「最近のライダー面白いですか?」白倉伸一郎プロデューサーが目指したシリーズの原点回帰――『仮面ライダーアマゾンズ』制作発表会詳細レポ
原点回帰を目指した『仮面ライダーアマゾンズ』発表会レポ
3月18日(金)、東京ドームシティー・シアターGロソにて、4月1日よりAmazonプライム・ビデオで配信開始となる新作ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』が発表されました!
1974年に放送された『仮面ライダーアマゾン』の名前を冠する本作では、野生と養殖という対照的な2人のアマゾンを軸とした物語が展開され、さらになんと4000体ものアマゾンが登場!? 日曜朝8時より放送中の『仮面ライダーゴースト』とは完全に差別化された本作では、ホラー×ハードアクション×人間ドラマという重厚なストーリー作劇と挑戦的な映像が展開されます。今回はそんな本作の製作発表記者会見の様子をお届けします!
【登壇者】
藤田富さん 水澤悠役・仮面ライダーアマゾンオメガ役
谷口賢志さん 鷹山仁役・仮面ライダーアマゾンアルファ役
武田玲奈さん 水澤美月役
東亜優さん 泉七羽役
白倉伸一郎さん 製作プロデューサー/東映株式会社取締役
■「トゲ」を抜かれた平成ライダーに「トゲ」をもたらす! 新生『仮面ライダーアマゾン』誕生
まずは本作の主人公が変身する2体のアマゾンが登場し、怪人との激しいアクションを披露。協力して撃退したと思いきや今度は互いに戦い始めるなど、本編での関係を暗示しているかのよう。
ミニヒーローショーを終えると、いよいよ制作発表記者会見がスタート。
まずは本作でプロデューサーを務める東映・白倉伸一郎さんが登壇すると、開口一番「最近のライダーは面白いですか? 個人的には、ここ数年あまりおもしろいと思っていないんですよ」という衝撃的な発言が飛び出しました。
東映 取締役という立場でありながら、一人のライダーファンとして次のようにコメント、「元の『仮面ライダーアマゾン』は、放送から42年も経ったいまもシリーズ最大の異色作と呼ばれています。これはいかがなものかと。45周年という節目を迎えたいまもアマゾンより挑戦的なものを作れていない、というのが現状の仮面ライダーシリーズなのだと思います。『仮面ライダークウガ』や『仮面ライダーアギト』でやれたようなことが今は出来ない。『仮面ライダーアマゾン』というシリーズが誇る最も意欲的な作品の力をお借りして、トゲを抜かれてしまった『仮面ライダー』シリーズにもう一度トゲをもたらしたいと考えています」と本作品にかけるクリエイターとして思いを語りました。
白倉さんからの挨拶が終わると、続いて『仮面ライダーアマゾンズ』に登場する2人の仮面ライダーとそれぞれを支えるヒロインを演じる、藤田富さん(水澤遥/仮面ライダーアマゾンオメガ役)、谷口賢志さん(鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ約)、武田玲奈さん(水澤美月役)、東亜優さん(泉七羽役)が登壇。会場の盛大な拍手がキャストを迎えます。
まず初めにキャスト陣への質問から。思い出に残っている仮面ライダーは、という質問に藤田さんは「僕は小学生の頃に観た『仮面ライダーアギト』が思い出の仮面ライダーです」といい、これにはアギトにプロデューサーとして携わっていた白倉さんもニヤリ。つい先日、『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』を観たばかりだという藤田さんは「作中で司令塔の女性(演:藤田瞳子さん)が氷川誠(演:要潤さん)に言った“氷川誠として戦いなさい!”という言葉が印象に残っているので、僕も水澤遥として全力で演じたいと思います」と意気込みを語った。
17年前にスーパー戦隊シリーズ『救急戦隊ゴーゴーファイブ』でゴーブルー/巽流水役でデビューとなった谷口さんは「僕が戦隊をやらせていただいてた頃、その最終回の撮影をしているときだったと思うんですけど、撮影所の端になんか凄いセットが出来上がっていてそれが事故みたいに燃えてるんですよ(笑)。それが『仮面ライダークウガ』の撮影で“ライダーが復活するとあんなことやらせてもらえるんだなぁ”と、僕ら救急戦隊だったのにあんなに燃やしてくれたことなくて、ちょっと悔しかったのは覚えてます」と当時の心境を明かした後、「しかし、今回このような作品に出させて頂いて、しかも仮面ライダーに変身できるということで、凄く感謝しています」と出演の喜びを語りました。
今回出演が決まるにあたり1974年に放送された『仮面ライダーアマゾン』を見たという武田さんは「凄い野性的で、変身ポーズも可愛くてビックリしました」とコメント。女性目線から見ても特別怖いと感じることはなかったようで、「凄く楽しんで見ることが出来ました」と過去作品の魅力を紹介。
これまで仮面ライダーをあまり見たことがなかったという東さんは「私はゲスト出演させていただいた『仮面ライダードライブ』が印象に残っています」といい、「もっと子供向けなものだと思っていたんですが、ドラマがあって大人でも全然楽しめる作品だということを再確認しました」と話した。
本作で“養殖のアマゾン”と比喩される役を演じる藤田さんは「水澤遥は親に管理されて生活している引きこもりなんですけど、自分の中の野生がずっとそれを否定しているんです。それが目覚めて仮面ライダーになったあとも、“自分がなんなのか”ということを常に悩み続けている役なので、最近は僕自身も影響してそんなことを考えるようになってます」とコメント。「迷ってたり自分がなんなのかわからなくなってしまったときに見ていただけると、たくさんのことを感じてもらえるんじゃないかと思っています」と話し、役に深く入り込んでいる様子。
風来坊といった印象の強い役を演じる谷口さんは「一番初めの台本読みのときに監督から“(鷹山仁は)人殺しで、ヒモで、アル中です”と言われたんですよ。僕は“そんなライダーいないと思います”と答えたんですけど、スタッフからは“(鷹山仁を)仮面ライダーとは思わないようにしてください”とおっしゃいまして。“誰が見ているかとか誰に見せるかとかはスタッフが命がけで作っていきますので、あなたは自分の役((鷹山仁))を命がけで演じてください”と、俳優としてはありがたい言葉をいただいたので、人殺しで、ヒモで、アル中を命がけでやれせていただいております」といい、また撮影現場については「凄く挑戦的な現場です。1カット作るごとにスタッフ・キャスト全員が挑戦して撮っているので、毎日が刺激的です」と現場の雰囲気を語りました。
武田さんは「仮面ライダーのヒロインを演じるということで、撮影が始まる前から気合を入れていました」と喜びを語り、「水澤美月はいじめられっ子で自分の殻に篭っているキャラクターなんですけど、自分も似たようなところがあるんです。だからそんな美月と自分を重ね合わせつつ、撮影を頑張っていきたいなと思っています」と自身の演じるキャラクターの魅力を語った。ちなみに、遥と美月は同じ水澤性でありながら、遥は養子としてやってきた子供のため、血の繋がりはない。2人のキャラクターの今後の関係にも期待が高まります。
一方、もう1人のアマゾンである仁サイドのヒロイン七羽役の東さんは、「私の演じる泉七羽というキャラクターは、凄く強くてたくましくてヒモを養うくらいにタフな女性なので、そのパワフルさに負けなように演じていきたいと思います」と役どころを述べ、また仮面ライダーという作品に出演するにあたり「この先も見返していただくことが多い作品だと思うので、集中して頑張りたいと思います」と改めて意気込みを語りました。
そんなキャスト一同の話を見守っていた白倉さん「本当に自慢のキャストです」と誇らしげにいうと「物語は2人のアマゾンが軸になっているんですけど、それぞれのヒロインにも因縁がありドラマがあるので、キャストのみなさんは大変だと思います。映像としてもドラマとしても。挑戦的、意欲的という言葉にすると簡単なんですけど、それぞ実際に肉体で担っていただいて、ありがとうございます」とキャストに感謝を伝えました。
話題は、仮面ライダーシリーズの伝統でもあるアクションとアフレコを経験した感想に。今回がアフレコ初経験となる藤田さんは「僕は変身すると野生に目覚めてしまっているので、猛獣のように戦っているんですよ。ずっと“ヴゥオオ!”とうねり声を上げて戦っているので、メチャクチャ喉やられました」とアフレコ時のエピソードを披露。「アフレコ自体も初経験だったので、いろいろな動物の意識してやらせていただきました」と初経験の感想を語り、またアクションシーンに関しては「僕は引きこもりの役なので変身前はあまり戦わないんですが、片腕だけ変身するシーンで少しアクションをやらせていただいたり、休憩中も外せないので変身した手で珈琲を飲んだり、新鮮な経験をさせてもらいました」新たな見どころと撮影時のこぼれ話を明かしました。
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』でもアフレコ経験のある谷口さんは「今回非常に面白いのが、仮面ライダーという定義が今までとは違った作品になっているため、変身という概念もまた違っているんですよ。僕たちは対照的なアマゾンに変身するんですけど、僕は冷静に話す男を演じているので戦いでも口数が多くないんです。ただ藤田くんは隣で、(たくさんのセリフを)叫んでいるという、ちょっと面白い状態になったりもしましたね」とアフレコ現場の様子を話してくれました。アクションに関しては「この作品では“駆除班”という戦闘のエキスパートたちが出てきて、生身のアクションは彼(藤田さん)の方が多いんですよね。僕たちは後から現れて変身するため、“駆除班”の方々が寒い中朝から晩までアクションしているところに僕がやってきて“アマゾン!”て言って帰るという現場になるわけですね」と話し会場の笑いを誘うと「鷹山仁はとても独特な人物造形されているキャラクターのため、変身後の動きなんかは、スーツアクターの岩山(弘数)さんと話し合って決めました」と話した。キャストとスタッフが一丸となって作り上げた2人のアマゾンがどのような戦いを繰り広げるのか、期待が高まります。
■新情報も続々公開! まさかの商品化も決定!
キャストへの質問は以上となり、ここで改めて本作の紹介が行われました。
タイトルにもある通り、『仮面ライダーアマゾンズ』は二人の仮面ライダーアマゾンが登場する物語。養子として育てられ病弱で体の弱く心優しい「水澤悠・仮面ライダーアマゾンオメガ」と、気持ちがデカく、小さなことにこだわらず、食べるものは自分で狩るというまさに野性の「鷹山仁・仮面ライダーアマゾンアルファ」の「養殖と野生」の対象的な二人が描かれます。
また、平成ライダーシリーズの基盤を作り上げたレジェント達がスタッフで集結。1・2話を担当するメイン監督は『仮面ラーダークウガ』で平成ライダーを作り上げた石田秀範監督。3・4話からはシリーズのパイロットを作り平成ライダーを牽引してきた田﨑竜太監督が担当。脚本は、『仮面ライダー龍騎』『電王』『オーズ/000』と平成ライダーの転機を生み出し、アニメでは『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』などを担当した小林靖子さんが務めることとなります。
さらに本日初公開となる3つの情報が明らかとなりました!
まず初めに、本作『仮面ライダーアマゾンズ』の主題歌が発表となります。
小林太郎さんが歌う「Armour Zone」は、熱く心に響くビートと戦うことの切なさを感じる歌詞が浸透な楽曲となっており、一度聞いた人の心を放さないこと間違いなし! 日本コロムビアより発売となるこちらの詳しい楽曲情報は後日発表となるので主題歌にも注目です。
二つ目の情報は3月26日(土)公開の映画『仮面ライダー1号』とのコラボ企画。入場者プレゼントについているQRコードを読み込むことで、『仮面ライダーアマゾンズ』の限定特別映像が視聴できるとのこと。仮面ライダー生誕45周年を記念したコラボレーションとなるので、ぜひ劇場に足を運び、入場者プレゼントを手に入れましょう!
最後に、バンダイより「DX変身ベルト アマゾンズドライバー」発売が決定となりました!
イベント会場では現物の展示も行われ、スタイリッシュにリメイクされた新たなアマゾンのベルトを見ることが可能でした。
画像では赤く発光しているのが確認できますが、アマゾンアルファ仕様の緑色の発光が出来るかは現時点では不明。こちらの商品は、放送開始となる4月1日に詳しい詳細の発表と受注がスタートとなるとのこと。
最後にキャスト一同、プロデューサーの白倉さんから会場に駆けつけたライダーファンにメッセージが送られます。
藤田さん:水澤遥として、本気でこのキャラクターを演じたいと思っております。どうぞよろしくお願いします! 本日はありがとうございました!
谷口さん:仮面ライダーという日本が誇る作品に最大限の敬意と責任を持ち、今の時代、配信だからできる挑戦をしていきたいと思います。余計なことは考えず、現場では命がけで鷹山仁を演じたいと思いますので、よろしくお願いします!
武田さん:撮影の方も、キャストとスタッフのみなさんで頑張っていきますので、一人でも多くの方に見ていただきたいと思っています。本日はありがとうございました!
東さん:これまでにない革新的な仮面ライダーになると思います。このような作品に携わられて幸せですし、毎日頑張って撮影していますので、たくさん人に見ていただけると嬉しいです。よろしくお願いします!
白倉さん:いろいろ良からぬことも申しましたが、キャスト陣から話が合ったように、考えうる限り最高のキャストとスタッフで全身全霊をこめて挑んだ作品です。現行の作品や過去の作品がどうとかではなく、とにかくカッコいい仮面ライダーであり、面白い物語であり、見る人の人生が変わってしまうような世界を描きました。4月1日スタートですがエイプリルフールではありません、本気です。この『仮面ライダーアマゾンズ』がみなさまのもとに届くことを願っております。本日はありがとうございました。
白倉さんの言葉で締めくくられ、イベントは幕を閉じました。平成仮面ライダーの歴史を作った豪華スタッフが再集結し、再度の原点回帰にチャレンジした『仮面ライダーアマゾンズ』(全13話)は、4月1日よりAmazonプライム・ビデオにて配信開始です。
>>『仮面ライダーアマゾンズ』公式サイト
>>『仮面ライダーアマゾンズ』公式Twitter