『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート ぼくのりりっくのぼうよみ
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ぼくのりりっくのぼうよみ
『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.29 さいたまスーパーアリーナ
CAVE STAGE ぼくのりりっくのぼうよみ
ぎっしりと埋まったCAVE STAGEは、開演前からざわめいていた。
彼を一目見たい、その音楽に生で触れたいという期待が渦巻いていた。何しろフェス初出演だ。ライブ自体、まだ数えるほどしかない。たった一枚のアルバム『hollow world』で大きな評価を巻き起こした18歳、ぼくのりりっくのぼうよみ。彼のVIVA LA ROCKへの初登場は、その天才性をありありと証明するものになった。
ぼくのりりっくのぼうよみ
ステージは、DJとキーボーディストをサポートに従えた編成。登場すると、まずはピアノだけをバックに“Black Bird”を歌う。シンプルなフレーズと声だけであっという間に場の空気を掴む。マイク一本で、息を呑むような空気を作り上げる。
ぼくのりりっくのぼうよみ
「フェス初めてで緊張してるんですけど、頑張ります」と告げると、アッパーなビートの“A prisoner in the glasses”から“sub / objective”へ。電子音のビートに生演奏のピアノが重なり、そこに歌とラップを自在に行き来するような彼の声が響きわたる。大きな歓声が巻き起こる。たぶん、その場に集まったオーディエンスのほとんどにとっても初めて観る類のスタイルだろう。けれど、彼の音楽は、ジャンルの区別を無効化するような力を持っている。
ぼくのりりっくのぼうよみ
“Collapse”から“CITI”とビートの強い曲を続けてフロアの温度を上げると、MCでは飄々とした調子で「めっちゃ疲れた~」と笑みを見せる。聴き手を引き込む歌声との対比も印象的だ。
が、何より鮮烈だったのは、続いて披露した新曲だった。これもピアノ一本をバックにしたバラード。色褪せていく感覚をモチーフに、巨大な喪失感を描き出すリリックを、絞り出すような声で歌い上げる。
ぼくのりりっくのぼうよみ
そして、ラストは“Sunrise (re-build)”。ぼくのりりっくのぼうよみの初のフェス出演は、彼の真価と、はやくも次のステージに向かいつつあるその進化を如実に示すものだった。終演後のCAVE STAGEにも「凄いものをみた」というどよめきのような残響が残っていた。
撮影=Viola Kam (V'z Twinkle) レポート・文=柴那典
CAVE STAGE ぼくのりりっくのぼうよみ
2. Black Bird
3. A prisoner in the glasses
4. sub / objective
5. Collapse
6. CITI
7. 新曲
8. Sunrise (re-build)