春奈るな赤坂BLITZワンマン 春を超えて彼女は加速し続ける

2016.5.25
レポート
音楽
アニメ/ゲーム

春奈るな

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春奈るな LIVE 2016 "Ripple Effect" 2016.5.4(Wed) 赤坂BLITZ


春の夜の、夢ばかりなる春奈るな。5月4日みどりの日、赤坂BLITZ。リリース前のニューシングル「Ripple Effect」のタイトルを掲げた、今年最初のワンマンライヴ。場内はもちろん満員御礼で、最前列左に設けられた“女性専用エリア”の気配りがうれしい。るな、女子ファン多いですから。もちろん男子も、サイリウムを標準装備して、盛り上がる準備はOK。緊張感よりもほっこり感、リラックスと笑顔が似合うるなのライヴ。なんてフレンドリーな空気だろう。

が、ひとたび演奏が始まると、ムードは一変する。1曲目「アイヲウタエ」の、4ピースの女性バンドが叩き出す激しくソリッドなビート。ステージ中央でスポットを浴び、拳をあげて煽るるな。白の厚底ヒール、黒地に銀のミニ丈ドレス、髪飾りも銀でキラキラ。「今日はみんなで最高の1日を作っていきましょう!」と呼びかけると、ロックでダンサブルな曲を連ねて一気に走る。「狂想リフレイン」では、レーザーポインターでかっこよくビームを発射。ラストの“うふふ♡”もばっちり決まり、大歓声とサイリウムの乱舞が止まらない。高速ダンスチューン「さよならモラトリアム」は、二人のガールズ・ダンサーと一緒に可愛く踊る。ロックでダンス、ポップでハード、バンドでアイドル。春奈るなのライヴは、いろんな要素をシェイクした、ミックスジュースの味がする。

春奈るな

「5月2日に4周年を迎えられました!(オメデトウ!)楽しいことばかり、あっという間の4年でした。自分が音楽を届けてこれたのは、みんなのおかげです。その幸せを、毎日噛みしめています」そんな私のデビュー曲を、と言って歌った「空は高く風は歌う」。アニメ『Fate/Zero』2ndシーズンのエンディング・テーマで、梶浦由記らしいドラマチックなメロディ、壮大な世界観を、グリーンとブルーのサイリウム、回るミラーボールが幻想的に演出する。続く「祈り」は、ピアノと歌でしっとり聴かせる前半、バンドが加わりエモいロック・バラードと化す後半と、1曲で二度おいしい聴き応え。ブレスの音も生々しく、るなのロリータ・エアリー・ボイスの魅力が堪能できる、夢と光と希望の歌だ。パイプオルガンなど、キーボードが七色の音色を繰り出す「夜の虹を越えて」、ドラムの激しいロールが炸裂するロック・チューン「君がくれた世界」と、ダイナミックな演奏が続く。るなは言葉を大事にひたすら歌う。

ある意味古典的、正統派。華やかな中に芯の強さが見える、シンプル&ストレートなステージング。メンバー紹介を兼ねたバンドの単独演奏のあと、着替えを終えたるな再登場。ここから後半だ。ライトブルーの生地に白いレースで飾られた、セーラー服ふうのドレス。カワイイ。ばりばりのエレクトロ・ポップ「I WANNA 電磁的 DO」に合わせ、人形のようにくるくる回ったり、明るいソウル・ポップ「青春プリンセス」では、フリフリの振り付けで踊ったり。ロックの要素が強かった前半とはテイストを変え、後半は思い切り明るくポップに攻めるるな。「みんな絶対キミが好き」は、全員コブシを上げて“Oi! Oi!”の大合唱。2階席までずっと総立ちで、そりゃあもう大騒ぎだ。

春奈るな

「衣装替えてきました! かっこいい感じから可愛い感じになりました。どっちが好きですか?(どっちも!)この衣装は「Ripple Effect」をイメージしてます」

その「Ripple Effect」は、可愛い女の子満載(ちなみにるなの推しはマロンちゃんだそう)のアニメ『ハイスクール・フリート』エンディング・テーマ。作詞作曲はアニソンクリエイターZAQ。「元気になれるような曲を」と話し合って作ったというこの曲を、ダンサブルなビートに合わせて歌うるな。キラキラポップなサウンドに、どこか懐かしいような、せつないメロディが良く似合う。「後半戦、まだまだ行けますか!」と叫び、そのまま怒涛のポップ・チューン祭りへと突入。超高速でぶっとばす「ラムネセカイ」、ガールズ・ダンサーと一緒にノリノリで踊る「Sweet Fantasy」、そして「SU・KI・DA・YO」と「君色シグナル」。エアリーな声質だが、いやいやどうして、ここまで来ても声量はばっちり。言葉もしっかり聴こえる。

春奈るな

本編18曲目、ラスト曲は「Overfly」。見た目以上に、張りつめていた気持ちがあったんだろう。2番に入ったところで、感極まって思わず声を詰まらせるるな。すかさず湧き上がる大歓声。歌い終えたるなに降り注ぐ熱い拍手と歓声。るなのファンはあったかい。共に支えあいたいという気持ちが、この日の赤坂BILTZの空気を特別なものにしている。

アンコール。今度の衣装は、純白のミニ丈ドレス。頭にちょこんと水兵帽。やっぱりカワイイ。ダンサー4人を従えて、タオルをぶんぶん振り回す「恋の戦士」に続いては、「Ripple Effect」のカップリング「Dynamic Dreamers」を本邦初披露。高速ダンスビートにメタリックなギター、Oi!Oi!コーラスが良く似合う。ライヴによく映えるアッパーな1曲がまた増えた。

「今日はみなさんの楽しそうな笑顔、声を聞けて、幸せな時間を過ごせました。これからもみなさんに勇気、元気を届けられるように、5年目も走っていきたいと思います」

この日21曲目、幸せな時間の最後を飾ったのは「Startear」だった。『ソードアート・オンラインⅡ』エンディング・テーマ、自ら作詞を手掛けたせつなくもドラマチックな1曲。輝く未来を待ってる。ずっと信じ続ける。ひとつひとつの言葉に思いをこめて歌うるな。最後まで、柔らかい中に芯の強さを秘めた、マジカルなエアリー・ボイスの魅力は不変だった。

春奈るな

次のワンマンは、11月12日、ラフォーレミュージアム原宿にて。「また絶対に会いましょう!」と呼びかけるるなに、「もちろん!」という返事の代わりに振られるサイリウムと大歓声。新曲が増えるたび、ライヴを重ねるたび、るなの世界は広がり続ける。春過ぎて、夏来にけらし春奈るな。春から夏へ、そして秋のワンマンへ。加速度を増して走り続ける、春奈るなへの期待が止まらない。

レポート・文=宮本英夫
 

セットリスト
「春奈るな LIVE 2016 "Ripple Effect"」 2016年5月4日 赤坂BLITZ

01. アイヲウタエ 
02. 微熱の月 
03. 狂想リフレイン 
04. DESSERT 
05. さよならモラトリアム
06. 空は高く風は歌う 
07. 祈り~Pianoバラード~
08. 夜の虹を越えて
09. 君がくれた世界 
10. I WANNA 電磁的 DO 
11. 青春プリンセス 
12. みんな絶対キミが好き 
13. Ripple Effect
14. ラムネセカイ 
15. Sweet Fantasy
16. SU・KI・DA・YO 
17. 君色シグナル
18. Overfly 

<ENCORE>

19. 恋の戦士
20. Dynamic Dreamers
21. Startear

 

製品情報
Ripple Effect

TVアニメ「ハイスクール・フリート」エンディングテーマ2016.5.25 Release!

【初回生産限定盤】CD+DVD / SECL1905-6 / \1,481+税/ オリジナルフォトカード A 封入

【通常盤】CD / SECL1907 / \1,204+税 / オリジナルフォトカードB封入

【期間生産限定盤(アニメ盤)】CD+DVD / SECL1908-9 / \1,389+税 / オリジナルフォトカードC封入 / 書き下ろしイラストデジパック仕様