Dizzy Sunfist「何年後かにクッソ自慢できるようなバンドになる」決意を刻んだ下北沢SHELTER

レポート
音楽
2016.4.20

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“Dizzy Beats” TOUR 2016 2016.4.14 下北沢SHELTER

2006年に当時高校生だったあやぺた(Vo&G)といやま(Vo&B)によって結成、12年にもあい(Dr&Cho)が加入し、13年に1stミニ・アルバム『FIST BUMP』をリリースしたことをきっかけに、ライヴで着実に人気と実力をつけている、Dizzy Sunfist。その後も、フジロックフェスティバルをはじめとするフェス出演や、Ken YokoyamaやWANIMAなどの人気バンド・アーティストらと同じステージに立ち、現在ではパンク・バンドのネクスト・ジェレネーションと呼ばれている3人。今年3月にリリースし、インディーズチャート1位、音楽総合チャートで堂々のトップ20入りを果たし、現在も好セールスを記録中の1stフル・アルバム『Dizzy Beats』をたずさえてのツアー『“Dizzy Beats” TOUR 2016』が、とんでもない盛り上がりをみせているのだ。

 訪れたのは、4月14日におこなわれた下北沢SHELTER。(こちらも話題のメロディック・パンク・バンドの)SPACE BOYSとの2マン公演である。バンドにとっては、2度目となるというSHELTERでの公演は、瞬く間にソールドアウトしたというだけあって、会場は足の踏み場もないほどのオーディエンスでごったがえし、空調も効かないほどの熱気に包まれていた。そんななか、Dizzy Sunfistのメンバーが満面の笑みを浮かべながらステージに登場。すると、人の波がどんどん前へ前へと押し寄せ、あやぺたの「下北沢!!!」というシャウトとともに、彼らの強靭なビートが轟いた瞬間から、フロアの沸点は最高潮に。その熱気に呼応するように、メンバーも髪を振り乱しながら、軽快でスピーディでありながらも、芯の通ったパンク・サウンドを展開。数多くのライヴで鍛え上げているせいか、圧倒的なパワーを持った音だ。

 その後も、緩急入り交じったジェットコースターのようなスリルが満載のアルバム『Dizzy Beats』収録曲を中心に披露してくれた、今回のステージ。スカのビートを取り入れた楽曲では、その軽快なビートでフロアにモッシュ・ピットが生まれ、またグルーヴの効いたナンバーでは誰もが我を忘れてダンス。ギュウギュウ詰めの会場で息ができないほどの熱気に包まれていたものの、そこに不快な表情をしている人は誰もおらず、全員が彼らのサウンドにカラダ全体で吸収し、とびきりの笑顔を浮かべていた。MCであやぺたが「このビートを感じてほしい」と語っていたが、まさにその言葉どおりの反応だったといえよう。

 でも、彼らがなぜそこにいる人誰しもを笑顔にさせるのだろう?最大の要因は、ポップかつ簡潔、そしてキュンとくるメロディといえるのではないだろうか。異なるビートを効かせたスリリングなバンド・サウンドでありながらも、一瞬にして口ずさむことのできる旋律が、どの楽曲にも流れているのだ。だから、英語詞でありながらも、サビのフレーズでは大合唱が巻き起こっていた。自分が、バンドのコーラス的な役割を担っている気分になれるはず。また、その明快な旋律を最長で3分程度の短い時間で聴かせるので飽きることがない。ゆえに、会場には特別な一体感が生まれていたように思う。

 終盤のMCでは「こうやってライヴに来てくれた人や、CDを購入してくれた人に笑顔になってほしくて活動を続けている。今日、この会場に来たこと、何年後かにクッソ自慢できるようなバンドになってみせるから!」と、熱い決意を伝えた彼ら。その言葉をきっかけに、観客も「伝説の一夜にする」という気合いが生まれ、アンコールまでもう歯止めが効かないくらいの盛り上がりに。全員が汗でドロドロの状態になりながら、約1時間におよぶステージは終了した。

 本公演後も、10月まで全国を駆け抜けるDizzy Sunfist。東京に再びやってくるのは、10月23日の渋谷クラブクアトロだ。きっと、そこではさらに成長した彼らを体感できるに違いない。日常でたまったフラストレーションを発散できる場所として、彼らのライヴは最適!また、音楽の持つ圧倒的なパワーも感じられる新たな伝説の一夜になりそうなので、これも(汗だくになってもいい格好で)見逃せない!
 

Photo by SARU(AYUMI SARUYA) レポート・文=松永 尚久

ツアー情報
"Dizzy Beats"TOUR 2016

※終了分は割愛
4/21 盛岡the five
4/23 札幌BESSIE HALL
4/24 釧路 Veiled cafe
4/26 名寄BLUE BEAT SOUND
4/28 八戸ROXX
5/1 秋田SWINDLE
5/3 山形SESSION
5/4 仙台MACANA
5/5 郡山#9
5/8 奈良NEVERLAND
5/12 岡山IMAGE
5/14 広島CAVE-BE
5/15 松江CANOVA
5/17 小倉FUSE
5/20 堺MASSIVE
5/22 松山Double u Studio
5/28 水戸LIGHT HOUSE
6/9 静岡UMBER
6/11 高崎FLEEZ
6/12 横浜FAD
6/14 北浦和KYARA
6/16 岐阜ANTS
6/18 滋賀b♭
6/19 神戸太陽と虎
6/26 松阪M'AXA
7/1 和歌山GATE
7/18 京都MUSE
7/23 磐田FM STAGE
7/24 上越EARTH
8/25 福山CABLE
8/27 佐賀GEILS
8/28 山口印度洋
9/3 富山SOULPOWER
9/4 長野J
9/15 福岡Queblick
9/17 大分SPOT
9/18 宮崎SR BOX
9/19 鹿児島SR HALL
9/21 熊本Django
9/22 長崎STUDIO DO!
9/25 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
10/1 鳥取AZTiC Laughs
10/2 高松DIME
10/10 沖縄桜坂セントラル
10/15 徳島Grindhouse
10/16 高知X-pt.

 

 

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