観れば分かる! シルク・ドゥ・ソレイユ最新公演『トーテム』公開リハーサルをレポート

SPICER+
シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』カラペース (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』カラペース (撮影:原地達浩)

2月3日より遂に開幕するシルク・ドゥ・ソレイユの日本最新公演『ダイハツ トーテム』。その公開リハーサルが初日前夜の2月2日にお台場ビッグトップでおこなわれた。この模様を目撃した町田麻子氏が緊急レポートをSPICEに寄稿してくれた。



2010年の初演以来、世界中で400万人以上を動員してきたシルク・ドゥ・ソレイユ『トーテム』の日本公演が2月3日、お台場ビッグトップにて幕を開けた。1992年の『ファシナシオン』を皮切りに、日本で12回もの公演を重ね、大人から子どもまで幅広い層を魅了し続けているシルク・ドゥ・ソレイユ。「一度観たことあるし…」と思うむきもあるかもしれないが、このハイクオリティな非日常感はやはり、定期的に味わっておきたい感覚だ。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』客席を練り歩くトラッカー (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』客席を練り歩くトラッカー (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』リングス・トリオ (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』リングス・トリオ (撮影:原地達浩)

“映像の魔術師”の力でパワーアップした総合芸術

今さら改めて言うことでもないが、シルク・ドゥ・ソレイユの偉大さは何より、サーカスを芸術の域にまで高めた点にある。超人的な技が次々に繰り出されるだけでなく、それらがセットや衣裳、そして生演奏の音楽と融合したステージは、毎公演がひとつの総合芸術。そして今回の『トーテム』では、そこにさらに、“映像の魔術師”の異名を持つ演出家ロベール・ルパージュのマジックが加わった。『Needles and Opium 針とアヘン』などの来日公演で日本の演劇ファンにもお馴染みのルパージュが、ラスベガスでの常設公演『KA』に続き、2作目のシルク・ドゥ・ソレイユ公演でとして手掛けたのが本作なのだ。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』フット・ジャグリング(クリスタル・レディー) (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』フット・ジャグリング(クリスタル・レディー) (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』謎の海洋軟体動物? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』謎の海洋軟体動物? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ディアボロ (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ディアボロ (撮影:原地達浩)

ルパージュが『トーテム』で表現しているのは、「異なる種と進化の歴史」。可動式ステージとプロジェクションマッピングが様々な時空を自在に描き出すなか、パフォーマーが「生命の起源」「人類の進化の歴史」「人間本来の欲求」など、アクトごとに異なるテーマを超人技の数々によって体現していく。アクトとアクトの合間に登場するキャラクターたちも、それぞれが単なる繋ぎや道化役を越えた役割を担っており、なかにはダーウィンを思わせる探検家の姿も。また、四足歩行の猿からスーツ姿のビジネスマンまで、7段階の“人間”が連なって歩くシーンなどもあり、終始イマジネーションに富んだステージ展開だ。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』猿から人類への進化図?! (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』猿から人類への進化図?! (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ハンド・バランシング (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ハンド・バランシング (撮影:原地達浩)

と、解説めいたことを長々書いてきたが、前知識が何もなくても“観れば分かる”のがシルク・ドゥ・ソレイユ。身長以上の高さの一輪車に乗った少女たちが足でボウルを投げ飛ばし合い、手を使わずに頭でキャッチする「ユニサイクル・ウィズ・ボウル」、男女が1台の空中ブランコを使い、観ているだけで手にも足にも汗握る離れ技を次々やってのける「フィックスト・トラピス・デュオ」、スケート靴を履いた男性が女性を目にもとまらぬ速さで振り回し、観る者に驚嘆を越えて恐怖さえ感じさせる「ローラー・スケート」……。幻想的な演出のなかで繰り広げられる、同じ人間によるものとは到底思えないパフォーマンスを、口をあんぐりと開けてただ楽しんでいれば良い。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ユニサイクル・ウィズ・ボウル (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ユニサイクル・ウィズ・ボウル (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』フィックスト・トラピス・デュオ (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』フィックスト・トラピス・デュオ (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』これから結婚式が始まる? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』これから結婚式が始まる? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ローラー・スケート (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ローラー・スケート (撮影:原地達浩)

大勢が登場するダイナミックなアクトもさることながら、広いステージ上でたったひとりの女性パフォーマーが、両手両足それぞれで四角い布をクルクルと回す「フット・ジャグリング」が強く心に残る。恐らく座席位置によって見え方は異なるのだろうが、筆者の目に映ったのは、衣裳も回転する布も紫、オレンジ、クリスタルという何とも眩惑的な3色。照明、衣裳、音楽、そしてパフォーマンスが一体となった、夢のように美しい光景だった。

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』謎の宇宙飛行士たち? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』謎の宇宙飛行士たち? (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ロシアン・バー (撮影:原地達浩)

シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』ロシアン・バー (撮影:原地達浩)

お台場ビッグトップ

お台場ビッグトップ

公演情報
シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ トーテム』
 
東京公演 2016/2/3(水)~2016/5/22(日)
東京最終公演 2016/5/23(月)~2016/6/26(日)
会場:お台場ビッグトップ (東京都)
公式サイト:http://totem-jp.com/

 
大阪公演 2016/7/14(木)~2016/10/12(水)
会場:中之島ビッグトップ(大阪府)
公式サイト:http://www.ktv.jp/totem/

 
名古屋公演 2016/11/10(木)~2017/1/15(日)
会場:名古屋ビッグトップ(愛知県)

 
福岡公演 2017年2月~
会場:福岡ビッグトップ(福岡県)

 
仙台公演 2017年4月~
会場:仙台ビッグトップ(宮城県)


 
シェア / 保存先を選択