告井延隆らソロギタリストたちが能楽堂で生音演奏会

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2016.6.14
ソロ・ギタリスト in 梅若能楽堂学院会館 フィンガーピッキング「出音一番勝負第二幕」

ソロ・ギタリスト in 梅若能楽堂学院会館 フィンガーピッキング「出音一番勝負第二幕」

類稀なる才能と卓越した技法を誇る、ソロとして活躍するギタリストたちの活動を支持しようと立ち上がったレーベル「SOLO GUITAR RECORDS」。昨年は、独特の色を放つ10人のギタリストを選出、それぞれに個性を際立たせた手法を持って、ビートルズの楽曲をカバーしたオムニバスアルバム『While Solo Guitar Beatly Weeps』を制作した。参加した益田洋、南澤大介、浜田隆史、yuta tanaka、城直樹、谷本光、土門秀明、告井延隆、AKI、垂石雅俊という面々は、国内外で活動する一流ギタリストたち。多くの人たちに親しみのある名曲を、銘々は様々な技法と卓越した表現を用いながらも、聴きやすい作品として昇華していた。

そして、その作品のリリースを後押しする形で昨年、東京・東中野にある能楽堂「梅若能楽堂学院会館」で、アルバムに参加したギタリストたちを集めたイベントライヴが行われた。
 
能楽堂を舞台に、音響機材を一切用いることなく、すべてが舞台上から鳴り響く音色、舞台下の「かめ」に演奏した音が共鳴し、能楽堂自体を鳴り響かせてゆく、優しくもふくよかさを増した演奏を楽しむことに主眼を於いて実施。相応の広さの会場にも関わらず、客席後方まで小さな音の振幅までもしっかり伝わることから、演者それぞれの細かな音色の揺れ(ゆらぎ)まで楽しめれば、まろやかな演奏の数々に終始心地好さも覚えていた。余談だが、この会場は、座る場所によっても微妙に鳴りが異なって聴こえるように、何処に座って演奏を楽しむかも聴くうえでの楽しみになっていた。

その梅若能楽堂学院会館に於ける公演の評判が大変良く、「再演を」という声が多く寄せられていた。その声に応える形で、9月3日(土)同じく梅若能楽堂学院会館を舞台に、ソロギタリストたちを集めたコンサートを開催することになった。タイトルへ記したのが『フィンガーピッキング 出音一番勝負第二幕』。

フィンガーピッキング、いわゆる“指弾き”というスタイルは、生ギターを楽器に選んだギタリストたちにとっては日常としてあるべき奏法。能楽堂という小屋だからこそ、それぞれの指が鳴らす最初の音が、観客たちの心をどれだけ惹きつけ、その日の演奏の善し悪しを左右するのかにも関わってゆく。それを競いあうのは、聴き手にとってはわくわくする楽しさであり、奏者側にとっては途轍もなく緊張を強いられることになる。まさに“勝負”という言葉が相応しいギタリストたちの共演を、この日は楽しめそうだ。

そのイベントに参加するのは、AKI、垂石雅俊、告井延隆、土門秀明、益田洋、南澤大介という面々(追加参加もありそうとのこと)。さらに今回は、ゲストに琴の奏者である帯名久仁子を迎えて行われる。果たしてギターと琴のコラボレートも飛び出すのか、そこは当日までのお楽しみに。 

司会は昨年に続き、「つや肌美人」であり、みずからも琴を奏でる喜多川結羽が登場。彼女とギタリストたちとの口当たりまろやかな会話も、楽しんでいただけたら幸いだ。

能楽堂を舞台にしたコンサートはもちろん、CD盤を通して、今後もソロギタリストたちを支える強い意志を持って「SOLO GUITAR RECORDS」は活動を続けていく。レーベルとしての今後の展開も、楽しみにしていただきたい。

文=長澤智典

イベント情報
ソロ・ギタリスト in 梅若能楽学院会館 フィンガーピッキング「出音一番勝負第二幕」
2016年9月3日(土)梅若能楽学院会館 ( http://umewakanoh.exblog.jp/ )
開場:14:00  開演:14:30
<出演>AKI/垂石雅俊/告井延隆/土門秀明/益田洋/南澤大介
<ゲスト>帯名久仁子(琴)
<司会>喜多川結羽
>全席自由:¥4,000 


 

 

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