間のストラコシュ夫人役に高泉淳子、ファニーを見いだすプロデューサー・ジークフェルド役に益岡徹、ファニーの母親ブライス夫人役は中尾ミエら、実力派キャストが、その脇を固める。

この度、ブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』の製作記者会見が東京都内で開かれた。その様子をレポートする。


まず、演出のマイケル・メイヤーのメッセージが司会者から読み上げられた。

傑作ミュージカル『ファニー・ガール』の新たなプロダクションの演出をロンドン、そしてブロードウェイで手がけたことは、私にとって喜びあふれる経験でした。ブロードウェイ、ハリウッド、そしてラジオで活躍した伝説のスター、ファニー・ブライス。その半生を描いた波乱万丈の物語を現代のお客様にお届けする日々は、刺激とエネルギーに満ちていました。この夏、日本のカンパニーによる『ファニー・ガール』に携われることを心から嬉しく思っております。
あふれるユーモアとペーソス、そして華やかなエンターテインメントの世界。それが『ファニー・ガール』であり、その魅力を余すところなくお伝えすべく、ブロードウェイのクリエイティブチーム一同が再集結いたしました。このブロードウェイミュージカルの名作を日本の古い友人の皆さん、そして新たな友人の皆さんと分かち合えることを楽しみにしております

その後、出演者の挨拶があった。

望海風斗

望海:長い間愛され続ける作品に出演できること、そしてファニー・ブライス役で出演できること、このリバイバル版は日本では初めての上演ですので、日本のお客様にお届けできることを大変嬉しく思っております。

坂本昌行

坂本:哀愁漂うハンサムなギャンブラー役ですが、私自身とは全く重なっていないので、どういう風に演じていこうかなと思っています。そこはみなさまと相談しながらがんばります。

水田航生

水田:この作品に触れて、是非ライアンという役をやりたいと強く思いました。まだまだ本番にむけてタップの練習も進めています。技術を深めていければと思います。

高泉淳子

高泉:ストーリーだけではなく、ナンバーもものすごくよくて、それを今、望海さんが歌うのを毎日近くで見ることができて嬉しいです。

益岡徹

益岡:ミュージカルに参加させていただくようになって10年くらいです。みなさんと一緒に演じられることがとても光栄です。ちなみに私、今回歌とダンスはないそうです。

中尾ミエ

中尾:大好きなナンバーが多いミュージカル。ポーカーばっかりやってる役なので、実際に(高泉に向かって)ポーカーでもやりましょうかね、点とかつけて。長丁場で全国回りますので、楽しい現場になれば。
 

挨拶後は、記者からの質疑応答タイムに。

――舞台衣裳について。

望海:今回の衣裳はファニーの決意が現れたもの。ブロードウェイ版との違いは、日本版はベストの上に一枚レースを重ねているところです。

坂本:燕尾服とフリルシャツというのが象徴的。なぜフリルシャツなのかは劇中に台詞があるのでお楽しみに。

水田:これでもかっていうほど、柄柄の衣裳、キャラクターの性格も反映された華やかなもの。私服にも取り入れようかな(笑)

高泉:ブロードウェイ版とほとんど変わらないのですが、今年のラッキーカラーがグリーンなので嬉しい! 

益岡:女性の衣裳を見ると、その時代設定を思い起こしますね。同時期の日本は終戦後の復興期、ファニーたちの服は憧れだったファッション。それをまたやれるということはうれしいことです。

中尾:私は衣裳がこの1枚なの。あなたも一緒でしょ?

高泉:あら、そうなの? わかんないわ。

中尾:あなたもそうだと思いますよ。

高泉:青、似合ってますよ。

中尾:そういうことじゃないわよ(笑)

一同:(笑)

望海風斗

――(望海へ)ファニー・ブライスは『人と違う』ということを武器に上っていった女性。共感することなどは?

望海:宝塚時代の道のりを振り返ると、ファニーのキャリアに共感することは多いです。トップになりたいと考えたときに、たくさんの生徒たちの中から見つけてもらうにはどうすればいいか? と考えた。自分は影や狂気的な演技に特化しましたが、ファニーは陽に特化した人。演じることが楽しみです。

――『ファニー・ガール』の見どころをお願いします。

益岡:映画版は、思った結末ではなかったですね。ただ、感情の動きがおもしろかった。また自分が思っていた『芝居』というものの概念が変わった作品です。

水田:正直、作品は知らなかったです。ただ、実際に見てみたら、現代的。自立している女性が社会的にはきっと普通ではなかった時期に、『自立した女性って素敵だよね』と応援する作品になっていると感じました。

望海:夢を叶える力や夢を持つこと、それは情熱と自分を信じる力。諦めなくていいんだなって思える作品です。エンターテイメント、ショーとしても楽しめる。音楽も名曲揃い。ザ・ミュージカルとして楽しんでいただければ。

坂本:作品に触れたことない方は、予習とか気にせずに、実際に見て感じてもらいたいと思います。

高泉:ショービジネスは男性社会、ただ、それは現在の世界でもそうでしょう? とっても女性が声をあげられる環境でなかった。普遍的なテーマだからこそ、この時代にブロードウェイでのリバイバルがヒットしたと思う。

中尾:音楽は時代性が強く、その時にしか生まれないもの。それを懐かしんで、楽しんでほしい。それがミュージカルのできることだと思う。あの時代を体感してほしい。

――(坂本へ)ニックとの共通点は?

坂本:自分は石橋をたたいて渡るタイプ。飲食店でも同じものを頼むので、ギャンブルといって思いつくのは新しい店にいって失敗するくらいですね(笑)

――(望海、坂本へ)今回、夫婦役です。お互いの印象は?

望海:はじめましてはビジュアル撮影の時、入ってきた瞬間から暖かい雰囲気の方だなぁと。

坂本:先日、望海さんの舞台を見に行ったんです。カーテンコールの最後、「おやすみなさい」ってはけたのを聞いて、驚きました。その姿が「ああ、ファニーだ」と。この人を愛するんだ、って思いました。

――最近あったファニーな出来事は?

中尾:毎日公園で平均80歳のおばちゃんたちと集まってるんですね。今度プロデュースする舞台があってそこにおばちゃんたちでコーラスを作って、出てもらおうと思って。声をかけてレッスンをはじめた。メンバーが初舞台だわ、って、大興奮。これがデイサービスなのかな? と思っているところです。

益岡:いま本番中の舞台がある。長丁場なので、演出家の方が毎回観劇してフィードバックしてくれる。たまたま、演出家の方の都合があって見れない時に、キャストのひとりが「自由だ〜!」と言った。これが一番ファニーだったことですね。

高泉:スイミングを続けていて、水に浮く水着を買い、競泳用のゴーグル、キャップなどこだわっているんです。でも、そのキャップ、シリコン製でピタピタ。かぶるときに、びょーんって2メートルくらい飛んじゃって(笑) 恥ずかしかったです。

水田:先日、ブロードウェイに行きました。タップシューズが入っていて、金属探知機で止められました。セキュリティの人に、英語が話せなくて「タップシューズ、タップシューズ」と伝えたら、通してくれた。夢を追う青年を応援してくれる空気があるんだなと思いました。でも、中身のチェックはされなかったです(笑)

坂本:実は公演中に前歯がとんだんです。歯がないまま1曲歌わないといけない状況でした。その歯は、舞台のセンターに落ちていたそうです(笑)

望海:そんなに面白いエピソードないですよ(笑)。 時々海外の演出の方とお仕事するので、英語でやりとりできたらなと思って英会話に行くけれど、どうしても話せない。今も先生たちとの会話はかみ合わないけれど、顔だけは自信満々にしてます(笑)

実力派キャストが、名作のリバイバル版を日本で披露する。カンパニーは和やかで笑いの絶えない雰囲気。これから稽古が進み、カンパニーの化学反応が大変楽しみな会見となった。

本公演は、東京公演 9月8日(火)〜9月29日(火)日生劇場でスタートし、大阪公演 10月9日(金)〜10月18日(日)梅田芸術劇場メインホール、福岡公演 10月24日(土)〜11月1日(日)博多座、愛知公演 11月10日(火)〜11月15日(日)御園座など全国で公演される。


【STORY】
ファニー・ブライスは女優を目指す下町育ちの女の子。取り立てて際立った容貌やスタイルでないことから、母親はファニーに夢を諦めるよう促すが、親友のダンサー、エディ・ライアンとレッスンに励む日々。持ち前のユーモアと根性でコーラスガールとなったファニーは舞台上の失敗をチャンスに変え、客席は大喜び。劇場と契約を結ぶことになり、ファニーの人気は急上昇する。ファニーの噂を聞きつけた大プロデューサー、ジーグフェルドからニューヨークに呼ばれたファニーはついに夢だったフォリーズに入団することとなるが、美貌を売りにするショーで自分の持ち味は生かせないと、ジーグフェルドに無断で妊婦の格好でショーに出演。ジーグフェルドは激怒するが、熱狂する観客を見て、彼はファニーがフォリーズのスターになると確信するのだった。その頃ファニーは上品でハンサムなニック・アーンスティンと出会い恋に落ちるが、2人の関係性の複雑な危うさにも気付く。しかしその後2人は再会、互いの感情を確かめ合う。ニックにはギャンブルの過去がありエディは心配するものの、ファニーはニックとの結婚を決意。スターダムを駆け上がるファニーは、結婚したニックと共に豪邸に転居するが、大女優となったファニーに対し、ニックの仕事は浮き沈みが多く不安定で、妻との格差にニックは焦りを隠せない。ついに怪しげな債券取引に手を出し詐欺罪で逮捕。ニックは刑務所へ送られる――。


取材・文・写真=森きいこ

公演情報

ブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』

ブロードウェイミュージカル『ファニー・ガール』
製作:東宝/ワタナベエンターテインメント
東京公演  9月8日(火)~9月29日(火) 日生劇場
大阪公演 10月9日(金)~10月18日(日) 梅田芸術劇場メインホール
福岡公演 10月24日(土)~11月1日(日) 博多座
愛知公演 11月10日(火)~11月15日(日) 御園座
<出演>
望海風斗、坂本昌行
水田航生、高泉淳子、益岡徹、中尾ミエ ほか
<スタッフ>
音楽:ジュール・スタイン
歌詞:ボブ・メリル
脚本:イソベル・レナート
改訂台本:ハーヴェイ・ファイアスタイン

演出:マイケル・メイヤー
振付:エレノア・スコット
タップ振付:アヨデル・カセル
演出補:ジョハンナ・マッケオン
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