吉野圭吾が夏休みミュージカル『ピーターパン』のフック船長に初挑戦!

インタビュー
2016.6.9
『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾(撮影/石橋法子)

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾(撮影/石橋法子)


今年で36年目に突入する、夏のファンタジーミュージカル『ピーターパン』が東京と大阪で上演される。9代目ピーターパンとして4年目の夏を迎える唯月ふうかと共に作品を盛り上げるのが、海賊らを率いるフック船長だ。2016年は吉野圭吾がフック船長に初挑戦する。吉野といえば一癖あるキャラクターに定評があり、とりわけヒール役がよく似合うミュージカル界の実力派。当日はミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』出演中にも関わらず、本番終わりに取材に応じてくれた。合同取材会の模様をリライトしてお届けする。

■「笑いはスパイス。新たなフック船長を作るためなら、何でもやりますよ!」

--フック船長役がぴったりとの声が、早くも聞こえてきそうです。

お話を頂いたときは「やったー!」、とうとうこの日が来たかと。歴史ある作品に出演できることを幸せに思っています。『ピーターパン』は10年以上前に一度観たきりなのですが、フック船長がとても芸達者な方でコミカルに演じられていたので、いつか僕もこういう役を演じてみたいと思っていました。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

--演出は『CLUB SEVEN』などで共演経験のある玉野和紀さんです。歌、ダンス、芝居、笑いと”四拍子”揃った吉野さんを得て、玉野さんの腕がなりそうです。

玉野さんには「もっと、もっと!」と多分言われると思うので、歌って踊ってギャグなんかも言ったりして、できることは何でもやりたい。例えば、左手のフックをロープに引っ掻てザーッと降りてきたり、できないのかなとか。歴代のフック船長のキャラクターにとらわれることなく、自分からも意見をバンバン言って、新たなフック船長ができれば。

--ダンスシーンにも期待ができる?

ダンスといっても、はい!ここから、歌です、ダンスですと分けるのではなく、あくまでもお話の一部としての踊りでありたい。気持ちの延長だから「歌っちゃう~♪」「こんな振付ができちゃう~♪」というのが、ミュージカルの楽しさだと思います。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

--過去にはユニークな動きで笑いを誘うフック船長もいました。

子供って見た目の動きにも反応するので、そこは今回も素直にやるんでしょうね。

--吉野さんにとって、演じる上での笑いとは?

笑いはスパイスですね。その役柄を背負ったうえで、そのシーンでこんなちょっとした笑いが必要では、と計画的にやっています。結構アドリブには弱いんですよ。稽古場からちゃんと練って試したものを舞台の上に持っていくことが多い。公演期間の長い作品だと、「こんなことも笑ってもらえるんだ」とお客様から教えて頂くことも多いですね。

ーーフック船長の場合は、客席から「あっちいってー!」と敵意むき出しの声が上がることも。
心を強く持たないと、台詞が分からなくなりそうで怖いですね(笑)。でも、そう言われないと、正解じゃないんでしょうね。役者も観客もみんなが子供として一緒に遊べているときにその言葉が出るので。そんな声が聞こえてきたら、「よし、仲間に入れてもらえた!」ってことだと思います。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

--本作ではフック船長に加え、ウェンディたち3姉弟の父親ダーリング役も担われます。

一昨日に台本を初めて読んだのですが、ダーリングの口癖に「静かにしなさい、すこし静かに」という台詞があって、それがフック船長の台詞にもあるんです。そこをどう解釈するか、これから考えていきたい。同じ台詞があるので、同じひとりの人間なのか…難しいところですよね。物語が夢の中の話ではなく、本当に子供たちがネバーランドへ行って帰ってきたという設定なので。そこを踏まえて役作りしていきたいなと、楽しみにしています。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

■「『1789』の怖いメイクでも、子役たちが一緒に遊ぼうと寄ってくる(笑)」

--作品にちなんで、吉野さんが持つ子供心とは。小さいころから続けていることなどありますか。

何でしょう、でも子供と遊ぶのは好きですね。僕の実家は昔保育園だったんですよ。その中で育ってきたので子供たちとお絵描きしたり、お兄ちゃん的立場で遊ぶ機会も多かった。今ミュージカル『1789』で変態キャラのアルトワ伯を演じていますが(笑)、メイクもわりと怖くて、稽古場でも他を寄せ付けないオーラを放っていたつもり。それなのに、子役たちが一緒に遊ぼうと寄ってくる。僕の固い心の扉をコンコンと叩いてくるんですよ。僕の中に子供たちを寄せ付ける、何かがあるんじゃないかな(笑)。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

--フック船長やアルトワ伯など一癖あるユニークな役柄に定評があります。いつも役作りはご自身との共通点を見いだすところから始めるのですか?

そこはあまり思いません。台本を読んで考えるのは、キャラクターが作品の中で果たす役割について。フック船長なら、『ピーターパン』という作品の中でどんな役割を求められているのか、そこを追求しようと思うのがスタートです。例えば、僕の時代の戦隊ヒーロー「ゴレンジャー」にも、赤・青・ピンク・緑・黄色とそれぞれに役割があった。それで言うと今回はどのキャラクターだろうとか、「ドラえもん」に例えるなら誰だろうとか、考えたりしますね。フック船長は役割としては悪役ですが、でも寂しがり屋な気がします。結局、ネバーランドの住人は、大人の格好をしたフック船長ですら子供で、みんなお母さんがいないんですもんね。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

--劇中には、「みんな妖精はいるって信じてくれる?」というピーターパンからの問いかけがありますが、吉野さん自身はどう思われますか。

妖精はいると信じます。日本では万物に神様が宿っていると言われますが、僕も舞台の神様や、特に使うことの多い小道具の神様に祈ることが多いです。今回なら剣、トランプ、宝石など。小道具に祈って大切に扱わないと、その神様に裏切られると思います。ちゃんと祈っていても裏切られることがよくあるので。小道具が壊れたり、台詞が出てこなかったり…。そんなときは「舞台の神様なぜですか、なぜ裏切ったのですかー!!!」と舞台裏でひとりでやっています(笑)。

--(笑)。仮に役柄を選べるとして、ヒーローと悪役、どちらを選びますか。

悪役ですね。ヒーローの顔でもないし、キャラじゃない。ほかにも動物とか妖怪とか、人間じゃないものを演じてみたい。次に出演するミュージカル『バイオハザード』では? ゾンビ役とかやってみたいですが、どうなんでしょう。「アウアウア~♪」と言葉にならない歌詞で歌ってみたい(笑)。

--先日、9代目ピーターパンの唯月ふうかさんにインタビューした際、吉野さんとは初共演だが「スタッフさんから面白い方だと伺ったので、楽しみです」と仰っていました。

そうですか(笑)、ふうかさんも面白い方なのかな? あ、若いのに真面目でちゃんとされた方だと。それは頼りになりますね、おんぶにだっこで全部お任せするかも(笑)。ピーターパンを活かすためにも、フック船長がしっかり悪役でないといけないと思います。ふうかさんとちゃんとお芝居をして戦いを楽しむことで、観に来てくださる方にも喜んで貰えるんじゃないかな。

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

『ピーターパン』フック船長役の吉野圭吾

 
公演情報
ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』
 
■原作:ジェームズ・M・バリ

■演出・振付・上演台本:玉野和紀
■出演:唯月ふうか、吉野圭吾、入来茉里・片山陽加(東京公演のみ)、舞羽美海 ほか

■作詞:キャロリン・リー
■作曲:ムース・チャーラップ

 
<東京公演>
◎一般発売:2016年3月26日(土)
■2016年7月24日(日)~8月3日(水)
■東京国際フォーラム ホールC

 
<大阪公演>
◎一般発売:2016年5月7日(土)
■2016年8月17日(水)
■梅田芸術劇場メインホール

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