駒田一、東山義久、桐山照史らがそれぞれの個性を活かして熱演ミュージカル『ミス・サイゴン』本公演がスタート【写真あり/SPICEレポート】
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『レ・ミゼラブル』のクリエイティブチームが手がける第2弾として製作され、日本では1992年に初演が行われたミュージカル『ミス・サイゴン』。ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、キャバレーで知り合ったベトナム人少女・キムとアメリカ兵・クリスの愛と別離、再会、キムの子・タムへの愛を描いた大作だ。魅力的な音楽、スケールの大きな舞台美術によってドラマティックに表現される物語は、伝説として語り継がれている。
2026年10月16日(金)よりプレビュー公演がスタートしていたが、本公演を前に、会見とプレスコールが行われた。
魅力あふれる楽曲を、2026年版のキャストと演出で披露
プレスコールでは、クリストファー・キーの解説のもと、屋比久知奈と甲斐翔真による「Sun and Moon」 、東山義久による「生き延びたけりゃ」、ルミーナによる「命をあげよう」、桐山照史による「アメリカン・ドリーム」が披露された。
クリストファー・キー
クリストファー 今回、国際的なチーム、日本の皆さんと共に稽古を積み重ねることができ、光栄に思っています。長い歴史と伝統を受け継いで作り上げていくことを嬉しく思っています。『ミス・サイゴン』は愛や野心、大きな犠牲、世界が逆さまになってしまった時にどう生き延びていくかといったテーマを描いた作品です。今も世界中の様々な場所で戦争が行われ、たくさんの命が失われている現実があり、この作品はとても意義があると感じます。
「Sun and Moon」は、ベトナムの少女・キムとアメリカ兵・クリスが戦場で恋をしていくナンバー。「生き延びたけりゃ」はそこから数年後、世の中がどんどん変わる中で、アメリカに行くという夢を持ち続けるエンジニアのナンバーです。「命をあげよう」は、キムが絶体絶命の中、唯一残された息子にどうしたらより良い暮らしを残せるのかという思いを歌っています。
屋比久と甲斐は、恋の高揚感に満ちた二人をロマンティックに見せる。戦争の中でお互いを見つけた恋人たちの安らいだ表情に、キムとクリスの幸せを願ってしまう。そこから一気に空気が変わり、東山による「生き延びたけりゃ」がスタート。戦争によって環境が変わっても野心を抱き続けるバイタリティ、泥臭さがどこかポップに表現されており、シビアな現実とのギャップが魅力的だ。
そして、キムが息子・タムに対する愛情と覚悟を込めて歌う「命をあげよう」。ルミーナは、重要なナンバーを堂々と歌い上げる。キムの絶望、タムの未来への想いを、独白のような歌い出しから力強さを増していく変化で見せていた。
クリストファー 皆様もご存知のように、複数キャストがいらっしゃる公演は我々にとっても大きな挑戦の一つです。それぞれの演者が自身のキャラや個性を用いて演じてくださっています。次の「アメリカン・ドリーム」を披露してくださるのは、今回初めて参加する桐山照史さん。エンジニアは、作品を通してアメリカに行きたいという夢を抱き続けています。彼にとってアメリカはお金や富、チャンス、自分がなりたいものになる機会を与えてくれる象徴。一瞬ではありますが、彼が抱くイメージ、ビジョンを見ることができるのがこのナンバー。素晴らしいアンサンブルの皆さんと共に、桐山照史さんのエンジニアをご覧ください。
「アメリカン・ドリーム」は、重いシーンが続く本作の中で異質ともいえる華やかなナンバー。どこか哀愁も感じられる楽曲を、桐山は遊び心を持って表現している。生い立ちの悲しさと人間くさい愛嬌が両立しているエンジニアだと感じた。
各楽曲を抜き出して披露するプレスコールの形だが、それぞれのキャストが作り上げたキャラクターの個性が伝わってきた。
充実した稽古とプレビュー期間を経て、本公演へ
続いて、エンジニア役の駒田一、東山義久、桐山照史、ベトナム人少女・キム役の屋比久知奈、清水美依紗、ルミーナ、アメリカ兵・クリス役の甲斐翔真、小林唯による囲み取材が行われた。
――まずはご挨拶をお願いします。
駒田一
駒田 個人的にはかれこれ12年勤めさせていただいております。今回も約2ヶ月の稽古を、スタッフの皆さんと一緒に苦しく厳しく、そして楽しく行ってきました。プレビュー公演も本公演のつもりで上演したところです。これから千秋楽まで怪我なく務められるよう、みんなで力を合わせて勤めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
東山 僕は2022年から参加させていただき、4年ぶりのエンジニア役です。前回とは演出が違うので、また違うアプローチで作り上げてきました。2026年バージョンの成功の一端を担えるよう務めたいと思います。
桐山 2024年にオーディションを受けさせていただき、やっと幕を開けられたという気持ちです。これからも色々な方とお芝居を積み重ねることを楽しみながら、最後まで走り抜けていきたいと思います。
屋比久知奈
屋比久 私も2022年から携わらせていただき、またキムとして生きられる喜びを噛み締めています。劇場が変わったことで、きっとまた新鮮に楽しんでいただけると思います。緻密に、精密に、大事に作ってきた作品なので、お客様のエネルギーをいただきつつ、私たちもたくさんエネルギーを込めて届けたいと思います。
清水 この作品が描いているものはすごく重いですが、それぞれのキャラクターが抱えている葛藤や思いに、稽古の中でしっかり向き合ってきました。ついに本初日だということでワクワクしています。
ルミーナ ここから約4ヶ月公演が続きますが、感動を超える衝撃を味わえる作品だと思います。どうぞ劇場に足をお運びいただきたいと思います。
甲斐翔真
甲斐 稽古場で積み上げたものを劇場でやり、オーケストラ、舞台衣装や美術、照明などが合致した時に、この作品はこれほどまでに迫力が生まれるのかと実感しています。何ヶ月もかけて、皆さんに喜んでいただけるよう頑張ってきました。楽しみにしていただけたらと思っています。
小林 僕はこの作品にすごく憧れがありました。プレビュー公演を通して、改めてこの作品の迫力、世界最高水準の作品に参加しているんだということを感じています。作品のテイストは辛い部分もありますが、役者としては非常に幸せだと感じています。
――ここまでの手応えはいかがですか?
駒田 稽古場でやってきたことをお客様の前でやる時に、+αがすごく大きい。お客様からパワーをいただける瞬間は役者冥利に尽きます。どの作品もそうですが、この作品は特に、抱えるものが大きいですし、お客様が楽しみに待っていてくださったことを感じます。これから、全国各地のお客様に様々なことを感じていただけるのが楽しみです。
東山義久
東山 濃い稽古をしてきたので、それを信じて初日を務めました。「アメリカン・ドリーム」の入りは闇に吸い込まれそうなプレッシャーも感じましたが、エンジニアを生き切ろうという責任や誇りを背負って務めました。お客様のお顔を見ると帰ってきたなと感じます。ルミーナさんもおっしゃっていたように、感動を超えた衝撃をお届けしたいです。
桐山 手応えでいうと、お客様の拍手の圧ですごくグッときました。オーディションから2年、僕も色々なことを経験して。お客様の中には、僕が誰か知らない方もたくさんいたと思います。幕が降りた時に言葉で表せない涙が出てきたんですが、カンパニーのみんなが背中をさすってくれたり、声をかけてくれたりしたこと、お客様の拍手を忘れず最後まで走り切りたいです。
屋比久 稽古期間、みんなで色々試しながら2026年のサイゴンをどうお客様に届けるかを考えてきました。お客様が客席にいて、お芝居を受け取って返してくださることに、舞台っていいなあとすごく感じましたし、それが力になることを改めて感じました。どの舞台もそうですが、この作品は特にエネルギーを使うので、お客様がいることで最後のピースが揃ったと感じます。
清水美依紗
清水 この作品に出たいと願ってきたので、お客様の拍手を浴びて夢が叶った瞬間、胸にくるものがありました。夢だった作品とはいえ、題材は重いですし、背負うものは多い。簡単に答えが出るものでもないからこそ、みんなで真剣に作品と向き合ってきました。稽古期間中に作ってきたものをお客様にお見せできた達成感があります。
ルミーナ お客様がいて成立することを強く感じています。ヘリコプターの音が鳴って幕が上がった瞬間、すごくお客様の熱を感じました。お客様がいて完成する作品だと改めて感じました。1回1回大切にやっていきたいです。
甲斐 稽古も長くてトリプルキャストもいたので、通し稽古が多くて密度の高い稽古ができました。アンサンブルの皆さん、スイングの皆さんともたくさんの稽古を一緒にできて、やるべきことを全てやってきたという手応えはあります。舞台上と客席が天高く舞い上がるような面白さにできていると思います。
小林 唯
小林 歌で繋いでいくミュージカルですが、お芝居としての面をすごく掘り下げて稽古してきました。たくさん稽古を詰んだおかげか、今回の初日はあまり緊張なくやれた。それだけ不安を取り除いて初日を迎えられたんだと感じます。お客様が集中してみてくださっていることを感じましたし、役者陣の集中力も高い水準にあったなと。作品のメッセージがすごく伝わっている実感を得られたので、この手応えをもっと深めていきたいです。
――お稽古の中でお互いのお芝居をみて見つけた魅力を教えてください。
駒田 今回のエンジニアは年齢もバラバラで三者三様なんですが、非常に馬が合う。お互いにリスペクトしつつ、色々な発見ができました。やってることはそれぞれ違いますが、話し合いをたくさんして、共通認識を持てたと思います。
桐山照史
桐山 駒田さんは嫉妬するくらいのコメディ力がある。人が出したセリフへのリアクションがすごく上手で、見ていて真似したいところがたくさんあるけど、やってみるとできない。羨ましいなと思います。義さん(東山)はシャープで、エンジニアが持っている自信がすごく出ている。アメリカに行くために色々な手を使ってチャレンジするんですが、そこには自信がないとダメだと思っていて。そこも真似したいけど、やっぱりできない。最終的には真似をやめて、僕だから出せる色で勝負しようと思いました。
東山 照史くんは前からいるくらいピッタリ。僕と一さんとはまた違う角度からのエンジニアです。演出のクリスと一緒に構築する様子を見てきましたが、勘が鋭くて、物覚えもちゃんとしている。でも、嫉妬というよりは、世代も違う三人なので真似をしようと思ってもできない。そこに関しては照史くんも言っていたように「自分はこれで行く」というところでモチベーションを上げていくというか。前回はコロナ禍でセッションがなかなかできなかったんですが、今回は三人でしっかり話して作れました。一さんとはしばらく共演が続いていて。この役は『レ・ミゼラブル』のテナルディエに近いコメディチックな愛嬌もあれば、機転が早く鋭いところもある。笑っているのに目の奥が怖いこともあって、そこが一さん演じるエンジニアの魅力です。
屋比久 私たち三人も『レ・ミゼラブル』のエポニーヌからそのまま移動してきたんですが、似てるいると言われることが多くて。中身が似ていると感じるところもあるんですが、役として舞台に立った時に、実は個性が全然違う。キムという役が持つコアみたいなところは一緒ですが、それぞれが大切にしているものがあるなと感じていました。影響を受けつつ、私は私で頑張ろうと思えるような強さと才能をもった二人です。色々なことを共有しながら乗り越えられたと感じます。
清水 お二人が大好きで、屋比久姉さんはどの瞬間も感情のグラデーションが素敵。この方は何個感情が出てくるんだろうと思うくらい、いろんな顔が見えるキムだと感じます。ルミは鋭さ、直感力がすごくて、稽古場序盤でもすっと迷いなく立てる。歌声の力強さがキムの強さに直結していて、説得力があると感じます。
ルミーナ
ルミーナ 身長は似ているんですが、表現するものは三人全く違います。色々なバージョンをお楽しみいただけると思います。
甲斐 話の9割がご飯のことでしたね(笑)。役のことよりもご飯。
小林 翔真はディティールのことを提案してくれるのですごく助かっていますし、所作などを見て密かに盗んでいました。あとは来年の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』でも一緒なので、それまでにもうちょっと身長を近付けられたらと思っています(笑)。
――最後に桐山さんから、歴史ある作品の大役をオーディションで勝ち取って、今後の役者人生にどんな影響がありそうかということ、公演を楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
桐山 ここにいる僕らを含めた全キャストが、役を勝ち取り、稽古を積んでステージに立っていると思います。僕自信、初めてのグランドミュージカル。客席で見ていた作品に立たせていただけることが自信になっています。板の上に立つ楽しさと素晴らしさを改めて感じました。この作品を走り切って、またいろんな役を掴んで皆さんに素晴らしい作品を届ける役者になっていきたいです。
『ミス・サイゴン』はお話としては重いところもありますが、僕ら役者から出るエネルギー、オーケストラの皆さんが奏でてくれる最高の音楽と共に、皆さんの心に素晴らしい作品を全力で届ける自信があります。僕らのエネルギーを全身で受けとってほしいと思います。
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本作は11月29日(日)まで東京・東急シアターオーブにて上演。2026年12月から2027年1月にかけて、大阪、福岡、静岡、北海道でのツアー公演が行われる。
公演情報
オリジナルプロデューサー:キャメロン・マッキントッシュ
作:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
製作:東宝
出演:
エンジニア:駒田 一/東山義久/桐山照史(交互出演)
キム:屋比久知奈/清水美依紗/ルミーナ(交互出演)
クリス:甲斐翔真/小林 唯(交互出演)
ジョン:チェ・ウヒョク/金本泰潤(交互出演)
エレン:エリアンナ/加藤梨里香(交互出演)
トゥイ:岡 シモン/吉田広大(交互出演)
ジジ:則松亜海/藤森蓮華(交互出演)
【東京公演】
日程:2026年10月16日(金)~11月29日(日)
[プレビュー公演]10月16日(金)~10月22日(木)
会場:東急シアターオーブ
大阪公演
日程:2026年12月5日(土)~17日(木)
会場:梅田芸術劇場 メインホール
日程:2026年12月24日(木)~27日(日)
会場:福岡市民ホール 大ホール
日程:2027年1月8日(金)~11日(月・祝)
会場:アクトシティ浜松 大ホール
日程:2027年1月17日(日)~24日(日)
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru