ボードゲームに恋して~ROUND:11
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ゲームマーケット2016神戸 (c)DEAR SPIELE
「第2回:日本最大のボードゲームイベントに"取材です"と言い切って潜入してきました」
#ゲームマーケット2016 神戸
前回のコラム「日本最大のボードゲームイベントに"取材です"と言い切って潜入してきました」から早3ヶ月・・・よもや次の更新が同じタイトルとなるとは思ってもみませんでしたが、人生とは、かくも数奇な運命のアンチクショウ。今回もボードゲームの祭典「ゲームマーケット」のレポートと相成りました。
ただ、前回と違って今回は「神戸」で開催されたゲームマーケットのレポートです。
関西のゲームマーケットは年に1回。関東とはまた違った盛り上がりもあるかと思いますので、その辺りを少しだけ、ほんの少しだけ意識して取材してきました。
そんな感じで、神戸ゲームマーケットのレポートスタートです!
>>アクセス良し!三宮よりモノレールで10分
ゲームマーケット神戸の会場はJR三宮駅よりポートライナー(モノレール)で10分の「市民広場駅」の本当に目の前!東京のビッグサイトに比べると市街地から近く、空港からも近く、会場となる建物は最寄り駅からも近い好立地です。
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イベントの開始は午前10:00。
準備段階から取材すべく8時前には会場に着きましたが、既に会場近くにはゲームマーケット恒例(?)の一般入場の待機列が出来ていました。
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東京の同時間帯に比べれば少な目でしたが、それでも100人以上の行列。先頭の方は大体5時くらいから並んでいるとのこと。先頭の方に目的を聞いたところ、一番の目的はホビージャパンが数量限定で販売を予定している「メガシヴィライゼーション」で、次にトリックプレイの輸入ゲームを買いに行くのだとか。ゲームマーケットは近年、インディーズゲームが賑わっている印象がありますが、まだまだ輸入ゲームの需要の高さも健在ですね。
その後、開場前には待機列は1,000人以上まで増えたとのこと。東京に負けない盛況っぷりです。
>>関西はスロースターター?
例のごとく取材腕章を受取り、会場に入ってみるとまだ準備が始まったばかりということで会場はスッカラカン。
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参加者の方に伺うと、前回と比べて3倍くらいの広さになっているとのこと。
通路も広く作られており、会場の拡張と共にスペースを広く配置している印象を受けました。
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出店者入場開始から1時間半経過でこんな感じ。
開場30分前にして、まだ影も形もないブースもちらほら。一般入場の待機列もそうでしたが、出展ブースも集まるのが遅めな印象を受けました。関西はスロースターター?のんびりしていてこれはこれでよいかと。
>>午前10:00開場......雪崩れ込む人と人
ギリギリから準備しているブースも多く、取材もそこそこでしたが気づけば開場時間間近。
開場直後の絵を撮るために急いで入口付近にて待機していると、ほどなく10時の開会のアナウンスと共に入場が始まります。
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程なくいっぱいになる会場。広々としていた通路が人で溢れて歩くのもままらないほどになりました。
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行列もいくつか出来ており、長い行列の先は、レアな中古ゲームや独特の品ぞろえが光る「DDT」や、こちらも独特の新作ラインナップを揃える「トリックプレイ」、海外のクラウドファウンディングで資金を集めセルフリメイク作品「IKI : A Game of EDO Artisans」を展開する「Imagine Games」辺り。
右も左も会場直後は東京も関西も変わらない熱さがありました。
>>ゲームマーケット神戸のみ出展のサークルの数々
元々は東京でのみ開催されていたゲームマーケット。神戸など関西で開催されるようになったことで「東京には行けないが関西なら」というご当地サークルの参加がある点も、ゲームマーケット神戸の魅力のひとつです。
そんな「関西のみ」のサークルもいくつかご紹介します。
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大阪長堀橋に店舗を構える「ボードゲームショップ DDT」は絶版輸入品はもちろん、他の店舗では並ばないような稀有なラインナップを並べることで有名な店舗で、ゲームマーケットには初参戦。店長の「ちむ氏(写真)」曰く、「DDT(ラインナップが)あたまおかしい・・・と思ってもらいたくて参戦しました」とのこと。行列が絶えなかったことから、品揃えからコスプレまで「奇襲」が上手く行っていた印象です。
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こちらは会場の近く、神戸三宮に店舗を構える「トリックプレイ」
訪れた際は既に商品はほとんど売れてしまっていた人気店。DDTが「奇襲」なら、こちらは「正攻法」で、どこよりも早く話題作を入荷してユーザへ届けるスタイルで支持を得ています。この日も開場から長い行列を作り、店長(写真)が和訳したルールやシール付きの新作・話題作が瞬殺されていました。
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関西を拠点に「ひよこドリップ」など、独創的なゲームを制作している「賽苑」は、新作、2人用ギャンブルゲーム「ペアネコ」を頒布。賽苑の仲西氏曰く「ネコが好きなので、とにかくネコのゲームが気になる」と語る大のネコ好き。作品にもネコ好きが反映されていました。(写真はなぜかブースのお手伝いをしていた「けがわ氏」。けがわ氏は自身の製作したゲームも委託販売していました)
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たった5秒で犯人の顔を覚えて似顔絵を描く「お絵かき探偵」を制作している「ジョイントゲームファクトリー」もゲームマーケット神戸のみ出店しているサークルのひとつ。
写真のような遊び心満載の「顔ハメ」を用意し、来場者に記念撮影を促していました。今回の新作は2人用ゲーム「魂落っち」。2セット買うと4人でも遊べるとか?
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手作りのボードゲームにこだわる「たなごころ」は新作試作の展示と体験プレイでの出展。その手作りコマは独特でゲームのファンも多いのですが、いかんせん量産が出来ないということでなかなか関東では手に入らないレアゲームとなっています。
「手作りになぜこだわるのか?」と質問したところ、代表の吉岡氏(写真)曰く「こだわりがあるというより、ゲームにあったコマを用意したいと考えたら手作りになっただけ」とのこと。
なんとも柔らかい物腰の吉岡氏でしたが、1本強い芯が通っているという印象を受けました。
>>東京でもお馴染みのあのサークルは関西発だったり
東京のゲームマーケットでも見かけるサークルの中にも、元々関西のサークル(企業)が多々あります。
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「TANSANFABRIK(タンサンファブリーク)」のレーベルで有名な企画・デザイン会社「タンサンアンドカンパニー(株)」は、京都に事務所を構える関西の企業。会場随一の華やかさを放つ女性スタッフと共に、自社が企画やデザインを手がけたゲームを頒布していました。
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先日グループSNEより発売された「ゾンビタワー3D」の作者「宮野華也氏」も関西在住のデザイナー。自身のサークル「MoBGAMES」として東西問わずゲームマーケットの常連。
宮野氏の作品は必ずしも装丁にこだわっておらず、アイディア勝負で売ってやるという姿勢が見えます。こういうインディーズ感も最近薄れてきたので、ある意味貴重なサークルです。
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「枯山水」で一世を風靡した「山田空太氏」が代表を務める「Imagine Games」は、海外のクラウドファウンディングで資金を集めて製作した自身のゲームのリメイクとなる「IKI : A Game of EDO Artisans」を「UTSUROI」のレーベルで頒布。江戸の長屋に暮らす職人達を中心に、「粋に生きる」ことを目標とする作品ですが、純和風テイストのゲームながら内容はガッツリやりごたえのあるユーロゲームとなっていて、世界と勝負できるゲームがついに出てきたな!と感じました。
>>関西のお客さんはゲームをじっくり吟味して買われていく
他にも気になる企業ブースやサークルさんをざっとご紹介。
出来る限り、前回東京のゲームマーケットを紹介した際に紹介しきれなかったところを中心に回ってきました。
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ゲームマーケット東京 2015秋にて、惜しくも出展を逃した「ASOBI.dept」は関西のゲームマーケット初出展。新作は、光と色の三原色の闘い「トリコ」、もちろん、「タモリ倶楽部」で紹介された「カッパたん」も少数ながら頒布されていました。
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ブースにいた「あやの氏」に来場者の傾向を聞いたところ、「東京よりブースに立ち寄って話を聞いてくれる印象がある」「チラシなども積極的に受け取ってくれる」とのこと。コミュニケーションという点で東京との違いを顕著に感じている様子でした。
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サークル「EJIN研究所」は、ゲームマーケット東京2015秋でも頒布していた「ヌシも悪よのう」をコスプレしながら説明するお馴染み(?)のスタイル。コスプレのインパクトは強烈で、常に人だかりが出来ていました。写真を撮るのも一苦労!
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ポッドキャスト配信でお馴染みの「いかが屋」は今回単独出展。パーソナリティーの「りにょり氏」は良く目立つメイドコスプレ。
新作のパンを焼くワーカープレイスメントゲーム「パンパカパン」は売れ行きも好調とのこと。コスプレ強し!
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名古屋からの出張組、ボードゲームショップ「バネスト」の中野店長。
関西と東京のゲームマーケットで違いは?と尋ねたところ、「関西のお客さんはゲームをじっくり吟味して買われていく」とのこと。東京のように開幕ダッシュで買いたいものだけ買ってすぐ帰るのではないらしいです。確かに知り合い限定で考えても、帰ってしまう人は少なく、そして、来場客の手荷物を見る限り、買い物に急いでいるという印象も受けませんでした。
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こちらも名古屋から参戦の「ヘムズユニバーサルゲームズ」
ロシアなどで遊ばれている面白いゲームを見つけて発日本語にローカライズしている同社は、ゲームマーケット東京2015秋でも好評だった「会話でスパイを特定していくコミュニケーション推理ゲーム」の傑作「スパーフォール」をメインに展開していました。これからの展開にも期待です。
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その可愛いイラストについ引き寄せられてしまうゲーム「ねこばば」を頒布していた「river games」。
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「このゲームはどんなゲームですか?」と訊くと、「ババぬきです!」と即答する潔さ。実際プレイしてみたところ、おっしゃる通り「ババ抜き」で(笑)+特殊な能力を付加して、能力を上手く使いながら早上がりをめざすゲームでした。手軽で可愛くて、インディーズ市場ならではの作品という印象です。
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お酒を飲みながら是非楽しみたい「逆ウミガメのスープ」ともいうべき新作ゲーム「黄金体験(ゴールドエクスペリエンス)」を引っ提げて参戦していた「リトルフューチャー」。こういったコミュニケーションゲームや大喜利ゲームは関西の方が食いつきがよいらしく、黄金体験も興味をもった来場者が積極的にのぞき込んで説明を受けていました。
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主催であるアークライトのブースには、今後「日本語版」として発売を予定しているラインナップがずらり。
個人的にはキックスターター案件の「「Between Two Cities」が日本語版となって出てくれるのは嬉しいところ。
それぞれの発売時期や仕様についてはまだ未定とのことなので、続報が期待されます。
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ホビージャパンのブースは恒例の「はずれなしクジ」に長蛇の列。
一般入場の先頭に居た方が「一番の目当て」と言っていた「メガシヴィライゼーション」も完売したようで、イベントの購買力の強さを見せつけられた想いです。
他にも本当にたくさんサークルさんはありましたが、なかなか全部は見きれず。
また次回の楽しみにしたいと思います。
>>ボードゲームは遊んで貰ってなんぼ
各物販ブースにも試遊卓は設けられていますが、ふらっと会場に立ち寄ったもっとライトな層やファミリー層に「とりあえず遊んで貰う」ための施策が、ゲームマーケット神戸でも随所に盛り込まれていました。
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アークライトのブース横では、「レッド・ドラゴン・イン(日本語版)」の試遊卓が設けられ、このゲームの日本語訳を担当した「カナイセイジ氏」自らルールを説明するサプライズあり。カナイセイジ氏はゲームデザイナーとしても活躍しており、ライトゲーマーならずとも、ファンには堪らない体験になったのでは?
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世界のボードゲームを広める会「ゆうもあ」は、厳選したボードゲームを遊んで貰うスペースを展開。また、ゆうもあでは「日本ボードゲーム大賞」の選考を行っており、受賞作品の展示も行っていました。
特に午後の時間は常に満席で、午前中に買い物をしていた来場者たちが、午後にはゆうもあのスペースに腰を据えてゲームに興じている様子でした。
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直接ボードゲームとは関係はありませんが、近年恒例になっていた屋台もあり。混んではいるものの少し待てば座れるペースで人の入れ替わりもあり、昼食を軽く済ますにはとても便利なスペースです。
こういった気配りもユーザを増やす有効な手段だと思います。食事が確保できるだけでファミリー層が格段に参加しやすくなるのではないでしょうか。
>>着実に拡大しているゲームマーケット神戸
今回の来場者数は約3,700名ほどとのことで、これは2012年の春に開かれたゲームマーケット(東京)とほぼ同じ規模。前回よりも広くなった会場も、会場直後は歩き辛いほどの人混みで、着実に関西ゲームマーケットの定着と拡大を感じることが出来ました。
なんとなく感じたことは、とてもゆっくり時間が流れているなということ。
開場直後に殺到するブースももちろんありますが、全体的にゆっくりとしたペースで人が流れていた印象です。
東京は年々規模も大きくなり会場も広くなったため、お目当てのものを買って午前中に返ってしまう人も居れば、会場内を出来る限り回るために急いでいる人など様々な方が居ますが、どちらにしても「急いでいる人が目につく」というのが正直な印象でした。
神戸の雰囲気は近年ボードゲームシーンの雰囲気もありつつ、どこか懐かしい空気もあり、とても居心地の良いイベントになっていたように感じます。
来年も神戸(同会場)での開催が決定しているとのことなので、「東京へ行くのはちょっと遠い」という近県の方は是非、遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
see you :-)