Crossfaith × NOISEMAKER 競い合い、リスペクトしあう両者が、ラウドシーン、海外、野望に至るまで本音でクロストーク
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Crossfaith(Koie、Kazuki)/ NOISEMAKER(AG、HIDE) 撮影=菊池貴裕
NOISEMAKERとCrossfaith。札幌のライヴ・シーンで虎視眈々と上を目指してきたバンドと、大阪から日本全国、そして一気に世界へと飛躍したバンド。年齢も出自も個性も違うが、より新しく刺激的なロックを追求する同士として共鳴しあう2バンドが、このところお互いのライブに出演しあうなど、その交流をさらに深めている。SPICEでは、NOISEMAKERからAG(Vo)とHIDE(G)、CrossfaithからKoie(Vo)とKazuki(G)を迎えた対談を企画。それぞれの出会い、ルーツ、ラウド・シーンの現状、お互いの新作、そして未来の夢まで、様々な話題についてとことん語ってもらった。
――6月25日のNOISEMAKERの大阪でのライブには、Crossfaithが。逆にCrossfaithの9月のツアーには、NOISEMAKERが。最近、この二つのバンドの共演が増えてます。
AG:まさかOKしてくれるとは思ってなかった。もうかなり大きいバンドだから、自分たちのツアーに出てくれるかな?と思ったんだけど。こんなに快く出てくれるとは。
Koie:いやいや。ローラばりの“OK”出ましたよ(笑)。確かにバンドによって、出る出ないはあると思うんですよ。でもNOISEMAKERは昔から好きだったし、尊敬する部分がたくさんあるし、単純にかっこいいと思えるバンドなんで。しかも、“もうかなり大きいバンドだから”とか言ってるわりに、心斎橋DROPという俺たちのホームタウンで戦おうと思う男気に、“じゃあ、ガチンコでやるぞ”ということですね。
――よりによって最強の敵、呼んじゃったみたいな。
AG:確かに(笑)。
Koie:でも単純に誘ってもらってうれしかった。いつもは出てもらうことが多かったんで。
――お互いのライブに呼び呼ばれ。フェスの共演も多いし。
Koie:ついこの間も一緒にやってきました。金沢のミリオンロックフェスティバル。
――そんな二つのバンドの関係は、そもそもいつごろから始まったのか。
Koie:いつやろ?
HIDE:俺は覚えてるよ。札幌のCOLONY。
Kazuki:SiMのレコ発。
HIDE:『KEEP IT LOUUUD!』じゃなかったっけ。どっちにしても、もう5年ぐらい前。
Koie:その次に覚えてるのは、大阪の『ドンギマナイト』。打ち上げでAGくんとしゃべってて、AGくんはお酒があんまり飲めないけど、正月に実家で酒を飲んで、心肺停止したという話を聞いて。
HIDE:それは言いすぎだろ(笑)。
Koie:“心肺停止したんだよねー”って言いながら飲んでるから、“おいおい! ダメです!”って(笑)。共通の知り合いのバンドも多いので、coldrainとかPTPとか、そこのツアーで一緒になったりとかは多いですね。
AG:北海道にいたから出会えたというのはあるかも。SiMしかり、Crossfaithしかり。俺らがもし東京にいたら、また違った出会い方をしてたかもしれないって、最近思うな。東京に出てきてから。
NOISEMAKER・AG 撮影=菊池貴裕
――それは人が多すぎるということ?
AG:人が多すぎるし、バンドも多すぎるし。たとえば俺らが東京にいたとして、どこでやってただろう?って考えた時に、もしかしたら出会ってなかったかもしれないなと。
Koie:それは俺らもそう。俺らがバンドを始めた頃は、そんなにいなかったですよ。SiMもcoldrainも結成したてで、会うこともなくて、ようやく会って対バンして仲良くなった。そういう意味で、俺らも大阪で活動し始めてよかったなと思うし、ノイズも北海道でやっててよかったと思う。どっちも東京で始まってたら、ひょっとしたらバンドすらやってないんちゃうかな?と思うくらい。
HIDE:そうだね。
Koie:逆に言うと、バンドをするしかなかったからバンドをやった、みたいな感じはあるんちゃうかな。東京のように選択肢が多かったら、違うほうに行ってたかもしれない。
AG:そういう意味では、地方のほうが強い感じがする。
――地方の小さいライブハウスから始まって、東京に出てきて、海外に行って。そういう成功の流れが一つありますよね。Crossfaithはそのステージをどんどん上がって、海外でもばりばり活躍してますけど、やっぱり見える景色は変わってきてますか。
Koie:根本のところは一緒ですよ。バンドがいて、見たいお客さんがいるということだから。ステージが上がっていくのは日本でも同じで、フェスで大きいバンドを見て、俺たちが目指すのはあそこやなと思ったりする、それが俺らにとっては海外だったというだけで。
Kazuki:そこに立ってみたいと思うことが、始まりだと思うんで。どこにいても、自分らの望むところに行きつくということで、一緒なのかなと思います。
――Crossfaithの場合、日本を飛び越えて一気に海外に行っちゃったイメージがあるんですよ。「え、いきなり『Warped Tour』行くんだ!」みたいな。
AG:この世代のパイオニアだと思うんですよね。
Koie:考えたら、アホやと思いますよ。
HIDE:アホなほうがいいんじゃない?
Koie:かもしれない(笑)。何も知らないほうがいいのかもしれない。
AG:俺らの世代で言うと、リンプ・ビズキット、リンキン・パークとかと一緒に『Rock am Ring』のステージに立ちたいとか、そういう夢を持ったバンドマンが周りにたくさんいて。Crossfaithはまさにその夢をかなえてるバンドだと思うので。“日本人でもできるんだ”というものを見せてくれたし。
Koie:そうなんですよ。俺たちがいなかったらね。……とか言って(笑)。
AG:今後、日本人のアーティストで、世界で戦えるバンドが増えて行けばいいなとすごく思います。自分たちも含めて。
Koie:世界で戦えるバンド、多いですよ。
Crossfaith・Koie 撮影=菊池貴裕
――あ、そう思いますか。
Koie:思いますよ。海外のバンドって、適当ですからね。な?
Kazuki:色々いますけど、思ってたのとちゃうなというギャップはありましたね。“海外のバンドはすごいんやろな”というイメージばかりがふくらんでいて、いざライヴを見ると……。
Koie:音源を作る技術だけが向上してるんですよ。
HIDE:言うねー(笑)。
Koie:でもそう思いますよ、『Warped Tour』を見てても。「このバンド何なん?」みたいなのもたくさんいる。あそこに日本のバンドを連れて行ってお客さんに見せたら、絶対驚くと思う。それは海外を見てきたからこそ思うんですけど。だから俺らも『ACROSS THE FUTURE』というイベントで、外タレと日本人を混ぜてやるということを始めて、そこにNOISEMAKERも出てもらうんですけど。世界で戦えるレベルやと思ってるからこそ、出てもらいたいと思うんですよね。
AG:うれしいな。
Koie:もう全然違いますよ。MCひとつとっても、日本人はすごい考えるんですよ。どういう間で、どういう空気感でやろうとか。『Warped Tour』に出てるバンドは、毎日同じことやってますからね。それでいいんですよ、アメリカは広いから、毎回来る奴なんておらんから。でも日本は狭いぶん、どれだけお客さんを飽きさせずにセットリストを組むか。そういう工夫は、島国やから生まれる知恵なんじゃないですか。
AG:イギリスはどうなの?
Koie:外タレは基本的にセトリを変えへん。MCも、場所場所でちょいちょい変えたりはしますけど、日本のバンドみたいに、感動するようなことはあんまり言わへんイメージがありますね。“今日は楽しんで”というぐらい。
Kazuki:お客さんのスタイルも違うと思う。MCをちゃんと聞いてない人も多いし(笑)。酒飲んでイエー!って感じだし。文化の違いやね。
Koie:あと、海外で今流行ってるビートとは全然違うビートを、日本のバンドは持ってるから。日本のメロコアのバンドって、ツービートが多いじゃないですか。海外で、そんなバンドはあんまりいないですよ。だから絶対受けると思うんですよ。暴れるのが好きな外国人のお客さんに、ツービートなんてもってこいじゃないですか。だから日本のバンドは絶対通用すると思うのが、俺の個人的な意見です。ONE OK ROCKなんて超かっこいいですよ。やってる音も、ライブもかっこいい。世界で売れるなと思いますよ。Takaの小さい体のどこからあんな声が出るんだ?って、絶対びっくりしますよ。すごいインパクトだと思う。だからNOISEMAKER、Crossfaithも頑張るぞ、ということです。
Crossfaith(Koie、Kazuki)/ NOISEMAKER(AG、HIDE) 撮影=菊池貴裕
――ここでお互いの最新作の話をしましょう。まずは5月にリリースされたNOISEMAKERのアルバム『ROAR』について。どんなアルバムですか。
HIDE:ピンク色です(笑)。ジャケットの話からすると、昨今CDが売れなくなっていて、でもモノに価値をつけるということをやりたくて。前作のシングル『Butterfly』のジャケットは鍵で、今回は鍵穴になっていて、ふたつ合わせると謎解きができて、映像が見れるようになってるんですね。CDを手に取って、俺が学生の頃にワクワクしたのを、今の子にも体験してもらいたくて。音以外のことも念入りに考えて作った作品ですね。
AG:音で言うと、みんなで合唱できるポイントがいっぱい入ってます。僕らは洋楽にヤラれたバンドなので、最近の洋楽の若手バンドも漁るんですけど、何せドキドキしないんですよ。
Koie:わかる!
AG:一個流行ったら全部同じ音になるし。だからこそ、自分たちがずっと昔から最近まで聴いてきた中で、世界中で自分たちしか鳴らせないような音を。オリジナルで、なおかつ向こうの音楽を超えてるものを、今回のアルバムに入れたつもりなんで。このテイストとこのテイストのバランスの合わせ方は、世界中に俺たちしかいないんじゃないかと思ってます。グランジ、オルタナの匂いが入っているところは、今の子が聴いたら逆に新しいんじゃないかと思うし、そこは挑戦でもあるんですけど。
Koie:スケール感が大きくなりましたよね。スタジアム・ロックになった感じがする。
HIDE:それはフェスに出るようになってから、広い空間や映像とリンクするようにして、曲を書くようになったからかもしれない。
NOISEMAKER・HIDE 撮影=菊池貴裕
AG:最近ワクワクするバンド、いる?
Koie:いないんですよ。
Kazuki:ワクワクしなさすぎて、俺の感性がにぶってるんじゃないか?とたまに思う瞬間があって。どれを聴いても一緒に聴こえるというか、こだわりをあまり感じなくなってきてるというか。一聴して“やられた!”と思うものが全然なくて。
Koie:アメリカのせいだと思うんですよ、俺は。やっぱりアメリカのバンドが、ロックの大きいムーヴメントを起こすじゃないですか。UKももちろんそうですけど、ショウビズ的なところで考えると。昔はどんどん大きいバンドを輩出していたのに、今は保守的というか、全然新しくない。でもライブを見るお客さんは減ってなくて、『Warped Tour』も毎日2万人ぐらい入るんですよ。でも一日見てても、同じバンドが10バンドぐらいおる感じに思えるぐらい、飽和してる。アメリカは流行りを増強していく国というか、ポップスの世界でも、スクリレックスが売れたら、じゃあジャスティン・ティンバーレイクにも書いてもらおうとか、全部同じ。俺から見ると、“ロック、ヤベェんじゃね?”と思ってますね。この間、ウルトラ(・ミュージック・フェスティバル)で、ペンデュラムが復活したじゃないですか。あれを見て、すごくいいなと思ったんですよ。映像でしか見てないから、ライブの良しあしはわからないけど、復活したことがすごいなと思って。ロブ・スワイヤーはやっぱりロックバンドでやりたかったんだろうなと、俺は思いましたね。ナイフ・パーティー(*活動休止中のペンデュラムのメンバーが組んだEDMユニット)がウルトラでトリをとれるらい大きくなって、メイン・ステージに立つことになった時に、“ペンデュラムでやります”と。
Kazuki:そこでバンドでやる。
Koie:おお、かっこええ!って。ウルトラで、EDMしか知らない子たちの前でロックを鳴らす。ロブはそこまで考えてたんじゃないかって、俺は勝手に考えてます。
HIDE:それだ、きっと。
――そしてCrossfaithの、7月27日リリースのニューシングル「New Age Warriors」。
Koie:1曲1曲、味の違う3曲入りです。前作のアルバム『XENO』で広げた幅をさらにもっと広げつつ、俺たちの持ってるパンチ力をぐっと押し出しつつ、新しいものを生み出したかったので。
Kazuki:いい意味で、違和感を与えたかったというか。さっき言った“ワクワクや衝撃がない”というのは、自分の中でひとつのテーマというか、課題としてあったので、そこでどうやって普通じゃないと思わせるか。だったら今までにないぐらいパンチのある曲にしようとか、へヴィなものをよりへヴィにしようとか、振り切る意識はすごくありました。
Koie:洋楽バンドにワクワクを感じないから、俺たちがやっちゃおうぜということですね。俺がリンプやスリップノットを初めて聴いた時に与えられた衝撃を、自分たちの作品でもできるように。そんな感じの作品になってます。
――「New Age Warriors」という曲があるわけじゃなく、シングルのタイトルとして存在してるのが、ひとつのメッセージだと思っていて。
Kazuki:そうですね。3曲がどれも主役というか。
Koie:そこで、自分たちの姿勢を表したいなと。俺たちや、俺たちを聴いてる人たちのことを“New Age Warriors”と言うんだぜ、ということですね。新世代の幕開けだぜと。
AG:かっけえ。
Crossfaith・Kazuki 撮影=菊池貴裕
――このあとは、9月にCrossfaith主催の『ACROSS THE FUTURE』ツアーにNOISEMAKERが参加します。その前にきっと、どこかの夏フェスでも会いますかね。
AG:この『READING FESTIVAL』(イギリス)にもくっついていきたい。見に行きたい(笑)。
――これからもいい絡みを期待してます。最後に、それぞれの今後の夢について、聞いていいですか。
AG:さっき言った、海外に進出したい夢はずっとあるし、ワールド・ツアーもしたいですけど。このアルバムを引っ提げて6月24日から始まるツアーを成功させるのが目標です。日本で言うラウド系って、みんな一緒のカタマリに見られてると思うんですよ。実は各バンド、いろんな色を出して音を鳴らしてるのに。もっと自分たちのやりたいことを、国内で伝えていきたいなというのがありますね。
Koie:バンドとしては俺たちぐらいの世代のバンドが上の世代を追い越して、自分たちのムーヴメントとを起こせたらいいと思います。個人としては、世界征服ですね。それぐらいの気持ちがないと、やってる意味ないでしょ? 世界で一番かっこいいバンドになろうと思ってやってるので。シーン的に言うのであれば、今はラウドロックが盛り上がりつつもちょっと飽きられかけてるようなところを、さらに一歩上げたいですね。自分たちがステップアップすれば、それがムーヴメントになって、若い奴らが聴く音楽も変わるだろうし、2020年の東京オリンピックで、俺たちが開会式に出られるかもしれない。
AG:おおー。いいね!
Koie:そこでやれるぐらいの気持ちで行きたいですよね。だってロンドン・オリンピックの時は、開会式でミューズがライブして、アンダーワールドがプレイして、すごいじゃないですか。このアーティストが国の代表やと言えるような、それぐらいになりたいですね。シーンとして、それぐらいの力をつけたいと思います。
撮影=菊池貴裕 インタビュー・文=宮本英夫
Crossfaith(Koie、Kazuki)/ NOISEMAKER(AG、HIDE) 撮影=菊池貴裕
2016.07.27 Release
<初回特典DVD>
“ENTER THE XENO”
~XENO WORLD TOUR 2016:JAPAN TOYOSU PIT~
M1: Xeno
M2: Raise Your Voice
M3: Paint It Black
~LIVE AT NIKKO WORLD HERITAGE VOL.1~
M4: Devil’s Party
収録曲(初回/通常共通)
M1:Rx Overdrive
M2:Kill ‘Em All
M3:Revolution
NOISEMAKER・フルアルバム『ROAR』
発売中
ROAR
<収録曲>
1. Flag
2. Mouse Trap
3. Home
4. 2nd Sun
5. Butterfly
6. Matador
7. Minority
8. Black and Red Knees
9. Point of Origin
10. One Way Letter
9/14 (水) - 柏PALOOZA
9/15 (木) - 水戸ライトハウス
9/17 (土) - 盛岡CHANGE WAVE
9/18 (日) - 郡山CLUB #9
9/19 (月・祝) - 仙台RENSA
9/22 (木・祝) - 旭川CASINO DRIVE
9/24 (土) - 帯広MEGA STONE
9/25 (日) - 札幌PENNY LANE24
9/28 (水) - 新潟LOTS
9/29 (木) - 長野CLUB JUNKBOX
10/01 (土) - 金沢EIGHT HALL
10/02 (日) - 京都MUSE
10/04 (火) - 松山W Studio RED
10/06 (木) - 熊本DRUM B.9 V1
10/07 (金) - 福岡DRUM LOGOS
10/09 (日) - 長崎DRUM Be-7
10/10 (月・祝) - 広島CLUB QUATTRO
10/12 (水) - 米子laughs
10/13 (木) - 岡山YEBISU YA PRO
10/15 (土) - 神戸太陽と虎
10/16 (日) - 静岡 SOUND SHOWER ark
10/18 (火) - さいたま新都心 HEAVEN'S ROCK VJ-3
10/19 (水) - 横浜F.A.D YOKOHAMA
10/22 (土) - 高知X-pt
10/23 (日) - 高松OLIVE HALL
10/25 (火) - 堺東Goith
10/29 (土) - 沖縄桜坂セントラル
NOISEMAKER“ROAR TOUR 2016”
出演:NOISEMAKER / NAMBA69
出演:NOISEMAKER / Crossfaith
出演:NOISEMAKER / ヒステリックパニック
出演:NOISEMAKER / and more.
出演:NOISEMAKER / KNOCK OUT MONKEY
出演:NOISEMAKER / The BONEZ
出演:NOISEMAKER / and more.
出演:NOISEMAKER / Hello Sleepwalkers
出演:NOISEMAKER / Hello Sleepwalkers
出演:NOISEMAKER ※ワンマン公演
出演:NOISEMAKER ※ワンマン公演