VANIRU 耽美でデカダン、様々なサウンドで観るものを踊らせながら真理へと誘う
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VANIRU/撮影=北岡一浩
VANIRU(ヴァニル)は、危険なほど美しく妖艶でミステリアスで、どこまでも浮世離れした存在感を放つLEONEIL(Vo)と、そんな彼に運命的に出会ってしまい、魅せられたYUTO(G)で構成された2人組ユニット。耽美でデカダンなニューロマンティックからモダンエレクトまで、様々なサウンドで観るものを踊らせながら、真理へと誘う。そうした彼らの音楽世界は、時代も人種も性別も超越したところでエッジーな人々を次々と巻き込み、5月18日にミニアルバム『ISOLΛTION』でついにメジャーデビュー。5月23日にはTSTUAYA O-WESTでのワンマンも決定している未知なるVANIRUに、SPICEがついに1stコンタクト!
ステージは、オーディエンスとの波動のやりとり。
意識とか無意識を超えたところにいる。
――メジャーデビューを控えて、いまの心境を聞かせて下さい。
LEONEIL:いままでと変わらないです。曲がデビューするという感覚なので、VANIRUはVANIRUとして、いつも通り。
YUTO:変わるところがあるとしたら、曲がより多くの人たちに届くということなので。いまLEOさんがいった通りです。
――こうして直にお会いしもミステリアスでエキセントリックな雰囲気にまずは驚かされる訳ですが。特にLEOさんはそういうものが際立ってらっしゃって。LEOさんって…地球の人ですよね?
YUTO:ははは(笑)。すごい質問ですね。
LEONEIL:(地球も)宇宙の一つですから。
――ご飯食べたりするんですか?
LEONEIL:ご飯とは?
――えっ、白いご飯とか。
LEONEIL:食べないかな。
――食事はしないんですか?
LEONEIL:食べますよ。
――ウエストとか女性並みに細いので体型キープのために食事制限をされているとか。
LEONEIL:いや。肉食べてますよ。
――普段声を上げて笑うことはありますか?
LEONEIL:それぐらい面白いことがあれば笑いますよ。
――そうですか。では、まずVANIRU結成に至るまでの経緯を教えてもらえますか?
YUTO:はい。ある日、とあるレストランバーに行ったら、混んでて相席になったんです。そのとき、隣りにいたのがLEOさんで。そこで初めて出会って挨拶をしたんですけど。そのときの印象がいままでの僕がまったく出会ったことがない存在で「世の中にこんなにミステリアスな人がいるんだな」と思って。
――いきなりLEOさんみたいな方が隣りにいたら、誰でもそう思いますよね。
YUTO:ですよね? だから、僕もすごく不思議な気分だったんです。その後に彼のデモ(音源)を聴かせてもらったら、LEOさんに会ったときに感じた感覚と同じものが曲の中にもあったので。僕はもっと彼のことを知りたいと思って、導かれるままに彼に着いて行ったんです。そうしたら彼がいきなり「ドイツに行く」というんで(微笑)着いて行ったら、向こうでライヴをすることになったんですね。
――VANIRUが日本で活動する前にヨーロッパのフェスなどに出られていたのはその時期ですか?
YUTO:そうです。そこで、それまでLEOさんが掲げているスローガンに“Dem Phänomen Sprang(現象を超える)”というのがあるんですけど。
――現象を超える。それはどんな意味なんですか?
YUTO:僕も正直分からないんです。言葉に出したら既に超えられないといわれちゃったので。そのスローガンもそうですけど、僕としては、いまも彼が持ってる未知なる世界に近づきたいという感じなんです。LEOさんのことがちょっと分かったなと思っても、次の瞬間にはもうわからない。ある意味、現象を超えさせてもらっているという感じです。まだまだ知らないことがいっぱい出てくる。彼と出会ってから毎日がその連続なんです。だから、毎日がすごく新鮮だし、毎日(自分の価値観が)生まれ変わっていく感じです。
――LEOさんに出会い、日々自分の人生観が新しい価値観で塗り替えられている感じ。
YUTO:そうです。だから、自分の人生において一番大きな出会いですよね。
――LEOさんはどんなきっかけで音楽を始めたんですか?
LEONEIL:音楽というよりはステージだね。そこが好きだと、初めて立ったときに感じた。
――なぜ好きだと思えたんですかね。
LEONEIL:体内、細胞から溢れ出てくるような感覚を感じて。波動みたいなものが。ステージだと、立つ前に考えていたことを立った瞬間に超えた感覚になるから。
――それが、現象を超えるということ?
LEONEIL:というか、常に思ってることを超えていってるから。ステージは。
――その、現象を超えたときの波動がステージからオーディエンスに伝わって。
LEONEIL:なにかが生まれる。
――ステージは波動のやりとり?
LEONEIL:コネクション。みんなとの。
――そのコネクションの一つとして、LEOさんはステージからものすごい目力のこもった視線をオーディエンスに投げかけ、みなさんを釘付けにしてきますけど。あれは?
LEONEIL:みんなとコミュニケーションをとりたいと思ってるからじゃないですか。意識とか無意識を超えたところにいるので(目力は)わかりませんが。
YUTO:そうだったのか、やっぱり超人だ(微笑)。
――そのようですね。LEOさんはやっぱり未知なる世界から来た人かもしれない…。
YUTO:特にステージでは。それは、一緒に立ってても感じますから。エクスプロージョンしてるな、というのは。しかも曲ごと、その世界観ごとに流れ出してくる波動の質感が違う。それを僕は一番間近で感じながら、その波動をギターにスライドさせたいって常に思ってます。だから、ステージ上でLEOさんとつながりたいという感覚なんですよね。それらがステージからお客さんに届いて。お客さんが感じたものが波動となって僕らに届いて。波動の交換。それがVANIRUのショーです。
――ステージでパフォーマンスするときに心がけていることってなにかありますか?
LEONEIL:魂、細胞、どれだけぶちまけられるか、飛ばせるかしかないかな。ぶちまけた上でのコミュニケーション、触れ合い。そこが一番。
YUTO:とにかく躍らせることですね! 波動の交換を通してお客さんと触れ合って、躍らせるから、自分を解放して欲しいです。そして一緒に行こうぜってことですね。波動が渦巻くと、空間もどんどん変わっていくのが楽しくて。
LEONEIL:空間がうごめく。ふとしたときに。それは、みんながうごめいてるということなんですよ。
――そういうときでもVANIRUは言葉でフロアを煽ったり、曲中にMCをやったりもしないじゃないですか? その理由は?
LEONEIL:曲で触れ合うから(きっぱり)。だからこそ歌ってますし。それがステージです。
――ちなみにステージに出る前に「いくぞ」みたいなVANIRUならではの気合い入れはありますか?
YUTO:ないです(笑)。でも、僕はLEOさんに思いっきり背中を叩かれたりパンチされたりします。気を入れてもらってる感じですかね?
LEONEIL:ひっぱたいてるだけ。
YUTO:そうですか(微笑)。あと、LEOさんがライヴが始まる直前とかたまに一言、囁いてくることもあるんですね。それでハッとしてステージに立つこともあります。
これからも、変わらずVANIRUは歩み続けます。VANIRUのショーに来て、思う存分狂って踊って、みんなでハレーションを起こしましょう。
――では、次にデビューミニアルバム『ISOLΛTION』について訊いていきたいと思います。今作を作るにあたって、デビュー作ということで意識したことは何かありますか?
LEONEL:いま、ということですね。VANIRUのいま。ある意味新しいですし、ある意味“らしい”というか。変わり続けて変わってない。
――VANIRUの楽曲が生まれる過程を知りたいんですが、例えばリード曲の「ISOLΛTION」なんかはどうやって作っていったんでしょうか。
YUTO:「ISOLΛTION」に関しては、一番最初はイメージよりも先に音が走り出てきたんですよ。その段階でざっくりとしたデモを作り、1度LEOさんに投げたんですね。そうしたら、ものすごい形になって戻ってきた。メロディは結局、いつもそうなんですけど好きに変えてもらって、サウンドに関しては2人の感覚をそうやって音にしていく感じです。
――ギターに関しては?
YUTO:ギターに関しては、今回LEOさんがいままでにない提案をしてきまして(微笑)。僕は当然ギタリストとしての感覚で曲に向かうんですけど、そういったものを全部削られたんですよ(笑)。だからこの曲、サビとか全然ギターが入ってないんです。フレーズに関しては、それを彼が歌って提案してくれるんですね。声で。最初は「え、それなに?」って思ってLEOさんに聞いたら「ギター」って(笑)。その声を頼りにギターを弾くんですけど。そういうのが瞬間瞬間、突然起こるから、だから僕は「え?」の連続でした。歌ってるフレーズだから、弾く前は(それが曲になったときに)どうなるか想像できないんだけど、弾く僕自身も。それで、気合いで弾いて録ったものを聴くと恐ろしいほどカッコよくなってる。
――おぉーー!!
YUTO:いままでもそうやって作ってきたんですけど、そういったことがこの曲はこれまで以上にたくさんあって。
LEONEIL:すごく音が鮮明に聴こえてきたんですよ、今回は。だから、ギターフレーズも(すでに体内で)流れてたんです。それをどう音にしていこうかというところが大きかったですね。今回は。
――それをなんで歌って伝えるんですか?
LEONEIL:ギターは弾けないからね。
YUTO:だから「え、それなんですか?」「ギター」っていうから「分かりました」って(微笑)。こうかな? これかな? って。
――曲中“Sorry…”とLEOさんがつぶやくとても印象的なパートがありますけど。あそこは最初からあったんですか?
LEONEIL:最初はなかったんだけど、そこも聴こえてきてそうしたんだよね。
YUTO:それも瞬発的に。
LEONEIL:歌入れの寸前ぐらいに。やろうと。
――そういうこと、VANIRUではよくあるんですか?
LEONEIL:そうですね。
――では、「ISOLΛTION」の歌詞はどんなテーマで描いたものなんでしょうか。
LEONIEL:みんなすぐに答えを聞きたがる気がするんです。でも、それよりはみなさんのなかの答えを己で求め導く。それが一番大事だと思うんですね。だから、受け取る人にはまず自由に聴いてもらいたい。
――YUTOさんはどう感じましたか?
YUTO:光はあるんだけど、虚しさとか苦しさとかも、ものすごいから、聴くときもすごく覚悟がいりますね。僕は、正直聴くのがきつい。そんな感覚さえあります。ある意味挑戦的な曲ですよ。とはいっても、曲としては不思議と終わりがなくて無限ループできるVANIRUっぽい曲です。
――これ以外の収録曲は?
LEONEIL:みなさんが聴いたことがない新曲が1曲入ります。「ISOLΛTION」とは揺れ方が違う曲ですね。
YUTO:その他には既存の曲の最新MIXが入るので、こちらも楽しみにしてて下さい。
――では、5月23日にTSUTAYA O-WESTで開催するワンマンショー『NEW ROMANCER-ZERO-』。こちらはどんなステージにしようと考えてますか?
LEONEIL:ある意味誕生の日。なにかがそこで生まれるんじゃないかなという。そんなステージになると思います。
YUTO:5月23日、まず来て、聴いて、観て、触れて、目一杯感じて欲しい。同じ人類、同じ時代に生きる者同士、出会わなければもったいないと思うんですよ。だから、この日も出会いの場所。来てくれれば絶対に楽しめると思うし、躍らせまくりたいと思います! 踊ってるうちになにかを感じてもらえればと思います。
――VANIRUと出会って、何かが変わる日。
LEONEIL:うん。
――LEOさんはなにか使命を持ってこの星に生まれ落ち、VANIRUの活動をされてるんでしょうか。
LEONEIL:みんなそれぞれありますよね。宿命は。VANIRUを通して世界に伝えていくこと。真理だったり、リアルであったり、いろいろ残酷なことがあると思うけど、そのなかの救いであったり…。そこは「ISOLΛTION」を聴いてもらえれば、わかる人にはわかるかと…。
YUTO:この曲を作ってすごく思ったのは、僕らはこれから挑戦をし続けていくんだなということです。それがレールがあるような容易い道ではないと思うんです。そういった道を歩くから、あるときはものすごく大きな壁にぶつかったり辛い道を歩かなきゃならない。けど、それが生きるということだよ、それが進むということだよ、というのを僕が一番ノリでLEOさんから気付かされたことなんですね。だから、いままでもこれからも、変わらずVANIRUは歩み続けます。歌詞にもあるように、LEOさんがみなさんの慰めになって、僕はみなさんに救われてるような気がしてるけど(微笑)。とにかく、VANIRUのショーに来て、思う存分狂って踊って、みんなでハレーションを起こしましょう。同じ時代を生きるもの同士、繋がって、一緒に進んでいきましょう。
撮影=北岡一浩 インタビュー・文=東條祥恵
VANIRU/撮影=北岡一浩
2016年5月18日 (水)発売
【初回限定生産】
CD+DVD+ブックレット(BOX仕様)
VBZJ-19 ¥3,000+税
<収録曲>
1. ISOLΛTION
2. Dreaming Crystal
3. ANOTHER DIMENSION
4. コズミック・ナイト-PRISMIX-
5. JUST YOUR DREAM-Sharpness-
6. LOVE AGAIN-To Xxxxx-
7. The VORTEX
8. ISOLΛTION -The Vortex-
<DVD>
・「ISOLΛTION」Music Video
・36P VISUAL BOOK付属 / BOX仕様
【完全生産限定盤】
「ISOLΛTION(CD+DVD+ブックレット)」+"Chain Reaction" Bag
CJVZC-5 ¥13,889+税
※完全生産限定盤に関してはライブ会場とCJビクターオンラインショップ限定での販売となります。
※「ISOLΛTION」(CD+DVD+ブックレット)は商品番号VBZJ-19と同商品となります。
※完全生産限定につき在庫無くなり次第販売終了となります。
4月2日(土)渋谷Glad
時間:17:00/17:30
料金:前売り2800円 / 当日3300円(1Drink別)
出演:VANIRU / Bryan Associates Club / VERONICA / GLOWS
『FAUST Presents「Upside Down」』
4月7日(木)下北沢MOSAiC
時間:18:30/19:00
料金:前売り3500円 / 当日4000円(1Drink別)
出演:VANIRU / TAG / dieS / DJ peah