NIGHTMARE 「今回のシングル3曲をライブでやったとき、みんなに“ライブで聴く方がよりいいな”って言ってもらえるようなライブにしたい」――3様の3曲を深堀りして見えたバンドの現在地

12:00
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NIGHTMARE 撮影=大塚秀美

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NIGHTMAREが34thシングル「極夜行」をリリースした。表題曲「極夜行」は、バンド初となる咲人(Gt)、RUKA(Dr)、YOMI(Vo)の3人による共作詞で、作曲は咲人が担当した、NIGHTMAREらしさが凝縮されたダークロックナンバーとなっている。そしてカップリングの「EoM」は柩が作曲、YOMIが作詞を、通常盤限定収録の「Resolve」はNi~yaが作詞作曲を担当しており、一枚のシングルにメンバー5人の名前がクレジットされた、現在のNIGHTMAREを知る上で不可欠な作品と言える。各楽曲の制作エピソード、プレイヤーとしてのこだわりポイントを訊いた。

──NIGHTMAREの34thシングル「極夜行」は、表題曲の作曲が咲人さん、そして作詞は咲人さん、RUKAさん、YOMIさんの3人で臨まれたのだとか。また、カップリングの「EoM」は柩さんが作曲、YOMIさんが作詞をされており、通常盤限定収録の「Resolve」についてはNi~yaさんが作詞作曲をされていらっしゃいます。結果、一枚のシングルにおいてメンバー全員のお名前がクレジットされたものに仕上がっていますが、そもそもバンド内ではこの最新作に向けてどのようなディスカッションがあったのでしょうか。

咲人(Gt):特にそういう話し合いはしてないですね。いつものように、それぞれが作りたいものを作って持ち寄ったっていう感じなので。それに、「EoM」と「Resolve」は今回のシングルに向けて新しく作ったというよりは、けっこう前からできていたものでした。

──では、表題曲「極夜行」が一番最後に決まったという感じだったのですね。だとすると、最後になった理由もあったのでしょうか。

咲人:もともと「極夜行」とは違う俺の曲があったんですけどね。前回シングルの表題曲が「Reach for」だったことを考えると、個人的にちょっとこれは違うかなと思ったところがあって、「もう1曲作らせて」っていうことでできたのがこれでした。

 

──なるほど。「極夜行」は誰が聴いてもNIGHTMAREらしいバンドサウンドのかっこよさが凝縮された、とても勢いのある楽曲になっている印象です。メンバーのみなさんはこの曲を咲人さんから受け取った際、どのように感じたのでしょう?

YOMI(Vo):僕もまさにNIGHTMAREらしい曲だなと思いましたし、たぶん僕たちのファンはこういうの好きだろうなって感じました。

柩(Gt):既にデモの段階で、これはきっとタイトル曲になるだろうなっていう存在感も持ってましたね。仮にアルバムに入ったとしてもこれがリード曲になるんじゃないか、みたいな。そういう強いオーラを持っていたんですよ。

Ni~ya(Ba):俺も最初に聴いた時から、ほんとにかっこいいなと思いました。特にアタマのギターリフが俺的にも大好物で「来た、コレ!」っていう感じで(笑)。

RUKA(Dr):僕はまず、震えましたよ。

Ni~ya:それは、あまりにもいい曲すぎて??

RUKA:というか、ドラム的に「これは忙しいだろうなー」と思って(苦笑)。

咲人:いつも(プレイ的な)余地を残して作ろうとは思っているんですよ。でも、今回は時間もなかったから勢い余ってつい打ち込みすぎちゃったんでしょうね。ちゃんと精査してるだけの余裕が無かった(笑)。

──もっとも、そうしたトゥーマッチなところが良きかたちで楽曲の勢いにつながっているようにも感じます。

咲人:だといいですね。

YOMI(Vo)

──RUKAさんからは先ほど「震えた」というキーワードも出ましたが、原曲からこの完成形に導いていくまでの間にどのようなプロセスがあったのかも教えてください。原曲のリズムを忠実に叩いていく感じだったのですか?

RUKA:いや、変えてるところもあります。単純にネガティブなことで言えば、すごく不得意なところとかは得意なものに変えちゃったりもしてますし。とは言え、なるべく来たものを残したい気持ちはあるので、できるだけ原曲のパターンを残すようにしつつ、っていう感じですかね。

──バンドサウンド全体のバランスを考えていく中で、ドラムのチューニングや音作りの面についてなにか重視されたことはありましたか。

RUKA:あんま考えないです。あとミックスに関しても、俺は基本的に人の曲で自分のドラムの音をあーだこーだオーダーは出さないかもしれない。自分で作ってる曲に対しては、まぁそれなりに言ったりしますけどね。

──細かいところかもしれませんが、「極夜行」の曲終わりでシンバルの音が余韻として残る場面。個人的にはあれがとてもいいなと感じました。

咲人:あぁ、柩のギターとシンバルの音が残るところか。

RUKA:普通にやったらあれは残る音でしょ。こっちからしたらそれが当たり前すぎて、そういうふうには全く思わないんだけど。

咲人:ああいう余韻が消えちゃうと、さすがに不自然になっちゃうし。

──そうですよね。エディットしてバツっと終わらせていないところに、聴き手としてはバンドサウンドとしてのリアリティをひしひしと感じたということだと思います。

RUKA:まぁ、この曲にはこういうかたちが合ってたっていうことなのかも。

──Ni~yaさんの場合、プレイ的に「極夜行」でポイントとしていたところは?

Ni~ya:プレイ的にはドラムにぴったりくっつくスタイルでやっていきました。RUKAさんがそう叩けばそう弾くよ、っていう完全に二コイチな感じ。

柩(Gt)

──阿吽の呼吸が感じられるリズムです。いっぽう、ギターアンサンブルについては咲人さんが曲を作られた段階である程度は想定していた部分があったと思いますが、完成形に至るまでには柩さんとの間でどのようなやり取りがあったのでしょうか。

咲人:弦楽器隊でプリプロに入った時にやり取りしていきましたけど、劇的な変化は特になかったかな。個々でそれぞれの癖みたいのがあるから、そこを活かしつつある程度自由に、みたいな感じですかね。

──柩さんが「極夜行」のギターワークにおいて重視されたのはどのような点ですか。

柩:フレーズや展開は咲人の作ったデモの段階で構成ができていたので、あとは細かいニュアンスだったりとか、自分の好みのガリガリした感じを出せたらいいかなっていう感じでした。それと、この曲でいつもと一番違ったのは、ピックですね。いつも使ってるピックで弾いたら、レコーディングの時になんかしっくりこない感があって。それで、試しにNi~yaの使ってる三角形のベースピックで弾いてみたら「これだ!」ってなりました。咲人からも「そっちの方が音が安定してる」って言われたんですよ。

咲人:この曲にはあれの方が合ってたよね。

Ni~ya:いわゆるおにぎり型の中でも、ちょっと尖ってるやつなんですよ。

──そのような試みはこれまでにもあったのでしょうか。

柩:なかったですね。たまたま「しっくりこないなぁ」って思ってた時、目の前のテーブルにNi~yaのピックがあったから「これで弾いたらどうかな」って思っただけというか。

Ni~ya:突然「このピック借りていい?」って言い出したから(笑)、「いいよ、いいよ。使って!」って。

柩:その日に3枚くらいもらって帰りましたね。今後またそのピックで弾くことがあるかもしれないから、たまに家でもそのピックで鳴らそうかなと。

──ギターピックよりもベースピックの方がおそらく厚みもあるでしょうし、大きさも違うのでエッジ感が音に出やすかったのかもしれませんね。

Ni~ya:厚みはベースピックもいろんなのあるけどね。

咲人:素材の違いなんかも含めて、柩の弾き方に合ってるんじゃないのかな。ティアドロップ型とかよりも。

柩:Ni~yaの使ってるピックって、握った時に安定感があるんですよ。その感覚がすごい自分としては新鮮でした。と言っても、使ってるのはAメロだけでサビあたりの刻みとかはいつものピックで弾いてます。

咲人(Gt)

──承知いたしました。なお、咲人さんのギターパートについては特にソロ部分がドラマティックな雰囲気でとても映えていますね。

咲人:ドラマティックになってます? 一応デモでも入れてたんですけど、結局レコーディングではフレーズを変えちゃったんですよ。いろいろ、どうしようかな?と考えてたのもあって、順番的にはあのソロを一番最後に入れたんです。

──最後ということは、歌の後に録られたのですね。

咲人:最近はもう、大体どの曲も最後にギターを入れることが多くなっちゃってます。それまでは仮ギターの状態で、曲によっては誰も聴いたことないギターになって仕上がってることもありますね。その方が最後に足りない要素を入れられるというか。みんながこう行ってるからちょっと自分はこっちに行ってみようかな、っていうことができるので。自分的にはやり方として合ってるんですよね。

──ちなみに、あのソロフレーズはどのようなイメージで弾かれたのでしょう。

咲人:今回はちょっとウネウネした感じにしたくて、初期に使ってたギターを引っ張り出して弾きました。俺が19歳くらいの時に仙台のESPでオーダーしたやつなんですけど。

──ずいぶんと久しぶりにそのギターを弾かれた際に、咲人さんはどのようなことを感じられたのでしょうね。

咲人:木材の鳴りが最近使ってるギターと違うな、って思いました。個体差みたいなのもあるんだろうし、時間が経過して音が安定したのかはわからないですけど。

Ni~ya(Ba)

──エイジング効果が生まれた可能性はありそうですね。ヴィンテージのギターなどでも時間経過によってセルロースの結晶化や含水率の変化が起こり、より鳴りやすくなるという事例があるそうですし。

咲人:そうそう、木の水分とかが抜けて変化したっていうのはあるのかもれしない。あとは、それ以上にそもそも仕様が今メインで使ってるギターとは違うので、あらためて弾いてみたら「これはこれでいいな」ってなりました。

──いずれにしても、良き音でレコーディングできたというのは何よりです。それから、冒頭でも少し触れさせていただいたとおり「極夜行」では作詞を咲人さん、RUKAさん、YOMIさんの3人でされたそうですね。具体的にはどのような流れでこの歌詞が完成していくことになったのでしょうか。

咲人:それはもう3人で力を合わせて書きましたよ(笑)。流れとしては、仮歌を録る時やキーチェックの時に“ラララ”だと歌い回しとかの面でYOMIが大変だから、まずは原形っていうほどでもないような一貫性のない感じの詞を俺がバーッと書いて。それを土台にするかたちで「ここだけ残してほしいんだけど、力を貸してください」っていう話を2人にしたんです。

RUKA:って咲人は言うけど、その仮歌詞の段階でちゃんと歌詞はできてましたよ。だから、大まかなテーマとこの歌詞で残したいところを確認して、そこからいろいろ書いてっただけ。ただ、言葉としては“3人で書いた”っていうとニュアンス的にちょっと難しいところがあるというか、明確に「ここは誰です」っていう感じではないんですよね。そのあたりは敢えてファジーにしておきたいかな。

RUKA(Dr)

──では、大まかなテーマとはどういったことだったのでしょうか。

咲人:関係性の終わり、みたいなことですね。

──かなりシリアスな内容ではありますし、これまでNIGHTMAREが曲によってさまざまなかたちで使ってきたバンド名を象徴する言葉が、ここでは《悪い夢》として出てきているところも特徴的です。

咲人:やっぱりね、うちら以上にこの言葉を使って説得力があるバンドはいないんじゃないのかなと。かといって「また出た!」みたいな感じに思われるのは本意じゃないし、これ以外にもNGワードのリストを作って、できるだけ避けようとしてる言葉は幾つかあるんですけど、それでもどうしてもそれ以外に見つからない時があるんですよ。今回はまさにそういうケースだと思います。

──そのNGワードのリストの内容、とても気になります。

咲人:とりあえず、二大巨頭が「光」と「世界」ですね。

──いやはや、その二つを避けるのは難易度が高そうです。

咲人:どっちも使いやすいんですよね。

Ni~ya:万能用語みたいなところあるからなー(笑)。

柩:そういえば、咲人って前に《手を伸ばす》っていう言葉もあんま使いたくないって言ってなかった?

咲人:うん、使いたくない。《手を広げ》とかも使わないようにしてる。だけど、それでもね。「Reach for」の時も《空に手を伸ばして》《星に手を伸ばして》とか書いちゃったし。根本的には自分が書くなら「このアプローチ、新しいよね」っていう方向にできるだけしたいっていうところで、絶対100%使わないっていうわけではないんですけど。そのあたりの判断については、なかなか難しいものがあります。

YOMI(Vo)

──YOMIさんが「極夜行」の歌詞について、こういう要素や言葉を入れたいなと考えたのはどのようなことでしたか。

YOMI:自分は前半部分に関して、こういうのどうですかねっていう案を出して、最終的にそれをRUKAさんにまとめてもらったんですけど。サビの部分にファルセットがあるじゃないですか? そこの部分は歌いやすい言葉にしたかったので、そのあたりも調整してもらった感じです。

──実際、この「極夜行」ではファルセットが絶妙なかたちで織り込まれていますし、キー設定も含めて綿密に作り込んであるようですね。

YOMI:ファルセットの部分は地声でのパターンも試してみたんですけど、咲人的にはファルセットのほうがイメージ的には合うということで、この完成形になりました。

──表情づけや表現力の部分で、YOMIさんがボーカリストとして大事にされたのはどのようなところでしたか。

YOMI:最初のデモ段階では、もうちょっと怒りの成分が多かったんですよ。だけど、咲人と二人でレコーディングしていく中で「荒々しさみたいなものに関しては少し抑えた方がいいかもね」っていう話になって。どちらかというと悲しみの方のニュアンスを濃くしていくことになりました。

──咲人さんは先ほど「極夜行」のテーマは「関係性の終わり」とおっしゃっていましたが、最初はそこに怒りの要素が入っていたとはなんとも興味深いお話ですね。

咲人:いや、そこは歌い方の違いが大きかったです。俺的には怒りの要素って意識してなくて。イメージとしては、ある一つの何かが終わって、主人公が直立してぼんやりしてるような雰囲気を思い描いてたんですよ。YOMIの歌い方としても、当初はマイクスタンドの前で茫然自失みたいな感じで歌ってるみたいな状況を想定してたんですね。だけど、レコーディングしてみたらYOMIがわりとすぐ巻き舌になっちゃうんで(笑)。単純に「それはなしで」って言っただけですね。

──この曲のタイトルが「極夜行」となった理由についても知りたいです。どこか小説の題名のようでもありますね。

RUKA:これ、タイトルどうするか迷ったんですよ。意味合いとしては、ずっと真っ暗な場所に行く、みたいなイメージで「極夜行」ってつけたんですけど。同名の小説が本当にあって。でも、まぁいいかと。たまたま同じだったっていうだけですね。

──そういうことでしたか。それから、これは「極夜行」のみならず今回の3曲に共通した質問になるのですけれど、もしや今作は一貫したテーマを持った作品でもありますか?

RUKA:え? 3曲で一貫したテーマとかはないっすよ。

──意外なお答えです。というのも、「極夜行」は《濁る空に》という1節から始まり、「EoM」は《雲行きが激しく移り変わり》で始まって、「Resolve」には《鈍色の空に》というフレーズが入っているものですから。どれも天候がよろしくないなと思いまして。

Ni~ya:うわ、ほんとだ(笑)。

柩:それは気付いてなかったなぁ。

──この一貫性はてっきり何かを示唆しているものなのかと思っておりました。

Ni~ya:なんでだろうね。みんな詞を書いてたのがちょうどそういう季節だったのかな?

YOMI:いつもみんないろいろと追い詰められてるから、そういう精神的な状態が言葉として表われたっていうのもあるかもねぇ(苦笑)。

咲人:長く一緒にバンドをやってると、それぞれの思考が似てくるっていうのはある気がする。これ以外でもたまにあるんですよ。同時期くらいに作ったものが「あれ? この曲もこの曲もこの言葉入ってるね」みたいになることが。勝手な推論ですけど、このバンドで何かを表現するってなった時に、自然と近しいイメージみたいのが沸いてくることはあるのかもしれないです。この言葉とか表現が出やすい、みたいなのが。

──それでいて、曲調は三者三様で全く違いますのでね。深層心理的な無意識レベルで5人がシンクロしていたのだとすると、そうした意味でも『極夜行』はNIGHTMAREにしか生み出せない作品に仕上がったと言えるのではないでしょうか。

咲人:ま、ここはポジティブにとらえましょう(笑)。

柩(Gt)

──では、ここからは柩さんが作られた「EoM」についてのお話をうかがって参りましょう。この曲を作る際に、柩さんがイメージされていたのはどのようなことですか。

柩:自分が中高生の頃に聴いてたような、懐かしい感じの曲にしたかったんですよ。たとえばGLAYとかね。この曲のテンポ感とか優しい空気感はそこから生まれたものです。当初はシングルのカップリングとして入れるとかは全く決まってなくて、一応アルバムの制作期間に作ったもので、アルバムの中の置き位置とかも意識せずに作ってました。

──優しい空気感を醸し出していくために、音の面で柩さんが大事にしたのはどのようなことでしたか。

柩:まずはメロディですね。オケがどうこうっていう以前に、ゾジー(YOMI)が歌ってるのを想像しながら作っていきました。どっちにしろ歌詞はゾジーに投げようと思ってたので、本人が自由に歌いやすいようにしてもらえればいいと思っていたんです。多少メロが変わったとしても、ゾジーが歌いやすい曲にしよう、っていう意識が一番強かったです。

──YOMIさんはご自身をイメージして作ってくださったこの楽曲を受け取って、どのように向き合っていくことになったのでしょう。

YOMI:歌詞に関してはテーマをもらってたので、それに沿って書いていきました。

──「EoM」とはメッセージ終了(End of Message)の省略表記ですよね。つまり、これも“終わり”がテーマだったということですか?

柩:そうなりますね、確かに。もうちょっと具体的に言うと、ここで描きたかったのは生と死みたいなことなんです。ゾジーにも言ったんですけど、詞の中で《愛》っていう単語が出てきてはいても恋愛のことではないんです。

──そんな「EoM」を、YOMIさんは主人公目線で歌われたのでしょうか。それとも、俯瞰して歌われたのでしょうか。

YOMI:仏の心を持って歌うようにした感じですかね。日頃あまり感情が上下したりはしない方なんですけど、イライラしたりすることはたまにあるから、そういう時って自分はまだまだだなって思いますからね。もっと余裕のある人間になりたいとか、仏のような心を持って、もっとこうありたいな、っていう姿勢を歌で表したつもりです。

──そうした余裕のようなものは、曲終わりのロングトーンボーカルとしても表現されているのかもしれませんね。

YOMI:そう、だからあれはけっこうきついっすね。柩と「どこまで伸ばせるか」って話しながら録ったんですけど、俺にはこれが限界っす(苦笑)。

柩:あ、でも無理強いはしてないですよ? ゾジーの好きなように伸ばしてもらったので、「もっともっと!」とは言ってません(笑)。

──「EoM」はいわゆるミッドテンポにあたる曲になるかと思いますが、ドラマーとして心がけたのはどのようなことでしたか。

RUKA:これね、普通のミディアムの曲よりムズいんですよ。アクセントが後ろにあるから。これはけっこう手こずってます、いまだに。どうしても1個前にアクセントを置きたくなっちゃうから、ずーっとそこと戦ってます。

──身体と気持ちがせめぎ合ってしまいがちな状態なのですね。そうしたバランスをとるために大事なことは何でしょう。

RUKA:忍耐。ひたすら前にいかないように、って意識するしかない。どうしたらいいんでしょうね? ツアーまでになんとかしたいです(苦笑)。

──Ni~yaさんにとって「EoM」をプレイされていくうえでのポイントとは?

Ni~ya:プレイ的にはJ-POPというよりは80年代頃の雰囲気というのかな。そういうものをイメージしながら俺なりの解釈で弾いた感じですね。

──この曲から漂う優しさは、Ni~yaさんの弾いていらっしゃるベースラインによるところもかなり大きいと思います。

Ni~ya:まじっすか。ありがとうございます(笑)。

咲人(Gt)

──咲人さんがギタリストとして「EoM」に入れたかった要素は何でしょう。

咲人:これは入りに全てを懸けた感じですね。アルペジオの上がるところは、1回まず適当に弾いた時に「この上がり方いいな」と思ったんですけど、ちゃんと弾いてみたらそれがなかなか再現できなくて。あの入りを録るだけで1時間くらい使いました。

──咲人さんほどのキャリアや経験値をもってしても、偶然できたことを自分で回収するのが難しい場合があるのですね。

咲人:ファーストテイクのマジックみたいなものって、やっぱ時々あるんですよ。力んでないし考えてないから結果良くなる、みたいな。それを後から再現しようと思うと、けっこう難しいですね。あと、最近の自分の演奏スタイルとして、弾くフレーズにもよりますけど、基本的には大人感を出したいなっていうのがあるんですね。それはタイム感とかフレージングも含めたもので、この曲のギターはそこも意識しました。サビは明るくなるから視界が開ける感じを大事にしつつ、そこを意識しすぎてちょっとアルペジオが多くなっちゃったとも言えます。

──この響きの柔らかさは、そのアルペジオに起因しているところも多そうです。対して、作曲者でもある柩さんはギタリストとして「EoM」といかに対峙しましたか。

柩:スタンス的にはいつもとわりと同じ感じで刻みつつ、サビでもほんとはもうちょっと刻みたいところを白玉(※注)寄りにしていきました。こういう音を使うことで聴いてくれてるみんなに一息ついてもらって、ちょっとした休憩時間みたいな曲になったらいいなと。(※注:白玉=全音符や2分音符などの黒く塗りつぶされていない白い音符。音を途切れさせずに伸ばして弾く)

──休憩時間とは感じませんでしたが、癒やしを感じる音だと思います。その分と言ってはなんですけれども、Ni~yaさんの作られた「Resolve」はバキバキに攻撃的で対比が面白いですし、ベーシストエゴも全開ですね。クレジットを見ずとも絶対にNi~yaさんの曲だとまるわかりでした(笑)。

Ni~ya:これは完全にそこを狙った曲ですね。特にあのドアタマには命懸けました。で、あの部分はすぐできたんですけどね。そこから先を作るのがすごい大変で。

RUKA:急遽「BIRTH」作ったんでしょ?

Ni~ya:そう。本来なら『√25』(※2025年9月発売EP)に入れたい曲だったんですよ。それがドアタマから先に全く進められなかったので、結果的に「BIRTH」ができたっていう。だけど、そこから一旦そのままにしていたんです。今回のシングルに向けて曲を作ろうと思った時にパソコンを立ち上げたら「これ何だっけ?」っていうファイルがあって、聴いてみたら「あぁ、前こんなの作ってたな」っていうこれが出てきたんですよ。しかも、「これいいじゃん!」と思って手を加え始めたら意外とサクッとできちゃって。

Ni~ya(Ba)

──時を経て資産活用ができたわけですね。

Ni~ya:いやほんとに。データ消さずにとっておいてよかった(笑)。

──レコーディングの際、各メンバーに「俺のベースを際立たせるためにこうしてくれ!」的なオーダーは何か出されたのですか?

Ni~ya:それは全然なくて。みんなそれぞれガンガンやってほしいな、っていうくらい。

──各パートともNi~yaさんに負けず劣らずの熱量の高い音を発してくださっていますが、RUKAさんのペダルワークは特に際立っていると感じます。ここまでRUKAさんがキックを派手に使われることは珍しいですよね?

RUKA:確かに。そこはこの人(Ni~ya)の仕業ですよ。

Ni~ya:いや、あのドラムアレンジは咲人。

咲人:Ni~yaがこういうツーバスっぽいの好きなのはわかってるから、入れた方がいいよなと思って。でも、RUKAさんはこういうのきっと嫌がるかなと思ってたんだよね(笑)。

RUKA:それが、今回の3曲だとこれが一番すんなりでした。忙しいは忙しいんだけど、なんかスッといけちゃった。

──さすがです。咲人さんは「Resolve」でのご自身のギタリストとしての役割を、どのようなものであると考えていらっしゃいましたか。

咲人:さっきも言ったみたいに、ギターは最後に録ったんだけど、この曲は他のパートの音を聴いたときに、どうしようかなと思ったんですよね。ベースが基準になってるのは明らかで、でもちょっと1人で何かやってんなみたいな感じにしたかったから、ロー感と歪みの感じを出すために自分だけダウンチューニングにして弾いてます。7弦の音域くらいまで下げてるんですよ。

柩:俺もベースを意識しつつギターを録った記憶があって。音の立ち位置としては、Ni~yaと咲人の間にいて絡んでいく、みたいな感じですね。そこ自体はいつもと変わらないものの、この曲に関しては咲人が思いのほか下の方に来てました(笑)。

──音がこれだけ硬派な仕上がりになった中で、作詞もされているNi~yaさんは何を思いながら言葉を紡いでいくことになったのでしょう。

Ni~ya:じゃあ、ヒントからいきますね。これは、天下の大将軍を志して中華統一を目指す男の物語です。

柩:答え言ってるようなもんじゃん(笑)。

YOMI:あははははは(爆笑)。

柩:だけど、世代によっては答えが二つ出てくるパターンもあるか。

──『キングダム』もしくは『三国志』ですか。

Ni~ya:『キングダム』の方です。

RUKA:俺、どっちも全っ然通ってないんだよなー。

──Ni~yaさんが特に思い入れのあるキャラクターはどなたなのですか?

Ni~ya:信。山﨑賢人がやってる役。あの映画からヒントを得て書いた詞なんですよ。

──YOMIさんがこの歌詞と曲をボーカリストとして表現していく際に、重視したのはどのようなことでしたか。

YOMI:Ni~yaからは「力強い感じで」っていうのは言われてたので、とりあえずアタックとパワーを意識して歌ったんですけど。『キングダム』の情報は今日、知りました(笑)。

柩:みんな今日になって初めて知ったっていうね(笑)。

咲人:俺もそれ知ってたら、絶対ソロ変わってたな。もっとグイグイ行ってた(笑)。

RUKA(Dr)

──ならば、そのグイグイ感はぜひ今度のツアー『NIGHTMARE TOUR 2026「極夜行」』で感じさせていただけますと幸いです。最後に、各人からツアーに向けてのヴィジョンをぜひお聞かせください。

RUKA:まだ朧ですね。

柩:なになに? ここって歌詞からとって一言ずつ言ってくところなの??

──「極夜行」には《朧に浮かんだ月》というくだりがありますものね。

RUKA:もともと「極夜行」の仮タイトルは「朧月」だったんですよ。だから、まだ見えてないところもあるし「朧ですね」っていう(笑)。

Ni~ya:俺はとにかく「Resolve」のスラップ頑張ります。自分で作っといて、意外とあのテンポ苦手だったっていうのがレコーディングの時にわかったので、なんとか克服したいです。

柩:個人としてどんなツアーにしたいかというよりは、バンド全体としての話をすると、前回のツアーは昔の曲をあんまりやらなかったんですよね。そこは今回は少し変わると思ううんですが、それでも過去のNIGHTMAREに戻るんではなく、トータルとしては今のNIGHTMAREというものをみんなにしっかり見せられたらいいなと思ってます。

YOMI:そういう意味では、今回のシングル3曲をライブでやったとき、みんなに「ライブで聴く方がよりいいな」って言ってもらえるようなライブにしたいですね。

咲人:……俺は、さっき聞いたばかりの『キングダム』の件がインパクトけっこうデカくてですね(笑)。ここは国獲りに行く気持ちで臨みたいと思います!


取材・文=杉江由紀 撮影=大塚秀美

リリース情報

34th Single「極夜行」
2026年9月16日発売
各音楽配信サイト:https://lnk.to/kyokuyakou

【限定盤】 (CD+M-CARD):CRCP-10505 ¥3,000 (税込)

限定盤

【通常盤】 (CD):CRCP-10506 ¥2,000 (税込)

通常盤


<収録内容>
[限定盤]
1.極夜行
2.EoM
+M-CARD (「極夜行」Music Video+Making Movie)

[通常盤]
1.極夜行
2.EoM
3.Resolve

イベント情報

■34 th シングル「極夜行」リリースイベント
09/20(日)14:00 東京・HMV&BOOKS SHIBUYA 5Fイベントスペース
09/25(金)17:30 宮城・HMV仙台 E BeanSイベントスペース
09/29(火)17:30 愛知・名古屋fiveStars
10/02(金)12:00 大阪・littleHEARTS.大阪店
10/18(日)17:30 北海道・札幌
11/06(金)13:00 福岡・博多
11/14(土)時間調整中 東京・調整中
11/15(日)時間及び場所調整中 *配信イベントの可能性有り
11/29(日)時間調整中 東京・大門
*全日程、開始時間が前後する可能性がございます。予め、ご了承ください。
※詳細は後日発表

日本クラウン(株)販売促進部 NIGHTMARE 係
https://www.crownrecord.co.jp/s/c01/form/inquiry?ima=5303

ライブ情報

NIGHTMARE TOUR 2026 "極夜行"
9/19 (土) 神奈川・横浜BAY HALL 16:15 / 17:00
9/23 (水・祝) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3 16:30 / 17:00
9/26 (土) 宮城・仙台GIGS 16:30 / 17:00
9/30 (水) 愛知・名古屋ダイアモンドホール 18:00 / 18:30
10/1 (木) 大阪・BIGCAT 18:00 / 18:30
10/19 (月) 北海道・札幌cube garden 18:00 / 18:30
10/20 (火) 北海道・札幌cube garden 17:00 / 17:30
10/26 (月) 千葉・柏PALOOZA 18:00 / 18:30
11/4 (水) 福岡・DRUM Be-1 18:00 / 18:30
11/5 (木) 福岡・DRUM Be-1 17:00 / 17:30
11/22 (日) 東京・EX THEATER ROPPONGI 16:00 / 17:00

>>詳細はこちら https://eplus.jp/sf/word/0000002434


スペイン最大のアニメ・イベント「Manga Barcelona」出演決定!
Manga Barcelona

イベント開催期間:2026年12月5日〜8日
*NIGHTMAREの出演は12月7日・8日となります
会場:フィラ・バルセロナ・グランビア国際展示場
https://www.manga-barcelona.com/
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