吉本新喜劇が笑いで東京に斬り込む第2弾!『小籔座長東京公演 2015』 小籔千豊インタビュー
撮影/岩田えり
小籔座長率いる吉本新喜劇が、笑いを武器に東京の演劇界に斬り込む!
その公演の第2弾が、8月に池袋のサンシャイン劇場で上演される。昨年の六本木・俳優座劇場での成功をベースに、今年は倍以上のキャパへの挑戦だ。
吉本新喜劇の座長の1人となって10年目、テレビでは独特のキャラですっかり人気者となった小籔千豊だが、ホームグラウンドである新喜劇への思いは深い。今回の東京公演をさらにグレードアップすべく戦略を練る小籔座長に、吉本新喜劇とその笑いについて聞いた。
撮影/岩田えり
今回もやっぱり震えがきています
──昨年6月の東京進出第1弾は大成功でしたね。
お客さんがきてくれるか心配で、社員とガタガタ震えてましたけど(笑)、おかげさまでも完売して、新喜劇を見たことのないお客さんも沢山来てくれて、やってよかったなと。東京で毎年、演劇専門の格式のある劇場でやらしてもらうことで、まだ観たことのないお客さんに1回でも観ていただけたらと思って始めたことなので。
──最初が俳優座劇場というチョイスに、東京の演劇界に斬り込む決意が表れていました。
劇場主さんが寛大な心で貸してくださって、有り難かったです。周りから「ようやらしてくれたな」とか、さんざん突っ込まれましたから。でも打ち上げでうちの最高齢の桑原和男という大先輩が「小籔、ありがとな」と。あんまりそんなこと言わない人なんです。「まさか俳優座でできるなんて長生きしてよかったわ」と言ってもらって、少しは先輩孝行できたかなと。
──今回のサンシャイン劇場も、演劇ファンにはお馴染みの小屋ですね。
そういう劇場に付いている演劇ファンの方が、「ここで吉本新喜劇がやるんか」と思って来てくだされば。やはり観ていただかないことには始まりませんから。といっても、劇団も劇場も群雄割拠の東京の演劇界に、そんなに簡単に僕らの入る隙間はないとは思いますが。
──でも笑い専門の舞台は少ないですから。小籔さんは座長になって10年目ですが、着々と東京での地歩を築いて、戦略家だなと。
座長というのは名前だけで班長みたいなもんですが(笑)、50年続いている劇団でそういう立場をやらせてもらう以上、ラクしたらだめというか、先人の方たちが積み上げてきたものをただ引き継ぐだけでなく、劇団や劇団員の成長を考えないとと思っているんです。そのためにも東京進出は必要だし、それも有名な劇場でと6年くらい前から言ってました。でもなかなかやらせてもらえなくて。そりゃそうなんです。僕のこと誰も知らない状態では相手にしてもらえませんから。今は東京のテレビにも少しは出していただけるようになって、会社も「やったらいい」と。でも去年はうまくいきましたが、今回は倍以上のキャパですからね、またガタガタ震えがきてます(笑)。
お客さんがきてくれるか心配で、社員とガタガタ震えてましたけど(笑)、おかげさまでも完売して、新喜劇を見たことのないお客さんも沢山来てくれて、やってよかったなと。東京で毎年、演劇専門の格式のある劇場でやらしてもらうことで、まだ観たことのないお客さんに1回でも観ていただけたらと思って始めたことなので。
──最初が俳優座劇場というチョイスに、東京の演劇界に斬り込む決意が表れていました。
劇場主さんが寛大な心で貸してくださって、有り難かったです。周りから「ようやらしてくれたな」とか、さんざん突っ込まれましたから。でも打ち上げでうちの最高齢の桑原和男という大先輩が「小籔、ありがとな」と。あんまりそんなこと言わない人なんです。「まさか俳優座でできるなんて長生きしてよかったわ」と言ってもらって、少しは先輩孝行できたかなと。
──今回のサンシャイン劇場も、演劇ファンにはお馴染みの小屋ですね。
そういう劇場に付いている演劇ファンの方が、「ここで吉本新喜劇がやるんか」と思って来てくだされば。やはり観ていただかないことには始まりませんから。といっても、劇団も劇場も群雄割拠の東京の演劇界に、そんなに簡単に僕らの入る隙間はないとは思いますが。
──でも笑い専門の舞台は少ないですから。小籔さんは座長になって10年目ですが、着々と東京での地歩を築いて、戦略家だなと。
座長というのは名前だけで班長みたいなもんですが(笑)、50年続いている劇団でそういう立場をやらせてもらう以上、ラクしたらだめというか、先人の方たちが積み上げてきたものをただ引き継ぐだけでなく、劇団や劇団員の成長を考えないとと思っているんです。そのためにも東京進出は必要だし、それも有名な劇場でと6年くらい前から言ってました。でもなかなかやらせてもらえなくて。そりゃそうなんです。僕のこと誰も知らない状態では相手にしてもらえませんから。今は東京のテレビにも少しは出していただけるようになって、会社も「やったらいい」と。でも去年はうまくいきましたが、今回は倍以上のキャパですからね、またガタガタ震えがきてます(笑)。
撮影/岩田えり
笑いの密度の高さではどこにも負けない
──小籔さんは新喜劇を古典にしたくないとよく話していますが、お客様は定番を観たい、そこのジレンマはありませんか?
食べ物の話で言いますと、タコ焼きはソースの美味しさで食べてると皆さん思っている。でも生地というか粉の部分が本当は好きなんだと思います。僕はその生地にたまには醤油をかけたり、出汁で食べたりしてみようよと。伝統の部分は踏襲していかないといけない。でもそこに陥ってしまっては成長がない。伝統7割で新しいこと3割、いや、最近は4割伝統で6割新しいくらいの気持ちが必要かなと。今回も、大阪で観ていた人にも楽しんでいただけるもので、東京のお客さんにも受けるような、どちらにも重なりそうな台本を持ってきました。ただ、大阪でいつもやっているようなお馴染みギャグはあまりないと思います。お馴染みギャグを捨てるのはすごい恐いんですけど、勇気を出してそうすることでバリエーションが増えていくので。
──小籔さんのめざす「吉本新喜劇の笑い」というのは?
うちは50分とか1時間のなかで、5分に1回以上は笑わせます、笑いの密度の高さではどこにも負けないと思います。「絶対にわらかそう」とし続ける姿勢、それをみんな持ってますから。それは先輩たちから引き継いだフォーメーションや技術があるおかげで、そこは大事にしていきたい。そして最終的には「お客さんも劇団の先輩も劇団員もみんなが喜ぶ」、それが僕が新喜劇で一番やりたいことだし、そこを目指しているんです。
──小籔座長はプロデューサーで構成作家で演出家で、しかも役者もして、たいへんですね。
いや、みんなの協力がありますので。最悪僕がスベリ倒してもなんとかできるオモロイ人間がいますので、そこを信頼できるのが吉本のよさなんです。ただ、僕はできる子しか使いませんし、そこは厳しいです。今回も優秀な一軍メンバーと優秀な先輩と一緒に来ますので、ほぼベストメンバーでやらしてもらいます。絶対にオモロイですから。「皆さん、来てや!」(笑)。
撮影/岩田えり
こやぶかずとよ○大阪府出身。01年、吉本新喜劇に入団。04年、NHK朝ドラ『わかば』に出演。06年、吉本新喜劇の史上最年少座長に就任。03年よりレイザーラモンとヒップホップユニット「ビッグポルノ」としても活動。08年から音楽と笑いを融合したフェス『コヤブソニック』を主催。11年に「東京にも新喜劇を広めたい」との思いから、東京吉本へ移籍。新喜劇の舞台のほか、テレビのバラエティからドラマ、映画と幅広く活躍中。
〈公演情報〉
吉本新喜劇
『小籔座長東京公演 2015』
出演◇小籔千豊、 島田一の介、松浦真也、若井みどり、浅香あき恵、宇都宮まき、酒井藍 ほか
日替わりゲスト◇博多華丸・大吉、宮川大輔 、中村アン、矢野・兵動、中川家、COWCOW、千鳥、ピース、平成ノブシコブシ
●8/18~22◎サンシャイン劇場
〈料金〉大人/前売¥5,000 当日¥5,500 中人/前売¥3,000 当日¥3,500(全席指定・税込)
〈料金〉大人/前売¥5,000 当日¥5,500 中人/前売¥3,000 当日¥3,500(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉 0570-550-100(10:00~19:00)