VIVA LA ROCK 2016の前夜祭『FREE VIVA!』にオフィス街が湧いた

2016年5月27日（金）、『VIVA LA ROCK 2016』の前夜祭イベント『FREE VIVA!』が、さいたまスーパーアリーナ前のけやき広場にて行われた。すでにフェス飯の店舗も出店済み、さらに屋外のライヴ会場となるGARDEN STAGEも設営済みで、前夜祭とは言いつつも十分にフェス気分を味わえる空間が出来上がっていた。

ライヴアクトとして会場を盛り上げたのは、ザ・チャレンジとCreepy Nuts。『VIVA LA ROCK 2016』全体を通しての火蓋を切った格好となったザ・チャレンジは、リハーサルから全開。タイトなロックサウンドとフェスには欠かせないパーティー要素で客席を巻き込み、ロック好きが集まったことへの喜びとビバラ愛を声高に叫んでいた。続けて登場したCreepy NutsはDJプレイとラップというHIP-HOPスタイルのパフォーマンスながらも、ディープなサウンドや攻撃性、ダンサブルなノリなど多彩な引き出しでより多くの観衆を集めていった。

この前夜祭はその名の通り無料イベントとなっていたため、ビバラ参加者やロックファン以外の観客も自由に観覧可能。時間帯も18:00～と、オフィス街でもあるさいたま新都心に勤務するサラリーマンやOLも仕事帰りにフラッと立ち寄って、フェス飯とビールを飲みながらちょっと観てみようか、という層にも実に魅力的なイベントとなっていた。ライトな音楽ファンにとって、日常の空間で音楽フェスを体験できるのはとても貴重。大げさかもしれないが、音楽業界の裾野を広げる役割を果たしているとも言えるだろう。

ビバラ参加者も通りがかりの人も等しく盛り上がれたのが後半の2アクト、DJやついいちろうと鹿野淳氏によるDJプレイだろう。星野源やBUMP OF CHICKENなどロックファンならずとも耳にしている楽曲から、キュウソネコカミやthe telephonesなど数多のロックフェスを熱くさせてきたキラーチューン、さらには西野カナやドリカムなどのJ-POPまで。問答無用にフィジカルな高揚を与える4つ打ちのリズムに乗って次々とプレイされる楽曲と、効果的にオーディエンスを盛り上げる煽りでけやき広場はいつの間にかダンスフロアと化していた。

翌日からの本番2日間を控え、ウォーミングアップというにはあまりにも贅沢な前夜祭。埼玉県出身・在住の筆者は、フェスはおろかライヴ会場すら決して多くない我が県でこれほど魅力的な音楽イベントが開催されている幸せと、本番への期待を噛み締めながら帰途に着いた。

撮影・レポート・文＝風間大洋

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