Equalがデビューからの1年で観たこと、感じたもの――1stフルアルバム『REASON』を語る
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Equal
インターネット上を中心に活動していた「りょーくんと164」が、Equalと銘打ちバンドとしてスタートを切ってから間もなく一年。シングルのリリースや数々のライヴへの出演、ツアーを経て、2人が観たもの、感じたこと、自分たちに足りないものと優れている部分……それらを注ぎ込んだ1stフルアルバム『REASON』のリリースとそのあと行われるツアーを控えたこのタイミングでSPICEに初登場してもらった。この1年を振り返りながら紐解かれる2人の成長と見据えるヴィジョンに触れてほしい。
──4月6日に1stフルアルバム『REASON』をリリースされますが、現在はまさにその制作中とのことで。
164:そうですね。レコーディングはすべて終わって、今ミックス作業中です。
──最後の追い込み中ですね。そもそもなんですけど、2ndシングル「The wrong way」の通常盤にも「REASON」というタイトルのインストを収録されていましたよね。
164:これはネタバレになっちゃうかもしれないので、どこまで言っていいのかわかんないんですけど……。
RYOTA:いいんじゃない?(笑)
164:じゃあ(笑)、1stシングルとしてリリースした「SCAPE」ができるもっと前から、「REASON」はすでにあったんですよ。でも、それはとりあえずストックにしておいたんですけど、理由のひとつとして、イントロが超長いっていうのがあって(笑)。
RYOTA:1分半ぐらいあってね。
164:曲としては、幻想的な感じから始まって行くんですけど、いきなりそれは……って思ったんですよね。ちょっと長すぎるんじゃないかと。でも、そのイントロ部分をライヴのオープニングSEとして使おうか?っていう話になったんですよ。それから尺を調整して、SEとして使っていた音源ということで2ndシングルに入れたんですけど、今回のアルバムには元々の形としてあったフル尺の「REASON」を収録するっていう。
Equal
──なるほど。曲自体はかなり前からあったんですね。
164:そうですね。むしろ最初に作ったのかな……いや、一番最初は「I'm here」か。
RYOTA:ほんとに? 「REASON」のほうが先じゃなかった?
164:いや、「I'm here」は最初に2週間で3曲作ろうっていうことになって、それを渡した直後に「REASON」ができたんだよ。
──ほぼタッチの差ぐらいの感じだったんですね。アルバム制作に向けてイメージしていたものはありますか?
RYOTA: Equalの結成を発表したのが4月12日だったので、1年ぐるっと回っての成長が見える1枚になればいいなと思ってました。
164:僕は1曲だけ、日本語タイトルの「ある意味で変な曲」があって……。
──「時間」という曲ですね。
164:そうです。アルバム自体は今まで通りラウドロックであり、まぁ広く言えばロックを軸に制作しているんですが、この曲だけは原点回帰といいますか。「りょーくんと164」だった頃をイメージして曲を書きました。
──Equalとしては、お話に出たラウドロックであり、エモ/スクリーモをメインに楽曲を制作されてましたけど、原点回帰をしてみようと思ったのはどういうところからですか?
164:可能性を探るというのが一番大きいかもしれないですね。今までそういう音楽ばかりというか、よく言えば筋の通ったことをやってきたんですけど、他のことをやってみたらどういうリアクションが来るのか試してみたかったんですよ。僕としては、この曲がアルバムで一番気に入ってますね。
──RYOTAさんとしては、それを受けてどう思いました?
RYOTA:やっぱり懐かしい感じがしましたね。すんなり身体に入ってきたし、新鮮な気持ちというよりは、本当にあの頃の気持ちで表現した一曲になりました。なので出来上がりはすごくいいものになるんじゃないかなと思いますね。
Equal・RYOTA
──楽しみにしています。4月12日に結成を発表して、8月に新木場STUDIO COASTでデビュー記念ライヴが行なわれたわけですけど、当日ライヴを拝見していて、すごく緊張されているのかなっていう印象があったんですが。
RYOTA:緊張していたというより、そのときにできる精一杯をやったけど、自分が持っているものとか、できることが単純に少なかったんですよね。だから、映像とかは……ね?(笑)
164:観たくないね(笑)。僕もまったく同じかもしれないです。曲数も選んだわけではなくて、今ある手持ちの曲を並べて、その中でできることをやったから、まさにできることが少なかったし……まぁ、観たくないですね(笑)。
──でも、今観たくないということは、確実に成長をしている証拠だと思うんですが、スタートした当初と今で感じる変化というと、どんなものがありますか?
164:一番変わったのはそれこそライヴかなと思いますね。
RYOTA:うん。変わった。
164:最初は(RYOTAが)政治家みたいなMCをしてたのが、だんだん人殺しみたいなMCをするようになったというか(笑)。ちょっと極端に言いすぎましたけど、でもまぁそういう方向に変わって行ったっていう。それに付随して、バンドもライヴバンドとして成長して行ったんじゃないかなと思います。やっぱりライヴを進行する中心はボーカルなので。
──RYOTAさんとしては、活動当初のMCは、それこそ政治家的というか、事前に考えてきたことを読み上げる、みたいな感じだったんですか。
RYOTA:キレイに曲に入らなければいけないとか、ここでこれを言わないと成り立たないとか、いろんなことを考えながらやっていたんですよ。あとは、前職のときにやっていたようなことをしちゃいけないだろうって思いながらも、それをちょっともじったようなMCになっていたりもしていて。でも、去年の9月から対バンツアーをしたんですけど、一発目にやった横浜Club Lizardから、11月にやったファイナルの渋谷 CLUB QUATTRO(「Equal LIVE TOUR 2015 -Introduction-」)とでは、全くの別人になってたと思います。目に見えて自分にできなかったことができるようになった。
──たとえばどんな部分ですか?
RYOTA:『REASON』にも収録される「mask」をやる前に、最初の頃はMCをしてたんですけど、それがかなり苦しくて(笑)。上手にもっていけなくて悶々としていたんですけど、今年に入ってROOKiEZ is PUNK'Dのツアーサポートでライヴに出させてもらったときに、久しぶりに「mask」の前でMCをしたら、グっと曲の説得力があがる言葉を話せるようになったなと思いましたね。なにも考えていなくても、口も身体も動くというか。
164:「mask」はバラードなので、ボーカル的な立場からすると一回流れを落とした後にもう一回アゲるっていう作業は結構しんどいだろうなと思ったんですよ。そういうのもあって、去年のツアーの後半は「mask」をど頭にやっていたんです。それはそれで良かったと思うんですけどね。でも、久々にセトリの真ん中に「mask」を入れたら、それが良くて。
RYOTA:その日はお客さんにもかなり言われたんですよ。MC云々ではなく、“今日の「mask」は心にきました”って。というのも、対バンしたバンドの先輩に助言をいただいたことがあったんです。“自分達のお客さんは曲を聴いてきているから、ライヴではそれと同じことをやれば同じものになるけど、事前に曲を聴いていてもできないことは、MCを聴くことだ”と。MCをちゃんとキメることによって、曲の説得力があがるから、ライヴはMCで作るものだって教わったんですけど。それができたんだなっていう実感が、がっつり沸きましたね。
Equal
──まさにできなかったことができるようになったと。フロアの変化も、最初の頃と比べて起きてきたりしていますか?
RYOTA:そうですね。渋谷 CLUB QUATTROは地獄絵図みたいになってました。
164:そうだね(笑)。
RYOTA:いい眺めでしたよ。後ろのほうに暴れたい人達がかたまって、それに押されて前のほうの人達が苦しそうな感じになっていると、僕の中の閻魔様が笑いますね。
──ははははは(笑)。お客さんも、より感情を爆発させるようになっていった?
RYOTA:そうかもしれないですね。今までも動くお客さんはいっぱいいて、頭を振ったり、縦に飛んだり、決まった動きをすることが多かったんですけど、最近は横の動きが増えてきたなと思って。
164:そうだね。ライヴを経て行くことで、だんだん地獄絵図になっていきました。
RYOTA:うん。去年の9月は関東近郊でいいバンドさん達と対バンしていくことで、いろんなものを吸収していて。苦い思いをしながらでしたけど、それでもどんどんできることが増えていって、10月に新潟に行ってから東北をまわったんですけど、その辺りからちょっとずつ変わって行ったんですよ。
──ちなみに、新潟のメンツはヒステリックパニック、打首獄門同好会、MELLOWSHiP。めちゃくちゃ濃いですね。
164:全部色濃いのに全部違うっていう(笑)。
RYOTA:でも、この新潟で確実に変わったんですよ。Equalとして周りをしっかり見られるようになったのはこの辺りからだったと思う。
164:うん、僕もそう思う。関東近郊をまわっているときは、それこそ“吸収しなきゃいけない”って思ってたんですよ。それに、Equalとしての実績がゼロの状態ですごいメンツとライヴをし始めたので、いきなりすごい中に飛び込んでポツンとしちゃったから。これからラウドシーンでやっていくにあたって、早くみんなの仲間にならなきゃいけない、この中に溶け込まなきゃいけないっていう心境になっていて。でも、それだとたくさんいるバンドの中のひとつになってしまうっていうのを、てんでバラバラでめっちゃ色濃いバンドが揃っていた新潟で思ったんですよね。溶け込むんじゃなくて、むしろ自分達のカラーをしっかり定めなきゃいけないんだなって。
RYOTA:そうそう。周りに順応しよう、じゃなくて、順応させようっていうふうにシフトしていった気がします。自分達の武器がなんなのかっていうのをしっかり考え始めたのもこの時期でした。そういうことに気づいた以降も打ちのめされたことは何回もあったんですけど、全部楽しかったですね。
Equal・164
──そのなかで、Equalの武器はなんだと思いました?
164:それが現時点で形にできているのかいないのかは別として、僕が思うEqualの武器は、RYOTAの歌唱力と、僕のギターのテクニックだと思っているんです。本気出したら誰にも負けないと思っているので。
RYOTA:うん、間違いない。同じこと考えてましたね。ライヴが終わって、いろんなことを考える余裕が出てきてから振り返ってみたときに、ギターうまいなとか、歌うまいなって思うことがあったんですよ。まぁ、自分で言うのもなんですけど(笑)、でも、そう思えるようになっていったんですよね。
──ライヴを重ねることで成長であり、自分達の芯を作りあげてきたわけですが、4月に東名阪クアトロツアー『Equal LIVE TOUR 2016 -REASON-』を行なうことを発表されていて。先ほどお話にあがったROOKiEZ is PUNK'Dや、前回のツアーにも参加したALL OFF、Another Storyなどが出演されますけど、どんなツアーにしたいですか?
RYOTA:アルバムを出すことによって、ライヴの内容が確実にガラっと変わるので、新しいライヴを作れることがすごく楽しみですね。対バンにも刺激を与えつつ、与えられつつの、いい東名阪ツアーになればいいなと思います。
──ちなみに、原点回帰をイメージした「時間」はどんな作用を起こしそうですか?
RYOTA:なんか、そこは完全孤立で考えてますね。
164:うん。そうだね。別物というか。
RYOTA:ツアーでやりたいなとも思っているけど、でもこの曲はワンマンのときにやろうかなとか。そのタイミングは今まさに考えている最中です。
──わかりました。164さんはいかがでしょうか。東名阪ツアーに関して。
164:まだ僕らが観るに絶えない状態だったときからライヴに来てくれていたお客さんもいたんですよね。そういう人達にも満足してもらいつつ、初めて見た人も満足出来るようなものにしないといけないなと思っていて。『REASON』の曲達がライヴに組み込まれて行くことによって、それができるんじゃないかなと思います。
RYOTA:でも、ライヴもそうだけど、このアルバムの反応が何よりも欲しいものだったりもしますね。みんなは何を欲しがっているんだろう、このアルバムで目をつけてくれた新しい人達は、何に魅かれてやってきたんだろうって。それこそ1stアルバムなので、そういういろんな声を聴いてみたいですね。
撮影=大塚秀美 インタビュー・文=山口哲生
Equal
REASON[限定盤]
限定盤
Jacket Design:tsukasa
2016.04.06
Equal-0001\2,778(本体)+税
■CD収録情報
01. REASON(Album ver.)
02. The wrong way
03. up to you
04. SCAPE
05. a scheming man
06. 時間
07. ignorance
08. migratory
09. lies
10. take me out
11. mask
12. I'm here
※順不同
※収録曲は変更となる場合がございます
【特典情報】
■DVD付きの2枚組仕様!
※特典内容は変更になる場合がございます。
※特典は数に限りがあり無くなり次第終了となります。
※特典は一部店舗を除きます。 ※特典は非売品です。
■DVD収録内容
ライブ・リハーサル風景など
オフショット収録予定!
REASON[通常盤]
通常盤
2016.04.06
Equal-0002\2,315(本体)+税
Equal LIVE TOUR 2016 -REASON-
4月10日(日) 渋谷 CLUB QUATTRO
[出演]Equal w/ ALL OFF / But by Fall / ROOKiEZ is PUNK’D / and more…
16:30 / 17:00
DISK GARAGE
050-5533-0888
http://www.diskgarage.com/
4月16日(土) 名古屋 CLUB QUATTRO
[出演]Equal w/ Another Story / and more…
16:30 / 17:00
サンデーフォークプロモーション名古屋
052-320-9100
http://www.sundayfolk.com/
4月17日(日) 梅田 CLUB QUATTRO
[出演]Equal w/ Another Story / and more…
16:30 / 17:00
サウンドクリエーター
06-6357-4400
http://www.sound-c.co.jp/