新名称は「花まる学習会王子小劇場」 命名権締結

王子小劇場（東京都北区）は、ネーミングライツ（施設命名権）販売により、6月1日から新名称「花まる学習会王子小劇場」となることを発表した。命名権を取得した「花まる学習会」（株式会社こうゆう）代表の高濱正伸氏は、22日に行われた記者発表会の席で「『教育×演劇』による高いシナジーを生む契機としたい」と語った。

命名権取得の契約は年間300万円

王子小劇場では10年前より命名権取得先を募集していたという。そんな中、同劇場企画発起人の佐藤孝治氏（現職は人材コンサルティング会社の代表取締役会長）は、今年2月に「花まる学習会」の高濱代表と面会する機会があり、同学習会の活動内容や教育プログラムが非常に演劇的であることに感銘を受けた。その場で同劇場の理念などを説明したところ、「すぐにピンときた」という高濱代表がその場で即決。今後3年間の命名権取得の契約（年間300万円）を交わす運びとなった。

同劇場の二代目の芸術監督を務める北川大輔氏は、「佐藤さんと高濱さんが面会される数日前、私は『劇場は、潰れます』というタイトルで、支援会員募集の文章をblogに書いていました。経営的に非常にひっ迫したタイミングでもあったので、ひとまずは劇場をつぶさずに済む形になったのかなと、正直ほっとしています」と胸の内を語った。
　

「先生候補となる多くの演劇界の人材に出会うきっかけに」

花まる学習会の高濱代表は、以前より「演劇と教育」の組み合わせについて検討していたという。同学習会には、過去に演劇と深く関わってきたスタッフが複数人おり、講師としてふさわしい感性と表現力を併せ持った人が多いと感じていた。今回の命名権取得を通して、講師候補となり得る演劇界の人材に出会うきっかけになるのではと期待を寄せている。また、同学習会が毎年行っている「サマーキャンプ」に、王子小劇場が企画協力する計画などもあり、演劇が持つ可能性を教育の分野で活かす取り組みを、両者で進めていきたいという。

※同社では、演劇・映画・文芸などの分野で夢に向かって挑戦する社員を支援する仕組みを、この4月よりスタートするタイミングでもあったという（3年間の期限で柔軟な勤務条件を認める「夢社員制度」）

「『持ってるな！』って思いますよね」

記者会見の席上で、谷賢一氏は「高濱さんのお話を聞いていて、しゃべりたくなったので」と前置きし、自身と教育との関わりを次のように語った。

「実は私は中学時代、“成績トップの不良”というやっかいな生徒で（笑）、『自分が教育現場を変えてやる』と意気込んでいたんです。その勉強のために（大学時代に）イギリスへ留学し、現地では先生になろうとする人は全員、演劇学を学んでいることを知りました。ですので、（自分の関心事として）実は演劇よりも教育がまず先にあったんです。それと、この席で初めて言うのですが、5月に王子小劇場で公演を行う作品が、実は教育現場の話でもあり、この偶然に驚いています」

それを受けて、高濱代表は「『持ってるな！』って思いますよね。（契約締結後すぐに）谷さんのような方に出会えたことを思うと、やっぱり今回の決断は正しかったと思います」と、これからの展開に期待を込めた。

同劇場では、まずは新名称お披露目を目的としたイベントの企画進行を急ぐという。6月の1ヶ月間にわたり行われる「柿喰う客フェスティバル2016」の、前夜祭（6/1）と併せての開催を予定している。

　
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◆ネーミングライツ販売による名称変更｜王子小劇場
◆ 王子小劇場のネーミングライツを取得｜花まる学習会（PDF）
◆ 命名権取得 記者発表会（AbemaTV FRESH！）
◆「柿喰う客フェスティバル2016」（6/1～26）
◆ DULL-COLORED POP『演劇』（5/12～29）

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