本間憲一&大空祐飛に聞く~「SHOW ル・リアン」
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本間憲一(撮影:宮川舞子)、大空祐飛(撮影:生井秀樹)
ミュージカルの名曲を未来へと繋ぐ新しいSHOW!
2016年3月31日(木)から、天王州 銀河劇場、サンケイホールブリーゼにて『SHOW ル・リアン』が上演される。「ル・リアン(Le Lian)」とは、フランス語で「絆・繋がり」を意味する。「往年のミュージカル・シーンを未来へと繋ぐ」「作品を通してお客様と心を繋ぐ」などの思いをこめて、様々な「繋ぐ」テーマが全編に満ち溢れる。
今回のショーに登場予定の曲は「シカゴ」「雨に唄えば」「ショーほど素敵な商売はない」「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」「42ND STREET」など。個性豊かな出演者たちにより、どんな新たな輝きを見せるのか、どんな化学反応が起こるのか大いに楽しみだ。
この演出を手がけるのが、数々の本格的なミュージカルやショーに出演しながら、近年では数多くの舞台の演出・構成・振付も手がけている本間憲一だ(4月2日のみ舞台にも出演)。そして、注目キャストのひとりが大空祐飛。宝塚退団後、初の本格的なショー出演となる彼女の新たな一面を目撃できる貴重なチャンスとなるだろう。
本作のプレ稽古が始まったばかりの2月上旬、本間さん、そして大空さんのお2人に、この作品にかける意気込みを聞くことができた。
--現時点(2月7日)での披露予定楽曲を拝見すると、有名なミュージカルナンバーが並んでいますね!
本間: 今回は、あえて王道のクラシックなものに向き合ってみたいと思ったんです。今、色んなミュージカルが上演されているけれど、最近は王道のミュージカルの楽曲を使った舞台って意外と少ないでしょう。ショービジネス界をつないできた名曲にも、まだまだ新しい楽しみ方や可能性があるはず。それを表現した上で、未来にも繋いでいける作品を作れたらいいなと思っています。
--出演者も、タップの名手・HIDEBOHさん他のベテラン勢~期待の若手まで、個性豊かな方々揃いですね。
本間: 大空さんをはじめとしたキャストも、一緒に可能性を探っているところかな。初共演の村井(良大)君なんかもね、華があるんだけど、ぽーっとしていて…(笑)。いい意味でギラギラしていないのがスゴイなと。タップにしても歌にしても、みんなが普段とは違うチャレンジをして、新たな可能性を見つけて、見てくださる人達へも繋いでいけたらなと思っています。
--大空さん、タップは久しぶりですか。
大空: 久しぶりです(笑)!本間さんに初めてお会いした時に、タップのお話を聞いて。「ちょっとでいいからやってみて」って言われて(笑)。最初は逃げ腰だったんですが。十数年ぶりにタップシューズを履いてレッスンを始めてみたら、気持ちが軽快に、明るくなっていくのを感じたんです。スキップしながら怒る人はいないですよね(笑)。その場で生まれるものを楽しみながら、レッスンしています。
--お2人は、今回初共演ということですが、お互いの第一印象について教えてください。
本間: 最初はね、凛とした感じで「まん中が似合う人だな」と思ってたんだけど、大空さんは、素直な人なんですよ。タップも含めて、心が洗われる感じがしてます。そして笑顔がすごく素敵。大空さんの笑顔が見せられる、そういうイメージのナンバーも作りたいなと思った。まだまだ、未知数な部分がたくさんあるんですよ。稽古場ではお互いにさらけ出すところから始まっているから、お互いに決めつけずにチャレンジしたり、可能性を引き出し合っていく中で、面白いことがどんどん見えてきそうな気がしてる。
大空: 本間さんは、作品を作るプロセスが面白いですよね。作っている中で違うものが出てきても、そこも含めて楽しもうよ、みたいな。タップの印象とも重なるんですけど、レッスンも楽しくしてくださるし、心を軽くしてくださるので、新しい一面を引き出していただくのを楽しみにしています。
--新しい一面と言えば、今回、大空さんが先生役で登場するシーンもあるんですよね。
本間: そうそう、大空先生ね(笑)。役どころとしてはディーヴァなんですけど、僕は「しかられたい」なと(笑)。え、メガネ? メガネかけてもらうのもいいかもね(笑)。いつもの大空さんのイメージとは違う部分とか、面白さも、今回は引き出していければと思っていますよ。
大空: (笑)
--まずは、セッションするような形で、お稽古を進められていらっしゃるのですね。さて、往年のミュージカルと言えば、衣裳が素敵ですけれど、大空さんは、今回、着てみたい衣裳などはありますか。
大空: まだ何も決まっていないのですけれど、古き良き時代のミュージカルの、クラッシックな衣裳は可愛いな、という印象はあります。でも、今は、意外な展開や流れを楽しみたい気分なんです。やって来たものに夢中になって、熱中して、それを楽しみたいと思っているので、衣裳もタップも(笑)、色々とチャレンジしてみようと思っているところですね。
--皆さんのたくさんのチャレンジや、可能性が楽しめる作品となりそうですね。ちなみに本間さんが、今、チャレンジされていることは何ですか。
本間: 人生、ですかね(笑)。人生って、大きいくくりのセッションですよね。だってそう思いません? 最近ね、すべて自分でガチっと決め込んじゃうのはよくないなって思ってるんです。怖がり屋だから、以前は全て決めておいたり、アイデアも常に何パターンか考えておいたりもしてたんだけど、現場に行ったり人に会ってみないとわからないこともたくさんあるでしょう。
やっぱり打ち合わせにしても、音楽にしても、予算にしても、全てセッションだから。 「こういう意見があるなら、こうしてみよう」って、その場の流れで変えてみる。最近、そういう自分を楽しめるようになってきたんです。もちろん、ノープランはナシだけど、振付でも音楽でも、自分でガチガチに決め過ぎちゃうのはよくないし、その場で生まれるものを楽しみたいなと。上手くいくときも上手くいかないときも楽しみたいんですよ。
この仕事ってね、人が決めることも多いじゃないですが。どんなにやりたくて手をあげたって、選ばれないとできないんです。まずは、やらせていただくことに感謝して、偶然から生まれるものもどんどん生かしていきたいなと。
--今は、そうして出演者の方々で、ぶつかりあって作っていかれているんですね。大空さんは、いかがですか。
大空: このショーに出会ったことも本当にご縁だし、この出会いから何が生まれるのか。今、それを楽しみにいて。自分だけでは発見できないような、新しい自分を、今回また発見できそうな気がしているんですよ。たくさんの方に私のチャレンジを見ていただいて、みなさんにも楽しんでいただけるショーにできたらいいなと思っています。
--ああ、楽曲へも、出演者の方々へも、余計な先入観を持たずに見に行ってみると、より楽しめるショーになるんですね。
本間: はい。今回はね、ミュージカルの名曲ありきで。でも、それぞれ皆さんが持ち続けている作品や曲へのイメージとは違う、新たな一面や魅力も、楽しんでいただける作品になると思いますので、是非そういった部分も、楽しみにしていてください!
<プロフィール>
2016年3月31日(木)~2016年4月03日(日) 東京 天王洲 銀河劇場
2016年4月05日(火)~2016年4月06日(水) 大阪 サンケイホールブリーゼ
■構成・脚本:本間ひとし
■音楽監督:上柴はじめ
■テーマ曲作曲:奥田 弦
■出演:村井良大 平方元基 青柳塁斗 寺元健一郎 松本拓海 松原剛志・大貫勇輔/大空祐飛/本間憲一(東京4/2のみ出演)・HIDEBOH(4/2以外の回出演)他
■演奏:上柴はじめ 奥田 弦 他