「We’re Crossfaith!!!!」 Crossfaithがthe HIATUSとのツアーファイナルでみせた誇り
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Crossfaith
XENO JAPAN TOUR 2016 PLUS SPECIAL GUEST 2016.2.13 豊洲PIT
「We’re Crossfaith!!!!」
最後の最後にKoie(Vo)が拳を突き上げ、腹の底から声を絞り出すように吠えた。その雄叫びは単にステージにいる5人組の名前を表していただけではない。そこには結成から10年、同じメンバーでずっと活動を続け、いいことも悪いことも経験したうえで、今、ここに立っているというバンドの誇りが感じられた――。
昨年9月にリリースした4thアルバム『XENO』をひっさげ、全国8か所を回った『XENO JAPAN TOUR 2016』。今回は『PLUS SPECIAL GUEST』と銘打ち、全公演にゲストとして、いわゆるラウドロック・シーンの最前線で活躍しているバンドを迎え、ツーマンによる激突ライヴとなった。そのファイナルとなる東京・豊洲PITのゲストはthe HIATUS。「まだHiroki(B)としか仲良くないんだけど(中略)、これからもっと仲良くなる」と細美武士(Vo/G)も言っていたように、接点があるような無いような、the HIATUSとCrossfaithの組み合わせ。一体どんなライヴになるのか楽しみだったというファンも多かったにちがいない。
そのthe HIATUSのライヴは激しいインプロ風の演奏に細美が感情を込めながら歌を重ねる「The Ivy」でスタート。その後、バンドはエモーショナルなロックナンバーとエレクトロニックな音色も使ったダンスナンバーを織り交ぜ、スタンディングの観客を盛り上げていった。
「Crossfaith!!」と中盤、masasucks(G)が“気をつけてワールドツアーに行ってこい”というメッセージを込めながら叫ぶと、「つながりがなかったバンドから呼んでもらえるなんて嬉しくて、楽しみにしてました」と細美も感謝の言葉を述べる。「バンドマンなんてつんつんした奴らばかりだから無理やり仲良くなる必要はないんだけど、仲良くなれたらこれがきっかけだからここに来られてよかったです」と決してベタベタした表現にならないところが彼らしい。
ラストスパートは「インソムニア」「紺碧の夜に」という彼らのライヴに欠かせないアンセムだ。そして、「ラスト1曲、the HIATUSでした」(細美)と最後に別れがせつなくなる爽やかなロックナンバーの「Silver Birch」で40分の熱演を締めくくった。5人それぞれがストイックに100%以上のプレイを追求しながら、同時にこの5人で演奏することを楽しんでいるようなところにバンドの円熟が感じられた。この日、「もうすぐ新作ができるから」と細美から嬉しい報告があったが、そんなバンドの状態がどんなふうに反映されているのかが楽しみになるようなライヴだった。
Crossfaith
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「調子はどうですか? 『XENO』の世界にようこそ!」
セットチェンジの間、まだまだ暴れたいという気持ちを散々じらされた観客に応えるようにステージに飛び出しきたCrossfaithはKoieの第一声を合図にオープニングの「System X」「Xeno」になだれこみ、序盤から怒涛という言葉がふさわしい演奏を満員の客席にお見舞いした。水蒸気の柱が4本噴き上がる中、いきなりモッシュ状態になった客席に向かって、「暴れる奴どんだけおんねん?!」とKoieが盛んに発破をかける。
「歌える奴は声を出してくれ! 歌ってくれ!!」
早くも4曲目の「Raise Your Voice」で会場中にファンのシンガロングの声が響きわたった。もちろん、その後も彼らの勢いは衰えず、アンコールまで1時間20分にわたって、圧倒的なパワーで自分達が持つあらゆる魅力をアピール。Corssfaithの魅力とは、メタルコアとエレクトロミュージックが絶妙に入り混じるユニークなサウンドだけに止まるものではない。彼らのライヴがとことんダイナミックなのは爆音の演奏もさることながら、スクリームしながら終始客席を煽っているKoieのみならず、広いステージを自由に動き回るTeru(Program / Vision)、Kazuki(G)、Hiroki(B)に加え、Tatsu(Dr)さえもドラムを叩きながら激しいアクションを交え、バンドのパフォーマンスに躍動感を生んでいるからだ。
Crossfaith
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中盤の「Dystopia」では「力を貸してくれ」とKoieが観客にコール&レスポンスを求めたが、観客のレスポンスを聞いたHirokiが「(全然声が出ていない)2点(笑)」と敢えて辛い点をつけ、「ファイナルやぞ! もう一回行くぞ!!」とKoieがさらに発破をかけた。それがさらにライヴを勢いづかせ、ファンもモッシュに止まらず、ヘッドバンギング、ジャンプ、ツーステップ、サークルピット、クラウドサーフィンと曲や演奏のパートごとに反応を変え、バンドの熱演に応えていった。
「Wildfire」ではバンドと親交があるイギリスのレゲエ/パンク/メタルのミクスチャーロックバンド、スキンドレッド(この翌日、開催されたCrossfaithのイベント『ACROSS THE FUTURE』に出演するため来日していた)のぶっとんだフロントマン、ベンジー・ウェッブがKoieとラップ(風の早口の歌)を掛け合った。そこからの後半戦はダンサブルな曲が多かった前半から一転、メタル色濃いゴリゴリの曲をたたみかける。
Crossfaith
今年、デビュー10周年を迎えることに言及したKoieは「聴いてくれる人達がいるからCrossfaithは存在できる」と、この10年間支えつづけてくれたファンとスタッフに感謝を述べ、「Crossfaithが歩みを止めることはありません。一生ついてきてください」とさらなる前進を誓うと、タテのりのリズムとキャッチーなサビが印象的なミクスチャーナンバー「Devil’s Party」とKazukiがザクザクとリフを刻む正調メタルコアの「Countdown To Hell」の連打で本編を締めくくった。
Crossfaith
そして、TatsuのドラムソロとTeruのDJプレイから始まったアンコールは、「ロックとは違う遊び方を教えてやろう」(Koie)とゴムボートを2艘、客席に投げ入れ、ダンスビートとともにKazuyaとHirokiがクラウドラフティングを楽しんで、客席を沸かせるという狂騒から、プロディジーのカヴァーと言うよりももはやCrossfaithのライヴ定番曲と言ってもいい、シンセのフレーズがあまりにもキャッチーな「Omen」、そしてメンバー全員が一丸となって突き進むメタルコアナンバー「Monolith」でツアーファイナルは大団円を迎えた。「一発でかい花火ぶちあげようぜ!」と観客全員がしゃがんでからジャンプを決め、サークルピット、渾身のヘッドバンギングになだれ込む客席をぐるぐると回るライトが照らし出してクライマックスを幻惑的に彩った。
Crossfaith
「We’re Crossfaith!!!!」
Koieの雄叫びに応え、客席から「Crossfaith! Crossfaith!」というシュプレヒコールが沸き起こった。それは約80の国と地域で行うワールドツアーに出かけるバンドへのエールであると同時に、結成10周年を迎え、活動がますます加速することを求める熱い声だったにちがいない。
文=山口智男
Crossfaith
the HIATUS
02.The Flare
03.Monkeys
04.Storm Racers
05.Thirst
06.Unhurt
07.Lone Train Running
08.Insomnia
09.紺碧の夜に
10.Silver Birch
02. Xeno
03. Raise Your Voice
04. Ghost In The Mirror
05. Eclipse
06. Dystopia
07. Wildfire (feat Benji Webbe from Skindred)
08. Paint It Black
09. Photosphere
10. Scarlett
11. Mirror
12. Devil's Party
13. Countdown To Hell
[ENCORE]
DJ & Drum Solo
14. Omen
15. Monolith
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