世界遺産の豪華映像とスパニッシュ・サウンド全開の音楽を楽しむ一夜 城田優が語る『サグラダ・ファミリア シンフォニックコンサート』見どころは
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2026年11月東京・大阪にて、スペインの建築家アントニ・ガウディの没後100年と「イエスの塔」の完成を記念して『サグラダ・ファミリア シンフォニックコンサート』が開催される。同コンサートにてストーリーテラーをつとめる俳優の城田優が7月末、合同取材会に出席した。
SPICEでは、取材会の様子と個別に行ったインタビューの様子をレポート。幼少期にスペイン・バルセロナで暮らしていた城田がサグラダ・ファミリアについて、さらにNHKの密着映像と、フルオーケストラが競演する同コンサートの魅力について明かした。
――城田さんは、2歳から7歳頃までのバルセロナで暮らした経験をお持ちです。サグラダ・ファミリアはとても身近な存在とうかがいました。
そうですね。東京で幼少期を過ごした方で例えるならば、東京タワーのような存在でした。シンボル的なもので、初めて近くに行った時は「うわぁ、すごい」と思いました。遠くからでも見えて、日常にずっとあり続けている。バルセロナのシンボルですし、カタルーニャのシンボル。スペインという国としてもシンボルになり得るような、スペイン人が誇りに思っている建物だなと思います。
――お近くに住んでいたのでしょうか。
はい。サグラダ・ファミリアから数駅の所に住んでいました。地下鉄で15分程度。僕の母は、サグラダ・ファミリアがあるエリアでガイドの仕事をしていたので、よく近くで待ち合わせをしていました。週に何回かはサグラダ・ファミリアの前を通っていましたし、建設中の建物にも何度か入ったことがあります。
――今年6月には、メインタワーである「イエスの塔」完成という歴史的瞬間を現地で取材されました。
僕はサグラダ・ファミリアの目の前にある建物の一室で、祭典を見させていただきました。祭典には、ローマ法王もいらっしゃっていて、ライトアップされたサグラダ・ファミリアで、最後に聖歌隊が生で素晴らしい歌を披露して。バルセロナ中に響いているような、神秘的で感慨深い時間でした。自分が暮らしてた街で、世界中が注目するイベントが行われてるんだな……という感動がありました。最後は花火も上がって歓喜の渦に包まれて、幸せな時間でした。
――サグラダ・ファミリアの横に、ガウディの顔がドローンで浮かび上がるという演出も素晴らしかったですね。
そうですね。実は現地では距離が遠かったのであまり見えず、あとからテレビを見て詳細を知りました。ガウディの顔がサグラダ・ファミリアの横に並ぶ演出を見た時には、瞬間的にでも、(ガウディが)そこに存在しているかのように感じることができ、とても粋な演出だなと感じました。サグラダ・ファミリアに限らず、バルセロナの街には、カサ・ミラや、カサ・バトリョなど、数え上げれば切りがないくらいガウディの建築物がたくさんあるんです。バルセロナ、スペインの人にとってガウディはやっぱり特別な存在だと感じました。
――今回の公演は、世界で唯一建築現場の密着取材を続けてきたNHKの映像と、フルオーケストラの演奏を通して、サクラダ・ファミリアの壮大な歴史を体感できる特別なものです。城田さんはストーリーテラーを務めます。
NHKの方々が、何度も何度もサグラダ・ファミリアに足を運んできたからこそ、撮ることができている映像がたくさんあります。僕も現地で一緒にロケをさせていただいて、ガウディの研究をされている方などにお話しを伺ってきました。サグラダ・ファミリアに携わっている方々が本当に熱心に魅力や秘密を伝えてくださっているので、その映像と、村治佳織さんのギター、生のオーケストラがコラボレーションする公演というのは、二度とない機会だと思います。豪華な映像と素晴らしい音楽で、サクラダ・ファミリアの完成を祝うコンサートというのは、今回各地一夜限りです。僕自身も期待していますし、プレミア感を感じていただければと思います。
――世界遺産の建物と、オーケストラの親和性についてはどのようにお感じでしょうか。
サグラダ・ファミリアに限らず、世界遺産は日本にも色々なところにありますよね。すごく繊細だったり、大胆だったり、見ると感情が動きます。視覚的に、目が興奮した状態でオーケストラを聴くということは、目も耳も刺激されるということ。僕はオーケストラを音楽の王様みたいなものと思っているので、世界遺産との融合、親和性というものは、僕が語らずとも感じていただけるのではないかなと思います。
――今回のプログラムをご覧になった感想は?
スペインを象徴する素晴らしい選曲だとワクワクしています。「亡き女王のパヴァーヌ」は、僕自身も仕事でピアノを弾いたことがありました。「ボレロ」は間違いなく盛り上がるだろうなと思います。スパニッシュ・サウンド全開の選曲なので、東京国際フォーラムや、大阪はフェスティバルホールから、バルセロナそしてサグラダ・ファミリアを感じていただけると思います。
――サグラダ・ファミリアは、ガウディの思いを現代の建築家・彫刻家が継承し、建設が続けられていることに尊さを感じます。城田さんご自身は先人の思いを継ぎたい、または自身が残したいと思うものはありますか。
教育や学問など先人から得た学びを、時代や場所に合わせて、ルールを少しずつ変えて時代は流れていっていると思います。昨今はインターネットの普及によって時代が圧倒的にグローバルになり、世界の境界線みたいなものがなくなっていますよね。それを考えると、(インターネットなどがない時代を生きた)先人達の感覚は、ある意味全く通用しなくなってきているとも感じます。なので、いま特定の誰かの教えを未来に、ということは正直、パッと浮かばないのですが、ひとつ思うことは、やはりいつの時代も「人」が大切だということ。
今って生身の人間よりも、(ゲームなど)インターネットの世界や、AIと触れあう時間が長い人も多くいると思うんです。昔は映画ならば映画館やテレビの前など、人が集う場所がありました。でも今はインターネットでつながってしまうため、人と共有する機会が減っています。人とつながること、コミュニケーションを取るということの大事さが身に染みています。こういう話をすると、本当に歳をとったなと思うんですけど(笑)、僕らの幼少期や学生時代、青春を謳歌していた頃は、人とのつながりが全てでした。僕たちは人間なので、どんなに便利になっても人のつながりに重きを置くということを大切にしたい。その思いを残していくことができればいいなと思います。
――人同士をつなげるという部分では、サグラダ・ファミリアは、時代も人種も越えて人をつなげましたよね。ガウディが完璧な設計図を残したのではなく、ヒントを残し現代を生きる私たちに想像する余白を与えた部分に改めてすごさを感じました。完成した「イエスの塔」は日本人彫刻家の外尾悦郎氏が建築に携わっています。5万820枚のタイルを駆使した外尾氏の解釈についてどのように感じられましたか。
諸説あるのですが、一説によるとガウディは「自然には境界線がない」とおっしゃっているんです。僕もその通りだと思いますし、実際に「イエスの塔」を見て、まさに「境界線がない」ということに重きを置いているなと感じました。今日この会場のステンドグラスも、デザインされた木の葉の色は一色ではなくグラデーションになっていますよね。薄い緑の横に濃い緑があるからお互いが際立つ。そんなふうに、どの色も大事だという思いを受け取りました。
完成とはいっても、内部などまだ工事をしているところがあって、残念ながら全容を見ることはできませんでした。ネットが張られている部分は、一部のタイルが見えるだけという状態でしたが、想像力を膨らませて見ることができました。外尾さんが受け取ったガウディの感覚を具体化した、素晴らしいタイルアートになっているのではないかなと思います。
――想像力を膨らませることは演劇の世界にもあることですよね。シェイクスピアの『ハムレット』の中に、「役者たちは時代の縮図」となどと訳されるセリフがありますが、時代によって変化していく。城田さんは演者としてはもちろんプロデューサーとしての目もお持ちですが、表現者として大切にされていることはどのようなことですか?
受け取る側がどう感じるかが全てだということは常に頭に置いています。『ハムレット』は悲劇と思っていても、時代が変わって受け取った人が「これはとんでもなく面白い喜劇だ」と感じたなら、それはその人の中で喜劇になってしまうんですよね。僕はこの世界に27年ほどいますが、やればやるほど想像力や余白を持たせて、あとはお客さんに委ねるということがいかに大事か、痛感しています。ある程度は説明が必要ですが、夢の世界を見に来たお客様に、全ての意図を説明するのはナンセンスですよね。それならは講演を開けばいいじゃないって。もちろん、「あのセリフの意図は?」と聞かれれば回答しますが……。
――確かにそうですね。
僕は個人的な音楽活動もしていまして、今年11月にアルバムを出すんですけれど、全ての歌詞を自分で書かせてもらっているんです。その歌詞について、歌う前に「これから歌うこの曲なんですけど、このAメロのこの歌詞にはこういう意味がありまして……」なんてライブで言い始めちゃったら、想像する楽しさを奪ってしまいますよね。なのでそういったバランスは、すごく大事だと思います。
――城田さんご自身は、想像力を養うためにされていることはありますか?
基本的に、感情が動くことをするということを大切にしています。自分の人生で嫌なこと、悲しいこと、苦しいこと、辛いことが日々起こっても、それはちっちゃいことから大きなことまで、非常にポジティブな言い方をすると、曲や歌詞、舞台の脚本など、ものづくりのエネルギー源になるんです。いつの頃からか、悲しみや喜びなど、その感情を味わってる時に、客観的にそれを見ている自分がいることに気づきました。ものづくりを本格的にするようになってからは、特に意識しています。
『サグラダ・ファミリア シンフォニックコンサート』は、11月15日(日)東京・東京国際フォーラム/11月25日(水)大阪・フェスティバルホールにて開催。
取材・文=翡翠 撮影=森岡悠翔(SPICE編集部)
公演情報
大阪公演:2026年11月25日(水)18:30開演 会場:フェスティバルホール
料金(全て税込・全席指定)
S席14,500円/A席12,000円/B席 9,500円/BOX席30,000円※BOX席は大阪公演のみ
車椅子席14,500円
※車椅子席1席につき介助者席1席購入可
※車椅子席、介助者席は一般発売以降
出演
ストーリーテラー 城田優(エンターテイナー)
演奏 村治佳織(ギタリスト)
東京公演 指揮/原田慶太楼 管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団
大阪公演 指揮/栗田博文 管弦楽/日本センチュリー交響楽団
・アルハンブラの想い出
・アランフェス協奏曲
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・ボレロ 他
制作 サンライズプロモーション/NHKエンタープライズ
協力 サグラダ・ファミリア贖罪聖堂建設委員会財団/スペイン大使館観光部
特別協力 JTB
お問合せ サンライズプロモーション0570-00-3337(平日12:00~15:00)
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