前世は日本人? ジョヴァンニ・アレヴィにインタビュー
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Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ) 撮影=原地達浩
型破りな天才はTシャツ、Gパン、アフロヘアで愛を奏でる
ジョヴァンニ・アレヴィ(Giovanni Allevi) はイタリアが生んだ天才ピアニスト・作曲家だ。トレードマークのアフロヘアーもさることながら、コンサートには必ずTシャツ、ジーパン、スニーカーという特異な格好で登場する。見た目の破天荒さとは裏腹に、その素晴らしい演奏、作品で聴衆を魅了し続けており、本国イタリアは元より日本にも多くのファンを抱えている。
大変な親日家でも知られており、日本には度々来日。「多分前世は日本人だね」と語るほどの日本好きだ。今回、約半年ぶりに来日したというジョヴァンニ氏にインタビューをすることが出来た。彼の音楽に対する、並々ならぬ情熱が垣間見えるインタビューの様子をたっぷりとお届けしよう。
――まずはインタビューお受けいただき、ありがとうございます。今朝日本に到着したとか。
いえいえ。こちらこそありがとうございます。実は昨日の夜にバンコクで演奏会があり、終わり次第そのまま日本に直行しました!
――それはそれは(笑) おつかれさまです。久々の日本はいかがですか?
今現在アジアでツアーをしているのですが、やっと日本に来れたという気持ちです。幸せで仕方ないです。
――ようこそ日本へ。来日してこれからどこか行きたいところはありますか?コンサートで忙しいとは思いますが…
私は2013年から日本でツアーをおこなっているのですが、今までに訪れた場所、出会った人々にまた逢えたら嬉しいですね。もう一度訪れたりする事で、更にその街や人々のことを深く知れますし。そしてついでにその街の美味しいものも食べたいです(笑)
――やはりグルメは欠かせないんですね。
もちろんです!しかしそれだけでなく自分の大切なファンの方々、そういった方々とまた交流できたらと思っています。日本に来る前から個人的に連絡を取り合っている方や、大切な友人と直接会えるのも楽しみですね。
Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ) 撮影=原地達浩
――日本での特別な場所やものはありますか?
前に鹿児島の桜島の近くでコンサートを行ったことがあるのですが、それはそれは貴重な体験でした。桜島を見ると力がみなぎってくるというか…。宿泊先のホテルの窓から一望できたのですが、その時の感動は今も忘れません。感動というか、それを通り越して「なんだこれは!?」という気持ちでしたね。
――まさに気合が噴火したという感じですね。
そうです。実際に爆発したところは見たことは無いのですが、煙が出てるところとかを見て感動を覚えましたね。
――他にはありますか?
あとはやはり食べ物ですかね。私は寿司が大好きで、今日も食べに行く予定です(笑)。
――生魚も大丈夫なんですね。
最近は自分でいろいろ食べるように決めています。生魚や野菜、フルーツなどなど。そのおかげか体調は凄く良いです!ファンからは痩せてきてると心配されますが…この通り絶好調です!
――なるほどなるほど。ではここからは、演奏スタイルについてお聞きします。もう何度も聞かれているかもしれませんが、Tシャツ、ジーパン、スニーカーというそのスタイルはいつからなんでしょうか?(ちなみにインタビュー時、まさにその格好でした)
先ほど話しましたが昨夜はバンコクで演奏会で、今日の格好はその時の格好そのままなんです(笑)。飛行機で着替える時間もなくて…。実は普段は、今みたいにコンサートで着るようなTシャツは着ていないんです。本当に普通のTシャツを着ています。象の絵のものであったり。コンサートで着るものは、自分でデザインしてデザイナーに作っていただいた特別なものなんですよ。
――そうなんですか!それは知りませんでした。私達には普通のTシャツ、ジーパンスタイルに見えますが、ジョヴァンニさんにとっては勝負服なんですね。
まさにそうなんです。私はかなりこだわるタイプでして、素材から汗の吸収率まで、凄く考えて作っていただいています。デザインについても演奏中、ファンの方は右肩方向から見ることが多いですから、それに配慮したデザインになってたりもするんですよ。
Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ) 撮影=原地達浩
――そのこだわりというのは、そのままジョヴァンニさんの演奏にも何か繋がっているのでしょうか?
重要なことは…この格好は、なるべくしてなったという事です。お客さんへ、ありのままの自分、ありのままの演奏を届ける時の表現のしやすさ、弾きやすさを極限まで追求した結果という事です。Tシャツだけでなく、スニーカーひとつとっても、ペダルの微調整がしやすいスニーカーであるとか、そういった追求の果てに生まれたのが今のこの格好なんですね。ちなみに冬のどんなに寒い時もこのスタイルです(笑)
――凄く納得しました。では続いて、演奏関係についてまずお聞きしたいのですが、小さい頃はどんな曲を聴いていたのですか?ジャンルでも、作曲家でも。
小さい頃からよくクラシックを聴いていました。モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、ラフマニノフなどなど。母がオペラ歌手だったので、家の中は音楽に溢れていました。よくオペラアリアを歌ってくれたりもしました。他の子がロックなんかを聴いてる年齢の時に、そういったクラシックを聴いて育ったので、物心ついてからはピアノを弾いている時が一番楽しかったです。ピアニストになった今振り返ると、普通の過去ですが(笑)
――ピアニストにも、なるべくしてなったというわけですね。では、演奏する時、または作曲する時にアンサンブルとソロでの違いは何かありますか?
まずオーケストラ曲で言えば、全体的に演奏時間も当然長くなりますよね。そういった、「壮大なものを作る」という喜びがありますね。また、クラシック音楽が衰退している昨今、逆にそういったオーケストラ曲を使ってチャレンジしていきたいという思いが凄くあります。
――ピアノソロの曲ではいかがですか?
ソロの曲はオーケストラなどとはまた全く違って、自分の内面と向き合う作業なんですね。自分を探求すると言うか…。いろいろな曲を発表させて頂いてはいますが、その時々、全ての瞬間において異なった自分と向き合った結果なんです。そういった、自分のいろいろな面を発見することができるという喜びがあります。
Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ) 撮影=原地達浩
――なるほど。凄くわかりやすいですね。では、次に、これもよく質問されるとは思いますが…コンサートでは緊張されますか?
今このインタビューでも緊張しています(笑) 。いろいろ心配なことや怖いことは、演奏する時は常にあります。でもそんな状況にいる自分が好きでもあるんです。そういった心配事というのは壁ですから、壊していかなくてはいけない。殻を破るといいますか。強がる必要なんてないんです。不思議な表現かもしれませんが、自分の弱さが強さなわけです。自分は舞台の上では決して仮面を被らないようにしています。ありのままの自分を見てもらうんです。そうするとお客さんからありのままの反応が返ってくる。そうして新たな自分を知ることができるという喜びがあるんですよね。
――音楽を通して対話するというわけですね。
そうです。お客さんに対して裏切らない。そのままを見せることで、そのままが返ってくるというわけです。
――では、最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
現在のアルバムのテーマが「LOVE」、つまりは「愛」なのですが、それをそのままを日本のファンへ伝えたいです。女性に限らず、男性にもです。そのくらい日本人が大好きなんです。ひとつひとつの音に自分の思い、気持ちを全て入れ込みますので、それを感じて頂けたらと思います。日本最高です!!
Giovanni Allevi(ジョヴァンニ・アレヴィ) 撮影=原地達浩
今年6月からは、日本各地でコンサートを控えているジョヴァンニ氏。彼の頭の中の素晴らしい音楽に出会いに、足を運んでみてはいかがだろうか?
1969年イタリア生まれ。作曲家であり自作を奏でるピアニストである。
ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院(=ミラノ音楽院)でピアノと作曲を学んだ。彼の自作自演を聴いたプロデューサーの勧めで3枚のアルバムを発売し、イタリア・クラシックチャート1位を獲得。2005年には、ニューヨーク・ブルーノートでデビューを果たし絶賛されている。イタリアでは自作品が番組のBGMとして用いられるなど高い人気を誇り、BMW欧州向けCMで用いられた「Come sei Veramente」が映像とともに話題となった。
また、2008年イタリアの国会で、クリスマスシーズンに数年に一度開かれる演奏会に招かれピアノを披露した。毎回、クラシック界の一流アーティストのみが招待されるとても名誉のある演奏会だが、クラシック音楽家でないジョヴァンニが選ばれたことはまさに異例。その人気と注目の高さが証明された。
そして、2010年ローマ法王に自作を献呈。イタリアを代表する人気と実力を持つアーティストとして法王に認められ、オペラ界のオスカー賞「オペラ・アワード金賞」で特別賞を受賞。イタリアでは、芸術離れが著しいと言われている若者世代からも圧倒的な人気を誇り、若者を芸術の場に呼び戻したとして、高い評価を受けている。
今や「21世紀のモーツァルト」「100年に一度の天才」「無限のピアニスト」などと高く評価され、世界を飛び回る存在だ。
■日時:6月22日(水)19:00開演
■会場:5/R Hall&Gallery 音楽ホール
■問合せ:ond゜TEL:0568-89-0301 info@le-himawari.co.jp
■日時:6月29日(水)19:00開演
■会場:福岡アクロスシンフォニーホール
■問合せ:「TNC世界音楽周遊」事務局(スリーオクロック内)TEL:092-732-1688 ※平日10:00~18:30
■日時:6月30日(木)19:00開演
■会場:鹿児島県民ホール