今週末にBillboard Live Tokyoでのライブを控えた蓮沼執太を直撃!”ホンモノ”の音楽家に聞いた。
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蓮沼執太
2016年2月3日に発売された新作アルバム『メロディーズ』を引っさげた全国ツアー「蓮沼執太メロディーズ・ツアー2016」が3月から始まった音楽家・蓮沼執太。ツアー3公演目となる東京公演が、2016年4月24日(日)、Billboard Live Tokyoにて昼夜二部構成で行われる。1st setでは、「蓮沼執太 plays メロディーズ アルバム『メロディーズ』発売記念パーティー」として、アルバム『メロディーズ』収録曲を全曲演奏。「アコースティックス」や「起点」など、ラジオでもおなじみの曲を演奏。続く2nd setでは、「全曲新曲! 蓮沼執太の新しいメロディーズ」とし、今回のツアーで現地のミュージシャンと制作した新曲を披露するという。
東京公演を控えた蓮沼氏に「メロディーズ」ツアーについて聞いた。
蓮沼執太
──「メロディーズ」ツアーの前半戦が終わっていよいよ東京公演ですが、これまでの公演のことを教えてください。札幌公演はフェスティバルでの出演で、福岡ではインプロのエレクトロニック・セットを行いました。
今回のツアーメンバーは、昨年4月に行ったBillboardLiveTOKYOでのイヴェント『蓮沼執太のメロディーズ』で行った新しい編成で、その後アルバムに数曲参加してもらいました。その後、1月にスパイラルCAYでのライヴをして、札幌と福岡でライヴをしてきました。新しい編成で新しい楽曲ですと、毎度ステージも異なるし、細かい修正をずっと行っていくのですが、福岡公演でようやく自分たちのサウンド・スタイルが出来上がって来たかなぁと思ってます。先週、リハーサルをしましたが、東京での新曲共々、バンドの息はピッタリです!
蓮沼執太
──ツアーってミュージシャンにとってどういうものですか?
ミュージシャンって色々なタイプがいると思うのですが、僕はツアーが少ない方なので、その都度訪れた場所を楽しみたい!という気持ちが強いです。単にライヴして、美味しいものを食べて、一泊して帰る、というルーチンよりも、もっとはみ出していきたいなぁという感じです。なので、各地で新曲を作る、ということになっていくのですが(笑)
──ツアーならではの醍醐味は?
やっぱり僕は東京の人なので、それぞれの会場では「外の人」ということになってしまいます。だけど、その公演の中で地元のミュージシャンが登場したときに、オーディエンスの人たちの緊張が解けて朗らかな空気感が生まれたのはとても楽しかったです。登場したら「よっ!待ってましたー!」みたいなノリですね。これは初めての感覚でした。
蓮沼執太
今回のツアーでは、『Traveling Melodies Project』のプロジェクトを行う蓮沼氏。
ツアーで訪れた現地のミュージシャンと一緒に新曲を作り、ライヴで発表。その翌週にはJ-WAVEの番組「Acoustic County」でオンエアするというもの。3月19日(土)の北海道公演ではChima、3月26日(土)福岡公演ではとんちピクルスとのコラボレーション曲を作り上げた。
──コラボしたミュージシャンはどう選んだのですか?
「選んだ」というと烏滸がましいのですが、いつも何でもそうなんですが機会は1度。つまり一期一会だと思ってます。出会いが大切ですよね。なので、今回もそういう出会えるチャンスに素直に向き合ったら、自然と僕がオファーをしていた。という感じです。みなさん、特徴ありすぎて本当に面白いです。
──それぞれの方と出会った印象は?
Chimaさんは吹雪の中の札幌で打合せしたのが最初でした。音楽は聴いていて、自由に色々なことを奔放的に考える方かな?って思っていましたが、実は音楽や生活に真摯に向き合っている方って感じました。
とんちピクルスさんは福岡で出会いました。とんちさんのお友達のプライヴェートな結婚式に僕が急におじゃましてライヴを見ました。下ネタ要素が多いリリックをラップしていて、会場のオーディエンスとのコール&レスポンスも完璧で「これだ!間違い無い・・・」と閃きまして、終演後すぐオファーしました。
──曲作りはどうやって進めていくのでしょうか?
Chimaさんは僕がメロディーとアレンジを考えて、主に彼女が歌詞を作ってくれました。公演前日に小さいイヴェントがありまして、お客さんと公開で一緒に歌詞を考えて、最終的に僕が歌詞を整理しました。とんちピクルスさんもメロディーとアレンジは僕が考えましたね。とんちさんが東京にツアーに来ていたので、僕のスタジオで歌詞制作会をして、ある程度完成しました。が、本番直前でコンセプトも変えて、歌詞も変わったのには爆笑しました。自由っていいですね・・・
──誰かと曲を作るのはどんなところが面白いですか?
最近ではタブラ奏者のU-zhaanとのサントラリリース(ドキュメンタリー映画『マンガをはみだした男 〜赤塚不二夫〜』)などもあるので、僕はコラボレーションが多いという印象があるかもしれませんが、あくまで他ジャンルとの音楽制作では基本的に僕が1人で作曲・演奏しています。蓮沼チームやフィルなどもライヴパフォーマンスのためなので、リハーサルでアレンジをしていくことでのコラボレーションになります。あまりオーディオデータを交換しながらの作曲って少ないのです。やっぱり場所が離れている人との共作はメールを中心にしたやり取りですよね。現代ではそれが普通になっていますが、むしろ僕はそれをやって来なかったんだなぁ、という再発見もありました。これは今回の作業では無いのですが、僕より先輩の方と共作をしていて、色々と意見をもらえるのは凄く嬉しいですね。
──そもそもどうしてこのプロジェクトをすることに?
J-WAVEの番組『ACOUSTIC COUNTY』というお昼すぎから平日の月~木曜日にやっている番組のメイン・ジングルを手がけさせてもらっていて、この4月で二年目に突入しています。その番組の協力で、ツアーのお便り、のような形でライヴ音源と共演のミュージシャンとのインタビューを放送しています。それを期間限定で僕のsoundcloudにアップしています。やっぱりこのプロジェクトは非常にユニークな試みではあるんですけど、わかりやすいものでは無いので、音源をアップして少しでもこの新曲の作曲方法を知ってもらえたら嬉しいですね。
J-WAVEの番組「Acoustic County」で放送された音源は、蓮沼氏のsoundcloudで公開されている。
札幌:
https://soundcloud.com/shutahasunuma/j-wave-acoustic-county-traveling-melodies-project-in-sapporo-with-chima
福岡:
https://soundcloud.com/shutahasunuma/j-wave-acoustic-county-traveling-melodies-project-in-fukuoka-with-tonchi-pickeles
──それでは東京公演の見どころを教えてください。
第一部はツアーで身体も暖まっている状態でアルバム『メロディーズ』を全曲演奏します。実はこちらも初めての試みです!いわゆるリリース記念イヴェントなので、パワー全開でのぞみます。第二部では、札幌と福岡で作った新曲、砂原良徳さんとの新曲1曲、ZOMBIE-CHANGとの新曲2曲、ラッパー呂布との新曲を2曲、さらに3曲ほど新曲を作り、本当に全曲新曲公演をやります。こんな冒険に付いて来てくれるバンドメンバーに本当に感謝です。
──ビルボードに行ったことがないという人も多いと思いますが、ここがいい、というところを教えてください。
ちょっと大人な雰囲気で席に座って演奏を観るというスペースですね。場所も六本木ミッドタウンですし。たまには贅沢してライヴ観るのも良いかな?なんて思っちゃいます(笑)ご飯も美味しいんですよ!
蓮沼執太
──今回のツアーグッズは、アーティストの平山昌尚さんとコラボレーションされていますよね。
全体的に画が脱力してますよねー(笑)。平山さんとは友達なんですが、はじめて一緒に制作をしました。もしかすると本番もステージ上でパフォーマンスするかもしれませんよ?地球2つ持って・・・(こちらは本番のお楽しみで!)
文=齋藤あきこ
ビルボードライブ東京
2016年4月24日(日)
1st set:全曲演奏! 蓮沼執太 plays メロディーズ アルバム『メロディーズ』発売記念パーティー
OPEN 15:30/START 16:30
2nd set:全曲新曲! 蓮沼執太の新しいメロディーズ
OPEN 18:30/START 19:30
詳細:http://bit.ly/1UJoOdn
◎以降のツアー
<愛知>
2016年5月14日(土) 【森、道、市場 2016】 [フェスティバル出演]
2016年5月21日(土) 大阪・クリエイティブセンター大阪(名村造船所跡地)
2016年5月29日(日) 沖縄・output okinawa
アーティスト:蓮沼執太 / Shuta Hasunuma
タイトル:メロディーズ / Melodies
品番:DDCB-13031
税込価格:3,024円
税抜き価格:2,800円
発売日2016.02.03
レーベル名:B.J.L. AWDR/LR2 蓮沼執太 vinylsoyuz
発売元・販売元:SPACE SHOWER NETWORKS.
◎プロフィール情報
蓮沼執太
Shuta Hasunuma
1983年東京都生まれ。
2006年10月にアメリカWestern Vinylからデビューアルバムを発表後、アルバムを6枚発表。蓮沼執太フィルを結成し、2014年に『時が奏でる|Time plays and so do we.』を発表。映画、演劇、ダンス、音楽プロデュースなどの他ジャンルの楽曲制作も多数手がける。近年では、作曲という手法を様々なメディアに応用し、映像、サウンド、立体、インスタレーションを発表し、個展形式での展覧会やプロジェクトを活発に行っている。2014年はアジアン・カルチャル・カウンシル(ACC)のグラントでニューヨークに滞在。自ら企画・構成をするコンサートシリーズ『ミュージック・トゥデイ』を主催。