『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート lovefilm
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『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.28 さいたまスーパーアリーナ
GARDEN STAGE lovefilm
GARDEN STAGE初日のラストステージという舞台を見事に締め括ったのは、多くのロックファンが注視する「新人バンド」lovefilm! the telephonesの活動休止後に石毛輝と岡本伸明が結成したバンドであり、なおか
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つ音源が未発表とあって、その注目度の高さから開演前から多くのお客さんが駆けつけた。まだライヴも数える程度しかこなしていないこの初々しいロックバンドのプレイに、そこに居合わせた多くの者が瞬時に射抜かれただろう。そこで鳴っていたのは、まるで今日初めて楽器を手にし音を鳴らしたかのような、あまりに鮮烈なピュアネスだったからだ。
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曲名もアナウンスされずに次々に連投されていったのは、これぞギターポップ!というべき珠玉のメロディが滴る楽曲群。80~90年代までのイギリスのギターロックやシューゲイザーを彷彿するものもあるし、ガレージロック・リヴァイバルを通過した2010年代のロックンロールを体現するものもある。澄んだ声を響かせる江夏詩織と石毛による男女ツインヴォーカル、技術よりも情動を伝えるような4人の演奏――そのすべてが瑞々しい「青春感」に拍車をかけていく。あまりに蒼い4人が放出する熱気は、自ずとその場にいるオーディエンスの拳とヴォルテージを上げていくような、ロックフェスの原風景そのものの景色を生み出していたように感じた。
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「VIVA LA ROCK初めまして――いや、初めましてだけど……ただいま埼玉! こんな新人バンドを呼んでくれた主催者チームにも感謝しています」(石毛)とだけ告げ、昨日33度目の誕生日を迎えた岡本を祝いつつも、メンバー紹介も含めほとんど簡素に終え即曲へ移行。「もう時間もないから、曲で示すよ」という言葉だけと共に掻き鳴らされたギターのストロークとその姿勢は、「音楽だけですべてを語ろう」という気概と、「今それ以上に望むものなんてないでしょ?」っていう彼らからの金言となって夜の闇に響き渡っていく。
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どうしても鳴らさないといけない、どうしても歌わずにはいられない。そういった類の、あまりに無垢な愛と衝動を無心でかき鳴らした、ロックンロールが持ちうるすべてがぎゅうぎゅうに詰まった至高の40分が、初日のGARDEN STAGEに最高のフィナーレをもたらした。
撮影=Viola Kam (V'z Twinkle) レポート・文=黒田隆太朗
GARDEN STAGE lovefilm
2.Goodbye, Goodnight Kiss
3.Holy Wonder
4.Vomit
5.Honey Bee
6.Don’t Cry
7.Hours