間もなく開催! 約1400ブースが集う『ゲームマーケット2026秋』、初心者はどう楽しむ?

2026.9.25
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『ゲームマーケット』運営事務局の鈴木 健右氏(株式会社アークライト) 撮影:大塚正明

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ボードゲームをはじめ、TRPGや謎解き、マーダーミステリーなど、電源を使わない“アナログゲーム”が一堂に集まるイベント『ゲームマーケット』。その秋の祭典となる『ゲームマーケット2026秋』が、10月17日(土)・18日(日)の2日間、幕張メッセ展示ホールで開催される。

20年以上の歴史を持つ同イベントでは、企業による出展はもちろん、個人のクリエイターが自ら制作したゲームを展示・販売するブースが数多く並ぶ。その数、およそ1400ブース。新作を実際に遊べる試遊スペースや、定番のボードゲームを楽しめる特設コーナーなども設けられ、ゲームを買うだけではないさまざまな楽しみ方が用意されている。

とはいえ、初めて訪れる人にとっては「これだけたくさんのゲームから、何を選べばいい?」「そもそもどこから回ればいい?」と戸惑うこともありそうだ。そこで今回は、ボードゲーム初心者の筆者が、『ゲームマーケット』運営事務局の鈴木 健右氏(株式会社アークライト)に、イベントの歩き方から、国内外へ広がるゲーム制作の現場、アナログゲームならではの面白さまで、素朴な疑問をぶつけた。

■初心者でも大丈夫? 25年以上続く『ゲームマーケット』とは

──本日の取材では、御社の一室をお借りしています。たくさんのボードゲームが並んでいて、それだけでも圧倒されますが……“興味はあるけど詳しくはない”私のような初心者でも『ゲームマーケット』に参加できるものなのでしょうか?

もちろん大丈夫です。むしろ、初めて来てくださる方にも楽しんでいただけるように、ここ数年は初心者向けの企画や導線をかなり増やしています。主催者側の僕らはもう、いわば“ゴリゴリ”のボードゲームユーザーなので(笑)、逆に初めての方がどこで迷うのか、何がわからないのかは見えにくくなっている部分もあります。今日はぜひ初心者の目線で質問していただけたら嬉しいです。

──“ゴリゴリ”のボードゲームユーザー……やはり鈴木さんがこの仕事を選ばれたのも、もともとボードゲームがお好きだったことが大きいのでしょうか?

そうですね。もともと大学生の頃からボードゲームが好きで、10年ほど前にはお客さんとして来ていました。転職組でアークライトに入って、もう7年ほどになります。趣味が今の仕事につながった形ですね。

──『ゲームマーケット』では、どのような役割を担われているのでしょう?

現在は『ゲームマーケット』運営事務局のあるイベントチームで課長を務め、現場のメンバーと一緒にイベントを運営しています。また、事業戦略室も兼任していて、アークライトのボードゲーム事業の全体のとりまとめと方向性の策定をしつつ、ボードゲーム業界そのものをどう広げていくかということにも取り組んでいます。

『ゲームマーケット2026秋』」の公式マスコットキャラクターのバン

──お言葉に甘えて、いろいろなお話をうかがえたらと思うのですが、まずは『ゲームマーケット』がどんなイベントなのか、教えていただけますか?

25年以上続いている、“電源を使用しない”アナログゲームのイベントです。ボードゲームをはじめ、紙やサイコロを使って遊ぶTRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)、謎解き、体験型推理ゲームのマーダーミステリーなど、さまざまなジャンルが一堂に集まります。もともとは個人の方が始めたイベントを源流として、アークライトが主催を引き継ぎ、現在まで続いています。

『ゲームマーケット』には、大きく分けて、個人のクリエイターさんやサークルが参加する「一般出展」と、企業などが比較的大きな規模で出展する「エリア出展」があり、さまざまな規模の出展者が参加しています。なかでも特徴的なのが、個人のクリエイターさんが自分で作ったゲームを出展し、その場で販売していることです。個人のクリエイターさんが主軸になっているという意味では、いわゆるコミックマーケットに近いイメージを持っていただくとわかりやすいかもしれません。

──個人のクリエイターの方はどれくらい参加されているのでしょう?

もともと個人の方が始めたイベントだったこともあり、現在も個人で参加されている方が非常に多いです。全体では約1400のブースがありますが、規模の大きな「エリア出展」は100強なので、出展数としては一般出展の方が圧倒的に多いですね。

一方で、年々企業の参加も増えていますし、一つひとつのブースの規模も大きくなっています。その中には、ゲームメーカーさんだけではなく、本業がゲームではない企業が関わるなど、参加の仕方も広がってきていますね。例えば、サントリーさんが協賛する「LIQUOR GAMERS CLUB」は、「洋酒とボードゲームで人と人をつなぐ」をコンセプトに、「お酒を飲むシチュエーションの提案」という発想からゲームを展開されています。

──個人のクリエイターと企業、それぞれの参加がありながら、イベントの幅も広がってきたんですね。来場者数自体もかなり増えているとうかがいました。

はい。2000年の第1回からコロナ禍までは、ほぼ右肩上がりで来場者数を伸ばしてきました。コロナ禍では中止になったり、入場者数を制限しながら開催したりした時期もありましたが、現在は再び多くの方に足を運んでいただいています。『ゲームマーケット』は年2回開催しており、『ゲームマーケット2026春』には過去最多となる3万2000人の方にご来場いただきました。第1回は400人規模だったので、そこから考えると本当に大きなイベントになったと思います。

来場者層も広がっていて、5年ほど前は男性が8割近くを占めていましたが、今では女性も4割近くまで増え、ご家族で来られる方も多くなっています。コロナ禍をきっかけに、テレビやYouTube、配信などでアナログゲームを取り上げていただく機会が増え、それまでボードゲームを知らなかった方にも知っていただけるようになったことが大きいと思います。そうした方にも楽しんでいただけるよう、初心者向けのコーナーや企画を少しずつ増やしていきました。

──初心者としては嬉しい限りです。会場には、「新作展示コーナー」のほか、「本当に面白いユーロゲームの世界」、「ビッグゲームパーク」など、本当にたくさんのコーナーがありますよね。

そうですね。「本当に面白いユーロゲームの世界」は、ドイツを中心にヨーロッパで発展してきた“ユーロゲーム”の名作を実際に遊べるコーナーです。これまでに世界的な賞を受賞またはノミネートされた作品が集められており、「ボードゲームに興味はあるけれど、何から遊んだらいいかわからない」という方が、まず定番の面白さに触れられる。そういう場所を運営側で用意したいという思いから始まりました。「ビッグゲームパーク」は、普段は卓上で遊ぶボードゲームを巨大なサイズで体験できるコーナーで、お子さんにも人気があります。

──イベント会場だからこそできる体験ですね。

そうですね。今は通販でもゲームを買えるので、「わざわざ会場へ足を運ぶ意味をどう作るか」ということも考えるようになりました。そこで、人間サイズにまで大きくしたボードゲームを実際に遊べたら面白いのではないか、と。そうした発想から「ビッグゲームパーク」が生まれました。単にゲームを買うだけではなく、会場に来たからこそ楽しめる体験を増やしていきたいと考えています。

過去開催の様子

■何から見ればいい? 親子でも楽しめる会場の歩き方

──ゲーム以外にも、会場を楽しめる要素がありますよね。公式マスコットキャラクターの「コロ」「チップ」「バン」も、今回新しいイラストが公開されました。

はい。「コロ」「チップ」「バン」は、ボードゲームのイラストも手掛けられている漫画家・平尾リョウ先生にデザインしていただいたキャラクターです。コロはサイコロ、チップはゲームで使うチップ、バンはゲームボードと、どれもアナログゲームではおなじみのものをモチーフにしています。

毎開催ごとに設定されるテーマに基づいて、毎回衣装を書き下ろしていただいています。2026秋では、前回から実施している「ジャンルごとに分かれたブース配置」施策に関連して、TRPGや謎解き、新設されたTCG(トレーディング・カード・ゲーム)なども楽しめるイベントであることがイメージされているものです。コロは着ぐるみもあって、会場では一緒に写真を撮れるグリーティングも行っています。来場した記念にもなりますし、お子さんにも楽しんでいただけると思います。

──私もできれば子どもと一緒に行ってみたいと思っているのですが、親子で初めて『ゲームマーケット』へ行く場合、まずどこから回るのがおすすめでしょうか?

最初に、会場で配布されるカタログを手に取っていただくのと、会場入口にあるパネルをご覧いただくのがよいかなと思います。会場の全景や前述の特設コーナー、ステージの内容などの紹介がありますので、イベント全体のイメージができます。

そのうえで、まずは企業さんのブースに行かれるのが入りやすいと思います。新作だけでなく定番の商品も並んでいることも多く、既にどこかで見たことがあるゲームが、その取っ掛かりとなることがあるのではないでしょうか。おもちゃショーなどの展示にも近い形式で、情報も見やすく整理されていることが多いです。その次には、少しハードルを感じるかもしれませんが、ぜひ個人のクリエイターさんのブースにも足を運んで、その熱量を是非体感してほしいですね。多くの方が『ゲームマーケット』に向けて新作を作っているので、初めて見る、既知ではないゲームがたくさん並んでいます。

──目当てのゲームが決まっていなくても、会場を歩くだけで楽しめそうですが、これだけ企画や出展が多いと、逆にどこから見ればいいのか迷ってしまいそうです。

特に一般ブースは数も多いですからね。そういう場合に一番おすすめしたいのは「新作ゲーム展示コーナー」ですね。出展者の皆さまからご提供いただいた新作ゲームが並んでいて、箱を手に取ったり、中身を見たりしながら、一度にたくさんの作品をチェックできます。それぞれに出展ブースの番号が書いてあるので、「これ、面白そうだな」と思ったら、その番号を頼りに作者さんのブースへ行くこともできます。

ジャンルも本当にさまざまです。麻雀や将棋のように競技性が高く、実力が反映されやすいゲームもアナログゲームですし、運の要素が介在し、遊びやすいものもあります。また、みなさんが既にご存じのゲーム(例えば「ババ抜き」や「人狼」など)をベースに新しいルールや要素を加えた作品を個人のクリエイターさんが作ることもあります。まずはここで、自分が気になるゲームを探してみるのがおすすめです。

『ゲームマーケット2026秋』」の公式マスコットキャラクターのコロ

――なるほど。

探し出すのは難しいかもしれませんが、それぞれの製作者がゲームを通して表現したいことは全く異なっていますので、その中にはあなたに刺さる・あなたに向けて作られたようなゲームも必ず存在するはずです。

原石という観点でも、例えば『はぁって言うゲーム』も、もともとは米光一成さんが『ゲームマーケット』で発表された作品ですが、今では『ゲームマーケット』を知らない方にも広く知られる作品になりました。そうやって、ここから話題になって商品化されたり、海外へ展開されたりするゲームもあります。

これから人気になるかもしれない作品をいち早く体験できたり、作者さん本人と話しながら選べたりするのは、このイベントならではの面白さだと思います。

──ゲームだけでなく、会場を巡りながら楽しめる謎解き企画もありますよね。

謎解きも、今では一つの大きなカテゴリーになっています。SCRAPさんやタカラッシュさんをはじめ、さまざまな企業が盛り上げてきたジャンルですよね。僕らとしても、謎解きが好きな方にも『ゲームマーケット』を楽しんでもらいたいという思いがあります。ボードゲームと謎解きはお隣さんの業界といったところですが、電源を使わず、考えながら遊ぶという意味では非常に似た部分もあります。そうしたジャンル同士が交わることで、これまで『ゲームマーケット』に来たことがなかった方にも楽しんでいただけたらと思っています。

──TRPGは女性ファンも多いとうかがいましたが、そもそもどんな遊びなのでしょう?

簡単に言うと、仮想の世界を舞台に、キャラクターになりきって、みんなで物語を作る遊びといえるでしょうか。電源を使わずにRPGを遊ぶといいますが、実際はTRPGの方が先に存在していて、そこから皆さんがご存じのデジタルゲームのRPGへとつながっているものなんです。

自分のキャラクターを作り、ゲームマスターと呼ばれる進行役の問いかけに対して、プレイヤー同士で相談したり、時にはダイスの目に身を委ねながら行動を決めていきます。参加者同士でキャラクターを演じる中で、普段は取れない行動や発言をしたりできることが魅力でゲームプレイを通して生まれた物語は、それこそ唯一無二のストーリーとなっていくため、配信やリプレイ本として読み物になっていたりします。『ゲームマーケット』でもTRPGを目当てに来られる方は多く、特に日曜日は出展が多い傾向があります。興味がある方は、日曜日を中心に見てみるのもいいと思います。

──お目当てのゲームが決まっている方は、どのように回るのでしょうか?

そういう方にとって大きいのが、土曜日の「早期11時入場」です。一般入場より1時間早く会場に入れるので、利用される方はかなり目的がはっきりしていると思います。

『ゲームマーケット』では、個人製作が主ということで、この日に初めて発表されている作品や非常に数が限られている作品、事前予約を実施していない方もいらっしゃいます。加えて、ありがたいことにメーカーさんも新商品の先行販売や再販を『ゲームマーケット』に合わせてくださることが多いんです。そうした商品をいち早く手に入れたい方にとって、この1時間はかなり大きいと思います。

──開催前に、新作を遊べる機会もあるとうかがいました。

はい。様々な形で「事前試遊会」が開催されていまして、事前に公開されるカタログ(開催日1カ月ほど前にwebで公開されます)をみて、気になっていたゲームを実際に遊んで、欲しいと思ったら予約して当日はそのブースを目指す、という方もいます。イベントを楽しみにしていただいている方々にとっては、​『ゲームマーケット』は開催日の前から始まっているといえます。前日等に開催されるイベントの一部は「ゲムマプレイベント」と題して、私たちのHPなどでもご紹介をしています。

──また、海外のゲームデザイナーの方の講演もあるとうかがいました。

はい。春は国際的な取り組みに力を入れていることもあり、ここ数年においては毎回海外の著名なゲームデザイナーをお招きしています。今年の春は、『世界の七不思議(7 Wonders)』や『花火/HANABI』など、数々の名作で知られる世界的ゲームデザイナー、アントワーヌ・ボウザ氏にいらしていただきました。普段なかなか日本で会う機会のない方のお話を聞けたり、交流できたりするのも楽しみの一つです。勿論、海外のデザイナーさんだけでなく、国内のデザイナーやイラストレーターさんにご登壇いただいたり、支援サービスのご紹介などゲーム制作のサポート​になるようなコンテンツを配信していますし、TRPG落語などの楽しめるコンテンツも盛り沢山です。

撮影:大塚正明

──そうなると気になるのが、なぜ日本ではこれほど多くのボードゲームが生まれているのか、ということです。

海外の方からも、「なぜ日本ではこんなにたくさんのゲームが作られているのか」と聞かれることがあります。海外の場合、ボードゲームデザイナーというと、出版社やメーカーで仕事をしながら作品を作るスタイルが一般的です。一方、日本には同人誌をはじめ、個人の創作活動を支える文化やサービスがあります。たとえば印刷会社さんにも、100部程度の小ロットから作れるサービスがある。そうした環境があるので、「自分でもゲームを作ってみよう」と思ったときに、実際に形にしやすいんです。これは世界的に見ても、かなり特異な環境だと思います。

──個人が作品を形にして発表できる土壌があるからこそ、これだけ多くのゲームが生まれているんですね……!

そうですね。会社の商品として企画するのとはまた違う、自由な発想の作品が出てくる。そこに海外の出版社やバイヤーも面白さを感じて、わざわざ日本まで作品を探しに来てくださっているのだと思います。

──聞いていると、「自分でも作ってみたい」と思う人にとっても夢がありますね。デジタルゲームと比べても、制作の入り口は身近にありそうです。

そう思います。本当に紙に書いて、コンビニで印刷して作れるようなゲームもありますから。デジタルゲームのように、まずプログラミングを身につけなければ作れないというものではありません。

子どもの頃に、自分で紙にマスを書いてゲームを作った経験がある方もいると思います。ボードゲーム制作は、そういう遊びともかなり地続きなんですよね。まず作ってみて、そこから印刷所などを利用して少しずつ本格的な形にしていくこともできるかと。

過去開催の様子

■予算は? ゲーム選びから知るアナログゲームの魅力

──『ゲームマーケット2026秋』からは、公式カタログの形も変わります。初めて参加する人にとっても予習しやすくなりそうですね。

そうですね。これまでは分厚い紙のカタログを事前販売していたのですが、今年の秋から形を刷新し、全出展者のブースカットを掲載したWeb版公式カタログを無料で公開します。これまでより気軽に情報にアクセスしていただけると思います。

カタログには、それぞれの出展者が「今回はこんなゲームを出します」と紹介するブースカットが並んでいるので、気になるものを探して、当日の目的地を決めておくのも一つの楽しみ方です。もちろん、何も決めずに来ていただいても大丈夫です。

──結局のところ、当日はいくらくらい持っていけばいいでしょうか……?

極端な話、入場料さえあればゲームを買わなくても十分楽しめてしまう、という言い方もできるかもしれません。個人的には、最初からたくさん買う必要はないと思っています。

​価格は作品によってかなり幅がありますが、たとえば「チャック横丁」には、チャック付きの袋に入ったコンパクトなゲームが並び、500円や1000円程度で買える作品もあります。個人のクリエイターさんが作るゲームでは、2000~3000円程度のものも多い印象ですね。まずは会場で遊んでみて気に入ったものを、1つ2つ購入してみる、といったところから始めるのがよいのではないでしょうか。

一方で、豪華なコンポーネントが入った数万円のゲームや、大きなサイズの作品もあります。ちなみに、相当数のゲームを購入される方もいらっしゃいますが、会場には宅配サービスもあるので、たくさん買ってそのまま自宅へ送る方もいます。

──ボードゲームには「重ゲー」「軽ゲー」という言い方もあるそうですね。初心者がゲームを選ぶときは、どこを見ればいいのでしょう?

よくゲームを遊ばれている方の中には、ゲームの複雑さやプレイ感を、ゲームのウェイト(weight)という表現として、「重い」「軽い」と言うことがあります。ルールがわかりやすく短時間で遊べるものが「軽いゲーム」、複雑で長時間かけて遊ぶものが「重いゲーム」と呼ばれることが多いですね。初心者の方なら、まずは「何人で遊べるか」「プレイ時間」「対象年齢」を見て、プレイ時間が短く、ルールもわかりやすいものから選ぶと入りやすいと思います。

『ゲームマーケット2026秋』」の公式マスコットキャラクターのチップ

──なるほど。お話を聞いていたら、私でも気軽に参加できそうな気がしてきました。

ぜひ。まずいろいろ試してみてもらうのがいいと思います。実は主催している僕らも、当日どんなゲームが並ぶのかを把握しているわけではないんです。出展者さんから事前にカタログ用の情報を出していただきますが、その段階では「新作予定」「詳細未定」という方もいます。個人で制作されているからこそ、最後まで作り続けて、当日初めてお披露目される作品もある。カタログをかなり読み込んでいても、会場へ行けば必ず何かしら発見があると思います。その日、その場所で新しいゲームを見つけること自体が『ゲームマーケット』の面白さだと思います。

──鈴木さんが思うアナログゲームの魅力とは何でしょうか。

たくさんありますが、一つは、気に入ったゲームを長く遊び続けられることですね。デジタルゲームのように、ハードの世代が変わったから遊べなくなるということがありません。

もう一つは、コミュニケーションツールとして優れていることです。初対面の人同士でも、ゲームという共通のルールがあるだけで、自然と質問したり、相談したり、笑ったりできる。その中で「この人にはこんな一面があるんだ」と知ることもあります。

もちろんデジタルゲームにも、離れた場所にいる人と一緒に遊べる良さがあります。ただ、同じ場所に集まって、顔を合わせて遊ぶ時間そのものにも、アナログゲームならではの価値があると思っています。

──ゲームだからこそ、普段なら少し言いづらいことを話せる場合もありそうですね。

ありますね。真正面から質問すると話しにくいことでも、ゲームのルールとしてなら答えられることもあると思います。そうした特徴から、学校でコミュニケーションをサポートするために使われたり、会社で立場や部署を越えた交流やチームづくりに活用されたりするケースもあります。

──学校や企業など、ゲームを遊ぶ場所そのものも広がっているんですね。ここまでお話を聞いて、ボードゲームは年齢も遊ぶ人もかなり幅広いんだなと感じました。

将棋や囲碁のような昔からあるゲームまで含めて考えると、アナログゲームにまったく触れたことがない人って、実はかなり少ないと思うんです。僕自身もお正月に実家へ帰れば、家族みんなでゲームを遊ぶことがあります。子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで同じテーブルを囲める。そこはボードゲームの懐の深さだと思います。

──そう考えると、「ボードゲームに詳しくないから」と構えなくてもよさそうですね。

そうですね。『ゲームマーケット』には本当に多くのブースがあるので、その中には一つくらい「これ、面白そう」と思えるものがあるはずです。多くのクリエイターさんがこのイベントに向けて新作を作っていて、開催ごとに新しいゲームとの出会いがあります。会場を歩きながら探してみるだけでも、楽しんでいただけると思います。

以前は、ある程度『ゲームマーケット』のことを知っている方に来ていただくイベントだった部分もありました。でも今は、初めての方をフォローする仕組みも作れてきたので、ようやく僕らも自信を持って「まず来てみてください」と言えるようになったと思っています。気軽に遊びに来ていただけたら嬉しいです。

撮影:大塚正明

インタビュー・文:逆井マリ 撮影:大塚正明

イベント情報

『ゲームマーケット2026秋』

■日程:
10月17日(土)11:00~18:00
10月18日(日)11:00~17:00
■会場:
幕張メッセ展示ホール 1・2・3・4・5
■入場:

10月17日(土)(1日目)
・早期11時入場(土)/入場時間:11:00-18:00/価格:3,000円
・12時入場(土)/入場時間:12:00-18:00/価格:1,500円
・当日現金(土)/入場時間:12:00-18:00/価格:2,000円

10月18日(日)(2日目)
・11時入場(日)/入場時間:11:00-17:00/価格:1,500円
・当日現金(日)/入場時間:11:00-17:00/価格:2,000円