堺雅人「観客の皆様も一緒に作っているという気持ちで楽しんで欲しい」~PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』初日前会見レポート
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PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』初日前会見より
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』が、2026年10月6日(火)~27日(火)PARCO劇場にて上演される。
名だたる演劇賞を多数受賞しているイギリスの劇作家サイモン・スティーヴンスによる書下ろし新作戯曲を、サイモンとはいくつもの作品で共にクリエイションを行ってきたショーン・ホームズが演出する本作において、主人公のジョーを演じるのは、名実ともに日本を代表する俳優で、舞台への出演は17年ぶりとなる堺雅人。共演者には実力派の豪華キャストが集結している。
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
世界初演となる新作舞台の開幕に際し初日前会見が行われ、サイモン・スティーヴンス、ショーン・ホームズ、出演者の堺雅人、倉科カナ、伊勢佳世、迫田孝也、sara、小日向星一、高畑淳子、段田安則が登壇した。
サイモン・スティーヴンス
初日を迎える今の気持ちや意気込みを問われ、サイモンは「とてもワクワクしている。僕の偉大なるコラボレーターであるショーン・ホームズと共に開幕できること、そしてPARCO劇場、ゴーチ・ブラザーズの下で作品を作れたことをとても誇らしく思っている。僕の愛する街・東京で新作を開幕できることを大変光栄に思っているし、素晴らしい俳優の皆様とご一緒できたことを嬉しく思っている」、ショーンは「私が日本で演出するのは本作で5作目となる。ワールドプレミアで書かれた戯曲なので、それを本日ここで開幕できることを大変嬉しく思っている。とても複雑な戯曲だが、非常に挑戦しがいのある、人の心を根底から揺さぶるような戯曲で、才能があって、真剣に取り組む情熱を持った素晴らしいキャストの皆様とのここまでの道のりは、本当に素晴らしいものだった。ここからどのように作品が育っていくのか楽しみにしている」とそれぞれ述べた。
(前右)ショーン・ホームズ
堺は「本日初日だが、稽古初日から緊張と意気込みはあまり変わっていない。作品の世界に飛び込むような気持ちで、ワンシーンずつ精一杯作ってきたので、その一つひとつの積み重ねが今日のような気がしていて、あっという間の稽古期間だった。幸せで、毎日エキサイティングで、とてもワクワクした稽古期間を経て今ここにいる」、倉科は「サイモンさんの素晴らしい脚本と、ショーンさんの的確で実験的な演出、スタッフワークも素晴らしくて、役者の体やセリフを重ねていくごとに、幻想の世界と現実とが重なって揺れていく美しい世界となるところが私はとても好きなので、今日皆さんに見ていただけることが嬉しく、どんな反応が来るのかとても楽しみにしている」、伊勢は「稽古すればするほど、サイモンさんが一生懸命書かれた本だということが感じられたので、私たちもそれに応えたいという気持ちで、ショーンさんと一緒にここまで作ってきた。できるだけ多くの方の胸にこの作品が届くよう、精一杯千穐楽まで頑張る」と述べた。
(前)堺雅人
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
迫田は「1ヶ月間に及ぶ稽古を、ここにいるみんなと一緒にヘトヘトになりながら続けてきた。本番が近づくにつれて心臓がドキドキバクバクしてきて、でもおかげさまで昨日の夜はスヤスヤ眠ることができた。夜が明けて今日になったら、やっぱり緊張から体がガチガチ、膝がガクガク、体がブルブルしたが、今日来てくださるお客様と一緒にワクワクした気持ちで迎えたい」と答え、堺が「(サイモンとショーンに)通訳しづらいんじゃない?」とツッコむと、 迫田は「いや、(ショーンが)オノマトペ大好きだって言うから」と笑顔で応じた。saraは「稽古が始まった日から今日まで、本当にたくさんの発見とワクワクがあった。体が熱くなるくらい面白くて、豊かな旅路を過ごすことができた。今日初日だが、いい意味で本当にここにしかない、今日にしかない瞬間がたくさんあるのだろうと思う。この作品の一員として体験できることに幸せを感じているし、お客様とも同じ空間で本作がもたらす爆発みたいなものを共有できたら」、小日向は「いい意味で、お芝居の化け物のような方々と一緒にとても有意義で豊かな稽古期間を過ごさせてもらった。この作品がどのように受け取っていただけて、どのように感じてもらえるのか、今からとてもワクワクドキドキしている」と語った。
(後ろ)倉科カナ
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
高畑は「昨日のプレビューを見た友人が「素敵なものを作ってる君たちがうらやましかったよ」とメールをくれた。私の役はきっとサイモンさんのお母さんも少し入っているんじゃないかと思う。ショーンさんが、新作が出来上がるこの喜びは何物にも代えがたいです、というお話しをされた時に、本当にお芝居の国の人なんだな、と感じて涙が出そうになった。最初に台本をいただいた時は、これしか出番がないのか、と思ったが、今はもう十分だと感じている。堺雅人という俳優が、何の苦もなくペラペラ膨大なセリフを言うことに一番腹が立ったが(笑)、素晴らしいのでお楽しみに」と会場の笑いを誘った。
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
段田は「昨日のプレビュー公演ではドキドキしたが、今日は2回目だからそんなに緊張しないだろうと思っていたのに、この会見で緊張してきた。今日から毎日が初日の気持ちで、日々新しい気持ちでつとめていきたい。世界初演ということで、世界には83億人いて、その中でこのケンという役をできるのは今は僕しかいない。失敗しようが何しようが、僕しかいないんだと思って、気楽につとめたいと思う」と語った後、急に選挙カーさながらの口調で「どうぞ、17年ぶりの舞台を務めます堺雅人でございます、よろしくお願いします」と声を張り上げ、名前を呼ばれた堺は「びっくりした(笑)」と笑顔で応えた。
(後ろ)伊勢佳世
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
6年前から準備してきた本作がいよいよ開幕するにあたり、日本で上演することへの思いや、日本人キャストの魅力を問われると、サイモンは「これまででプロフェッショナルとして上演された私の戯曲は38本にのぼるので、開幕することにある意味慣れていてもおかしくないはずだが、毎回必ず驚きを得る。新しい作品を開幕するたびに、自分をさらけ出しているような感覚になっていく。今回は特に、自分から遠く距離のある文化で上演される作品として書いたからこそ、いつも以上にパーソナルな劇になっていると感じている。特に今、時代は分断化して、孤立して、恐怖に満ちたものになってきている。ヨーロッパではナショナリズムが色濃くなってきているが、国と国を越えてどんどんよその文化へ出かけていくことがとても大事で、そうすることで初めて自分の真実というものが見つかるのではないかと感じている。この素晴らしい日本人キャストの皆様との仕事は僕にとって喜びだし、皆さんのことを僕は信じているし、彼らが僕の戯曲、僕の夢に命を吹き込んでくれたことを本当に嬉しく思っている」と語った。
(後ろ)迫田孝也
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
ショーンは「サイモンとは25年に渡る友人として、たくさん仕事をしてきたが、この作品は唯一無二だと思っている。まずは、6年かけて準備してきた作品であること、これはプロデューサーが僕たちのことを信じてくれて、情熱を持って僕たちの創作を支えてくれたことの上に成り立っている。僕は非常に変えることが好きなタイプの演出家なので、キャストの皆さんも、クリエイティブチームの皆さんも、スタッフの皆さんも、大変なこともあったかと思うが、勇気を持って、そして一生懸命に取り組んでくださったからここまでたどり着けたと思う」と話した。
sara
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
キャスト陣には、稽古場で印象に残っているエピソードについて質問がされ、堺は「毎日が演劇学校みたいで、教わったことがいっぱいある。今日初日だが、そんなに緊張していないのは、稽古場で毎日緊張していたからだと思う。言葉を信じて、物語を信じて、そこに立ち続けるということが大きなパワーになるということを、今回改めて学んだ。ショーンさんがサイモンさんの言葉を誰よりも信じているその気持ちに、みんなグッと引き寄せられていったような気がする」、倉科は「サイモンさんの脚本は読めば読むほど深くて、演じれば演じるほど気づきをもたらしてくれる。ショーンさんとのお稽古の日々は毎日が実験的で、作っては壊して、どんどんブラッシュアップされていく感じがあって、演劇ならではだと思った。あと、堺さんが膨大なセリフ量なのに、立ち稽古の前に台本を全部覚えてらっしゃることがすごくプレッシャーになった」と答え、会場は笑いに包まれた。
(後ろ)小日向星一
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
伊勢は「ショーンさんは稽古の中でどんどん変えていく方で、私も頑張ってチャレンジしていく日々だった。その過程は一つも無駄ではなくて、今ここまで来られたのはそれをたどったから。ショーンさんの力をお借りしていろんな可能性を探れたことは、本当に豊かな時間だった」、saraは「稽古が面白すぎた。たった一つのショーンさんの演出の変更で、見えてる関係性も全部変わって、景色も変わって、言葉の温度も変わるという、こんなに面白い創作の現場にいられることを毎日幸せだなと思いながら過ごしている」、迫田は「サイモンさんの戯曲は、百面相みたいなイメージ。稽古をしてわかったつもりになっても、次の日には稽古場で全く違った表情を見せてくる。いろんな表情を見せてくれる『スリーゴースト』という物語が、おそらく今日初日を迎えてこの先もどんどんいろいろな表情を見せてくれると思う」とそれぞれ述べた。
(前)高畑淳子
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
小日向は「ショーンさんが僕を呼ぶとき、僕は何かを食べていることが多くて、常に口をモグモグさせていることを何回も笑われたことが印象に残っている。ある日、唐突に堺さんと二人のシーンが始まってしまって、噛んでいたガムをそのままにして続けてしまったら、途中で堺さんがアドリブで「何をモグモグ食べてるんだ」とおっしゃって、僕が動揺してセリフが全部飛んだ、ということがあった」と稽古中のエピソードを披露した。高畑は「71歳になりまして、頭の老化と戦いつつ生きてる私が、この劇に挑戦しているのはなかなか大変なことで、でも私を必要としてくれているんだから、とこのお芝居で遊べるように身を晒していけたらなと思う」、段田は「サイモンさんとショーンさんとは、僕は英語はしゃべれませんが、同じ演劇をやっている者同士という感覚があるので、信頼して仕事が一緒にできたという気がしている」と語った。
(前)段田安則
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
最後にメッセージを求められた堺は「とにかく初めての作品なので、見方のマニュアルがまだない。喜劇かというと喜劇でもないし、悲劇でもないし、“何劇”という名前をこれからつけられるお芝居だと思う。なので、見方も含めて皆さんが探っていって欲しい。僕らも、稽古場でお客様がいない状態でお芝居をしていて、劇場に入って昨日のプレビューでお客様の前でやったら、また全然違う芝居になってしまった。それは観客の皆様の責任でもあるから、一緒に作っているという気持ちで、世界初演を楽しんで欲しい。見たことのないものが見られると思う」と述べ、会見を締めくくった。
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』舞台写真 撮影:阿部章仁
取材・文・撮影(会見写真)=久田絢子
公演情報
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ
美術・衣裳:ジョン・ボウサー
ハッシュタグ=#スリーゴースト
制作協力:ゴーチ・ブラザーズ
企画・製作:株式会社パルコ
入場料金(全席指定・税込):12,000円 ※プレビュー公演11,000円
※未就学児の入場はご遠慮ください。
公演に関するお問合せ:パルコステージ 03-3477-5858 https://stage.parco.jp/
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<愛知> 2026年11月27日(金)〜29日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
<宮崎> 2026年12月3日(木)〜6日(日)メディキット県民文化センター (宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
<福岡> 2026年12月10日(木)〜13日(日)J:COM 北九州芸術劇場 大ホール