KERA×井上芳雄×小池栄子の新作公演は、“あったかもしれないオリンピックの物語”

2016.5.8
ニュース
舞台

“あったかもしれないオリンピックの物語”


“ミュージカル界のプリンス”こと井上芳雄と、今年の読売演劇大賞最優秀女優賞を獲得し話題となった小池栄子、そして同じく今年の読売演劇大賞で最優秀作品賞と優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)が、強力タッグを組む事が先日発表となったが、その2017年2月公演[シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ2017]新作が、昭和三部作完結編となることが決定した。

KERAが“昭和三部作”と銘打ち、昭和の東京をモチーフに、Bunkamura シアターコクーンで、2009年『東京月光魔曲』、2010年『黴菌』、と発表してきたシリーズの第三弾。今回『黴菌』から7年の時を経て、シリーズ完結を迎えることとなる。

第一弾『東京月光魔曲』は、昭和初期、庶民生活に西洋趣味が入り込み、モダン文化が花開く時代を舞台に、瑛太、松雪泰子らによって猟奇殺人事件、姉弟の禁断の愛、新興宗教など、華やかさに溢れる東京の影の姿が描かれた。続く第二弾『黴菌』は、恐慌と戦争で価値観の転換を迫られた昭和20年を舞台とし、北村一輝、仲村トオルらが没落に向かう富豪一族とその周囲の人々をシニカルに演じた。

そして今回、第三弾となる“昭和三部作完結編”の舞台は、今から約50年前、第一回東京オリンピックを目前に控えた1963年頃が舞台となる。わずかな年月で敗戦から復活を遂げた日本にとって、東京オリンピックは輝かしい成果を世界に示す晴れの舞台。人々の向上心、野心、情熱、欲望が渦巻く一方、時流に乗り遅れた人々もいた。作品は“あったかもしれないオリンピックの物語”ともいうべき、オリンピックとの因縁に翻弄される人々の群像劇となる。その東京の喧噪に、井上芳雄と小池栄子、そして未発表のキャスト達がどのように息づくのか。

KERA自身が、1963年、高度成長真っ盛りの東京に生まれている。ストーリーテラーであるKERAは、きっと彼が歩んできた50年に渡る東京と昭和、更に2020年の平成の東京オリンピックまでも照らし出すのかもしれない…。

公演情報
シアターコクーン・オンレパートリー+キューブ2017 新作
昭和三部作完結編 (タイトル未定)


■日時・会場:2017年2月 渋谷・Bunkamuraシアターコクーン
■作•演出:ケラリーノ・サンド
ヴィッチ
■出演:井上芳雄、小池栄子 他
■Bunkamura 公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/