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観客も“よい子”として参加! 体感して笑う「体感型2.5次元舞台『うらみちお兄さん』」開幕【レポート】

2026.7.9
レポート
舞台
アニメ/ゲーム

体感型2.5次元舞台『うらみちお兄さん』~集まれ!飛び出せ!よい子のみんなこんにちは!~

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体操のお兄さんの“表と裏”を描いた久世岳の人気コミックを原作とする「体感型2.5次元舞台『うらみちお兄さん』〜集まれ!飛び出せ!よい子のみんなこんにちは!〜」が、2026年7月8日(水)より新宿・シアターサンモールにて開幕。主人公の表田裏道を西海龍人が演じるほか、蛇賀池照役の二階堂心、兎原跳吉役の中田凌多、熊谷みつ夫役の大海将一郎、多田野詩乃役の澤田真里愛らが出演。脚本をVivi、演出を三貝豪(PLANET KIDS ENTERTAINMENT)が手がける本作の、ゲネプロの模様をレポートする。

“体感型”と打つだけあって、本作は観客参加型だ。観客はオーディションを勝ち抜き収録に参加する“よい子”として、番組づくりの現場に立ち会う。お兄さんたちの表の顔を子どもに戻った気分で純粋に楽しみながら、ぼそりと放たれるブラックな本音を、おおいに笑いながら味わえる仕掛けとなっている。

まず目を引くのは、実に見事な子ども向け教育番組そのもののセットと照明だ。「よい子のみんなー! こっんにっちわー!」という子ども向けならではのハイテンションも、作り込まれたセットの雰囲気と、AD・枝泥エディ(島田弘蓮)の導入芝居のおかげで、観客はすんなりと“よい子”として世界観に入っていける。番組が始まる前の高揚感まで丁寧に演出されており、この導入の巧みさが作品全体への没入感を支えていた。

子ども向け風の親しみやすくポップな作風を打ち出しながら、絶妙なテンポでしっかりとビターな笑いを組み込む。このキャスト陣の匙加減が、本作最大の妙味だ。番組あるあるな奇抜な衣装や、シュールなコーナーで分かりやすい笑いを放り込んだうえで、コメディとしてのセリフのやりとりや、表と裏の顔の切り替えというギャップで面白さを生み出していく。原作の雰囲気はそのままに、“体感できる”という舞台ならではの要素でダイナミックさを加えた仕上がりで、原作を読んでいるときと同じ頻度で笑いが起きているような感覚さえあった。

“瞳にハイライトが入らない”西海龍人、圧巻の原作再現度

肝となるのは、タイトルロールの表田裏道お兄さんを演じる西海龍人だ。体操のお兄さんとして見せる引き締まった筋肉と、キレのあるアクロバット。そして何より、笑っているのに瞳が笑っていない裏道お兄さんの表情が、まるで漫画からそのまま出てきたかのよう。瞳にハイライトの入らない、あの虚無をたたえた表情の再現は見事のひと言だ。表の完璧な笑顔と、裏でこぼれる本音との落差を、西海は身体の隅々までコントロールして演じ分けており、この一点だけでも劇場に足を運ぶ価値がある。

歌のお兄さん・お姉さんは、いわば番組の顔。朝や夕方にテレビをつければ流れてくる、あの独特のトーンの再現が素晴らしい。多田野詩乃を演じる澤田真里愛の歌は、ただ上手いだけでなく、子ども向け番組らしい聞き取りやすい発音まで行き届いており、細部までの役作りのこだわりが感じられる。蛇賀池照を演じる二階堂心は、甘いマスクをいかして人気者の歌のお兄さん像に説得力を持たせつつ、かつてミュージカル俳優だったという池照の設定をコミカルに歌へ乗せてみせる。表の華やかさと、ふとにじむ裏の顔の対比が楽しい。

兎原跳吉を演じる中田凌多、熊谷みつ夫を演じる大海将一郎の、ここでしか見られないであろう着ぐるみ芝居も必見だ。すぐに裏道の怒りを買ってしまう兎原と、当たり障りないようでいて芯の熱さが見え隠れする熊谷。Aパターンで描かれるこの2人の過去編も見どころとなっている。なお過去編は上演回によって内容が異なり、ゲネプロではAパターンが上演されたが、Bパターンでは蛇賀池照の過去が描かれる。ぜひ両パターンとも楽しんでみてほしい。

アンサンブル不在、“番組の現場”を立ち上げる芸達者たち

本作にアンサンブルはいない。子どもならではのピュアな視線と、やけに大人びた質問で、お兄さんたちの心をえぐる子どもたちも、すべてキャスト陣が兼ね役で演じている。振付師のカッペリーニ降漬役で強烈な爪痕を残す鷲尾修斗を筆頭に、出木田適人役の田口巧輝、木角半兵衛役の小椋涼介、上武裁人・アモン役の中島礼貴らが、番組スタッフから子どもまでをそれぞれの持ち味で演じ分ける。一人が何役も担うことで、あの混沌とした“番組の現場”が客席の目の前に立ち上がってくるのだ。しかも本作は観客も参加する体感型。台本にはない思わぬハプニングも起こるが、それすらも「うらみちお兄さん」テイストで拾い、コメディとしてしっかり落としどころをつけてみせる。その器用さもまた、混沌を成立させる確かな地力の証だろう。

最初から最後まで、ゆかいな「うらみちお兄さん」の世界がそのまま表現された「体感型2.5次元舞台『うらみちお兄さん』〜集まれ!飛び出せ!よい子のみんなこんにちは!〜」。大人になった“よい子”たちに刺さる、ちょっぴりブラックでリアルな時間を、ぜひ劇場という“収録現場”で体感してほしい。

舞台写真

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公演情報

体感型2.5次元舞台『うらみちお兄さん』~集まれ!飛び出せ!よい子のみんなこんにちは!~ 
 
日程:2026年7月8日(水)~7月12日(日) 全9公演 
会場:シアターサンモール(〒160-0022 東京都新宿区新宿1-19-10 サンモールクレストB1)
上演時間:約100分(予定) 
 
■出演キャスト
表田裏道:西海龍人 
蛇賀池照:二階堂心 
兎原跳吉:中田凌多 
熊谷みつ夫:大海将一郎 
多田野詩乃:澤田真里愛 
出木田適人:田口巧輝 
枝泥エディ:島田弘蓮 
木角半兵衛:小椋涼介 
上武裁人・アモン:中島礼貴 
猫田又彦・カッペリーニ降漬:鷲尾修斗 
 
情報
SS席:22,000円(1列目確約、稽古場見学、特典付) 
S席:12,000円(2列目~4列目確約、特典付) 
A席:9,800円(5列目~) 
 
■公式ホームページ https://uramichi-stage.com/
■公式X(旧Twitter) https://x.com/uramichi_st
 
(C)久世岳・一迅社/uramichi_stage

■スタッフ
原作:久世岳 (comic POOL/一迅社刊)
脚本:Vivi
演出:三貝豪(PLANET KIDS ENTERTAINMENT) 
制作プロデューサー:坂本健(PLANET KIDS ENTERTAINMENT)
プロデューサー:石田舞/幸音(PLANET KIDS ENTERTAINMENT)
井上真緒/滝澤裕介(サンライズプロモーション)
制作統括:伊藤秀隆(PLANET KIDS ENTERTAINMENT)/ 松﨑聡(サンライズプロモーション)
企画・制作:舞台「うらみちお兄さん」 (サンライズプロモーション/Planet Kids Entertainment)