親子で楽しむ“はじめてのクラシック”『横山だいすけ 届け!うたごえ!』リハーサルレポート&ニュウニュウインタビュー
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クラシックをもっと身近に!をテーマに開催されるクラシック音楽祭『STAND UP! CLASSIC FESTIVAL(通称:スタクラ)』。今年は0歳から入場できるファミリー向けコンサート『横山だいすけ 届け!うたごえ!』が、8月2日(日)に横浜みなとみらいホールで開催される。
“うたのおにいさん”としておなじみの横山だいすけと、TAIRIK(TSUKEMEN・ヴァイオリン)、ニュウニュウ(ピアノ)、横浜少年少女合唱団が出演し、『おかあさんといっしょ』の人気曲から定番合唱曲まで、思わず一緒に歌いたくなる曲を届ける。
本番まで1ヶ月を切った7月某日、本コンサートのリハーサルが行われた。その模様をレポートすると共に、リハーサル直後のピアニスト・ニュウニュウへのインタビューもお届けする。
子どもたちの歌声が響く、リハーサル会場へ潜入
この日集まったのは、ピアニストのニュウニュウと、総勢50名の横浜少年少女合唱団。スタジオの扉を開けると、そこには既に子どもたちの美しい歌声が響き渡っていた。小学生から高校生まで、幅広い年代の子どもたちがずらりと並ぶ光景は壮観だ。
そんな合唱団の様子を横から見守っていたのは、長身でスラリとした姿が目を惹くニュウニュウ。世界を舞台に活躍する若きピアニストだ。その表情は常に穏やかで、リハーサル中も子どもたちに温かな視線を送っていた。
改めてニュウニュウと合唱団で「よろしくお願いします!」と挨拶を交わし、リハーサルがスタート。この日は横山だいすけは不在だったが、本番で担当する歌唱パートは合唱団の指導者が務め、本番さながらの流れで進められた。
前半に披露されたのは、「旅立ちの日に」「気球に乗ってどこまでも」「Believe」といった、合唱曲の定番として古くから親しまれる名曲たち。ニュウニュウの洗練されたピアノ伴奏と、子どもたちの透き通った歌声が合わさり、まっすぐに胸を打ってくる。合唱経験のある子どもはもちろん、過去に歌った経験を持つ親世代にもグッとくる選曲だ。ニュウニュウが即興でアレンジを入れる場面もあり、知っている曲を新鮮な感覚で聴くことができるのも、今回の公演ならではの魅力だろう。
最初こそ緊張気味な様子もあった合唱団の子どもたちだったが、リハーサルが進むにつれて緊張がほぐれ、歌声ものびのびと響くようになっていった。合唱中は楽譜とペンを手に真剣な表情。その一方で、休憩時間になると途端に素の子どもの顔に戻り、仲間と楽しそうに会話を交わす姿が微笑ましかった。
最初の曲合わせが終わると「完璧!」とその歌声を絶賛
休憩も終盤に差しかかった頃、ふとニュウニュウがピアノへ向かい、鍵盤に指を置いた。すると、それまで思い思いに過ごしていた子どもたちが、その音色に合わせるように自然と歌い始めた。少しずつ歌声が重なり、スタジオは再び歌声とピアノの音色に包まれる。「それでは、練習を続けましょうか」と、そのままの流れでリハーサルが再開された。
後半は、J-Popから合唱曲としても親しまれているRADWIMPSの「正解」や、「いのちの歌」も披露された。ピアノの旋律と、幾重にも重なる歌声が生み出すハーモニーが、スタジオの空気を震わせる。爽やかで切なく、それでいて力強い歌声が、一つひとつの歌詞を丁寧に届けていく。
最後に披露されたのは、幅広い世代から支持される人気ナンバー「パプリカ」。前奏や間奏のタイミングで、ニュウニュウと子どもたちが楽しそうに手拍子や足踏みを練習する一コマもあった。当日はキッズダンサー(ファンキーギャングダンススタジオ)も加わる予定だ。客席も一体となって、みんなで盛り上がれる時間になるだろう。
この日のリハーサルには、一般の小学生とその保護者も見学に訪れていた。子どもたちは、同年代の合唱団が歌う姿を一生懸命に見つめたり、肩を揺らしてリズムを取ったりと、それぞれ楽しんでいる様子が見られた。保護者からは「子育て中はホールで生の音楽を聴く機会はなかなかないので、とても心地良く聴けた」「合唱曲は馴染みがあり、聴いていて懐かしい気持ちになった」といった声に加え、「同世代の子どもたちが歌っている姿を見ることで、子どもたちも感じるものがあるかもしれない」と、我が子への良い刺激を期待する声も聞かれた。
リハーサル終了後は、ニュウニュウにインタビューを実施。子どもたちとの共演への想いや、音楽が人生にもたらす力について、真摯に語ってくれた。
ニュウニュウインタビュー「子どもたちの歌声は、まさに“天使の歌声”」
ーー今日の合唱団のみなさんとのリハーサルは、いかがでしたか?
どの曲もほぼ1回の合わせで無事に終わり、とてもスムーズでした。合唱団のみなさんがとてもしっかり練習されていたお陰ですね。彼らの声を初めて聴いたときは、本当に感動しました。すごく純粋で、心から歌っていることがわかるんです。それこそが、子どもの合唱の魅力だとも思います。中国語で子どもの声を表現するときは、“天使の歌声”という意味の言葉を使うんです。今日のみなさんの歌声は、まさにその通りだと思いました。彼らの純粋な歌声は、歳を重ねていくとどうしても失われてしまうものでもあります。だからこそ、今回のコンサートはとても貴重なものになるのではないでしょうか。
――子どもたちとの共演や、親子が参加できるコンサートへの出演は、ニュウニュウさんにとってどんな経験になりそうですか?
僕が日本でデビューしたのは2009年だったのですが、ちょうど合唱団のみなさんと同じぐらいの年齢だったんです。なので、今こうして一緒にコラボレーションできることは、僕にとって深い意義があります。次の世代へ音楽のレガシーを繋いでいくことにもなると思うんです。実は今、子どものための曲を作っている最中なんですよ。この曲を、いつかスタクラで披露できたら嬉しいです。
――日本で親しまれている合唱曲の魅力は、どう感じますか?
まず、メロディーが最高ですね。今回の公演に向けて楽曲の勉強もしたのですが、歌詞もとても素晴らしい。すごくポジティブなメッセージを伝えてくれる曲ばかりなんです。例えば「より明るい明日を迎える希望を持ち続ける」とか、「困難なときこそ勇気を持つ」といったもの。こうしたメッセージは、子どもたちがいつか大人になったときに、思い出として蘇ってくると思うんです。それらは彼らの人間性や個性を形作る上で、とても重要なものになると思います。
――ニュウニュウさん自身は、合唱の経験はありますか?
上海音楽院に在学していたときに、必修科目のひとつとして合唱がありました。毎週の合唱のクラスは、当時の僕にとって一番の楽しみでした。みんなで一緒に歌うことを、ピアノの練習以上に楽しんでいたんです(笑)。僕が上海を離れてアメリカへ行くことになったときには、最後の合唱のクラスで中国の有名なポップスの曲をみんなが歌ってくれて、思わず涙が出てしまいました。そのことは、今でも大切な思い出として心の中に残っています。
――子どもの頃に音楽に触れることは、どんな影響があると思いますか?
子どもの頃にどんな音楽に触れるかは、その後の人生に大きな影響を与えると思います。僕の両親はクラシックファンだったので、毎日のように家でクラシック音楽を聴かせてくれました。僕が寝付けないときには、母がショパンのノクターンをよく流してくれていたんです。そうしたことが、僕が3歳でピアノを習い始めるきっかけのひとつになったと思います。
――ニュウニュウさんの人生において、音楽はどういう存在ですか?
僕がいつも考えているのは、音楽に触れたり楽器を学んだりすることは、必ずしもプロの音楽家になるためだけのものではないということです。幼い頃の音楽経験は、たとえどんな職業に就いたとしても、優れた能力となってその人を助けてくれます。例えば、楽器を学ぶことで集中力・記憶力・協調性を高めることができます。そして、音楽がプレッシャーから救ってくれることもあるんです。僕の友人の女性は、パリオリンピックのフェンシングの最終決戦の前日、ものすごく大きなプレッシャーがあったそうです。元々ピアノが大好きだった彼女は、ピアノを弾くことによって心を安定させることができたと言います。その結果、金メダルを勝ち取ることができたんです。音楽は、どんな人にとっても大切なものだと思います。
――8月2日に開催されるコンサート『横山だいすけ 届け!うたごえ!』は0歳から参加できるので、“はじめてのクラシックコンサート”というお客様も多いと思います。そんな方々に向けて、メッセージをお願いします。
0歳から参加できるなんて、とても素晴らしい企画だと思います。このコンサートなら、きっと幅広い世代のみなさんに楽しんでいただけるはずです。僕は今年で4回目のスタクラ出演になりますが、毎回新しい挑戦をしてきました。今回も新しいことに挑戦したいと考えていますので、ぜひ、みなとみらいホールへお越しください。きっと心に残る、感動でいっぱいのスペシャルな時間をお届けできると思います。
ニュウニュウはこのほか、オール・ジブリ楽曲で贈る『シンフォニック・メモリーズ』(8月1日(土)18:00開演)に出演、加えて、スタクラ初開催となるマスタークラスも担当する。「ジブリ楽曲のコンサート出演は初」というニュウニュウは、『ハウルの動く城』からの楽曲を披露予定。今回のために編曲された特別なアレンジが聴きどころだと話した(※『シンフォニック・メモリーズ』は未就学児入場不可)。
親子で過ごす夏の思い出に。あるいは“はじめてのクラシックコンサート”という特別な体験に。音楽の楽しさを知るきっかけとなる時間が、みなとみらいホールで待っている。
取材・文=松村蘭(らんねえ) 撮影=福岡諒祠
公演情報
【開催期間】2026年8月1日(土)~ 8月2日(日)
【会場】横浜みなとみらいホール(横浜市西区みなとみらい2-3-6)
協力:横浜みなとみらいホール(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
お問い合わせ:スタクラ事務局(イープラス) stacla-info@eplus.co.jp
公式サイト:https://standupclassicfes.jp/
公式Instagram:@stacla_fes
公式X:@STANDUP_CLASSIC
場所:横浜みなとみらいホール
出演者:横山だいすけ、TAIRIK(TSUKEMEN・ヴァイオリン)、ニュウニュウ(ピアノ)、横浜少年少女合唱団
指定席:一般 5,000円 / 子ども(3歳~18歳) 2,500円
プレミアムシート:8,000円(特典付き:スタクラオリジナル・ランチトート、めじるしキーホルダー)
親子鑑賞席:一般 5,000円 / 子ども(3歳~18歳) 2,500円
※膝上鑑賞は3歳未満のお子様のみ、親子鑑賞席に限り可能です。3歳未満のお子様でもお席が必要な場合は親子鑑賞席子ども券をお買い求めください。
※指定席とプレミアムシートは、3歳未満のお子様はご遠慮ください。
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
田中祐子(指揮)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団(オーケストラ)
上野耕平(サクソフォン)、高木竜馬(ピアノ)、高野百合絵(ソプラノ)、ニュウニュウ(ピアノ)、紀平凱成(ピアノソロ)
(高木竜馬の「高」ははしごだかが正式表記です)
【演奏予定曲目】
久石譲:君をのせて、天空の城ラピュタ『天空の城ラピュタ』より(サクソフォン:上野耕平)
アシタカせっ記、アシタカとサン 『もののけ姫』より(ピアノ:高木竜馬)
星を飲んだ少年、人生のメリーゴーランド 『ハウルの動く城』より(ピアノ:ニュウニュウ)
いのちの名前、いつも何度でも※木村弓作曲『千と千尋の神隠し』より(ソプラノ:高野百合絵)
オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』 ほか
全席指定 S席 6,500円、後方席 5,000円
プレミアムシート 10,000円(特典付き:スタクラオリジナル・ランチトート、めじるしキーホルダー)
※未就学児のご入場はご遠慮願います