スピッツ恒例『ロックロックこんにちは!Ver.28』初日レポート――Gateballers、Bray me、ストレイテナーが熱演した、年に一度の「スピッツの居場所」
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『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』スピッツ 撮影=オフィシャル提供(撮影:河上良/小川星奈)
『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』2026.9.17(THU)大阪・Zepp Namba(OSAKA)
スピッツによる恒例のライブイベント『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』が9月17日、大阪・Zepp Namba(OSAKA)で開催された。
1997年に始まり今年で28回目となる『ロックロックこんにちは!』は、9月17日・18日の2日間にわたって行われ、初日の17日には初出演のGateballers、Bray meに加え、ストレイテナーが9年ぶりに登場した。
まずは、ナビゲーターの「カトソン」ことFM802 DJ 加藤真樹子と、名探偵スピッツの4人がスクリーンに登場。Zepp Namba(OSAKA)探偵事務所に届いた依頼や謎を解くべく奮闘する。時にはGOING UNDER GROUNDの松本「素生(ソー)ムズ」(Vo.Gt)、昨年爆誕した『ロックロックこんにちは!』発の「回遊魚人ツナイダー」、28回目にちなんで生まれたマスコットキャラクター「にゃトソン」らがいるFM802探偵事務所に中継をつないでトークを展開していく。
「今まで聴いた音楽の中で、こんなことをやっていいの?と衝撃だった曲を教えてください」との依頼には、松本はスピッツの「うめぼし」の歌い出しの歌詞に衝撃を受けたと吐露。草野マサムネ(Vo.Gt)は、「初めてLOUDNESSを見たとき、こんなにデカい音を出してもいいんだと思った。キュウソネコカミも四星球も、こんなことをやってもいいんだと思った(笑)」と語り、メンバー共々盛り上がる。この質問の主はトップバッターのGateballersということで、今年の『ロックロックこんにちは!』がついにスタートした。
Gateballers
ブルーの照明に浮かび上がる黒いスーツ姿のシルエット。いざ「寂しい宇宙」のビートが転がり出せば、光とともにあらわになるGateballersの実像と、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う歌声に、じわじわと魅了されてしまう。積み重なっていくギターがシンプルなサウンドを色づける「Beautiful girl」も絶妙で、ディープでリバービーな残響が波紋のようにゆっくり広がっていく。
「ようこそ『にゃーロック!ホームズ』へ。呼んでくれたスピッツの皆さま、来てくれた皆さま、対バンの皆さま、ありがとうございます。さっきの質問みたいに、こんなことをやっていいのかという曲を持って来ました」と濱野夏椰(Gt.Vo)が爪弾いたのは、「Moon river」。ゆったりとしたBPMで鳴らした耳をつんざくサイケデリアが、Zepp Namba(OSAKA)を埋め尽くしていく。その後も、ざらついたユニゾン&変則リフがクセになる「スーフィー」でトリップさせたかと思えば、「今日はみんなに感謝の気持ちを込めて踊れる曲を」(濱野、以下同)といざなった軽やかでデイドリーミングな「Dancing」へと続く。
「めちゃくちゃスピッツ育ちです。初めてギターで弾いた曲は「空も飛べるはず」でした。今日はみんなに会えてとても光栄です。今年作ったアルバムの中から一曲聴いてください。ありがとうございました!」
今年リリースした最新アルバム『Gateballers』の収録曲「Tシャツvs雨」は、ジリジリと熱を帯びていくミドルナンバー。長尺のエモーショナルなアウトロも秀逸で、未完の大器がまたも『ロックロックこんにちは!』の歴史に名を連ねた。
転換トーク#1
ここからは「中島ヒロトソン」ことFM802 DJ 中島ヒロトが加わり、再び幕間トークへ。「ライブでエネルギー切れを起こさないベストな食べ物を教えてください」との依頼に中継先の松本ソームズは、「20代の頃はアンプの後ろにバナナを置いといて、ワンマン中に最高3本食べた」と告白。草野は若い頃はスティックシュガーを用意していたが、血糖値が気になるお年頃の今はスポーツドリンクとのこと。﨑山龍男(Dr)も昔はゼリー飲料をライブ中に飲んでいたと振り返る。Gateballersの濱野からは「喉にいいと思いアンプの上にチューブ型のバターを置いていたが、いつの間にか溶けていた(笑)」とのエピソードも。この質問はBray meから。いざ、彼女たちのライブに迫る!
Bray me
2番手のBray meは、スポットライトの下でこたに(Vo.Gt)が伸びやかに一節歌い上げ、「『ロックロックこんにちは!』、大好きな音楽を精いっぱい鳴らします!」と「イエスタデイ」へ。海外でのライブ経験も豊富な彼女たちは、後にスピッツとストレイテナーが控えるヒリヒリするような大舞台でも、物おじすることなく堂々と己の音楽をかき鳴らす。「大阪、君の声を聴かせてもらってもいいかい?」(こたに、以下同)と始まった「人間らしく」もサビのリフレインが心地良く耳に残り、早くも会場を温かなムードが包み込む。きらめくイントロから胸が高鳴る「エビデンスロード」も、バンドのこの先が楽しみな予感を秘めている。
「初めましてBray meです、呼んでくれて本当にありがとう! さすがにビビった(笑)。小学生の頃からスピッツを聴いたり、歌ったり演奏してきました。私の中ではスピッツは音楽の中の存在というか。でも今日こうやって対バンさせてもらって……スピッツは本当にいた(笑)。この先も思い出せる奇跡みたいな時間になりますように」
最新曲「Maybe」でも、ストレートかつみずみずしいロックンロールで真っ向勝負。余計なギミックや過剰な演出もなし、Bray meの音楽からも、ライブからも、ありのままでナチュラルなヴァイブが伝わってくる。
「シンプルに真っすぐに音楽を続けてきて良かったなと心から思います。誰かにいろんなことを言われたり、気付かれないこともたくさんあったけど、自分の好きを貫いてここまでやってきました。だから君にしか聞こえない君の声を大事にしてほしいなと思ってます」
そんな言葉が添えられた「夜明けの先に」は、見る者に宝物のような力をそっと手渡してくれる。ラストは、「いつか必ず終わる時の中で、目の前にいてくれて本当にありがとう。大好きな音楽とスピッツ、このイベントにリスペクトを込めて」と「PLAY」を。つかんだチャンスに全力で応えたBray meだった。
転換トーク#2
三輪テツヤ(Gt)と田村明浩(Ba)は、ライブを終えたBray meを出迎え「静岡の誇りだから」と同郷の後輩を褒めたたえる。アラ還にもかかわらずベースを手に走り回る田村は体力作りの秘訣を聞かれ、「変わらず重いベースを使う」とロックな発言。Bray meはライブ後に全員プロテインを飲むとのこと。松本ソームズからの「居酒屋で一番ちょうどいいBGMは何?」という依頼に、「メンバーと居酒屋に行ってスピッツが流れるのはイヤ」と田村が言えば、「病院とかでよくオルゴールのスピッツが流れる(笑)」と三輪。他にも洋楽、演歌、西城秀樹、歌謡曲とさまざまな意見が飛び交う。こちらも案の定、ホリエアツシ(Vo.Gt.Pf)からの質問であった。というわけでお次はストレイテナー!
ストレイテナー
深紅に照らされたストレイテナーのホリエが、「ちなみに僕も演歌がちょうどいいと思います(笑)」と沸かせ、走り出したのは「Melodic Storm」のあのメロディ……! いきなりのアンセムに胸の奥から湧き上がる高揚感、パンパンのフロアから突き上がる数え切れない拳が、Zepp Namba(OSAKA)の熱量をグンと上げる。
シャープなバンドサウンドが破壊力抜群の「Silver Lining」を経由した後は、「『ロックロックこんにちは!』、9年ぶり2回目。俺たちストレイテナーって言います、よろしくお願いします!」とホリエがごあいさつ。続いて、大山純(Gt)の艶のあるロングトーンと日向秀和(Ba)のグルーヴィーなベースライン、ナカヤマシンペイ(Dr)の華とキレのあるドラミングが加速していく「吉祥寺」も、何とも気持ちいい。
「スピッツパイセンありがとうございます! 1回目のときは気に入ってもらいたい一心でガチガチに緊張して、いいところも見せたいなというスケベ心も出てしまい(笑)。けど、2回目があったんで、どうやらこれは気に入ってもらえてるらしいと思って、今日は普段通り、正直にライブをやります!」(ホリエ)
後半戦は、深淵から響きわたるようなピアノが、ため息が出るほどはかなくも美しい「イノセント」を皮切りに、力強く駆け抜けたロックナンバー「羊の群れは丘を登る」、代表曲のエモ味マシマシ・リアレンジバージョン「シーグラス[DECADE EMO MIX]」と立て続けてフィニッシュ! 日本のロックバンドの理想形の一組が、豊潤なる成熟の過程を見せつけた。
転換トーク#3
転換トークのラストパートでは、「にゃーと言いながら立位体前屈をすると記録が伸びる」という依頼を実証するため、ゲスト探偵のテナーから大山がトライ。思いのほか良い結果に興奮する探偵一同(笑)。中継先の松本ソームズに届いた「Tシャツが乾かないんですけど、どうしたらいいですか?」という草野本人からの質問には、思わず場内も大爆笑(笑)。中島ヒロトソンからの「第三金曜日にコインランドリーに行けばいい(笑)」という返しもご名答だった。そこから話題は、2008年のフェスでスピッツとテナーが一緒になった際、草野がテナーのTシャツを購入し、10年ぐらい着てくれていたという話にも。そして、いよいよ大トリのスピッツへ!
スピッツ
満場の手拍子に迎えられたスピッツは、田村の渾身のファズベースから「けもの道」へ突入する劇的な幕開け! 転換トークの回答と言わんばかりに、一瞬でも目を離したらステージの反対側にいる激しいパフォーマンスでもすぐさま見せ場を作り、続く「涙がキラリ☆」でもオーディエンスが幸福そうに肩を揺らす。『ロックロックこんにちは!』恒例のカバー曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」を。共にシーンの一時代を築き、後世に影響を与え続ける2組の邂逅。ライブ映えするアジカン印のロックチューンに、草野のボーカルを乗せて突っ走る!
「『ロックロックこんにちは!』へようこそいらっしゃいました。いつも恒例のやつ、やっていいですか? ロックロック~?」(草野)、「こんにちは~!」(観客)、「ありがとうございます、気持ち良いです」(草野)というお決まりのコール&レスポンスを経て、ここからは今日の出演者との関係性の話に(毎年この際の草野が永遠のロック少年のようでほほ笑ましい)。
「Gateballersは何で去年までちゃんと聴いてなかったんだろうと思う好きなタイプのサウンドで、今日は生で聴けて良かったですね。Bray meは車を運転してるときに「人間らしく」が流れてきて、夕焼けにすごく合うなと。だからこのバンド、生で見てみたいなと思って。カッコ良かった! ストレイテナーも久しぶりだったけど、メロディをずっと聴いてられるんだよね。コーヒーをちびちび飲みながら聴きたくなる。あと、テナーのTシャツを10年ぐらい着てたんですけど、その後に新しいTシャツをくれたんですよ。それは﨑ちゃんも着てたよね? テナーはカッコいいデザインが多くて」(草野)
「それさ、ちょうだいって言ってるわけじゃないよね?(笑)」(田村)
「一応サイズはLです(笑)。こうやって緩いトークを挟みながら最後まで楽しい夜にするので、よろしくお願いします!」(草野)
ここで流れてきたのは、耳慣れた切ないギターの旋律……! 今夏クール最高の話題作となった蒼井優主演ドラマ『Tシャツが乾くまで』の主題歌「見知らぬ糸」を聴くと、とめどなく溢れ出す気持ちの洪水。スピッツの楽曲の、ライブの、得も言われぬエナジーが体にどんどん染み渡っていく。飾らないのにホントいい歌。静かに躍動する「みなと」、久々の披露となったエバーグリーンなネオアコ曲「旅の途中」だってそうで、スピッツの新曲を聴くたびに、スピッツがこれまでに世に出してきた音楽のすごさを思い知る至福の繰り返し。
「「旅の途中」はちょっと古い曲で、この夏まで23年封印していた、ていうか忘れてて(笑)。引っ張り出して聴いてもらいました。あと、11月にアルバムが出ますよ。タイトルの『kettle』が何で英語かと言うと、カタカナで『ケトル』だとテツヤが『ケルト』って間違えるので(笑)。『ロックロックこんにちは!』はずっとスピッツの居場所になってるので、今後も続けていきたいなと思って。毎年チェックしていただけるとうれしいです。まだまだ大丈夫ですか? まだまだ聴いてください」(草野)
クライマックスはTVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3のオープニング主題歌となった、心がじんわり熱くなる「灯を護る」から一転、エクスプロージョンな「メモリーズ・カスタム」、憂いの疾走感に満ちた「ワタリ」の2連発で最高速のフィナーレへ!
アンコールでは、「ありがとうございます、もうしばらくお付き合いください。次の曲もこの夏まで23年忘れていた曲を」(草野)と、めくるめくドリーミーなミドルチューン「虹を越えて」を余韻たっぷりに披露。また、「今日スピッツを初めて見る方もいると思うんですけど、「あの曲やらねーのかよ」というのがあるかもしれないので(笑)、ちょっと試食だけしてもらおうかな?」と草野が「チェリー」の一節を弾き語るサービスも! 最後は「次の曲もこの夏まで31年封印されてた曲(笑)」と懐かしの「オーバードライブ」を。ハードロック調のユニゾンリフに遊び心をのぞかせた一曲で、レア曲満載の『ロックロックこんにちは!』の初日を締めくくった。
取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=オフィシャル提供(撮影:河上良/小川星奈)
イベント情報
日時:2026年9月17日(木)・18日(金)開場 17:00 / 開演 17:45
会場:大阪・Zepp Namba
出演(五十音順):
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今回依頼があったのは・・・回遊魚人ツナイダーにまつわる「謎」です!
ツナイダーは「良縁を繋ぐべくご◯とご◯を繋いで、まぁるい円にして幸せを導く」らしいのですが、
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