主要4部門だけじゃない【グラミー賞】、最優秀ブルース・アルバムに注目
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今年もいよいよ2月15日(日本時間16日)に迫った【第58回グラミー賞授賞式】。日本国内でも主要4部門のゆくえや授賞式での豪華パフォーマンスが毎年大きな話題となるが、【グラミー賞】はほかにも見どころ満載。
ここではアメリカン・ルーツ・ミュージック部門のなかの1つ『最優秀ブルース・アルバム』のノミネート作品を紹介しよう。昨年はブルース・ギタリストのジョニー・ウィンターが遺作『ステップ・バック~ルーツ2』で悲願の初受賞を果たし、亡き兄にかわって弟・エドガーが受賞スピーチをおこない注目を集めた同賞。決して派手な部門ではないことは確かだが、今年も音楽ファンをうならせるいぶし銀の名作たちがノミネートされている。
まずは、同部門ノミネート・アーティストのなかでは若手となる御年37歳、セドリック・バーンサイド・プロジェクトの『Descendants Of Hill Country』。アメリカ北部・ミシシッピを代表するカントリー・ブルースの重鎮R.L. バーンサイドを祖父に持ち、14歳から彼のバックでドラマーを務めてきた正真正銘のサラブレッドであるセドリック。DNAにも組み込まれたカントリー・ブルースに、ヒップホップなどの新たなエッセンスをくわえた音楽性でここ数年ブルース界で注目を集めている存在。デビュー10年の節目を迎える今年、ついに初ノミネートとなった。
続いても“選ばれし遺伝子”を持った女性ボーカリスト、シェメキア・コープランドによる『Outskirts Of Love』。こちらはテキサスの偉大なブルース&ソウル・シンガー/ギタリスト、ジョニー・コープランドの実娘であり、セドリックと同世代の36歳。ノミネート作品では父の楽曲のほか、ソロモン・バーク、CCR、ZZトップらの楽曲をカバー。ルーツ回帰作で前作に続き3年ぶり2度目のノミネートを果たした。
以降はブルース界の大ベテラン勢。まずは御年78歳、もはや説明不要、“ブルース界の生きる伝説”であるバディ・ガイの2年ぶり新作『Born To Play Guitar』。過去7度グラミー受賞歴のあるガイの新作は、当然のように全米ビルボード・ブルース・アルバム・チャートにて4週連続首位を獲得。年間チャートでも7位を記録している文句なしのヒット作だ。続いて女性“レジェンド”R&B/ソウル・シンガー、ベティ・ラヴェットの『Worthy』。今やアメリカを代表するプロデューサーにして、レジェンド・アーティストの“復活・再生仕掛人”であるジョー・ヘンリーのもと、ボブ・ディラン、ビートルズ、ローリング・ストーンズなどをカバー。御年70を迎えてもなお衰え知らずのパワフルな歌声を存分に堪能できるロックな作品に仕上がっている。そして最後はマディ・ウォーターズの生誕100周年記念トリビュート『Muddy Waters 100』。こちらはマディ・バンドの一員だったギタリスト、ジョン・プライマーを中心に、今は亡きジョニー・ウィンター、同じくマディ・バンドで活躍したハーモニカ奏者のジェイムス・コットン、さらにデレク・トラックスやゲイリー・クラーク・Jr.などブルース/ロック界を代表する新旧アーティストが多数参加している。
昨年の【グラミー賞】にて生涯業績賞も受賞しているバディ・ガイ、2作品連続ノミネートとなったシェメキア・コープランドを有力候補とする声が多いが、結果はいかに。【グラミー賞】の模様はWOWOWプライム『生中継!第58回グラミー賞授賞式』にて2月16日、午前9時から放送予定となっている。
◎最優秀ブルース・アルバム部門 ノミネート作品一覧
『Descendants Of Hill Country』Cedric Burnside Project
『Outskirts Of Love』Shemekia Copeland
『Born To Play Guitar』Buddy Guy
『Worthy』Bettye LaVette
『Muddy Waters 100』John Primer & Various Artists
INFO:【グラミー賞】オフィシャルサイト
http://www.grammy.com/
◎番組情報
『生中継!第58回グラミー賞授賞式』
WOWOWプライム 2月16日(火)午前9時~
INFO: http://www.wowow.co.jp/music/grammy/