昨年のオスカー女優、男女の賃金格差を訴え仕事を失う
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昨年、『6才のボクが、大人になるまで。』(14)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したパトリシア・アークエットが、受賞スピーチが原因で男女の賃金格差を訴えたことで干されていたことがわかった。
今年のオスカーは、自分が取り組んでいる活動キャンペーンのプロモーションをする場になったとして受賞スピーチが街頭演説になったと揶揄されているが、昨今では、ハリウッドの男女格差を訴えるスピーチをする受賞者は少なくない。
28日に行われた第88回アカデミー賞授賞式で、今年の助演男優賞発表のプレゼンターを務めたパトリシアもその一人。昨年、受賞スピーチで「賃金平等への闘いはもうこれきりにしましょう。アメリカの女性たちは平等の権利を手にする時なのです」と熱弁し、会場の拍手喝さいを浴びた。
しかし、「現状は少しずつよくなっているかもしれないけれど、まだまだね。ボーイフレンドに『このスピーチをしたことで、仕事をもらえ無くなるかもしれないわ』って言ったの。安いギャラなら問題ないけれど、『もっとギャラを払わなきゃいけないなんて、フェアじゃないわ』って怒りだす人もいて、実際にいくつか仕事を失ったわ。私も何かしら手立てを打つべきだったのかもしれないけれど、そういう人たちと働きたいとは思わない」とオスカー会場でのインタビューで、ダイアナ・マディソンに語っている。
ハリウッドで女性が主役の映画が少ないことについては、メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェット、ジュリアン・ムーアがオスカーの受賞スピーチで繰り返し触れているが、彼女らは売れっ子女優である上に、「女性が主役の作品が増えて喜ばしい」と肯定的な発言だ。また、男女の賃金格差についてはジェニファー・ローレンスやエイミー・アダムスも賛同しているが、オファーが殺到していて仕事を選べる一握りの女優たちと、パトリシアの立ち位置は完全に異なっている。
今年の「白すぎるオスカー」は、まずは映画業界の体質改革が必要だと言われているが、まだまだ周囲を取り巻く環境は厳しいものがありそうだ。【NY在住/JUNKO】