津山晄士朗&日陽龍之介が「歌声」で魂をぶつけ合うーー神戸セーラーボーイズ『合唱ブラボー!』で魅せる熱い青春
-
ポスト -
シェア - 送る
津山晄士朗、日陽龍之介(神戸セーラーボーイズ) 撮影=福家信哉
Boys☆Act ~maple『合唱ブラボー!』(ゲネプロ)ABCホール 2026.10.8(THU)
神戸を拠点に活動する全員10代の演劇ユニット「神戸セーラーボーイズ」(以下、神戸セラボ)による「Boys☆Act ~maple『合唱ブラボー!』」が10月9日(金)、大阪・ABCホールで幕を開けた。「Boys☆Act」シリーズ第4弾となる今回は、2012年に上演された『合唱ブラボー!』を神戸セラボ版にアレンジを加えて上演する。
『合唱ブラボー!』は、歌には自信があるもののさえない合唱部の3人組と、学校の人気者でありながら歌を拒む4人組が、思いがけずチームを組む熱血青春合唱コメディ。公演直前、ゲネプロの模様をレポートする。
合唱部の3人組と人気者「トップ4」、正反対の彼らが出会ったらーー
開演前の舞台には白い紗幕。ピアノの伴奏が流れ、会場が徐々に暗くなる。舞台に明かりがともると、合唱部の練習風景が現れた。物語の舞台は、とある私立男子校。「大地讃頌」を歌う高橋風太・通称ふーちゃん(津山晄士朗)、飯田橋栄之助・通称イーくん(山本歩夢)、笹本孝志・通称サッシー(日陽龍之介)が、さっそく息の合ったハーモニーを響かせる。
歌には自信たっぷりの彼らだが、動きや会話にはどこか独特の空気が漂う。合唱内で定番の敬礼ポーズに、ちょこまかとしたコミカルな動き。思慮深いふーちゃん、周囲をなだめる姿が頼もしく、2人を支える存在のイーくん、コミカルな動きで愛らしさを見せるサッシー。隅っこで肩を寄せ合いながら会話を繰り広げる彼らに、学校での立ち位置がよくわかる。それでも、身を隠すように“究極の3声”を追い求める姿からは、合唱への熱意と、いつも一緒に過ごしてきた仲のよさが伝わってくる。
天野 光(広井雄士)
そんな3人とは対照的なのが、学校の人気者4人組「トップ4」だ。天野 光・通称アニー(広井雄士)、美木健一・通称ビッキー(田中幸真)、桜井千晶・通称チャイ(南條斗希)、堂山久道・通称ドゥー(髙山晴澄)が登場すると、舞台の空気ががらりと変わる。
美木健一(田中幸真)
ひときわ迫力を放つアニーは、まるで別の世界からやって来たような存在感。広井は舞台の後ろにいても妙な動きで空気を攪拌する。美意識の塊のようなビッキーを演じる田中は、サテンのブラウスにメイク、ネイルまで抜かりなく、ナルシシズムたっぷりの表情。
櫻井千晶(南條斗希)
南條はチャイのかわいさとあざとさを全開に魅せ、髙山は眼鏡姿でクールなドゥーを表現する。
堂山久道(髙山晴澄)
ところが、理事長(馬場良馬)からレオナルド・ヤング王子を迎えるレセプションで歌やダンスを披露してほしいという話が出た途端、様子が変わり始める。自信たっぷりの4人が急にそわそわ。そのギャップでも笑いを誘う。
本間秀行(細見奏仁)
レセプションを前に、合唱部とトップ4の距離が変わっていく。さらに加わるのが、転校生の本間秀行・通称ひでやん(細見奏仁)だ。南河内から神戸へやって来たひでやんは、こてこての関西弁と押しの強さで、また違う風を吹き込む。演じる細見は伴奏に乗せた歌唱でも実力を発揮。変化を望まない合唱部の3人に、外から働きかける存在として心を動かしていく。また、レオナルド・ヤング王子の登場場面では、客席を巻き込むやり取りも。日替わりゲストがこの役を担うだけに、どんな個性が飛び出し、キャスト達とどんな応酬を繰り広げるのかも楽しみだ。
歌を拒む理由と、それぞれの「かっこよさ」――本音がぶつかる青春模様
レセプションも大成功、続いてリサイタルを開くという話が理事長から飛び込んでくる。だが、にぎやかなやりとりの奥から、トップ4が歌を拒む理由も見えてくる。それぞれの思いを語るシーンでは正直な気持ちを吐露して、笑いに包まれていた舞台に違う温度が生まれる。
そんな空気を一気にさらっていくのが、馬場演じる「伝説の先輩」。突如現れた伝説の先輩を前に、トップ4もまるで子どものようになってしまう。伝説の先輩の堂々とした立ち振る舞いと、力強い言葉。理事長役とはまた違う迫力で、馬場が舞台を制する。伝説の先輩は激しいロックが流れる中、トップ4の魂を撃ち抜く熱い言葉を放ち、嵐のように去っていく。
伝説の先輩(馬場良馬)
先輩に触発された4人は、熱血モードで合唱部へと駆け込んでくる。一方3人は、人前で歌う喜びや、周囲から浴びせられる合唱への視線を巡り、足並みがそろわなくなっていた。ふーちゃんが感情を爆発させると、それに負けない勢いでドゥーが入部を訴える。普段の神戸セラボとは違う、振り切った熱量のぶつかり合いに引き込まれる。
歌には自信がある合唱部と、見た目や振る舞いでは誰にも負けないトップ4。それぞれに譲れない「かっこよさ」を持つ彼らが、合唱を通してその意味を問い直していく。自分の好きなものを貫くこと、苦手なことに向き合うこと、仲間の思いを受け止めること。不器用にぶつかりながらも、自分がかっこいいと思える姿を追い求める彼らに、胸が熱くなる。やがて、トップ4の勢いに押されるように、3人の表情も少しずつ前向きに変わっていく。
ヤマザキマモル(大熊蒼空)
序盤から、飛び出しては引っ込み、謎めいた動きを見せていたヤマザキマモル(大熊蒼空)の存在も見逃せない。ヤマザキがイーくんを見守っていた理由が明かされると、それまでの動きにも合点がいく。ヤマザキが独白する場面では、肩で息をしながら思いを伝える。こちらも力いっぱいの熱演だ。
7人の声と心が重なる! 「チームブラボー」が届けるリサイタル
迎えたリサイタル当日。ヤマザキのソロダンスから幕を開け、客席とのコール&レスポンスで会場を温める。白いシャツにネクタイ姿のトップ4に続いて合唱部の3人が仲間として紹介され、7人による「チームブラボー」がそろう。
飯田橋栄之助(山本歩夢)
歌唱曲「群青」では、7人の声が一つになったり、幾層にも重なったりと、合唱ならではの豊かさが広がる。「ハリケーン」では、まず、イーくんがリードを取り、ビッキー、ふーちゃんへとつなぐ。コーラスも様になり、ダンスもキレキレ。眼鏡を外したふーちゃんは、自信を持ってステージに立っている。「フレ!フレ!大丈夫!」では暖色の照明に包まれ、歌声にも温もりが満ちる。青春の輝きを分かち合うような7人の表情が印象的だ。
笹本孝志(日陽龍之介)
舞台オリジナル曲「ブラボー!」では、疾走感のあるポップスにコーラスが厚みを加え、一人一人が楽しそうに歌う。途中からヤマザキ、ひでやん、理事長、アンサンブルも加わり、そのままエンディングへ。そして同じく舞台オリジナル曲「It's up to you」を。劇中曲の選曲も新鮮で、声を合わせる喜びと、仲間を得た彼らの晴れやかな姿が重なった。
高橋風太(津山晄士朗)
カーテンコールでは「まるで自分が神戸セーラーボーイズに入ったという、そんな錯覚を持ちながら、みんなで一つのものを作り上げた自信があります」とゲストの広井。津山も「こんなに楽しい作品なんだと新鮮に驚いている」と、劇場で初めて通しで演じた手応えを口にし、「最後までこの公演を突き抜けたい」と意気込んだ。
普段の神戸セラボとはまた異なる、熱量のぶつかり合いに引き込まれる本作。合唱で心を一つにする熱血青春コメディを楽しんでほしい。
津山晄士朗×日陽龍之介が語る、声を合わせる難しさと喜び
続いては、高橋風太役(以下、ふーちゃん)の津山晄士朗と笹本孝志役(以下、サッシー)の日陽龍之介にインタビュー。ゲネプロ直前というタイミングで、本作に向ける心境を聞いた。
津山晄士朗、日陽龍之介
――台本を読んだ時と、稽古を重ねてからでは、役への印象は変わりましたか?
津山:ふーちゃんは最初、真面目なキャラクターだと思っていました。でも、稽古を重ねると、真面目ではあるけれど、仲間内でふざけるのも好きな子なんだなと。(本番では)合唱部の3人だけでいつも一緒にいる、独特の雰囲気やチームワークが見えたらいいなと思っています。何事にも全力で取り組むところが、自分との共通点です。
日陽:僕が演じるサッシーは、稽古の最初と最後では、明るさと暗さが対極にあるような感じです。自分とも、これまで演じたキャラクターとも違うタイプなので、最初は「こういう人は何を思うんだろう」と、すごく悩みました。でも、稽古をするたびに、サッシーはどんどん明るくなっていきました。
津山晄士朗
――今回は、合唱に挑戦しています。難しさや手応えはいかがですか?
津山:合唱が大好きな合唱部なので、歌がうまくないといけない。でも、僕は飛び抜けて歌が得意なわけではないので、今も苦労しています。普段の神戸セラボでの歌声は、それぞれの個性が重なって仕上がっていくような感じですが、合唱は他の人と声を合わせて一つのものにする。それぞれが相手を思って、一つの思いを見せるというのが難しかったです。今回で学んだ声の出し方についての気づきは、これから神戸セラボの歌にも活かせそうです。
日陽:僕も、新しい歌い方の軸ができました。
津山:うまくいった時は、自分たちでも「これ、よかったんちゃう?」と分かるし、めっちゃ気持ちいいです。公演中も歌を高めていきたいです!
――ゲストの広井雄士さん、馬場良馬さんから、どんな刺激を受けていますか?
日陽:広井さんには声の届け方や見せ方を教えていただいています。「こういう角度だったら、端のお客さんにも見えるよ」とか、絡む場面でも「こうした方がいいよね」と言ってくださって。教わった通りにやるとうまくいくんです。馬場さんは稽古の最初から答えを持ってきているような印象があって、すごかった。役の捉え方を盗みたいです。
津山:広井さんは普段の話し声も胸に響いて、すごくかっこいい。馬場さんは背中で見せてくれるお兄さんという感じです。お芝居の説得力がすごくて、まっすぐ目を見てセリフを言われると、ぶわっと風が吹いちゃうくらい。ずっと目力と風圧を感じています。
――お芝居で、特に好きな場面を教えてください。
日陽:最初に、ふーちゃんが「世界一美しい調べ」と言って、僕が「それは言い過ぎやわ、ふーちゃん」と返した後に、ふーちゃんがボケるところがあるんですけど、あそこが一番好きです。わちゃわちゃやっているけれど、観ている方にも伝わったらいいなと思います。
津山:僕はラストに「チームブラボー」の7人で歌うリサイタルのシーンがすごく楽しいです。最初はふーちゃんとしても、津山晄士朗としても緊張していると思うんですけど、歌いながら緊張が解けて、はっちゃけていく。その過程が青春という感じで、楽しいです。
日陽龍之介
――劇中のリサイタルで、楽しみにしみにしてるところは?
津山:最後に歌う「ブラボー!」です。2012年初演の『合唱ブラボー!』からある曲で、それぞれのキャラクターが今まで感じてきたことが、ソロパートの歌詞になっています。歌っていても「あのシーンで、こういうことを思っていたな」と浮かんできて、胸に迫るものがあります。
日陽:僕はシャネルズの「ハリケーン」が、もともとめっちゃ好きなんです。セットリストが分かった瞬間にテンションが上がりました。バリトンの上のパートを歌うんですが、ハモリをやってみたくて、稽古前からウッキウキしていました。
――日替わりゲストにも、そうそうたる皆さんが登場しますね。
津山:年齢も得意なものも違うので、何が起こるか分からない。それも楽しみです。僕たちの歌声を聞いて、ゲストの方に「ブラボー!」と言っていただかないといけない。そこが一番の壁だと思っています。セリフとしてだけでなく、気持ちが動いて「ブラボー!」と思っていただけるような歌を届けたいです。
――作品から受け取ったことや、観客に届けたいメッセージを教えてください。
日陽:僕は、台本から「みんなで熱く頑張ろう!」と言われているような気がしました。自分が感じたことを届けられたらいいなと思います。
津山:それぞれのキャラクターが思うかっこよさがあって、そこから勇気が生まれることを届けたいです。観てくださった方にも、自分がかっこいいと思うものを大切に生きてほしいです。
津山晄士朗、日陽龍之介
――今の神戸セーラーボーイズは、どんなユニットですか?
日陽:一言で表すと「楽しい」です。公演を重ねるうちに自分の視野が広がって、周りの空気も感じられるようになりました。今回は他のメンバーに、ほんの少しですがアドバイスもできるようになって。自分の中に余白ができてきたんだと思います。
津山:一人一人の魅力が本当にバラバラで、それぞれに尊敬できる部分があります。出演したステージの映像を見返すと、すごくバランスがいいなと思うんです。だからこそ、全員を応援したくなるようなユニットになれたらなと思っています。
取材・文=Iwamoto.K 撮影=福家信哉
公演情報
【演出】福島海太
【出演】
高橋風太(ふーちゃん):津山晄士朗
飯田橋栄之助(イーくん):山本歩夢
笹本孝志(サッシー):日陽龍之介
本間秀行(ひでやん):細見奏仁
天野 光(アニー):広井雄士(ゲスト)
美木健一(ビッキー):田中幸真
桜井千晶(チャイ):南條斗希
堂山久道(ドゥー):髙山晴澄
ヤマザキマモル:大熊蒼空
理事長/伝説の先輩:馬場良馬(ゲスト)
アンサンブル(W キャスト):荒木 碧(候補生)/新良貴優士(候補生)
レオナルド・ヤング王子:日替わりゲスト
10月9日(金)18:30
日暮誠志朗
10月10日(土)12:30/17:30
岡 幸二郎
内海太一
内藤大希
井阪郁巳
ENVii GABRIELLA
上田堪大
高崎翔太
輝馬
鮎川太陽
奥谷知弘
※出演者はやむを得ない事情により変更・中止となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
【
TEL:050-3185-6683(2026年9月15日~2026年10月25日 10:00~18:00 オペレーター対応)
【主催】神⼾セーラーボーイズ製作委員会
【公演公式サイト】https://kobesailorboys.com/stage/ba-maple3-gasshobravo
【ハッシュタグ】#合唱ブラボー #神戸セラボ #神戸セーラーボーイズ
公演情報
石原月斗/大熊蒼空/崎元リスト/髙山晴澄/田中幸真/津山晄士
朗/南條斗希/日陽龍之介/細見奏仁/山本歩夢/荒木 碧(候補生)/新良貴優士(候補生)
<ゲスト>寶珠山 駿
<神戸セーラーボーイズ 卒業メンバー>明石侑成/奥村頼斗/中川月碧
【価格】5,000円(全席指定/税込)
TEL : 050-3185-6683(2026 年9月15日~2026年11月3日 10:00~18:00 オペレーター対応)
【主催】神⼾セーラーボーイズ製作委員会
【イベント公式サイト】https://kobesailorboys.com/archives/sch/tulip2026