『ブロードウェイ・ミュージカルライブ』悠未ひろにインタビュー ~ 自分の引き出しにないことをどんどんやっていきたい~
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悠未ひろ
6月14、15日(火、水)にEXシアター六本木にて開催される『ブロードウェイ・ミュージカルライブ』。今年は「トニー賞vsアカデミー賞」というテーマで舞台・映画の有名ナンバーを魅力的なキャストが授賞式さながらに次々と歌い上げていくゴージャスなステージになるという。そこで、出演者の一人、元宝塚歌劇団・宙組男役スターの悠未ひろに話を聞いてきた。
――まずは「ブロードウェイ・ミュージカルライブ」に出演が決まるまでのいきさつを教えてください。
悠未: 昨年の「ブロードウェイ・ミュージカルライブ」に出演させていただいたときに、自分がやりたかったことをやらせていただきました。お芝居に出ることはありましたが、「ショー」というのがなかなかなかったので、大好きなナンバーを生オケで歌わせていただいたときに、自分の中で眠っていた何かが目覚めたように思います。「最高の経験をありがとうございます!」って言ってたんですよ、当時。それで今年も出演させていただけるという話を聞いて飛び上がって喜びました。
――今回ソロで歌われる2曲がありますが、どのように決まったんですか?
悠未: 自分で歌いたい、と選んだのは「蜘蛛女のキス」です。この曲は宝塚歌劇団の試験曲の一つでもあるんです。宝塚で舞台化はされていませんが、なじみもあるし男役経験が活かせるんじゃないかなと思う曲です。
「Diamonds are a Girl’s Best Friend」(「ムーラン・ルージュ」より)は、「この曲、歌ってみませんか?」とご紹介いただいた曲なのですが、この曲自体も宝塚のショーでなじみのある曲であり…私、宝塚ヲタクなので!(笑)もちろん映画も観ていましたし、ニコール・キッドマンさんのあの感じもすごく素敵。昨年のショーでは「バーレスク」を歌わせていただいたので、それとは違う色を出したいと思っています。
日野真一郎さんとのデュエット「Somewhere」(『ウエスト・サイド物語』より)。今まであまり男性とデュエットする機会ってなかったんです。先日初めてライブで男性にハモっていただいたくらいで。今回は「男と女」ではなく、二人で「Somewhere」の世界を作れたらな、と思います。
悠未ひろ
――今回の出演者で、一度共演してみたかった、という方はいらっしゃいますか?
悠未: 下村青(下村尊則)さん。昔、劇団四季を観に行ったんです。仲良しの先輩が下村さんの大ファンでそれにくっついて。だから今回「共演することになっちゃいました!」って先輩に伝えました(笑)
※スタッフ情報:下村さんは映画『タイタニック』から「My Heart Will Go on」を歌いますが、衣装や照明など、演出の部分にも自らこだわって準備されているとのこと。本番をお楽しみに!
――下村さんの演出も気になるところですが、演出について、悠未さんご自身のこだわりは?
悠未: 今回は振付・ステージングの新海(絵理子)さんにおまかせです。私が考えることもできると思いますが、宝塚でのイメージはいっぱい思い浮かぶのですが、せっかく外に出たので、自分の引き出しにないことでもやっていきたい、どんどん広げていきたいと思ったので、おまかせすることにしました。
――トニー賞やアカデミー賞の授賞式、最近はTVでも放送されるようになりましたが、昔からチェックされていましたか?
悠未: はい、授賞式は海外のすばらしい俳優さん、女優さんがいっぱい集まって、式典の様子やドレスも素敵ですし。その様子すべてに憧れますね。
悠未ひろ
――これまでの受賞作で「これは好き!」というものはありますか?
悠未: トニー賞作品なら『グランドホテル』ですね。この作品は宝塚でもやっていて(1993年・月組)、学生の頃、その舞台を観たんです。決して宝塚っぽくない内容なんですが、観たときに稲妻に撃たれたような衝撃で、席から立ち上がれなくなった感覚を覚えています。先日久しぶりに上演されたのを拝見しましたが「やっぱり、この世界観、好き!」って。いろいろなミュージカルがありますが、あそこまで音楽の絡み合いも物語も繊細で素晴らしい作品は他にない。クラシカルな重厚さも好きですね。
映画といえば、宝塚のときに何か映画作品を舞台で、となった場合、参考のためにいろいろなDVDを借りてきていっぱい観ていました。最近観た映画は『ズートピア』と『リリーのすべて」。『リリーのすべて』はもう何も言えませんね。エディ・レッドメインが素敵すぎて! イギリスの役者さんって、役そのものが乗り移っているような演技で。映画の作り方や演じ方も素晴らしくて。かなわないなぁと思いつつ毎回刺激を受けます。
――ちなみに、いつか自分が出演してみたい作品ってありますか?
悠未: ミュージカルの中で自分ができる役があれば。私は女性としてはなかなか特殊なキャラクターなので、かみあう役があればやりたいですね。でも『グランドホテル』はどの役でも出たいです!できればフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵の役をやりたいんですけど(笑)
――本番に向けて、心や体の準備に気を使われる時期かと思いますが、今の心境は?
悠未: いつも思うんですが、孤独ですね。自分との闘いというか、自分と向き合う時期というか。考えれば考えるほど責任も感じますので。でも前回は、共演者がそれぞれの持ち味や個性を楽しんで表現していて凄い空間だったので、私も自分が持っているものを表現して、楽しんで、それをお客様にお見せできたらいいなと思います。萎縮するのではなくのびのびと表現したいです。
悠未ひろ
(おまけ話)
インタビューのときに利用した某レストランにて。我々の担当をした2m近くありそうな長身の外国人ウェイターが、悠未さんと2ショットを撮りたいとお願いしてきたところ、快く応じる悠未さん。人との壁を作らないとてもフレンドリーで素敵な方でした!
悠未 ひろ (ゆうみ ひろ)
1997年宝塚歌劇団「仮面のロマネスク」にて初舞台。「銀河英雄伝説」オーベルシュタイン役、「逆転裁判3」エッジワース役主演、「Heroe」ディナーショー主演、2013年「風と共に去りぬ」アシュレ役にて宝塚歌劇団 退団。退団後は「日経チャリティーコンサート」主演、「-義経秘伝-第二章」平教経役、「悠未ひろXmasディナーショー」、「NARUTO-ナルト-」大蛇丸役「BROADWAY MUSICAL LIVE 2015」等、舞台を中心に活躍。ホンダCM「Nシリーズ就職篇」にて歌唱。
(取材・撮影・文:こむらさき)
conceptversion vol.1 トニー賞vsアカデミー賞
■会場:EXシアター六本木
■構成・演出:時枝正俊
■振付・ステージング:新海絵理子
■音楽監督:宮﨑誠
■出演:上原理生 佐渡寧子 下村青 樹里咲穂 剣幸 中河内雅貴 沼尾みゆき 日野真一郎 平方元基 悠未ひろ/洞至 PORI SARO/吉原光夫(MC)
■公式サイト:http://www.bw-ml.jp