リッカルド・ムーティが綿密につくりあげる《フィガロの結婚》
2012年日本公演より(Photo:Kiyonori Hasegawa)写真提供:NBS
〜ウィーン国立歌劇場日本公演記者会見より(3)
3作目の紹介となった《フィガロの結婚》について、ドミニク・マイヤー総裁はまず、リッカルド・ムーティを指揮に迎えての日本公演が、2008年以来再び実現する機会を喜び、そして、《フィガロの結婚》は前回2012年にも上演した作品ではあるが、ムーティの強い希望により決定した演目であると説明。歌手についても、
「伯爵役のイルデブランド・ダルカンジェロ以外は、日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、ムーティの希望で、優れた若い人たちが集められました。名前があれば良いというわけではないのです。マエストロはリハーサルのときから自分でピアノを弾き、綿密な準備をします。私自身も、伯爵夫人のエレオノーラ・ブラットは近い将来、重要な歌手になると思っていますし、ケルビーノ役のマルガリータ・グリシュコヴァは、イタリア人ではありませんが、とても素晴らしい素質を持っていることを知っています」と紹介しました。
これに続いて、3月に「東京・春・音楽祭」で来日した折に、リッカルド・ムーティが残したメッセージが紹介されました。(当日は演出家でムーティの著書の翻訳を手がけるなど、親交の深い田口道子氏より語られましたが、以下は書面で配布されたものをご紹介します)。
2008年のウィーン国立歌劇場の日本公演では《コシ・ファン・トゥッテ》を指揮しましたが、今回また、2016年11月にウィーン国立歌劇場と共に来日することを大変嬉しく思っております。
私はウィーン国立歌劇場には1973年に《アイーダ》でデビューしました。皆さまご承知の通り、ウィーン国立歌劇場のピットに入るオーケストラは、ウィーン・フィルとの共演でもあります。私はウィーン・フィルとは46年にもわたる長い友好と信頼の関係を築いてきました。1975年に私が初めて日本に来たのもウィーン・フィルと一緒でした。
[上記は2016年3月18日に指揮者リッカルド・ムーティよりいただいた口述メッセージ]
ウィーン国立歌劇場 2016年 日本公演
リヒャルト・シュトラウス作曲
《ナクソス島のアリアドネ》(プロローグ付1幕)
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
指揮:マレク・ヤノフスキ
10月25日(火)19:00
10月28日(金)15:00
10月30日(日)15:00
《ワルキューレ》全3幕
演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフ
指揮:アダム・フィッシャー
11月6日(日)15:00
11月9日(水)15:00
11月12日(土)15:00
東京文化会館
《フィガロの結婚》全4幕
演出:ジャン=ピエール・ポネル
指揮:リッカルド・ムーティ
11月10日(木)17:00
11月13日(日)15:00
11月15日(火)15:00
神奈川県民ホール
ウィーン国立歌劇場2016年日本公演公式HP
http://www.wien2016.jp/
一斉発売開始
6月4日(土) 10:00より