圧倒的なステージングとMCのコントラスト! ”ゲーム実況者わくわくバンド” 追加公演レポート
ゲーム実況者わくわくバンド
ゲーム実況者わくわくバンド 4thコンサート~新装開店わくわく~ 追加公演 2016.05.21(Sat) 渋谷CLUB QUATTRO
いろんなゲーム実況者が集まって結成したバンド、それがゲーム実況者わくわくバンド(以下わくわくバンド)である。シンガーとしても活躍するボーカルギターの湯毛、リードギターのヒラノ課長、ベースのフジ、ドラムのフルコン、そして絵師でありメインコンポーザーでもあるキーボード(時にマラカス)のせらみかるの5名によって結成されていたのだが、2015年4月に解散した。その後12月に突発的に再合流した5名は、4月に渋谷のduo MUSIC EXCHANGE公演をもって再結成を果たした。今回お伝えする渋谷CLUB QUATTRO公演は、再結成の追加公演という形で開催されたもの。その熱狂の一夜をお伝えしていこう。
17時半の開場を待つファンの行列は渋谷センター街付近に長蛇の列をなし、その95%は女性と圧倒的なファン人気を物語っていた。開場されると皆行儀よく開場に入りつつも、ベストポジションを確保すべく前へ前へと詰めていく。800人キャパシティのQUATTROがあっという間にファンで埋め尽くされてしまった。
開演の10分ほど前になると、前説に二宮係長が登場。諸注意を促した後、場内が暗転すると登場SEが流れてきてそこに合わせるようにバンドメンバーが入りつつ合わせて曲を演奏していく演出で幕を開けた。そして1曲めから「わくわくマイライフ」でスタートし、会場のボルテージは一気に最高潮に達した。
フロアをふくらませるかのような場内の熱気!
カヴァー曲にもこだわりのある彼らが2曲めに持ってきたのが、「夢見る少女じゃいられない」。女性ボーカル曲をも自分の持ち歌のように歌いこなす湯毛の実力がここでも発揮された。また90年代の音楽に強い影響を受けていると思われるバンドのカラーが見えたのも楽しかった。
2曲演奏の後、MCを挟んでゲーム実況へ。ここで用意されたのが日本ではまだ未発売のタイトル『Push Me Pull You』。このタイトルは2人がタッグを組んで1つのキャラを伸縮させ、ステージ上にあるボールをコントロールするのだが、そのキモさ+可愛さに場内からは悲鳴が上がっていた。
ゲーム実況者らしさを十分に発揮。
最初はキモさだけが目立っていたが、メンバーと観客が戦略を理解するとだんだん熱狂的な応援に変わり、場内は大盛り上がり。ゲーム実況者が集うだけあって口数多くプレイしているのだが白熱しすぎて喉をやられてしまうのではないかという情況だった。途中でチームを変えたりしながら楽しく進み、ゲーム実況は終了。メンバーは舞台に戻ってライブの続きに取り掛かる。
「LOVEマシーン」「はなまるぴっぴはよいこだけ」と観客の掛け声が盛り上がるナンバーが続くが、観客の合いの手は完璧、自然とボルテージが上がっていく。ここでMCを挟んで、わくわくバンドのオリジナル新曲2曲を披露する。どちらもオーソドックスなロックナンバーでありながら、わくわくバンドの、さらにはせらみかるのカラーを色濃く見せる仕上がりとなっていた。観客の反応も上々で、音源化してほしいという声がたくさん上がったため、湯毛が「秋口には……? 相談します!」と打ち合わせ無しの回答を舞台上から発表していた。1リスナーとしても、ぜひアルバムは出してほしいところだ。
長めのMCと曲を交互に絡め、洗練されつつも温かいファンに支えられながらステージが進んでいき、「フライングゲット」で一度フィニッシュ。もちろんアンコールの大合唱に包まれたが、出てきたのは湯毛ひとり。他のメンバーが出てこないためか、即興で弾き語りを1曲披露し、観客は万雷の拍手。その後メンバーも出てきたのだが、キーボードのせらみかるがドラムに座ってドラムソロを披露したりと何やらおかしな雰囲気に。フルコンが出てこない……? と思ったら、ここでスペシャルゲストの広瀬フル子が登場、「ロマンスの神様」を披露する女装パフォーマンスで会場のハートを掴む。笑いに包まれたあとはバラードである「夜よ明けないで」で会場を引き締め、名残惜しい観客たちの力を振り絞らせるようなナンバー「わくわくマイライフ」でフィニッシュとなった。
なおライブ中に、わくわくバンドの5thコンサートツアーが発表された。9・4渋谷、9.18札幌、9.23大阪と三箇所を周るツアーになるとのこと。またゲーム実況わくわくフェスティバル ver.3でライブを行うこともあらためて発表された。こちらは8月6日、7日の2デイズでゲーム実況者が多数集まってのイベントになる模様。詳しくは6月18日に放送されるニコニコ生放送の番組をチェックしよう。
彼らのライブは初めてだったのだが、湯毛の力強いボーカル、リズム隊の安定感、ギターとシンセの彩りとバンドの完成度が非常に高いと感じた。特に湯毛のボーカルはプロでなければおかしいレベルだ。圧倒的な支配力を持ったボーカルがフロアをコントロールし、ファンを煽りたてていく様は見事の一言。MCの随所に笑いをはさみ、テンションを調整しながらライブを進めていく手腕も舞台慣れを感じさせて、安心してみていることができた。実力的にももっと上のハコを目指せるバンドだと思うので、個人的にも注目していきたい。
ボーカルギター・湯毛
リードギター・ヒラノ課長
ベース・フジ
ドラム・フルコン
キーボード・せらみかる
1:わくわくマイライフ
2:夢見る少女じゃいられない
3:LOVEマシーン
4:はなまるぴっぴはよいこだけ
5:時の妖花(オリジナル新曲)
6:完全幸福サレンダー(オリジナル新曲)
7:アジアの純真
8:僕ガ壊レル前ニ
9:今日くらい
10:フライングゲット
ENCORE
En1:ロマンスの神様
En2:夜よ明けないで
En3:わくわくマイライフ