若い世代が新たなムーブメントを起こす、神戸の音楽シーンをつくりたいーーまもなく開催!『MASHUP FESTIVAL kobe’26』主催者インタビュー・MUSIC ZOO WORLD編
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『COMING KOBE』の様子
いよいよ今週末、2026年10月24日(土)に開催が迫った『MASHUP FESTIVAL kobe’26』。TOTTEI PARKを中心とした神戸ベイエリアの複数会場を舞台に、兵庫県内で独自のカルチャーを育んできた7つのフェスが集結する。今年は「神戸ベイエリアをめぐる、7つのフェスの大文化祭」をテーマに、音楽ライブをはじめ、グルメやショッピング、アート、スポーツなど多彩なコンテンツが展開される。そんな『MASHUP』を手がけるオーガナイザーたちは、どんな思いでイベントをつくり、何を届けようとしているのか。『MASHUP』公式サイトで公開中の主催者インタビューを、SPICEでは未公開トークも交えたディレクターズカット版としてお届けする。
今回は、神戸・三宮のライブハウス「太陽と虎」をはじめ、音楽にまつわる幅広い事業を展開する株式会社パインフィールズの代表取締役・上田佑吏氏にインタビュー。同じく『MASHUP』の主催者のひとりである大原智氏(一般社団法人GREENJAM代表)が聞き手となり、20歳で父親から会社を引き継ぎ、現在26歳。若き経営者が抱く神戸の音楽シーンへの思いと、『MASHUP』で実現したい未来に迫る。
20歳で突然の社長に。父から受け継いだものと自分の色
ーーまずは自己紹介と、株式会社パインフィールズの事業について教えてください。
株式会社パインフィールズ代表取締役の上田佑吏と申します。うちの会社では神戸・三宮のライブハウス「太陽と虎」を運営しているほか、レコーディングスタジオや音楽レーベル、アーティストのマネジメントなど、神戸を拠点に音楽に関わる事業を展開しています。ほかにも「月のうさぎ」という鉄板焼きの居酒屋や、アーティストのグッズ、Tシャツなどの制作もやっています。
ーー今回『MASHUP』には、太陽と虎の周年イベントから始まった『MUSIC ZOO WORLD』として参加しています。上田さんは現在26歳ですが、実は会社の2代目社長なんですよね。
そうですね。もともとは父の松原裕が立ち上げた会社です。7年前に父ががんで亡くなって、そこから僕が跡を継いでいます。
ーー「パインフィールズ」という社名も、松原を英語にしたものなんですよね。
そうです(笑)。なんか田舎の中小企業みたいな、自分の名前を会社につけるっていう。父はすごくバイタリティにあふれた人だったんですよね。音楽業界でも存在感がありましたし、アーティストのマネジメントでは武道館までたどり着いた実績もあって。息子としても誇らしいですし、同じ業界で働く人間としても、本当に偉大な人だったと思っています。
ーーそんなお父さんの後を継いだのが、まだ大学生だった20歳の時。相当なプレッシャーがあったのでは?
当時は全然実感が湧いてなかったですね。僕が立ち上げた会社じゃないですし、財務も何もわからない状態だったので。とりあえず頭に立っているだけ、みたいな感覚でした。大学に通いながら社長をやっていたので、まずは自分の会社のことを知るところから始まって、現場で仕事をしながらノウハウを吸収して。何より周りの人たちが支えてくれたことが大きかったです。
ーー代表取締役としての自覚が芽生えたのは、いつ頃だったんですか?
恥ずかしながら、ここ最近ですね。5年ぐらいかかりました。父が会社を立ち上げた時の理念や経営指針を、自分の中で理解するのに時間がかかったんです。そこがないまま代表になっても、自分の芯がないというか、すぐにブレてしまう。最初は父がやってきたことの延長線上で考えていましたけど、それだけだと自分の色がなくなってしまうという危機感もあって。
ーー先代の理念を理解した上で、自分の色をどう加えていくか。ようやくそこを考えられるようになったと。
そうですね。父の考えを自分なりに解釈して、そこに自分の考え方を落とし込めるようになるまで、それぐらいの時間が必要だったんだと思います。最近になって、やっと自分がやるべきことも見えてきた感覚があります。
「若いやつらが怖い」と思わせたい。
26歳の経営者が描く次世代の音楽シーン
『COMING KOBE』の様子
ーーでは、先代から受け継いだものに加えて、上田さん自身がこれから会社や神戸の音楽シーンに持ち込みたい「自分の色」とは、どんなものでしょう?
やっぱり僕自身がまだ20代なので、同世代のシーンを盛り上げたいという思いがあります。30代、40代、それ以上の世代の人たちに「若いやつらが怖いな」って思ってもらえるようなシーンをつくることが、すごく大切だなと思っていて。脅威に感じてもらいたいんですよね。
ーーそれは面白いですね。上の世代に憧れるだけじゃなく、脅かすような存在を育てたいと。
そうですね。今のロックフェスって、出演するバンドの顔ぶれがある程度固定化していたり、ロックバンドの高齢化みたいなことも話題になっているじゃないですか。昔に比べて、20代のバンドが上の世代から「こいつらすごいな」って思ってもらえる機会が少なくなっている気がするんです。
ーーそもそも若いバンドの数が減っているということですか?
それもあると思います。昔に比べるとバンドを始める人の数自体が減っていますし、今は一人でも音楽を作って発信できる時代なので、そっちに流れている部分もあるのかなと。もちろんバンドシーンがなくなったわけではないですけど、昔のようなブームとは違う状況だと感じています。
ーーかつてはメロコアや青春パンクなど、ライブハウスからさまざまなムーブメントが生まれていましたよね。
そうなんです。だからこそ、今みたいなバンド氷河期とも言える時代に、若い世代のシーンをつくっていくことが大切だと思っています。太陽と虎にまだ出演したことがないアーティストを呼んでイベントをやってもらったり、20代のバンド同士がつながって、自分たちでシーンをつくっていく。その流れを僕らがバックアップしていきたいですね。
ーー全国的に見ると、若いバンドシーンが活発だと感じる地域はありますか?
名古屋は強いなと思います。メロコアもそうですし、ギターロックのバンドもそうですけど、ジャンルに関係なく若い人たちが集まって、自分たちでライブやイベントを企画している。東京や大阪でもなかなか見られないぐらい、若い世代のシーンが活発だなという印象があります。
ーー神戸も昔から独自の音楽文化を持っている街ですが、名古屋との違いはどこにあると思います?
名古屋には、若いアーティストを支えて、シーンの土台をつくっている人たちが多い気がします。ライブハウスだけじゃなく、イベントを仕掛ける人や、若い人が活躍できる環境を整える人たちですね。そういうインフラをつくることは、すごく大切だと思っています。
神戸のライブハウス文化を、次のステージへつなぐために
神戸・三宮のライブハウス「太陽と虎」
ーー神戸の音楽シーンには、どんな課題があると感じていますか?
神戸もライブハウスが多い街ですし、昔からたくさんのアーティストを輩出してきました。今も素晴らしいバンドはたくさんいるんですけど、ひとつ課題だと思っているのは、ステップアップできる場所が少ないことですね。
ーー具体的には?
名古屋だったら、小さなライブハウスでワンマンを成功させて、次はダイアモンドホール、その次はZeppを目指そう、みたいなストーリーが描けるじゃないですか。でも神戸には、1000人、2000人規模のライブハウスが少ないんです。小さなライブハウスで育ったバンドが、次に挑戦する場所を見つけにくいというのは、神戸の弱みなのかなと思います。
ーーアリーナのような大規模施設はあっても、その間をつなぐ会場が足りないと。
そうですね。もちろん神戸が弱い街だとは思っていないですし、フェスの数も多いです。でも、若いアーティストが地元で目標を持って活動していくためには、そういう場所が必要だと思うんです。2028年にはウォーターフロントエリアに新しい施設ができる計画もあるので、そういう場所を目指して活躍するアーティストが増えたら嬉しいですね。
ーーそう考えると、上田さんたちが手がける『COMING KOBE』も、地元のバンドにとって大きな目標のひとつですよね。
そう言ってもらえたら嬉しいです。神戸で頑張っている若いアーティストたちにとって、ひとつの目標になる場所であってほしいですし、そういう場所は絶対にあった方がいいと思うので。
ーー『COMING KOBE』には、日常的にライブハウスを運営している人たちがつくるフェスならではの意味もあると思います。年に一度のお祭りでありながら、普段の音楽活動の延長線上にあるという。
確かにそうですね。地元の人たちが自分たちでつくっている、DIY的なフェスというのは、意外と少ないのかもしれません。日常の活動があって、その先に大きなイベントがあるというのは、すごく大事なことだと思います。
野外だけどライブハウスにしたい。
『MASHUP』から生み出したい新たな出会い
昨年の『MASHUP FESTIVAL』の様子
ーーそんな上田さんが、今年の『MASHUP』で実現したいことは何でしょう?
『MASHUP』って、今までに前例のない形のフェスだと思うんです。いろんなオーガナイザーが集まって、それぞれの色を出していく。去年も万博のパビリオンみたいなイメージという話がありましたけど、僕らはほかのフェスとは少しカラーが違うので、ライブハウスの熱気を持ち込みたいと思っています。
ーー野外フェスの中に、ライブハウスの空気をつくるということですね。
そうですね。野外なんですけど、そこだけライブハウスみたいな感覚というか。あの熱気や非日常的な空気を体感してもらえるような場所にしたいです。いろんな味があることが『MASHUP』の面白さだと思うので、その中で僕らのカラーをしっかり出していきたいですね。
ーー『MASHUP』に参加することが、太陽と虎やMUSIC ZOO WORLDにとって、どんな意味を持つと考えていますか?
例えば『MASHUP』には、30代、40代で、昔はライブハウスによく行っていたけど、最近はあまり行かなくなったという人も多いと思うんです。そういう人たちが僕らのエリアを見て、「懐かしいな」「昔はバンドを見に行ってたな」って思って、またライブハウスに足を運んでくれるきっかけになれば嬉しいですね。
ーーかつてのライブハウスのお客さんに、もう一度その楽しさを思い出してもらう。
それもありますし、今の太陽と虎には、こんなかっこいい若いバンドが出ているんだって知ってもらいたいんです。懐かしさだけじゃなくて、新しいアーティストとの出会いにもつなげたい。それが今回参加する目的のひとつですね。
ーー逆に、普段からライブハウスに通っている人にとっても、ほかのフェスのカルチャーに触れる機会になりますね。
まさにそうなんです。『ONE MUSIC CAMP』や『ITAMI GREENJAM』がブッキングするようなアーティストとは、僕らも普段なかなか交わる機会がないので。そういう音楽がひとつのイベントの中で混ざり合うのは、個人的にもすごくワクワクしています。
ーー既存のロックフェスなら、同じジャンルのアーティストが集まる方がお客さんにもわかりやすい。でも『MASHUP』は、あえて違うカルチャーを掛け合わせることで、新しい層に届けようとしている。
そうですね。かなり挑戦的なことだと思います。普段ライブハウスに来ているお客さんが、ほかのエリアで今まで知らなかったアーティストに出会うこともあるでしょうし、その逆もある。お互いに新しい発見が生まれるのが面白いですよね。
ーー神戸の音楽シーンを広げるという意味でも、可能性を感じます。
そう思います。僕らがやっていることを、普段は接点のない人たちにも知ってもらえる機会ですし、そこで出会った人が日常のライブハウスに来てくれたら嬉しい。『MASHUP』は毎年進化していくイベントになると思うので、僕らもその中で、ライブハウスならではの空気づくりを形にしていきたいですね。
取材=大原智(一般社団法人GREENJAM代表)
文=SPICE編集部(大西健斗) 写真提供=株式会社パインフィールズ
イベント情報
日程:2026年10月24日(土)
会場:兵庫・TOTTEI PARK他 神戸ベイエリア複数会場(各会場間 徒歩1分~5分程度)
〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2-1
出演:大黒摩季 / 氣志團 / 石野卓球 / EGO-WRAPPIN'(Acoustic Set) / アバンギャルディ / w.o.d. / デラックス×デラックス / 黒猫CHELSEA / OKAMOTO'S / 四星球 / tofubeats(feat. オノマトペ大臣,Neibiss) / 小原綾斗(Tempalay/FCO.) / ETSU & CHIHARU from TRF / 奇妙礼太郎 / アフロ /VIDEOTAPEMUSIC / スーパーオギャー / オカモトレイジ(DJ) / HUGEN / Zα SAVAGE / waco /doni doni / BIG MOUTH BRASS BAND / Pretits / おばけ座 / ヤング / ボニーボニー / 母性人
【DJ's】in the blue shirt / KING3LDK(脱線3) / キングジョー / グルーヴあんちゃん / 佐藤マタ / 諸行亭夢常 / TANK(TANK酒場) / DJ薬師丸 / ひろしげ / mikio / 宮本雅夫 / 喪服のマリー / 安田謙一 /Yudai Sada(mugi band) / よだもち / ロビンカワムラ
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◯一般入場券:7,800円
◯MASHUP 応援:8,800円
メインステージのLEDモニターに名前やメッセージを掲示!入場券付きの応援プランです。
◯ペア:14,600円
2名様入場可能な、お得なセット券です。
◯神戸市民割入場券:6,800円(SOLD OUT)
◯入場券+神戸ストークス観戦付き:9,300円
隣接するGLION ARENA KOBEで開催されるプロバスケットボール、神戸ストークスの観戦がついた数量限定のプランです。
◯入場券+海のテラスBBQ・飲み放題付:26,600円(2名様)~
オフィシャルフリーラウンジ「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL」のテラスで、神戸の絶景を眺めながらBBQ&飲み放題を楽しめるプランです。
◯入場券+EN³ TOTTEI BBQ・飲み放題付:15,300円
メインステージとなるTOTTEI PARKのレストラン「EN³ TOTTEI」にて、MASHUP FESTIVALと絶景のベイロケーションを楽しみながらBBQ&飲み放題をお楽しみ頂けるプランです。
その他『MASHUP FESTIVAL kobe’26』をすでにご購入済みの方を対象としたアップグレードもご用意しております。
ARIFUJI WEEKENDERS / ONE MUSIC CAMP / MUSIC ZOO WORLD / ブジウギ音楽祭 / 六感音祭 / ITAMI GREENJAM / 爆発メルヘンシティ
イベント情報
日程:2026年10月23日(金)OPEN:18:00 / END:20:00
会場:TOTTEI PARK他 神戸ベイエリア複数会場(各会場間 徒歩1~5分程度)
〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2-1
◯前夜祭
※MASHUP FESTIVAL kobe’26入場時別途1ドリンク代¥600
受付期間:10月16日(金)18:00~10月23日(金)18:30
▽主催:MASHUP FESTIVAL kobe’26実行委員会 / 株式会社DONUTS ENTERTAINMENT / 一般社団法人
GREENJAM
▽企画制作:MASHUP FESTIVAL kobe’26 実行委員会