GRAPEVINE 2001年発表の名盤『Circulator』の世界を再訪するツアー ――ただただ2001年から格好良いことを証明した、大阪なんばHatch公演レポート

2026.9.25
レポート
音楽

GRAPEVINE

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GRAPEVINE IN A LIFETIME CIRCULATOR tour
2026.9.22 大阪・なんばHatch

GRAPEVINEが4枚目のオリジナルアルバム『Circulator』をリリースしたのは2001年。25周年を記念して、8月1日(土)岡山・CRAZYMAMA KINGDOMから9月23日(水)名古屋ダイアモンドホールまでの16本、リビジット・ツアー『IN A LIFETIME』が開催された。15本目の9月22日なんばHatchにライブレポートで向かったのだが、地元大阪ということもあって、登場した瞬間から、田中和将(Vo,Gt)は自ら「祝祭ムード!」と言い放ったりと上機嫌。ちなみに9月19日は、メジャーデビュー29周年でもあったので、これまた自ら「おめでとう! ありがとう!」と言っている。29=ニクということで、ニクコールを観客に促す。やんちゃ、すなわち昔の大阪ことばで言うところのやたけた感じで、キャリア約30年で50歳を超えた田中がブッ飛ばしているのは最高。いや、もはや最狂です。

ライブが始まる前から絶好調であるが、肝心の1曲目「Buster Bluster」は、アルバム『Circulator』の1曲目でもあるので、アルバム25周年ツアーとしては順当。と言いたいところだが、他の地域では全然違う曲順だったりもしたらしい。ギターの西川弘剛によるコーラスと鍵盤の高野勲によるボコーダーの声が特徴的なプロローグ的ナンバー。

1曲目でしか有り得ないと思うし、全然違う曲順は想像できないが、だからといって、2曲目以降がアルバム曲順通りというわけではない。ちなみに2曲目「きみが嫌い」は、先行シングル「discord」のカップリング曲。3曲目「B.D.S.」はアルバム12曲目であり、最近お馴染みになってきた名盤再現ライブの曲順通りの構成では全く無い。

田中は、3曲終わってのMCで、「2001年の世界を再び訪れてみようじゃないか!」と言っていたが、まさしくリビジット=再訪。アルバム全13曲と先行シングルカップリング曲を軸に構成されているが、懐かしの再現では本当に全く無い。というのも、登場時の田中のテンション同様というか、どの楽曲もテンションが高いというか、尋常じゃ無い異様な凄いパワーとエネルギーを放っている。テンポが速い曲ばかりではなく、どちらかといえば、じっくり聴かす曲が多いのに大爆発しきっている。当時リアルタイムで聴いていた観客が良い意味で多いのだが、しきりに田中は、25年前は生まれてないから新曲に聴こえるなんて言っていたが、新曲と言っても過言では無い新鮮さと斬新さに溢れきっている。

亀井亨のドラムロールと独特のドラムリズムから始まった5曲目「ねずみ浄土」は2021年のアルバム収録曲であるし、10曲目「ドスとF」、金戸覚のベースに痺れまくる15曲目「猫行灯」、16曲目「天使ちゃん」は2025年のアルバム収録曲。2001年の世界を再訪するツアーに散りばめられていても全くの違和感が無い。GRAPEVINEを完全に初めて聴く人ならば、2001年楽曲か2020年代楽曲か判断するのは至難の業のはずだ。それくらいに2026年楽曲として更新されている。特筆すべきは、2025年のアルバム収録曲「ドスとF」から2001年のアルバム収録曲「波音」の流れ。浮遊感がたまらないクラブミュージックサウンドとして聴こえる。ミニマムやオフビートの感じもあるのに、歌とメロディーの力強さが際立っていた。2001年を再訪するはずが、2020年代と交錯して、2026年として再構築されている途轍もない世界。ぐうの音も出ない……。

田中の歌声にも目を見張るものがあって、例えば12曲目に披露されたのは、2001年当時の先行シングルカップリング曲「パブロフドッグとハムスター」。音域の幅広く行き交うシャウトは圧巻であり、その唸るような迫力ある声は、2001年より断然凄みを増している。本人もMCで「2001年から格好良かった!」と断言しながらも、「演奏は今の方が良い!」と付け加えていたが、ほんまにおっしゃる通り。こんなに何で25年の間に進化変化を遂げているかが謎すぎる。メジャーデビュー29周年の今が一番最高潮であり、この最高潮のまま来年30周年へと突入していく。

やたけたと先述したが、4曲目の人気曲「風待ち」は勿論のこと、13曲目「アルカイック」など珠玉のメロディー、珠玉の歌も真っ直ぐ聴かせてくれる。17曲目「discord」もだが、こういうシンプルでストレートなナンバーが威風堂々と存在しているからこそ、やたけたで実験的なナンバーと共に相乗効果があり、どの曲も耳に脳に心に飛び込んで突き刺さってくる。

「『Circulator』リビジッド最後の曲! 全てを大成功にするあれ!」

そう叫ばれて鳴らされたのは、《すべては大成功!》という歌詞が印象的な「ふれていたい」。歌詞を改めて読み直してみると、近年の「ねずみ浄土」、「猫行灯」、「天使ちゃん」などにも繋がるようなぶっ飛んだ言葉たちが転がりまくっている。やっぱり2001年から格好良かったのだと、ひとり大納得した本編ラストナンバー。

アンコール1曲目は、アルバム『Circulator』ラストナンバー「I found the girl」。ここにてアルバム『Circulator』再訪の旅は一区切りかと、グッドメロディーのグッドコーラスによる美しさに聴き惚れていたが、そうは問屋が降ろしてくれない。ここから怒涛の三連発「その日、三十度以上」、「100cc」、「HEAD」。全て当時の先行シングルカップリング曲だが、こんなに良い曲たちが何でカップリングだけで収まり、アルバムにも収録されなかったのかと驚愕でしかない曲ばかり。「その日、三十度以上」のダイナミックな展開、「100cc」の刺激的な鍵盤音色、「HEAD」のロックンロール。どの曲も突進力と突き抜け感が半端じゃない破壊力……。「HEAD」で《目を醒ませ》と叫ばれるが、これは目醒めますって……。考えてみれば、2001年の25年前頃から田中、西川、亀井の3人に金戸、高野が加わる鉄壁というか完璧の5人が始まったわけで。その頃から、ずっと目を醒ませられっぱなしだ。

真のラストナンバーは、Al Kooper「Where were you when I needed you」カバー。当時のツアーでも演奏されていたソウルフルカバー。キャッチ―ポップなのにグルーヴィーという、これ以上、何も求めることはない素晴らしき〆。たっぷり2時間30分の2001年再訪の旅は、来年30周年以降の未来が楽しみでしかない結末へと導いてくれた。また、ここから新しい未来の旅が始まる。

余談ですが、2001年名盤『Circulator』は現在廃盤とのこと。なので、2001年開催の『Whitewood tour』を収録したライブ盤『NAKED SONGS』を加えた2枚組仕様CD『Circulator + NAKED SONGS』。また、『Whitewood tour』を収録した映像作品『NAKED FILM』をデジタルレストア。そして、未収録ライブ映像5曲と、2007年『指先』初回限定盤収録のスタジオライブ映像4曲を追加収録した映像作品(Blu-ray / DVD)『GRAPEVINE LIVE 2001 “NAKED FILM” and MORE』。極めつけは、『Circulator + NAKED SONGS』・『GRAPEVINE LIVE 2001 “NAKED FILM” and MORE』二作をまとめたボックスセット『GRAPEVINE Circulator + NAKED SONGS + NAKED FILM and More』。以上が7月1日から発売されているとのこと。

オフィシャルの文章では、アルバム『Circulator』について「硬質な緊張感と予測不能な振れ幅で今も聴き手を揺さぶり続けます」と記してあるが、その感覚はGRAPEVINEが存在する限り、未来永劫続いていくので是非とも何かしら体感して欲しいものです。

取材・文=鈴木淳史 撮影=日吉"JP"純平

ライブ情報

ライブナタリー “GRAPEVINE × indigo la End”
【日程】2027年1月29日(金)
【時間】開場 18:00 / 開演 19:00
【会場】東京都 Spotify O-EAST
【出演】GRAPEVINE、indigo la End
【料金】前売り 立見 6,900円(税込)
2F指定 7,900円(税込)
※ドリンク代が別途必要
【お問い合わせ】ライブナタリー live@natasha.co.jp
【主催・企画制作】株式会社ナターシャ
 
【イベント公式サイト】https://live.natalie.mu/event/gv-ile
【ライブナタリー公式X】https://x.com/live_natalie_mu
【ライブナタリー公式Instagram】https://www.instagram.com/live_natalie_mu/

▼販売詳細 
◉FC先行(e+(イープラス) / 抽選)
受付期間: 9月17日(木)18:00 〜 9月27日(日)23:59
GRAPEVINE FC:https://fc.grapevineonline.jp/
indigo la End FC:https://indigolaend.com/
 
◉最速先行(e+(イープラス) / 抽選)
受付期間: 9月28日(月)12:00 〜 10月6日(火)23:59
: https://eplus.jp/gv-ile/
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